沈んだこころを、怪物と   作:シリアス至上主義

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因みに、投稿ペースは私の書く気力次第です。


宇宙(そら)の月に(1)

『私の名前は依。あなたのエーテルは他と比べて段違いに多くて、濃い』

 

『そうですね───あなたのエーテルを、貰いに来ました』

 

『エーテルを...?』

 

『あなたを殺しにきたんです♪』

 

『私を...殺してくれるの...?』

 

 

「うそつき」

 

昨日、私はとある約束をした。それは昨日、私の事を殺してくれるという約束。なのに、あの怪物は私の事を殺してはくれなかった。

 

「信じなければよかったな」

 

昨日のことを胸に、朝日が差し込む学校の窓から碧い海を眺める。その海は昨日の夜とは違う、明るい碧色。

 

「そういえば今日は転校生が来るんだっけ」

 

どんな人なんだろう。できれば私に関わってこない人だといいけど。

 

「でも、恋白ちゃん休んじゃったしな...」

 

あの出来事の後に、また轢かれそうになった私を恋白ちゃんは家までずっと付きっきりで送ってくれた。元々ああ見えても体が弱い子だから、私のせいで休んじゃった...と思う。

 

「悪いことしちゃったかな...」

 

今度コンビニスイーツでもあげよう。甘いものには勝てないらしいし...ちょっと姑息かもしれないけど。

 

「HR始めるぞー!」

 

いつも通りの声にいつも通りの台詞。、今日のHRはいつも通りではないらしい。

 

「さて、学校でもっぱら噂になっている件についてだが...入ってきてくれ」

 

「はい」

 

まるで宇宙(そら)のような、深い青の瞳...

 

「初めまして。月城依です、皆さんよろしくお願いしますね」

 

『うおっ!すげー美人じゃね!?』

 

『化粧水とかどんなの使ってるんだろ!』

 

昨日の夕方にふ頭で見た瞳...!

 

「じゃあ空いてる席は…あそこの長春の後ろな。じゃあ———」

 

思わず、顔の筋肉が解けて口が笑う。でも、まさか今ここで...?

 

「初めまして」

 

この怪物は一体───

 

「よろしくお願いしますね♪」

 

何を考えているの...?

 

 

「気をつけー。礼」

 

『ありがとうございました』

 

結局、あの怪物は朝のHRから学校が終わるまで何のアクションも起こさなかった。

 

「じゃあ心桜。帰りましょうか」

 

「え?帰るって...あなた私の家知らな...」

 

「〇〇市〇ー〇ー...」

 

「あ、いや。わかったからその...ごめんなさい」

 

なんで私が謝ってるんだろう...?

 

「わかればいいんです。じゃあ行きますよ」

 

「そもそも、あなたはなんで私の住所を知ってるんですか?」

 

「楽にしてください。それと、あなたじゃなくて依です」

 

「じゃあ...依さん」

 

「まあ及第点でしょう。それで、君のさっきの問いですが...君を探していました」

 

私を探していたって...なんで?

 

「まず、我々エセリアルについて説明しましょう。我々はエーテルを原動力として活動する宇宙生命体です」

 

「エセリアル...宇宙生命体...?」

 

「はい。そして魂に霊紋と呼ばれるエーテルを生成する刻印のようなものがあるのですが...吸収効率が悪いので生命活動の維持にしか使えず、力を維持できないんです」

 

「それと私に何の関係が?」

 

確か昨日、私はエーテルが多くて高濃度だとか言ってたけど...

 

「そこで、我々はエーテルを保有する生物を捕食するんです」

 

「捕食...?」

 

「はい。そして昨日も言った通り、君のエーテルは多量で高濃度。まさに絶品です。例えるなら...かごしま黒豚や松阪牛などと言ったところでしょう」

 

「ぶ、ブランド...」

 

私って家畜...?エセリアルからしたらそうなのかな...

 

「そんなことよりほら、もう家ですよ!」

 

「うん、ありがとう。じゃあ、さy「お邪魔します♪」」

 

...なんでこの人上がろうとしてるの?

 

「なんで上がろうとしてるの?」

 

「?...だって私はここに泊まるんですよ?」

 

「え?」

 

「へ?」

 

私泊めるなんて一言も言った覚えないんだけど...

 

「泊めてくれないんですか?」

 

「いや、泊めてくれないんですかって...」

 

「あ~ここに泊めてくれないと今夜は凍え死んじゃうかもです~」

 

凍え死ぬって...

 

「依さんは宇宙生命体なんでしょ?宇宙から来たなら寒さにつy「死んじゃうかもです~(圧)」」

 

だめだ。このひと絶対に泊まろうとしてる。...仕方ないか。

 

「わかったよ。ほら、上がって」

 

「はい♪」

 

元気な返事と共に私の部屋のドアを開いた依さん。でも、着替えとかはどうするんだろう。それらしきものは持ってないし。

 

「依さん、着替えはどうするの?」

 

「ああ、私には必要ありません」

 

「どうして?」

 

「この服はエーテルによって構成されているので着替える必要がないんです」

 

エーテル...すごい万能...

 

「なら先にお風呂入ってきて。私は夜ご飯作るから」

 

「お風呂も...いえ、入ってきますね」

 

なにか言いかけていたような気もするけど...気のせいかな。今のうちにご飯作ろう。

 

「...」

 

「本当に私の事を殺しに来たのかな...」

 

油が弾ける音に紛れて、呟く。最近は恋白ちゃんの前でも症状を隠せなくなってきた。 ...今日だ。

 

「絶対に、問いたださなきゃ」

 

ご飯を食べて、お風呂に入って、そして言う。

 

「あなたは、いつ私を殺すの?」

 

これは、私の生きる理由に影響するのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────△──────────────

 

『101 10 11010 0011 1111 1111 0101 1000 01 0110 

 10 00 01011 1111 1111 1010 1000 010 0100 10...』

 

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