「ごめん!待った?」
「ううん、今来たところだから待ってないよ」
「あれ?でも、心桜は20分前に来てませんでした?「ちょっ、依さん!」」
「次からはもっと早く来るね!?(心桜の優しさを感じる...!)」
遊びに行こうと約束した2日後、私たちの姿は近くのショッピングモールにあった。
「それで心桜、今日はどんなことをするんですか?」
「えっと、今日はここに行こうと思ってるんだけど...」
2人にスマホの画面を見せる。そこには最近流行っているらしき施設の説明があった。
「VR?」
「うん、ここはフルダイブの型が置いてあるらしいから暑くもならないからいいかなって」
「VRですか...よく分かりませんが心桜が選んだなら楽しいんでしょうね!」
「依さん...」
フルダイブVRなら体を動かさないから恋白ちゃんも大丈夫だろうし、汗もかかない。依さんは...わからないや。
「じゃ、行こっか」
「っ...」
☆
「お〜ここ!?でっかーい!」
「ガローラぐらいですかね」ボソッ
「私たちは...Sの1から3だね」
依さんが何か言ったような気がしたけど...気のせいかな。
「これを頭につけてカプセルの中に入る...だって」
「じゃあ早速やってみよ!」
ノリノリだなぁ恋白ちゃん...
「心桜」
「なに?」
「この子面白いですねっ」
「うん、そうだよ」
だから...
「仲良くしてあげてね?」
そう言い残して電子の世界に意識を落とす。今すぐ消えてしまいたい。死んでしまいたい。沈んでしまいたい。独りが訪れると直ぐにそう考えてしまう。でも、そのせいで恋白ちゃんが、私の友達が傷付くのは違う。
「...」
たから、依さんには恋白ちゃんのかけがえのない友達になってほしい。私がいなくなっても、恋白ちゃんが悲しまないように。
「あ〜きたきた!」
「えっと...何かやりたいのある?」
「...いや、まずは月城さんを待ってからにしよ!」
「月城さん」、か...。これはちょっと骨が折れるかも...
「へぇ、ここがVRの世界ですか。これはなかなか...」
人の技術とはすごいものです、と続ける依さん。
「...ねぇねぇ!これとかどうよ!」
「Xバスター...?」
侵略戦争のときに出現したXを模した怪物を倒すゲーム...恋白ちゃんが楽しいなら私は良いけど…
「そ!少しストレス発散したいなって!」
「あ、うん。そうだね...」
でも依さんが...
「ね?いいでしょ!月城さんもそう思わない?」
「えぇ、そうですね〜」
依さんは何事も無いように笑う。...大丈夫だよね?
☆
「ん~いいのあんじゃん!」
「恋白ちゃん、手甲武器得意だもんね」
「じゃあ私は...これでいいですかね」
恋白ちゃんはキャノンとブレードを併用できる手甲武器、依さんはリパルサーが付いた機械の腕。
(私はライフルでいいかな...)
私は近距離武器を使いこなす自信はないし、かといって依さんみたいな特殊な武器は扱えない。
「じゃあ、やっていきましょー!」
恋白ちゃんがスタートボタンを押す。視界が真っ白になり、光が晴れると巨大な防壁と数百体のXが現れる。
「ねぇ、恋白ちゃん。難易度どれにしたの…?」
「?インフェルノにしたよ?」
「それはそれは...余程の自信がお有りで?」
インフェルノって、一番難しかった気が...
「だいじょーぶ!心桜はあたしが守るから!」
それはありがたいんだけど...
「ENもちそう?」
「絶対持たない!」
歩兵の火力じゃあんな量相手にできないし...
「...少し数を減らしてきますね」
そう言って壁から敵に向かって依さんは突撃していく。
「っ!あのば...か?」
「えぇ...」
死んじゃう、と思ったら依さんはたった一人で27体ほどの敵を相手に渡り合っていた。
「っ、危ない!」
咄嗟にライフルを構えて背後から奇襲しようとするβ型に照準を合わせ、引き金を引く。
「ありがとうございます、助かりました〜」
「心桜エイム良すぎー!」
...こんなのが上手くたって、もうこの世界には必要ない。もう、戦乱の時代は終わったのだから。
「そうかな...それよりも防壁の耐久値減ってるけど...」
いくら依さんは強いけど、それでも少しは漏れが出てる。数にしてα型が19体。恋白ちゃんの強さと武器なら十分やれる...と思う。
「やっばほんとじゃん!援護おねがーい!」
そう言い残して恋白ちゃんは地面にキャノンを撃ってその反動で壁の外側に飛び出していった。
「器用だな...」
反動で飛ぶなんてエウレカさんぐらいしかやってなかったと思うんだけど...
「久しぶり」
何年ぶりになるんだろう、
「...排除」
思わず、あの頃の感覚が蘇る。閃光と鮮血が飛び交い、骸の山に立っては火をつける日々。
「平和な世界...」
私は戦場に立っているのに、世界は平和。
「お願いだから」
「私が、
私からすれば星の
「...」
そういった、私という存在の世界からの乖離、それもまた私が息詰まっている苦しみのうちの一つかもしれない、と独り言を言いそうになったけれど、やめた。
「ふぅ...ギリギリ第一ウェーブ終わった!」
「私はギリギリじゃないですけどね~!」
ここでそんなことを言ったら二人に心配をかけちゃうし、何より二人を仲良くするどころではなくなってしまう。
「お疲れ様。あっちに補給箱置いといたから自由に使っていいよ」
「サンキュ!心桜は気が利くねぇ...どっかの誰かさんとは違って!」
「おやおや、誰の事ですかね?」
少し言い合ってるけど...喧嘩するほど仲がいい、ってことわざもあるし大丈夫だよね。
「でも...やっぱりつらいよ...」
いくら二人が仲良くなるためとはいえ、
「...心桜」
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『Yq!qR[YK5^W,qey'』
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因みに、3人の声をフォントで表すなら
心桜「こんな感じ...」
恋白「こんな感じ!」
依「こんな感じです~」