沈んだこころを、怪物と   作:シリアス至上主義

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温かな海底...比名子の「いくよー」の声がかつてないほど明るくて良かった...

あと、「じゃんけんで決めよう」も若干ネタキャラ感があってよかったよ。

...それすらも汐莉さんに食べられるためだと思うと、うん。


白鋼の想い(1)

ピピピピッ

 

「...?」

 

6時45分...月曜日。今日も学校か。

 

『おはよ!今日はちょっと遅れそうだからいつもの場所で待ってて!』

 

『わかったよ、あそこで待ってるね』

 

同意の旨を乗せたメッセージを送り返す。

 

「結局、変わらなかったな」

 

あの後は、私が夜中に()()()を見て恋白ちゃんに寝かしつけられたぐらいだ。

 

「いかなきゃ」

 

 

不思議...

 

「…」

 

あのひとが現れてから。

 

『あなたを殺しに来たんです♪』

 

言葉一つで。

 

「違う」

 

凍りついてしまいそうな春の陽射しも、青色に見えなかった空も。

 

「あのひとの言葉一つで、ここまで変わるものなんだ」

 

でも...

 

「みんなは...」

 

お父さんが、お母さんが、お姉ちゃんが戻ってくることはない。

 

「...」

 

過去(あい)は裏切りたくない。だから...だから必要なんだ。

 

依さん(私を殺す存在)...」

 

「呼びました?」

 

「わっ...びっくりした」

 

一体どこから現われたの...?

 

「ふふっ、驚かせてしまってすみませんね♪」

 

「いや、大丈夫だよ」

 

...真後ろだ。この私が、真後ろにいた依さんに気が付かなかった。もしかして、依さんなら本当に...

 

「あ、そうだ。恋白ちゃんがこの後来るらしいから待とうよ」

 

「ん〜そうですね....じゃあ、待っている間に気になったことを聞いても良いですか?」

 

「いいけど...なに?」

 

「確認ですが、人間は気温に応じて服装を変えるんですよね?」

 

「うん」

 

なにが聞きたいんだろう...?

 

「それで、今は春ですね?」

 

「うん、そうだよ」

 

「じゃあ、なんで冬服を着てるんですか?」

 

冬服...そっか。依さんには言いってないんだっけ。

 

「私、生まれた時から持病があって...エーテル性減血症(せいげんけつしょう)って言うんだけど、血の量が少ないんだ」

 

「だから寒いから冬服だと?」

 

「うん。それに、血行不良で酸素不足だから体力もないの」

 

「体育に参加しないのもそれが理由ですか」

 

私の平均体温は33℃、暖かい服装をしてないと体が震えたり、意識が朦朧としたり、フラフラしたりする。だから半袖は夏にしか着れないし、息切れしやすいから運動もできない。

 

『お~い!こさくー!』

 

「あら?来たみたいですね」

 

「おはよ~心桜!月城さん」

 

「おはよう恋白ちゃん」

 

「おはようございます、恋白」

 

「おはよー、じゃいこっか!」

 

やっぱり、依さんに冷たいな...

 

 

 

今日が決着、ですかね

 

 

 

 

「...何でだろう」

 

恋白ちゃんは、なんで依さんと頑なに仲良くしようとしないのか。

 

「このままじゃ...」

 

私の願い()も、依さんの願い(殺し)も、叶わずに終わってしまう。

 

─からだな。エーテルは臨界すると電子を破壊するようになるが──

 

お出かけする作戦は失敗...やっぱり、日常から変えないとだめかな.....

 

その臨界温度は...長春、何度だ?』

 

「...え?」

 

「わからないのか?」

 

「あ、えっと...77860℃です」

 

「そうだ、テストは80000℃でいいからなー」

 

...さすがに、授業に集中しないと。

 

 

「恋白と仲良くなってほしい?」

 

「うん、これからは三人でいる時間が増えると思うから」

 

多分、私だけじゃだめだ。本人たちが意識しないといけない。

 

...心桜は優しいですね

 

「なんて?」

 

「いえ、なんでもないですよ」

 

「じゃあ...私、ゴミ出してくるね」

 

「はい。お気をつけて───」

 

...彼女が居なくなったのを確認して、左から飛びかかってきたβ型(劣等種)を叩き落す。

 

「見せしめも兼ねてシアエガを殺したんですが...」

 

(知能のない劣等種には意味が無かったみたいですね)

 

とは言え、放置するわけにはいかない。近いうちに掃討する必要があるだろう。

 

「さて、と。いつまで隠れているんです?」

 

「...はぁ、気づいてんのかよ」

 

「それほど鈍感ではないので♪」

 

校舎の陰から現われたのは恋白。どうやら出てくるタイミングを窺っていたようだ。

 

「...今度こそ」ギュィィン

 

「ここで終わらせる」メキメキッ

 

へぇ...あの子、手が変形するんですね?

 

「その様相...元も人型ですか」

 

「お前は人型じゃないみたいだね」

 

あの形はエーテルキャノン...なるほど。

 

「君は──「恋白ちゃん?」」

 

「掃除当番...だっけ?」

 

「...違う違う、心桜を迎えに来たんだよー!」

 

「あ、そうなんだ。依さんは...」

 

「大丈夫ですよー。箒は私が片づけておくので」

 

「だから、早くいこー!」

 

箒を依さんに渡してから急いで鞄を肩にかける。

 

「えっと...さようなら」

 

 

「やば!きゃわー!」

 

「う、うん?」

 

依さんと別れた後、私は恋白ちゃんに連れられて近くの喫茶店まで来ていた。

 

「あ、この画角だわ!こっちもいいー!」

 

「恋白ちゃん...食べないの?」

 

「わかってないなぁ心桜はぁ...まず写真を撮ってから食べるんだよ?」

 

「そうなんだ...?」

 

「そしてYに上げる!」

 

「リアルタイムの投稿は...「だーいじょうぶ!」」

 

「何かあっても!心桜だけは守ってあげるから!」

 

そう言って恋白ちゃんは、私に抱き着いてきた。

 

「...苦しいよ恋白ちゃん」

 

正直に言うと、少し首が締まって苦しい。

 

「いいじゃーん心桜のケチー」

 

「離れないと恋白ちゃんの分も食b「それだけはダメぇ!」」

 

「んぅ~うまー!」

 

「あ、本当だ。美味しいね」

 

ケーキを食べちゃうという警告をすると、恋白ちゃんは自分の席に戻ってくれた。...ケーキの方が大事なんだ。

 

「...あ、心桜!」

 

「なに?」

 

 

 

「ちょっと予定できちゃったから...一人で帰れる?」

 

 




この作品を読んでいるということは、君たちが求めているのは果てしなきシリアスの世界。そしてハッピーエンド。

その意味では、我々の思惑は一致している。

シリアスのない作品によって作られる世界など、私の生きる世界ではない。

依「それを破壊するために、この作品を書いていると?」

筆者「シリアス作品の中にしか、私の存在する場はない。好きに書き、理不尽に失踪する。それが私だ、評価の有無ではない」

シリアスな百合はいい 私には、それが必要なんだ
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