ルキンフォー・エム   作:來馬らんぶ

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#24 ”Who??”

 

 

「――カンパニーの犬。ヴェルト・ヨウ……だと」

 

「ああ。ヴェルト・ヨウだ。忘れるな。ヴェルト・ヨウ。その胸に刻め。ヴェ、ル、ト、ヨ、ウ、だ。ちなみに”ベ”じゃない、”ヴェ”だ」

 

 声を低くする焦げ茶のリーダー格の男に対し、噛んで含めるように伝える。

 

 よしっ、この偽名――たまたま友人によく似た名前になってしまったが仕方ない――を強調し、印象に残しておけば、良い具合に俺の存在をかく乱出来ることだろう。

 

 ええ、いい加減学びましたよ。俺の個人情報、主にスーパーハカー的な何者かに抜き取られがちだからね。囮情報(デコイ)を流して、ちゃんと正しく教える相手は選ばないと。

 

「その名……どこかで……」

 

 やべ、意外と姫子とヴェルト(あいつら)頑張ってるのか、天下の星穹列車組(せいきゅうれっしゃぐみ)として知名度上がってるのかもしんねぇ。ごまかそ――、

 

「テオドルさん、急がないと。ヤツらが」

「ああ、そうだな……ヴェルトと言ったな。逃げられると思わないことだな」

 

 どうやら部下にせかされた”テオドル”とかいうらしいリーダーが最後の忠告みたいなことを言ってくれるが、こちとらやる気満々です。爆発で吹っ飛ばされた恨みは100倍で返させてもらおうじゃねーか。

 

 

 

 と、

 

 

 

 辺りに漂っていた煙の向こうから、装甲と防護具に覆われた一団が飛び出してくる。そして即座に手に持った光線銃を発射。解放戦線側の1人の胸を貫き、(こぶし)ひとつ分の焦げ穴が開く。

 

 

 ――それが皮切りとなった。

 

 

「解放戦線、武器を捨てろ! クリアロード入口から離れろ!」

「ちっ、暫定統治軍(ざんていとうちぐん)だ。全員、散開しつつ攻撃しろ!!」

 

 怒号と閃光と悲鳴と炸裂音が再開する。

 

「うぉっつ――!?」

 

 反射的にしゃがみ込み、頭上をかすめていった銃弾に冷や汗が出た。おい冗談じゃねぇぞ。想定してなかったドンパチ混戦模様に、この場から離れたいのはやまやまだけど、いやいや一体どこ行きゃいいんだよと脳内ツッコミをした矢先、

 

 

 ――腕を引かれ、そちらに顔を向ける。

 

 カブ子が、ついてこいと言わんばかりに頭を振って、駆け出していた。

 

 どうやらアテはあるらしい。助かる。

 

 不意に飛んでくる光弾をパルサーエッジではじいていれば、カブ太郎も隣に並んでくる。

 

 そうして、俺たちはさながら急な土砂降りで雨宿りする場所を探すように全力で駆ける。雨は弾丸なんですけどね。えへへ。

 

 気づけば方々(ほうぼう)から金切り声をあげつつ、解放戦線と乱入してきた一団――暫定統治軍と言われていた連中とは別にマスクをつけた、いかにも一般ピープルたちと進行方向が一緒になっていた。

 

 みんな向かってるってことは、この先なんかあんのかと目を()らせば、 

 

 トンネルの入り口のような半円があり、核シェルターについてそうな、いついかなるどんな攻撃も防ぎまっせと主張しても許されるイカつい鉄壁が、左右から徐々に中心に向かって閉じていこうとしていた。

 

 その脇には黄と黒の警戒線と、押しつぶされたような注意表示、上には赤い警告灯が激しく明滅、通過していく人がいる度に低いブザーを鳴らしている。

 

「ゲートを閉じる! 港区画(ポートエリア)を切り離す!」

「急げ! 封鎖運用(ロックダウン)を行うぞ!!」

 

