【連続長編空想科学冒険活劇小説・時空警察官怪獣島遭難記】【第1章パルの冒険編】 作:シン・ホシノヒロミツ
襟巻き恐竜ジラース
友好珍獣ピグモン
巨大魚怪獣ムルチ
大群獣ネズラ
怪鳥大コンドル登場
今回も過激な描写がありますので閲覧注意です♨
パルがテリジラスに襲われそうになったその時、湖から飛沫を上げて突如、大型獣脚類に酷似した巨大生物が姿を現した。
湖から出現した巨大生物は3列に並んだ鋭く大きな背鰭を背負い首周りに萎んだエラを付け、全身黄緑と黄色の模様をしている。
巨大生物はテリジラスを睨み付け、唸り声を鳴らしながら威嚇をしている。
テリジラスは巨大生物に対し両手の鈎爪を差し出し戦闘態勢に入っている。
「ギャアァァンギュルルルルングォォォォンッ!!」
そのテリジラスの仕草を見た巨大生物は、首周りの蛇の目模様の襟巻き状のエラを広げ甲高い声で咆哮を上げて興奮している。
パルはその隙を見てその場から逃げ出す様泳ぎ出した。
テリジラスと巨大生物はどっちが先に先制攻撃をするか両者睨み合いながら間を取っている。
『『ギギャ゙ア゙ァ゙ァ゙ン゙ギュ゙ル゙ル゙ィ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ン゙ッ゙!!』』』
「「ギャアァァンギュルルルルングォォォォンッ!!」」
テリジラス巨大生物が互いに咆哮を上げると両者走り出し向かい出す、パルは両者が走り出した時に発生した波に飲み込まれ流されてしまう。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
悲鳴を上げて波に流されてしまうパル、だがそのお陰で二大怪獣から距離を離すことが出来た。
「あぁ酷い目に遭った…、何なんだあいつは…こんな巨大な獣脚類なんて見た事が無いよ…。」
パルはそう呟くとタイムシーバーから風船の様な物を取り出すと口に付け空気を入れ始める、息を入れて膨らませると大きなイカダの様なボートが膨れ水面に浮かぶ。
パルは浮かんだボートの上に乗るとまたタイムシーバーに手を翳し植物の葉の様な物を扇ぎ始める、
植物の葉の様な物を扇ぐと突風が起こり、更に二大怪獣から距離が遠ざかっていく。
「ふぅ…こんな事があろうかと風船イカダ3Lサイズとバショー扇を持っていて良かった…後はイカダの付属品の棒を付けて帆を張ってと…。」
風船イカダを組み立てバショー扇を扇ぐとパッドの電源を立ち上げ、獣脚類型の巨大生物へカメラを向けて撮影し、画像検索をし始める。
「えっと何々…」
パッドの生物図鑑の検索結果が出るとパルは怪獣の解説文に目を通す
「襟巻き恐竜ジラース…全高45m全長84m正式名称【フリルドサウルス・レクサルス】、脚の筋肉が非常に発達している為脚力が非常に強く、縄張りを荒らした者には容赦ない程非常に縄張り意識が強く獰猛で凶悪な肉食恐竜。
威嚇時に首周りに畳んだ襟巻き状の鰭を立て、
相手に自身を大きく強く見立せて攻撃する習性がある。
相手との戦闘や湖内の獲物を仕留める為、全ての足の爪には管が通り、大腿部にある腺を通して猛毒が排出される、その足で相手を蹴り致命的な傷を負わせるのと同時に足の爪の毒腺から分泌される猛毒で体力を削り、口から100万㌾の電流を含む熱線を放射する。
因みに毒の強さはボツリヌストキシンの10万倍である…かぁ…。」
今、ジラースは自身の縄張りに侵入したテリジラスに対し強い怒りを抱いている。
ジラースはテリジラスに頭を向け突進し始めた、テリジラスも負けじと右腕の鈎爪を振り下ろし応戦する。
しかしジラースの頭部が非常に頑丈だったのか鈎爪で切り裂こうも傷一つも付いていない。
「グルルルゥゥゥガアァァァァァァッ!!」
一声叫んだジラースはテリジラスの首元に噛み付いた、テリジラスの首にジラースの鋭い刃の様な歯が刺る。
ガブゥゥウッ!!メキメキメキミシミシィ…
噛み付かれたテリジラスの首から骨が軋む音が響く。
『ギギャ゙ア゙ァ゙ァ゙ン゙ギュ゙ル゙ル゙ィ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ン゙ッ゙!!』
首元を噛み付かれたテリジラスは悲鳴を上げ両腕を振り回すがジラースは首を強く振り、湖の外へ投げ飛ばす、
テリジラスはジラースの怪力によって投げ飛ばされてしまう。
バキバキメキメキメキィドズゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!
