推し:おぺれーたーぜんいん
20XX年 とある丘
ドクターはかつての仲間と荒れた町並みを見下ろす
ケルシー、君はいつから記憶があった。
本物か。
記憶通りなのか。
会いたかった。
いくつか言いたい言葉が思い浮かぶか、口は開かない
横顔を見ると、やはり過去のケルシーと似ている。
見られている事を分かっているのか、過去の記憶と変わらない様子でしゃべりだす
「「ロドスアイランド」、「ドクター」、この2つは一般的に組み合わさる言葉ではない。」
「...そうだな」
「単なる偶然かと思っていた。接触して確かめる事も出来たが、私は躊躇していた。」
「...それはなぜ?」
ケルシーはこちらを向き、見た事ないような泣きそうな顔をしていた
「怖かった。」
ケルシーらしからぬ弱音と結論の先出
「テラから引き継いだ記憶があった。いや、もしかしたら長い夢だったのかもしれない。生まれたての赤子が言葉を認識する時点で夢の可能性は限りなく排除したかったが、君に会うことで、君自身から否定されることで夢にでも記憶になる情報が怖かった。」
「この世界に天災もオリパシーも無い。けれどオリパシーに代わって「個性」がある。君も危惧していたと思うが、集団の中から異変が発生すると、その原因を除きたくなるのが生物だ。
私か?私も忌避の目は向けられど、特に問題はなかった。」
「やはり君だ、君に拒絶されなければ特に問題ないと考えた。同時に、拒絶された時、私自身と記憶の存在意義を疑うことになる事も。いわなれば賭けだ。理論を組み立てず、確率勝負を行う。混乱、困惑、言葉では表せない感情があふれ出てくる。」
「ドクター。私は○○でもあり、ケルシーでもある。ナイトメアみたいに二重人格ではない。○○という人格とケルシーという記憶の人格は同時に存在している。片方が消滅するかもしれない。人格に死ぬという単語は間違いかもしれないが消えてしまう、それは避けたかった、しかしずっと理解されない記憶も存在するというのは辛い。○○も個性は理解はされなかった、そうなれば私は誰という存在になるのだろうか、いっその事消えてしまえば楽にっ」
私はケルシーに抱きしめる。もう、これ以上は見ていられない。
「落ち着いてくれ、私は、君の知っているドクターだ。大丈夫。消えはしない」
抱き着いて分かったが小刻みに震えている
「今まで、見つけられなくてすまなかった。」
「違う」
「違わない。つらかったのだろう。」
「違う。私が会いにいかなかった。」
「違わない。私は仲間をつくりながら、あの世界の仲間と会うことをあきらめていた。悪いのは私だ。」
「違う。私が怖がったから、、」
「違わない。君はまだ私がこわいのだろう?」
ケルシーの肩が震える
「まだ私が善意の人物で、合わせてくれている可能性があるのだろう?」
「大丈夫だ。私は覚えている。アーミヤもロスモンティスもブレイズもあのテラで起きた時からの記憶も忘れはしない。そうだな、口の中でカップラーメンを作れる、これはどうだ?」
ケルシーの震えが消えていくのがわかる。ての私の背中にまわしてくる
「...そうだな、そうだな、あぁ、君だ、ありがとう、ありがとう...」
うつむいていて顔は見えないが恐らく笑顔だろう
「私もだ、ケルシー。ケルシーとして、会いに来てくれて、ありがとう」
しばらく抱擁は続いた。
その後すっきりしたケルシーと共に町を歩く。
いつもの雰囲気にもどったが、心なしか若干嬉しそうでもある。
「ドクター」
「なんだい」
「私は、今日までのドクターの軌跡は見てきた、この世界でのロドスアイランドの存在も、あの世界とは少し違うとはいえ、理念は共感できるものだ。良ければ私を、ケルシーとしてロドスに所属させてくれ。」
「この世界で生まれ変わった君は自由に選択できる。私をテラのドクターとして個人的に付き合うこともできるが、それでもついてきてくれるのかい」
「無論だ」
「ありがとう、ケルシー。とても心強いよ。」
ロドスアイランド 建物内
ロドスに帰宅し、ドクターはケルシーを仲間にした事を伝えた。
今の仲間達は大いに歓迎し、おおきな出来事も一通り完了した、という事で一度盛大に歓迎パーティをすることにした。
パーティの中心にいるケルシーが慣れたように質問に答えているのを眺めていた。
「うれしそうですね」
現オペレーターの牛の個性の一人が話しかけてきた
「わかるかい?」
「えぇ、いつもと違いますよ。信頼している目をされてます」
「ん?君たちの事も信頼はしているが...」
彼はやれやれみたいな顔している、なんでだろう
「それは指揮している時だけですね。」
ウサギの個性を持った別のオペレーターが入ってくる
他のオペレーターも近寄ってくる
「戦闘以外では私たちをまだ守るべき対象として見てるよねー」
「そーだぞ」「嬉しくは思うけど」
初めて彼らの不満を聞いた気がする
一人が前に出て言う。
「私たちはもう自分で自分を守れます。」
そして拗ねたように
「だから、誰が一番最初に普段から信頼された目で見られるか勝負してたんだよね。」
「そしたら知らない子に追い抜かれてしまった...」
「悔しくもありますが嬉しいとも思いました。ついにドクターにも春が来たと。」
ん?