 その手前では統治軍側の兵士が声の限り叫んでおり、避難民たちは我先にとぶつかることすら(いと)わず鉄壁の内側へと突っ込んでいく。

 

 

「なーる。とりあえず、あんなかに駆けこめりゃ――」

 

 

 ひとあ――と言葉を飲み込む。

 

 観察に夢中になっていたせいで、前方にいたはずのカブ子とカブ太郎がいなくなっていることを知るのが遅れた。

 

 急ブレーキをかけ、その姿を探す。ちょ、あいつらどこ行きやがった。

 

 どいつもこいつもマスクをしている似たようなシルエットのせいで視覚が麻痺(まひ)しそうになる中、カブ子じゃなくカブ太郎の姿がないかに着眼点を切り替える。前もいない、右も左もなし、てことは、

 

 

「後ろか――!?」

 

 

 振り返れば、通り過ぎてしまった俺のかなり後方で、転んでしまったのかうずくまり泣いているちっちゃい子供を助け起こそうとしているカブ子。そして、そのかたわらにカブ太郎がいた。

 

 一瞬、ゲート側の方へもう1度振り返り、閉まり切るまでの猶予(ゆうよ)を測る。戻って間に合うか――!?

 

 四の五の考えている間にも方向転換し、全力疾走を開始する。

 

 ――上等だ、見せてやるよ。

 ――ルアン姉ちゃん仕込みの韋駄天(いだてん)

 

 完全に逃げ惑う人々の流れに逆行する形になる。間隙(かんげき)を縫って駆け抜けるが、じれったい。つい舌打ちが漏れる――カブ子たちの向こう側から、銃を構えた解放戦線の二人組が近づいてきていた。

 

 しかも、間が悪いことに子供の対応に集中しているカブ子は気づいていない。

 

 

 ――そんなら、と、

 

 

 進行方向途中で、乗り捨てられた荷役(にやく)作業用大型クレーン車の操作レバーを伸ばす方向に蹴飛ばす。

 

 そのまま動き出すアームに飛び乗り、

 

 角度30度はあろうかという急勾配(きゅうこうばい)を気合いと根性で駆け上り、両足に力を込めて、

 

 

 ――先端から跳ぶ!

 

 

「うおおおおおぉぉるるるるぁあああああッ!!!」

 

 

 一世一代レベルの大ジャンプから、爆風で吹っ飛ばされた恨み骨髄(こつずい)キックじゃァァああいと解放戦線の二人をまとめて上空から蹴り飛ばした。

 

 きりもみ回転をしながら吹っ飛ぶそいつらに対する反動+身体のバネをバク宙の要領で体勢を逆回転させ、両足で着地する。

 

 さずがに超よろけたし、息も超乱れたが、審査員の皆さんが見てたら超超高得点をくれてもいいと思います。なんなら出来た俺が一番驚いているけど。

 

 危機が差し迫っていたことに今ようやっと気づいたらしいカブ子と子供、興奮して飛び跳ねているカブ太郎に、声をかけるより先に、

 

 ――尻、というか背中を向けてしゃがみ込む。

 

 

 

 間。だいぶ気まずいタイプの。

 

 

 

 背後で”???”と仲良くクエスチョンマークが浮かんでいる気配を察して、叫ぶ。

 

 

「おんぶだよ、早く乗れ!!」

 

 

 こいつらの脚力では、ゲートが閉まるまで到底間に合わない。万一そうなれば、ここに取り残されて解放戦線と暫定統治府とバトルロイヤルになりかねねぇ。そんなのはごめんだ。

 

 俺の叫びにカブ子が慌てて子供を乗せてこようとするが、「ちゃうちゃう」と、左手で子供の腰に手を回し身体の前で抱く。そして「んで、お前が背中だ」といって左脇と右手でカブ子の両足を持って、おぶる。最後にカブ太郎に「おめーは……もう頭しかねぇ。乗れ」とマスクの頭頂部にどうにかこうにか掴まらせる。

 

 

「い、行ぐぞ……」

 

 