森の奥深くで何百本の木々が折れた音と地響きが響き渡る。
ジラースはテリジラスの投げ飛ばした森の奥へ向かい
走り出す、二大怪獣の闘う姿を見たパルは迫力の余り言葉が出ず黙って見守る事しか出来なかった。
テリジラスもジラースに向かい木々を踏み倒し猛進し、鈎爪を振るいジラースにダメージを与える、ジラースも体当たりや鋭い蹴りでテリジラスに猛攻を仕掛ける…が、両者の皮膚が厚く頑丈な部分を攻撃しているからか傷があまり付かない。
それでもジラースはテリジラスの腹部に噛み付き持ち上げ、100万ボルトの電流を流す。
ビリビリビリバリィッバリバリバリィジジジジジジジジジジパァンパァンパァンパァンッ!!
スタンガンで相手を感電させた様な凄まじいスパーク音を立てテリジラスに電流を流し仕留めに掛かるジラース、
テリジラスは電流に感電し、大きな声で悲鳴を上げた。
「ギャ゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ッ゙!!」
テリジラスは感電し全身が痙攣し、逃れる事が出来ない
しかし、抵抗したテリジラスはジラースの右目を鈎爪で引っ掻く。
ザシュウウグチャアッ!!
「グギャァァァァァァァァッ!!」
ジラースは右目を引っ掻かれ怯んで一声悲鳴を上げた、右目にはテリジラスが付けた傷が痛々しく残っている。
激昂したジラースはテリジラスの方へ向かうがテリジラスはどこにも見当たらない、ジラースは周りの木々を見渡し、自身の嗅覚を頼りに匂いで何処に居るか察知しようと嗅ぎ始める、テリジラスの匂いはするが何処に居るのか解らず太く強靭な尻尾で木々を薙ぎ倒す。
再度嗅覚で察知しようと嗅ぎ続けると薙ぎ倒したオオシラカバの木々から発生した花粉を誤って嗅いでしまう、故にジラースの目が痒みくしゃみも止まらなくなってしまう
「「ブヘェェェェェェエックショオン!!ヴァックシュョオオンッ!!」」
【オオシラカバ】とは、シラカバの2倍の大きさをした樹木であり、その木の花粉を誤って吸い込んだり目に入ってしまうと、どの生物の分類関係なく目や鼻に強力な炎症効果を引き出し目の痒みやくしゃみが止まらなくなってしまうのだ。
ジラースは目の痒みやくしゃみが更に激しくなり鼻水を垂らし藻掻き苦しんでいる。
「「ブハァァァッショォォォッォンンッ!!ヴェエエエックショオォォォオン!!」」
花粉を鼻で吸い込んで鼻水とくしゃみが止まらなくなってしまいくしゃみの勢いで放った熱線がシラカバに当たると大爆発を起こし花粉が燃え上がる。
口から息を吸い熱線を吐いて周りを薙ぎ払い辺り一面火の海に変え混乱するジラース、花粉で嗅覚を塞がれてテリジラスを見つけることもままならない。
すると…
ザクッズバァッザシュウッバシュッザンッ!!