オペレーターがみんなニヤニヤし始めた
「さぁ、聞かせてもらいますよ。一目ぼれですか、口説き落としたんですか、式はいつ上げるんですか?」
じりじりにじり寄ってくる
「き、君たち、勘違いしていないか!?私はもう年取ってるし、彼女はまだ20歳ぐらいだろう!?」
「ドクターは個性の影響でまだまだ若く見えるから大丈夫です。さぁ吐いてもらいますよ。なにをやったらあそこまで信頼しあえるのようになったのか。」
まずい、どう、弁明しよう
<逃げたぞ!追え!
<拘束持ち個性行け!
<だめだ!ドクターの個性は力もある!拘束は難しい!囲え!
遠くでドクターが追われているのがわかる。
懐かしい、世界は変われど、このような場でドタバタするのは同じか。
思わず頬が緩んでしまう。
「すごい。微笑みが絵になるわね。」「ドクターもよく見つけてきたわね。いるだけで癒しだわ」
何か話しているが目はドクターの方に向いてしまう
「○○さんは事務員として働くのですか?それともオペレーターとして働くのですか?」
「そうですね、医療オペレーターとして働くつもりです。」
「あら。もう職種まで決めてるんですんね。オペレーターとして働くならコードネームを付けないといけないのですが決められてます?」
「はい、コードネームは「ケルシー」にします。」
ロドスアイランド 執務室
ドアから1人が入ってくる
「失礼する。医療オペレーター「ケルシー」着任した。」
「あぁ。お帰り。ケルシー」
嬉しいはずなのに泣いてしまいそうだ
「では初任務の説明を「その前に」」
ケルシーに話が遮られる。目の前に歩いてきて
「これは私の信頼の形だ、他のと一緒で飾っといてくれ。」
私の手には懐中時計が渡された
2XXX年 ロドスアイランド 執務室
「失礼します。ドクター、特別講義科目の講師依頼の書類を持ってまいりました」
「ありがとう○○、すぐに確認するから休憩してて良いよ。」
「はい、ありがとうございます。」
ここが執務室かぁ...
思ってたより広いんだなぁ
事務員は初めて入る執務室に少し興奮していた
なんか...すごい...
目線の先には大きな羽がついた羽ペン、見た事ないメダル、うっすら発光している石、見た事ない言語で書かれているボードゲームみたいな物、等
多種多様な、一般には無いとわかる物が、複雑に、けれど美術館ようにきれいに置かれていた。
「すごいでしょ」
「はい...これらは...何ですか?」
「これらはね、オペレーターたちがくれた物さ」
「オペレーターの皆さんが?」
「そう、信頼の証ってね」
...これら...すべてが
部屋にある数はざっと見積もっても、現在のオペレーター全員の数より多い事がわかる
「最初はね、この部屋に何を飾るか悩んでいたんだ。」
「そしたら初期のオペレータの一人が、感謝、忠誠を誓う、という意味で鱗のアクセサリーを飾ったんだ」
「そしたらね、私も、ボクも、と、各々がいっぱい飾り始めたのさ」
「執務室は何度か立て直したけど、これらは絶対無くさないようにしている。」
「だから、珍しくても持ってくのは止めてね」
軽そうに頼むこの人は、威厳とかはあまり感じないが、この部屋にあるロドスアイランドの歴史を見ると如何にすごいか、改めて思い知らされた。
「さすがに持っていくのはしませんよ、けど、また見に来ていいですか?」
そういうとドクターは嬉しそうで誇らしげに肯定してくれました。
ロドスには1つ言われていることがある
「ドクターのすごさの1つを知りたければ執務室に行け」
赤の他人と関係を築き、維持することを難しいとは誰もがわかっている、ましてや信頼するされる関係など。
そこには、これまでドクターが紡いできた数多くの信頼の証がある事を確かめられるらしい
ドクターの個性の内容はもう決めてる。とりあえずAFOには渡せない。
次はあいつかなぁ