相棒 ーー杉下右京に憧れた転生者がキヴォトスで刑事になる話ーー   作:ほくほく亭ともを

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よろしくお願いします。


警察学校編
唐突に始まるGTA世界


彼女がある気がかりな夢から目覚めると、見たこともない天井が薄明かりの中微かに見えた。

 

「どこ?ここは・・・確か私は英語の勉強をした後すぐに寝て・・・」

 

そう呟いてからはっと気づく。

 

「え?なんか声が高いような……それになんだか胸と股間に違和感が……」

 

ガバッと慌てて飛び起きる。

明らかに見覚えのない、無機質な部屋の隅にポツンと置かれていた姿見に駆け寄ると、思いもよらない姿がサキョウの脳に直に焼きつかれた。

そこには、身長150には満たないであろう少女の姿が目に入った。なんとも言えない、引き込まれそうな翡翠色の瞳にカラスの濡れた羽のように美しい、しかし今はぼさっとしたウルフカット、そして最も言及すべきはその少女の頭上に浮かぶ、幾何学模様の青い天使の輪(ヘイロー)であった。

 

「ええ……何これ…」

 

彼女はある確信めいた、しかし、それ(転生)と認めたくないようななんとも形容し難い微妙な心情を持った。

 

__転生__それも、美少女版GTAとか言われている、警察権力とかないようなもの……みんなが銃を持って闊歩しているロサンゼルスも真っ青な世界に来てしまったことを直感的に理解したからだ。

 

「……仕方ない。とにかく今は、いつの頃か調べないと」

 

そう考えて彼女は思考を巡らす。そして、やっとずっと持っていた違和感の正体に気づいた。

 

「……記憶が…ない?」

 

サキョウは中々のブルーアーカイブのヘビーユーザーのはずである。

しかし…ない。まるで誰かがその記憶だけ消したかのように記憶から抜け落ちていたのだ。ただ残っているのは、前世(日本の記憶)だけ。

 

「…どうしよう」

 

まずい。このままでは、本当にまずい。ただ一人キヴォトスに放置されて、このまま銃撃戦に巻き込まれて死ぬのは嫌だ!!

 

「……あーあ、警察官になりたかったのになあ……」

 

蘇る前世の記憶。杉下右京がとんでもない位置から紅茶を入れて、亀山くんが驚いてるシーン、あんな警察官になりたかった。

 

「とにかく、なんとかしなきゃ」

 

サキョウは散乱したベッドの傍にあった無骨な鞄を漁った。

 

「これ…私?」

 

さっき見たような顔写真の生徒証、きっと私のだろう。

 

名前:杉下サキョウ

年齢:15歳

所属:ヴァルキューレ警察学校中等部

 

 

「…え?」

 

スギシタサキョウ?

 

何それ?なんか思想が強そうな名前?ほぼパクリじゃん?でも…

 

サキョウは身体にやる気が満ち溢れてくるのを感じた。

 

「警察官になれるじゃん!!!」

 

ちょっと狭い部屋で喜びの舞を踊る。

 

杉下右京になれる。未来なんか知るもんか!頑張って捜査一課に行って、立派な刑事になるんだ!!

 

高い位置から紅茶を注ぐ自分を夢想して、ニヤニヤしていると

 

プルルルル!!プルルルル!

 

鞄の中に入っていたスマホがけたたましく鳴り出した。

 

「はい!杉下サキョウです!!」

 

元気よく出ると、電話相手は怒ったような怒鳴り声が聞こえてきた。

 

「何が杉下サキョウですか!!もうすぐ入学式始まりますよ!!」

 

「ええ!!」

 

壁にかかっていたカレンダーを見ると、ある曜日にデカデカと入学式!!と書かれていた。

 

「い、今すぐ行きます!!」

 

電話を切って慌てて準備をする。

確かキヴォトスには銃があるはずだけど…ない。

制服もない。

 

でもまあいいや!!

 

杉下サキョウは朝日の中に飛び出して行った。

 

 




キャラクター紹介

名前:杉下サキョウ
年齢:15歳
所属:ヴァルキューレ警察学校中等部一年

本作の主人公。これから頑張るらしい。制服と銃はヴァルキューレが向こうでくれるから大丈夫でしょ。多分
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