「ギャアァァンギュルルルルングォォォォン!!?」
突然、何処からともなく斬撃がジラースを襲う、ジラースは再度辺りを見渡し警戒し始めるが斬撃を斬りつけた奴がどこにも居ない。
その斬撃は風による物なのかそれとも音速の速さで攻撃した生物の物なのかジラースにも分からない。
ジラースは謎の斬撃によって全身が切り傷に覆われ
血しぶきが飛び散る、斬り傷には真っ赤な血液が滴っている。
暫くすると斬撃の正体の鳴き声が森に劈き轟いた。
『『ギギャ゙ア゙ァ゙ァ゙ン゙ギュ゙ル゙ル゙ィ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ン゙ッ゙!!』』』
斬撃の正体は透明化したテリジラスが付けた物だった、
テリジラスはジラースの右目を引っ掻き怯んだ隙を見て全身の身体の皮膚細胞を活性化し、背景に擬態し透明化してジラースに猛攻を仕掛けていたのである。
「「ギャアァァンギュルルルルングォォォォンッ!!」」
悲鳴を上げテリジラスの斬撃に成す術無しのジラース、
ジラースはこのまま透明化したテリジラスにされるがまま八つ裂きにされるのだろうか…?
いや、そんな事は無かった。
「「ブヘェェェェクショォォォォォォォォンッ!!」」
大きなくしゃみを吐き、花粉の炎症が治まったジラースは鼻を啜り匂いを嗅ぎ下を向くと透明化したテリジラスの影と足跡を見つける、幾ら透明化したからって自身の影や匂い、そして足跡を完全に消す事は不可能である。
ジラースは足跡やテリジラスの影の動きと匂いを頼りに鈎爪による斬撃を見切り反撃を仕掛ける。
ブゥゥゥゥンン…バシィィィンッ!!
ジラースは勢いを付けて尻尾を鞭の様に振り回しテリジラスを吹っ飛ばすと泥を含んだ沼の水に頭を突っ込みゴブゴブと音を立て口に含み始める、沼の水を含むと透明化したテリジラスに向けて泥水を吐き付ける。
ブシュウウウウウウウウウウッン!!
消防車の放水の如くテリジラスに向け頬に溜めた沼の泥水を吹き出すジラース、すると透明化したテリジラスの身体に泥が付着して全身が露わになってゆく。
「実体の見えない相手を攻略する為に工夫して戦うなんて…す…凄い!!なんて知能が高いんだ…!!」
パルはジラースの知能の高さに驚きが隠せない。
ジラースはテリジラスに対し強く見せる為に襟巻き状の鰭を広げ凄まじい声で叫んだ。
「「ギャアァァンギュルルルルングォォォォンッ!!」」
ジラースが一声叫ぶとテリジラスの方へ全速力で走り出し右足の爪を腹部目掛け前蹴りをくらわす、
喰らわされたテリジラスが蹴りの勢いで背中から倒れふっ飛ばされる、そして蹴られた腹部には抉れた傷が痛々しく残っている。
『『ギギャ゙ア゙ァ゙ァ゙ン゙ギュ゙ル゙ル゙ィ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ン゙ッ゙!!』』』
テリジラスは悲鳴を上げ悶絶しているその隙を見たジラースは自身の体力と傷を癒す為、湖へ向かい頭を突っ込み湖の水を口一杯思いっきり飲み混む、
ジラースの身体に付いた傷は完治して殆ど傷が残ってはいなく体力も完全に回復した。
テリジラスも湖へ向かおうとするが、先程の蹴りで付けられた傷や足の爪から注入された猛毒が全身に回り向かう事もままならない。
ジラースはパルの方へ向かい尻尾振り回しテリジラスの方へ身体を向ける、パルはその際に発生する波と風圧に押され流されてしまう
ビュウゥゥゥゥゥン!!ザブゥゥゥンドドドドォォォ…
「うわぁぁぁぁッ!!…っとおっとっとぉ…危ない危ない落ちる所だった…。」
パルは風船イカダの中央のマストに獅噛み付き湖へ落下せず何とか持ち堪えた…のも束の間だった。
パルの前に立ったジラースはテリジラスに向け、口から大きく息を吸い込み青い閃光を光らせ、渾身の力を込めた熱線を発射した。
バギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウンッ!!