 ――どうも、フルアーマーゼイン君です。若干首がミシミシッて言ってた気がするが、気のせいです。なんなら一番頭が重い説あると思います。

 

「振り落とされねぇように、しっかり掴まれよ!!」

 

 そのかけ声で全員の身体に力がこもる。あれ、なんか思ったよりも背中にスタイルの良い何かの感覚が……じゃねーわと邪念を振り払って、再び疾駆を始める。

 

 

 

 

 ――やはり。

 

 

 

 

 グラモスでは、(せい)1人でひーこら言ってた俺だが、今は2人と1匹(かつ)いでも全力疾走が可能だ。しかも、これだけ重りを持ち、かつマスクをしてるのに、たとえ(せい)抜きで以前の身体と併走したとしてもぶっちぎれる自信がある。

 

 さっきの大ジャンプができたのもそう。

 

 このルアン姉ちゃん謹製(きんせい)のわがままボデーだが、マジで基本の運動能力や筋出力・持久力とかからして前とは全然違う。

 

 仕組みはわかんねーし、なーにを(ほどこ)してくれちゃったのか、あまりまったく全然考えたくないんだけど、

 

 ――とにかく身体が軽い……ッ。

 

 これなら、もう何も(こわ)く――だめだめ、なんか流れでフラグ立てちゃいそうだった。

 

 この世にも奇妙なフルアーマー姿に気づいたのか、既に甘めに見積もってもう3メートルもないゲートの隙間から避難民と(おぼ)しき1人が飛び出してきて、両手を使って「急げ!」と騒ぐ。

 

 わーってる。いや、負担重量何キロだと思ってんだ。これでも全力中の全力だっつーの。

 

 それでも、……ギリ間に合わないか、これ。マスク内で汗が噴き出、

 

 

 

「――キュウっ!!」

 

 

 

 その時、

 

 頭の上のカブ太郎が脚をためた状態でここまで来れば十分と言わんばかりに前方に向かってジャンプした。

 

 ゴムまりのように()ねつつも、猛然とゴールまで駆けていく姿はファンファーレが流れそうだった。

 

 一気に笑えるほど身体が軽くなり、

 

 ――行けるッ。

 

 息を止め、腹圧をかけて、残りの力をありったけ両腿(りょうもも)に込める。もはや自分でもわけわからんくらいひたすら脚で大地を叩き、リズムを誤って転倒しないことだけを祈り、

 

 

 

 

 ――最後の1メートル未満の空間に身体が滑り込み。

 

 直後に足下に差し込んでいた光が消え、重量感のある音とともに閉鎖される。

 

 

 

 間一髪。などと感慨ふけられるはずもなく、ついたスピードを落とすため、かつ前面背面の二人を守るため、ケツスライディングを決行し、完全停止するより早く二人を放し、

 

「あつッ!! あづッ!?」

 

 火炎放射器でも吹き付けられたように摩擦で熱くなったケツを押さえて、のたうち回る。お尻がショックで2つに割れてしまったかもしれない。あと丸出しになってないかめっちゃ心配。恐る恐る(さわ)れば、俺のモチ肌とコンニチハすることなかったので胸をなで下ろす。

 

 仰向けに大の字になって、息を整えつつ、マスクを脱ぎ捨てたい衝動と戦う。

 

 あーもう、しょっぱなからしんどすぎる。

 

 なんかこれもはや毎度言ってる気がしてきた。今後は先遣隊(せんけんたい)に安全安心を確立してもらってから降り立つようにしようそうしよう。

 

「キュウ……キューウ」

 

 心配そうに近づいてきたカブ太郎がコツコツとまた鼻先でマスクを(つつ)いてくる。俺は懐を探り、

 

「サンキュ、お前のお陰でマジ助かったわ……」

 

 うちの某黒猫用のちぇ~るスティックをご褒美代(ほうびが)わりに()いて差し出せば、くんくんと()いでから、ペロペロと舐めはじめ、身体を震わせる。あーこれは未体験ゾーンの快感得てるわ。

 

「キュウ~~……キュンキュン♡」

 

