私は聞かないといけない。聞きたい。知りたい。知らなければならない。なぜあの怪物は私を殺してくれないのか。
「「いただきます」」
ダイニングの机に向かい合って、私たちは箸を動かす。
「美味しいです。心桜は料理もできるんですね!」
「叔母さんがお仕事で帰っちゃったから...仕方なく」
それに、私の作る料理なんてお母さんの作るのよりも...
「それでもおいしいですよ!おかわりありますか?」
そんな思考をしているときに、まるで慰めるようにそんな言葉が飛んできた。
「...何のつもり」
その言葉を聞いて、私は少し腹が立った。
「はい?どうしました?」
今日一日中、ずっと思っていた。
「あなたは私を殺してくれるって言った。なら...ならなんで...!」
「なんで殺してくれないの、ですか?」
「...」
「どうやら当たりの様ですね」
私の心はあの日からずっと
そこで、やっと現れたと思った。私でもどうしようもないぐらい強大で、理不尽で、残酷な私を殺せる何か。
「...あなたは私を殺すって言った。でも、私に牙を向くどころか舌なめずりさえもしない...教えて。あなたは一体何をするつもりなの?」
殺してくれないなら、必要ない。ご飯を作ってあげる必要も、お風呂を貸す必要も、家に泊める必要もない。ましてやエセリアルなら私は...
「そうですね。質問に質問で返す用で悪いですが...」
「あなたはどうしてそんなに死にたがるんですか?」
「...っ」
そんなこと...
「隠しきれていませんよ。自覚していないかもしれませんが、あなたはずっと言っていますよ。殺して
「あなたには関係ないでしょ!」
バタンッ
「あら、」
勢いよく閉じられたドアの風が肌を吹き付ける。
「逃げられちゃいましたか」
☆
「はぁ...はぁ...」
少しでも期待した私が悪かった。私の前に、それも私を超える存在が現れて殺してくれるなんて、そんな都合の良い事なんて、考えればわかったのに。
「ここって...」
気づけば私の足はあの怪物と出会ったあの場所に動いていた。...なぜここに?何を期待している?アレは私を弄んでいる。殺すと言っておきながら、私を殺そうとしない。
「帰ってもまだいるだろうし、恋白ちゃんの家に行くのは忍びないし...今日は野宿かな」
お金もないし、それしかないだろう。適当にベンチを見つけて、そこで横になって。上を見上げれば...
「地球の解放...か」
今思い返すだけでも笑えてくる。こんな世界を解放だなんて馬鹿げていると、今も思う。あのとき
「...お姉ちゃん」
あのときの私に残ったすべてだった。でも、それすらも奪われて。そこから必死になって、気づいたら私の周りには桜が咲いていた。
「深淵を覗いているとき、深淵もまたこちらを覗いている...」
ならば、私を覗いている深淵とは何者なのか。
「...私を、受け入れて」
「それは、誰に向けた言葉ですか?」
「...!」
伸ばしていた左腕を慌てて引いて寝ていた体を起こす。
「もう、こんなところまで来て何をしているんですか?」
「...関係ないって言ったでしょ」
「なら、無理矢理関係を作るまでですよ。それに放置していたら自殺しちゃいそうですし」
自殺...私は、死にたいだなんて、死にたいって、思ったことなんて...
「心桜」
「...?」
「少し、歩きましょうか」
☆
「私は何も知りません」
「...」
「君の好きなモノも、嫌いなモノも、過去も。わからないことが多すぎます」
「...それが、私を殺さないことに何の関係があるの?」
関係ない。私がどんなモノが好きでも、どんなモノが嫌いでも、どんな過去があっても、殺してしまえば全部関係なくなる。
「ええっ!大ありです!...霊紋によるエーテルの産出量にはその者の精神状態が影響しています。そして、一番多くなるのが幸せを感じているときです!」
グイグイ来るな...
「私は君を最高の状態で殺したい。そうすることで、私はまた生物としてまた強くなれる」
「依さんが私を殺すのはの気分次第ってこと...?」
そうだとしたら、それはあまりに酷だ。こんな苦しみを、まだ味わないといけないの?
「いえ、それは君次第です」
「私、次第...?」
「私は、君が幸せになったときに殺す。私に殺されたいなら、幸せに生きる努力をしてください♪」
死ぬために、幸せに生きる努力...か。
「...皮肉なこと」
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「11011 0011 11001 0100 000 11101 00 00100...」
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