青い閃光を放った熱線は凄まじい音と水飛沫と衝撃波を立てテリジラスの方へ向かう、しかしテリジラスは猛毒に侵されかわす程の体力が残ってない為、顔面の前で爪をクロスして身を守る。
だが、強力なジラースの熱線の高熱に耐え切れず、鈎爪は完全に溶かされ、テリジラスの頭部と胸部に命中する、
熱線の強力なエネルギーが鱗を溶かし、命中した胸部から光が差した。
ドガァァァァァァァァァァアンッ!!
「ギェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙エ゙ッ゙!!」
凄まじい爆発音が森周辺と湖に轟き、強い爆風と衝撃波が木々を燃やし吹き飛ばす。
「う…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
風船イカダで湖に浮かんでいるパルも思わず叫び、両腕をマストへ強く獅噛み付いて爆発の爆風と衝撃波に耐え凌ぐ
命中したテリジラスは煙の中に包まれていて生きているのかそれとも爆死をしているのかも分からない。
「流石にあの威力の熱線をまともに食らったら奴も木っ端微塵だろうな…。」
パルがそう呟くと煙が段々晴れてゆくが、ある物を見て驚愕している。
「う…嘘だろ!?あの威力の熱線を耐えたのか!?」
煙の中から熱線に耐えたテリジラスが姿を現した。
しかし、強力なエネルギーを含んだ熱線を喰らったダメージは計り知れず、胸は大きく穴が空き滝のように血液が流血し、内臓ごと焼き焦げ高熱によって全身の皮膚は抉れ爛れており、更に頭部の右側が吹き飛び悲惨な姿に変わっている。
戦意を喪失したテリジラスはジラースに背中を向け皮膚の色素細胞を変換し透明化して逃げようとした…
その時だった。
ガブゥゥゥゥゥウッミキミキミキミキミキミキミキミキミキミキィ…
ジラースが背を向けたテリジラスへ全速力で向かい首を強い握力で噛み付く、噛み付かれたテリジラスは口から血液が混じった泡を吹き意識が遠退く。
ジラースはまた100万ボルトの電流を口から流しテリジラスを〆殺そうとしている。
ビリビリビリバリィッバリバリバリィジジジジジジジジジジパァンパァンパァンパァンッ!!
スパーク音と共にジラースの口から100万ボルトの電流が流れる、テリジラスは全身痙攣し口から多量の血を吐き断末魔を上げた
『『ギュ゙ル゙ル゙ン゙ゴア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ッ゙ッ゙!!』』
ジラースに電流を流され噛み付かれ断末魔を上げたテリジラスは白目を剝き息絶えた。
ジラースは噛み付いたテリジラスの死体を離すと
テリジラスの腹部に右足を乗せ、雄叫びを上げ勝ち誇った。
「「「「「ギャアァァンギュルルルルルルルルルッルルウルルルルルングォォォォォォォォォォンッ!!」」」」」
ジラースの雄叫びが湖の周辺に広く轟く、パルは思わず耳を塞いでしゃがみ込む。
「うぅッ…凄まじい声だ…!!」
暫くして死体の焼けた香ばしさと血の匂いを嗅ぎつけ、体長6mの巨大なネズミの群れが横取りをしようとテリジラスの死骸に向かい一直線に駆けて行く。
その光景を見たジラースは横取りはさせまいと鰓を広げ大鼠を威嚇し怯んだ隙を見て地震の縦揺れの様な地響きとドスンドスンと足音を立ててテリジラスの死体の首を咥え湖へ向かい走り出す。
「こっちへ向かって来る!早く遠離れないとまた波に攫われちゃう…ってバショー扇がボロボロになってる!!もう使い物にならないってかダメになるの早スギィ!!」
力強く扇いでしまいバショー扇が傷んでしまい使い物にならなくなってしまう、
焦ったパルはタイムシーバーに手をかざし何かないか何かないかと叫び、日用品や食器、電化製品と言ったガラクタを出して混乱している。
そして、遂にパルはバショー扇に代わる道具を取り出し我に返った。
「よし!遂に求めていた物を見つけたぞ!!」
パルが取り出した道具とは赤く筆書きの白い字で「風」と書いてある小さくて古臭い団扇の様な物だった。
「強力団扇【風神】ッ!!これはバショー扇の倍の突風を起こせる団扇だ、これでジラースから遠ざかる事が出来る!」
パルは距離を遠ざけようと風神団扇を仰ぎ風船イカダを遠ざける。
湖へ向かったジラースはテリジラスの死骸を咥えながら湖に浸かる
ドドドドォォォォドザァァァァァァッブゥゥゥゥゥゥン…!!