 心なしか声が甘くなっている。尻までフリフリし始める。

 

 やはり総合栄養食というだけあって、裂界生物(れっかいせいぶつ)でも食べるんだな。すげぇや。

 

 なで回しながら餌付(えづ)けをしていると、絶叫が耳に飛び込んで来る。

 

 

 

 

「――ま、マッ、ママが……ママがぁーーーーー!!!」

 

 

 

 

 すわ何事と身体を起こし目をそちらに向ければ、泣き叫んでいるのは――さっきの子供だった。

 

 周囲の避難民たちがヒソヒソと話す内容が漏れ聞こえてくる。

 

 

 ”かわいそうに、さっきの攻撃で母親が目の前で吹き飛んだらしい”

 ”孤児ばかりが増えるな……”

 ”わたしたちは運が良かった”

 

 

 言うだけ言って、余裕がないとばかりに誰しもが目をそらし伏せる。ただ、その無情の世界にあってなお、1つだけ動く影がある。

 

 

 ――カブ子、だった。

 

 

 言葉はなく、パニック状態に加えて、身体の動きから過呼吸気味になっているように察せる子供の前で膝をついて、目線を合わせる。そして細い両腕で、

 

 迷いなく抱きしめた。

 

 

 それだけで、

 

 他が暗転し、まるでそこの空間だけがスポットライトでくり抜かれたように――俺には見えた。

 

 

 そして回した手で、頭をなで、背中を安心させるように叩く。ひとつ。ふたつ。みっつ――、

 

 子供はしがみつくも、カブ子の手の平が動くテンポに、次第に震えていた肩や頭が同期していく。

 

 泣き声が嗚咽(おえつ)に変わり、嗚咽(おえつ)はやがて小さな震えへと変わる。

 

 子供が落ち着きを取り戻すにつれて、スポットライトから明転(めいてん)するように、金属音と靴音。

 

 俺たちの入ってきたゲートとは反対側――すなわち奥側にあった比較すればこちらの方が少しだけ防御力が低そうなもう1つの隔壁(かくへき)が開き、統治軍の兵士たちが中からぞろぞろと出てくる。

 

 どうやら今俺含めて避難民たちがひしめきあっているこの空間は、言ってみれば二重扉の間にある前室(ぜんしつ)のようなものらしい。

 

 兵の何人かがそれぞれ手短に叫ぶ。

 

「歩ける者は奥の待機区画(スタンバイエリア)へ! 壁沿い一列! 通路中央をあけろ!」

「荷物は持ったまま進め、立ち止まるな!」

「負傷者は横の救護区画(メディカルエリア)へ! 未成年は保護区画(セーフエリア)だ! 付き添いがいないなら、名を申告しろ!」

「男の動ける者、担架(たんか)を持て! 救護区画(メディカルエリア)まで搬送(はんそう)を手伝ってもらう!」

 

 その指示に従う形で、滞留(たいりゅう)していた人々に動きの流れが生まれる。兵士たちの発言は続く。

 

「解放戦線のヤツらが紛れ込んでいる可能性もある。マスク破損、武器所持、血痕――該当する者はその場で膝をつけ!」

 

 たしかにこのどさくさで紛れ込む可能性はあるな。俺も怪しいヤツがいねーか目星をつけとくに越したことはねぇか。

 

「!? おい、そこのお前!!」

 

 兵士の1人がこちらに銃口を向けてくる。

 

 なに! そんなに近くに怪しいヤツらがいたとはな、俺もヤキが回ったってもんだぜ。警戒度を上げ、念のため、少し場所を移動しようとして、

 

「お前だ!」

 

 銃口で強く押された。なんなんだよ、ストレスたまってるのかな。ほんとイヤな時代よね。

 

「マスク破損!」

 

 や、違うって、たぶんカブ太郎の(ひづめ)が食い込んでただけだって。

 

「武器所持!!」

 

 や、違うって、光る誘導棒(ゆうどうぼう)とおもちゃのロマン(ほう)なだけだって。

 

「血痕!!!」

 

 や、違うって、怪しいヤツをライダーキックして鼻血とかついただけだって。

 

 

 

 一気に駆け寄ってきた兵士たちそれぞれから指摘されていた。なんなのその条件、ずっる天和(てんほー)じゃん。

 

「違う、これは違うんです!」

「黙れ! ひざまずけ!」

 

 とりあえず言う通りにして、ひざまずく。すると、どうでしょう、俺を同心円の中心にして人々が途端に距離を取り始める。

 

 ふええ、こうやってみんな人を見た目で判断するのね。あんまりだわ……ッ! カフカさんに言いつけてやる!

