暁界のアーク・ホライズン   作:よもぎ杏子

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1話 プロローグ

…………イレギュラー発生、ターミナルコアシステムがインシデント7を検知しました。ノア計画第3条プロトコル05に従い、コールドスリープポッドを解放を申請します。………認証完了、コールドスリープポッドを解放します。

 

 

 

 

 黒とも分からぬ暗闇に朝ぼらけの如き光が差し込んでくる。ぼやけた視界は次第に鮮明になり、体を起こしてみればまるで手術室のような30畳はあろうかという部屋にポツンと1人残されているのが分かる。

 

 「ここは…どこ?」

 

 白い部屋に木霊する。壁は見知らぬ機械が埋め込まれており、座している棺桶のようなものはやたらとハイテクな印象を受ける。困惑しながらも箱から足を踏み出して辺りを見回す。

 

 「壁に埋め込まれている機械は操作できたりするのか?」

 

 至る所を触って確かめてみるがスイッチ一つはおろか触って反応しそうな画面すらない。部屋の中に直接作用しそうな部品もないため、未来的でシンプルで洗練された室内にしては少々冗長な印象を受ける。そこも含めてデザインなのだろうか?

 

 しゃがんで床をノックしてみる。コンコンと澄んだ音色と重厚な響きが部屋に反響する。

 

(一体どこなんだ?足元は金属だかプラスチックだか分からない材質だな。噂のセラミック合金というやつか?随分と固い、まるでエンジンプラグだな。ダイヤモンドビットの代わりになりそうだ。)

 

 再び立ち上がり、さっきよりも注意深く見渡す。自分しかいないからだろうか、それとも遥か遠い未来技術に囲まれたせいだろうか、寂しさと一抹の不安が目に力を込めている。

 

 「なにこれ」

 

 目線の先には魔法陣のように青く光る幾何学的図形が主張する。怪しがりて寄りて見るに、部屋の一角に床の間程の高さの台にの図形が光っていると分かる。

 

 好奇心の赴くままに足を踏み入れる。すると突然…

 

『ノアの覚醒を確認。ターミナルコアシステムの要請……受諾。転移可能な周辺星系を検索……確認。ゼーデライツ星系第3コロニー、ゼーデライツ3へ転移を開始します。10 9 8…』

 

 「え?ちょ、え?何?え?」

 

『3 2 1、量子相関転移(クォンタムテレポーテーション)システム起動します。』

 

「だから何!どうなってるんだって!ちょっあぁぁ……」

 

 訳も分からないまままた意識が暗転してゆく。一瞬意識が途切れた直後には、また知らない施設のど真ん中にいた。

 

「何者だ!貴様!」

 

 いつの間にか銃を構えた軍人らしき人に囲まれている。突然の事態に仰天しながらも、少し頭が冷えてみれば冷や汗が止まらなくなる。

 

 「なんなんだよ!俺が何したって言うんだ!」

 

 

 さっきから不可解な現象に晒されてもう限界を迎える。何が何だか分からないまま拉致されたのは俺なんだぞ!半泣きになりながら訴え始める。

 

 「おおぅ、ちょっと待て落ち付けって!」

 

 「大体何なんだよ!ここは何処なんだ!誰だ!拉致したやつ!出てこい!」

 

 もう勘弁して!から始まる俺の冒険は、ここから始まったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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