ジラースは深場に到達すると津波の様な水飛沫を立て豪快に前倒れし泳ぎ出す。
パルのすぐ横を仰向けの姿勢で湖に浸かり鰐かイグアナの様に身体をうねる様に泳ぐジラース、それを間近で見たパルはその巨体の迫力に圧され、口が開いたまま見上げている。
(こう近く見ると映画館で見る怪獣より迫力があるなぁ、まるで岩山か戦艦みたいだな…。)
ジラースはアーモンド状の黒目を開き、パルを睨み付ける。
(…!!こっちを睨んだ!!僕も食べられちゃう!!どうか僕だけは見逃して…!!お願い!!)
パルは蛇に睨まれた蛙の如く、体中の力が抜けすくんだ姿勢を取り一切動けず顔を青冷め恐怖に怯えている。
だが、ジラースはパルを睨んだだけで危害を加えず前を向いて通り湖の中心へ泳ぎ進む、湖の中央に到達すると頭を真下に向け潜水し、湖の奥深くへ泳ぎ去って行った。
「いや〜それにしてもさっきは凄く迫力ある戦いだったな、まさに力と力のぶつかり合いと言う言葉を体現した様な見応えがあったけど…さっきジラースは僕を睨み付けていたけどあれは何を意味したんだろう…何だか嫌な予感な気がしてならないなぁ…。」
そうパルが呟き水面に浮かんでいると、パルの真下から巨大な影が迫る。
その影に気付かず風神を仰ぎ続けイカダを進めるパル、
暫くして自分を追ってる何かの気配と殺気を感じ自身の背後振り向く
突如、巨大魚の様な巨大生物が水面から顔を出し、パルを捕食しようと飛び付いて襲い掛かる。
「な…何だあの巨大生物はぁ!?取り敢えず逃げろおぉぉぉッ!!」
巨大生物は顔を出し大きく口を開けて高速でパルを追跡するが、パルも負けじと風神を仰ぎイカダを進める。
しかしどんなに仰いでも巨大生物はパルに近付きつつあり、中々距離が離れない。
「ハァ…ハァ…もうダメだ…腕が疲れて痛みが出た…仕方が無い、潔く食べられよう…。」
パルは腕を痛め諦めて巨大生物の餌になろうとした…その時だった。
「クェェェェェェェェッ!!」
上空から巨大なコンドルが巨大生物の前に現れ、巨大生物の周りを飛び嘴で突き、鋭い爪で引っ掻き翻弄している
「「クワァァァァァァァァァミャアァァァァァオッ!!」」
翻弄され激昂した巨大生物は咆哮を叫ぶと標的をパル
から大コンドルに変え、口から赤色の熱線を吐き大コンドルを仕留めようとしている。
大コンドルは嘲笑う様に余裕で熱線を回避し巨大生物を煽る、
大コンドルの目的は勿論、パルの捕食である。
そんな大コンドルと巨大生物がパルの取り合いの小競り合いをしている隙を見てパルは陸地を目指し風神団扇を仰いでイカダを進めている。
パルはパッドの電源を立ち上げ、先程襲った巨大生物の事を検索し調べている。
「あの巨大生物はムルチって言うのか…こいつは魚類と爬虫類の中間生物が生息環境の汚染の影響で巨大な体に進化かつ凶暴化したんだな…、でもコイツ以外にも僕を襲う奴がいるかもしれない!早く陸地を見つけて上陸しないと!!」
パッドをタイムシーバーへ収納したパルは湖周辺を見渡し警戒して上陸出来そうな陸地を探している、すると森の奥に黒い煙が立ち昇っているのを見かける。
「あそこの奥に何があるんだろう?取り敢えず行ってみよう!」
煙の昇っている陸地まで風神団扇を仰ぎイカダを進めるパル、陸地が見えるとイカダへ降り収納して上陸し森の奥へ散策し始める。
「確か個々ら辺に煙が立ち昇っていると思うんだけど…何処だろう?」