 

 

「ま、待って! おにーちゃんはちがうの!」

 

 

 神は俺を見捨てなかったのか、さっきの子供がカブ子とカブ太郎を連れて、銃口すら恐れずに割って入ってくる。

 

 しかもカブ子なんて、2度目の両手を広げて守ろうとしてくれてるし……ボスぅ、一生ついていきます……!

 

 

「おにーちゃんは、ターニャたちをたすけてくれたの! わるいひとなんかじゃない!」

 

 

 そーだそーだ! 全面的にこの子を支持しまァす! 

 

 

「なんだこのガキは。それにこの女はなんだ口が()けないのか!」

 

 

 兵士の1人が激高(げきこう)し、カブ子に手を挙げようとしやがったので反射的に腕を掴んでしまう。やべ、これ身を滅ぼすやつ。

 

 だが、――そこで天啓が舞い降りる。

 

 完全にこれは日頃の行いによるものとしか思えない。

 

 腕を掴んだまま、俺は横の兵士に、俺のローブ内ポケットからスマホを取り出し、ID照会してみろと言う。

 

 兵士同士で”どうする?”と視線でやりとりがされるも、引き金に指をかけたまま、やがて横の兵士は俺の言葉通りスマホを取り出しID照会をかけ始めてくれた。そして――、

 

 

「こ、これはカンパニーの!? それじゃエレーナ様の言っていた――!!」

 

 ボリュームの壊れたバカでかい声を上げたのに反応するように、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――私がどうかした?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 途端。

 

 足下にいたカブ太郎が飛び上がり、奥側の隔壁からやってきたその声の主に駆け寄っていく。そして、そいつはカブ太郎を抱き上げると、ご褒美とばかりにわしゃわしゃなで回して、

 

「おーカブ~。ご苦労様」

 

 その小柄で、声からして女に対して、兵士たちは一斉に敬礼し、

 

「エレーナ様! おそらくこの男が探されていた男かと!」

「あっ、そうなんだ。ありがとう!」

 

 

 ――ん? ――んん???

 

 なんか、すげー違和感を覚えた。

 

 女は”この星は面倒だなぁ……”とか言いながら、俺の眼前まで来ると、フルフェイスマスクをはずす。

 

 バサッと広がる銀髪ロングボブ。インナーとポイントカラーが赤というなかなかにパンキッシュなヘアスタイルが目に飛び込んできて、すかさず口元と鼻だけを隠すハーフマスクを装着する。

 

 

 

 

 

 

 

「――君が、インターンくん? よろしくね、私はスターピースカンパニー戦略投資部のエレーナ。今回の話はジェイド様から、聞いてるんでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――は?」

 

 ――え? あれ、だって、カブ子は――、

 ――え、だって、カブ太郎と一緒だったから――、

 

 ちらとカブ子だったはずのそれ――両手を広げるマスクの向こうを確認しようとするが、当然後ろのこちらからではわからない。

 

「”は?”ってご挨拶だなぁ。君も顔見せてよ――」

 

 混乱も落ち着かないまま、エレーナとかいう女は俺の首元のロックを勝手に外し、マスクを持ち上げ、

 

 

「初対面は肝心なんだ――――」

 

 

 固まる。

 

 

 そして、同時に、

 

 

 

「君、」

「あんた、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「――――誰?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




こんな時代だからX上げたロリ星ちゃん置いときます。
バットの持ち方逆なのはご愛敬

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