D&D 虚空の神vs死竜王   作:ディミーアの鉄砲玉

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1話

我らが頭上、遥か空の果て

彼方の虚空、光なき城

虚空には神ありき

 

エイオーよりも古きもの

眠れる暗黒の星よ

どうか微睡のままであれ

 

…………

………

……

 

多元宇宙に浮かぶ惑星トリル。

その蒼き星の世界をフォーゴトンレルム(忘れられた領域)と呼ぶ。

海原に浮かぶ大陸が一つ、フェイルーン大陸

物語はその最西端である「ソードコースト」地方から始まる。

 

 

貴族と商人が集まり、領主同盟によって治安を約束された栄華の都

おお、美しき都こそはウォーターディープなり!

陰謀ひしめきながらも、富と英雄譚の集うこの地に、一つの酒場がある。

名を大口亭。由来は扉を一枚開けて、中に入れば一目でわかる。

 

酒場の中央にポッカリと口を開けた、そこの見えない巨大な穴。

曰く、その先には、狂った大魔導師の手になる広大な迷宮が広がるという。

店主は言う。多くの冒険者が穴の底に向かい、帰らなかった。

だがその何割かは、今も迷宮の奥を目指して進んでいるのだと

 

 

さて、そのような英雄志願者の集まる場所で、管を巻くものがある。

「明けの明星」、それが彼らの名乗る集団の呼び名である。

万年ウダツの上がらぬ様を指して、「明けぬ窮状」などと揶揄される彼らは、有体に言うならば「凡庸」。

食ってはいける、多少ばかり名も売れた、しかし中々裕福にはならぬ

そのような立ち位置の中堅どころ

 

無論(つまび)らかにするのであれば、おのおのが因縁や宿業を抱えるものばかりである。

 

例えば仏頂ヅラで1番安い巨大ネズミの肉を噛んでいるゴールド・ドラゴンボーンの戦士、アズヘニスは、<卑金>などと不名誉にあだ名され、後ろ暗い過去に苦しんでいる。

かたや隣のロックノームの妖術師(ウォーロック)、ラグニルは、指先から伸びた菌糸をうっとりと眺める変態ぶり。この男はPsilofyr(サイロフィル)というキノコの親玉のような存在と契約した狂信者である。

 

向かいからそれを薄気味悪そうに眺めるのは白毛ウサギの姿をした吟遊詩人(バード)、ロップイヤーである。彼は大した過去など持ち合わせないが、

ヘアレンゴンという二足歩行のウサギ種族はフェイワイルド(妖精郷)の外では大変珍しい。

そして英雄譚ときけば飛びつくヒロイズムジャンキーでもあった。

 

最後に我関せずとばかり聖印を手に祈りの行をこなす、豊かな金髪を波立たせたヒューマンの聖職者こそ、この集団における紅一点、ウルス。

一見して唯一まともに見えるが、問題は手に握られた波のシンボルの印。

これは人界では滅多に信奉されることのない水の精霊王、

"イスティーシア"に仕えている事を示し

まして"水の道"宗派に属するエッセンシャル・サーヴァント(正規神官)なのである。

 

このような珍奇な者ばかり集まるので、どこに行っても悪目立ち。

腕はそこそこ立つが何をしでかすかわからない。

なにせ他の集団に居られず流れ着いた異物である

これがウダツの上がらぬ日々を過ごす最大の原因だと、

四人とも気づいているが、どうにもできぬのであった

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