巨木並木が生茂っている森の中をパルはひたすら歩き回り黒い煙が立ち昇っている場所を目指している。
暫くして森を歩くと倒木のある空き地へ到達する
空き地のど真ん中には黒い煙を昇らせてた物体はシャチと戦艦を足して2で割った宇宙船の様な巨大な物体が地面に突き刺さっている、パルはその物体を見て度肝を抜かれた。
「あ…あれは…ウォルキヌス!!ウォルキヌスじゃないか!!…こんな所に墜落してたなんて…。」
森の中に立ち昇っていた黒い煙は、パルの乗ってきたタイムマシン「ウォルキヌス」が墜落して発生した物であり、ウォルキヌスは周りに火花が散り、あちこち激しく凹み更に、数カ所パーツが抜けている見るも無残な姿に変わり果てている。
パルは変わり果てたウォルキヌスを見て唖然としている表情を浮かべる。
しかし、心に余裕があったのか途端に開き直った。
「まぁ壊れたって大丈夫!こっちには復元光線とかあるし、これで直して出て行けば良いんだ!!」
そう言うとパルはタイムシーバーに右手を翳し復元光線を取り出そうとしている…だが
「んん!?あれ…あれ…あれ…あれぇ…?アレレェッ!?」
どれだけ手を翳しても復元光線が見つからない、
パルの顔には焦っているあまり多量の汗が流れる。
「しまったァ!!復元光線はタイムパトロールの基地の更衣室に置き忘れてた!!しかも取り寄せバッグも拡大縮小系も取り寄せ系道具も基地の中に置き忘れてる…!!ど…どうしよう…。」
パルが絶望のあまり顔を青ざめ両手を地面へ付き跪いてき落ち込んでいると、突然草むらの茂みが揺れパルの方へ近付いて来る。
パルは腰を付き一驚を喫し光線銃を構えて戦闘態勢へ入ろうとするが焦って銃を落としてしまう。
銃を拾おうとすると草むらから赤く魚類の様な顔をした生物が飛び出した
パルは草むらから飛び出した生物に対し混乱している。
「ヒィィィィィィィ!!な…何だ何だ!?何だお前はァ!!ぼぼぼぼ僕を食べるつもりか!?」
しかし、赤い生物はパルを襲おうとせず瞬きをして
鼻でパルの匂いを嗅ぐと猿の様な甲高い声を出し飛び跳ねる。
「ホワァァハワァワァワァワァホワァァワァァァァァァァァァホォォホォォォォホォォォッ!!」
パルは飛び跳ねている赤い生物を見て困惑している
赤い生物はパルの周りを飛び跳ねているが、どこか仲間が出来て喜んでいる様にも見える。
「な…何なんだコイツは…そうだ、この時こそパッドで調べよう!」
パッドを取り出し検索すると赤い生物が明らかになった、パルは赤い生物の説明文を読んで一安心した様だ。
「君はピグモンって言うんだね、銃を向けて驚いてごめんよ。」
パルはピグモンに申し訳ない気持ちで優しく抱きしめる、ピグモンは穏やかな表情をパルに見せると何かを思い出した様に突然一直線へ走り出す。
「ど…何処へ行くの?その先に何かあるのかい?」
ピグモンは一旦立ち止まるとパルの方を振り向き急ぐ様に急かしている素振りを見せている、
パルも後を追おうとするがピグモンの足の速さに付いては行けず息を切らせてしまう。
「ハァ…ハァ…ハァ……ハァ……ハァ………ハァ…………ま……待っ……て……。」
ピグモンは息が切れたパルを背負い、ひたすら前へ直突猛進し始める。
ピグモンは何を見つけてパルを背負い何処へ向かっているのか、何を考えているのか…それはピグモンにしかわからない。
次回へ続く。