沈んだこころを、怪物と   作:シリアス至上主義

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あけおめ!私は年越しそば...ではなく、うどん派なので年越しうどんを食べました。


白鋼の想い(2)

 

「心桜は行ったかな」

 

SEEKERに、ETの反応があった。

 

「...海浜公園」

 

あの子を巻き込むわけにはいかない。

 

『恋白ちゃんさよーなら!』

 

「は~いさようなら。気を付けて帰んなよ~」

 

それに、

 

『おぉ、恋白君か。学校お疲れ様』

 

「あ、おじさん!最近暑くなってるので気を付けてくださーい!」

 

この人たちを、巻き込みたくない。

 

「...やっぱりキツイかも」

 

あの子からもらったET炉は数年前に壊れた。だから、最近はETの補給があまりできてない。

 

「でも、やるしかないか...」

 

例え私が、動かなくなったとしても。

 

「あの子だけは」

 

あの子だけは、守らなければならない。

 

「...春蘭」

 

春蘭なら、直ぐにこんな問題、終わらせれるのかな。

 

「駄目だなぁ...」

 

あの子はいつも戦うことに苦しんでいた。

 

「似てる...」

 

心桜と春蘭は似ている。

 

「...」

 

怖い。春蘭を失った様に、心桜を失うことが。でも、この怖さを知っているからこそ守らなければならない。

 

「っ...」

 

さすがに補給しないとやばいかも...

 

「手ごろなET結晶でもあれば」

 

でも、戦後の世界にそんなものはないだろう。...てか、あってたまるか。

 

(システムチェック)

 

ヘッド:グリーン、ライトアーム:イエロー、レフトアーム・レッグ:オレンジ。ウイングは...

 

「レッドかぁ...」

 

空中戦はできいない...というかリアクターが壊れてるから3分ぐらいしか飛べない。

 

「ステラキャノンも...」

 

ETが足りないからリペアもできない。つまり、融解したステラキャノンは使い物にならないだろう。

 

「アイツ...」

 

あのET濃度...恐らく戦争を生き残った上位種だ。

 

「しばらくお休みかねぇ」

 

それなりの損傷を覚悟しておかないといけないだろう。全盛期ならまだしも、今は満身創痍。適当なデバイスでも用意して、バックアップをしないといけないだろう。

 

「予備のドローンかな」

 

今のうちからバックアップ用の経路を作っておく。バックアップと言っても、私たちは固有の存在だ。複製することはできない、いわば精神生命体。これは単なる思考の逃げ道でしかない。

 

「...ここか」

 

到着した場所には、空を焼いているオレンジ色の太陽。規則的に聞こえる潮騒。そして───

 

「来ましたか」

 

「やっぱり、おびき出そうとしてたんだ」

 

漂う、高濃度のET。

 

「ええまぁ、これに反応ができるってことは君...」

 

「しゅん──「春蘭」」

 

「あたしは春蘭の戦友だよ」

 

それが私。

 

「そうですか。にしても、あの沈み方はまさに英雄でしたねぇ?地球を救うために突撃。まるで映画みたいでしたよっ」

 

「...黙れ」

 

「ん?なんて──「1001() 111()...!」」

 

ES(機械言語)で話されてもわかりませんよ?」

 

出し惜しみはなしだ。全弾撃ち尽くす覚悟で戦う。

 

「やる気になりましたか?」

 

お前だけは許さない

 

戦闘UIを表示し、ロックオンサイトに月城 依(ENEMY)を捉える。

 

「君がそうまでして戦う(守る)理由は?」

 

戦友(春蘭)に言われたんだよ。『君は盾となり、私は剣となる。君は皆を守ってくれ』、と」

 

ETを散らして、放たれる光の中で体を再構成する。

 

「それはそれは。敵を滅する(つるぎ)が無いのに、『皆を守ってくれ』ですか。大した戦友ですね?」

 

『たとえそれが私にとって呪いだったとしても、私はそれを果たす』

 

再構築が完了、私の目線は高くなり、薄だいだい色だった体は白色へと変わる。

 

「どうしてです?」

 

『お前に言う義理は、ない』

 

地面を蹴って急接近、ライトアームのブレードを振るう。

 

「おっと、危ない超兵器ですね?」

 

『お前に言われたくない』ギュンッ

 

チッ、避けられたか。

 

「まったく、元気なことで」

 

そう言うとアイツは背中から六本の触手を生やした。

 

『...これだからハスターは嫌いなんだよ』

 

Xとの戦闘において、触手は面倒だ。触手と言っておきながらカオスプレート程の硬度を持っているのに、しなやかに動くせいで予測がしづらい。

 

「...空に上がらせてくれませんか」

 

空へと上がろうとした依を、40本のマイクロミサイルで迎撃する。

 

『それをされると厄介なもんでね』

 

おそらくETキャノンは触手で防がれるだろう。近接戦で片を付けたいが...数が多い。

 

「フェアじゃないですねぇ?」

 

まずは触手の数を減らす。

 

『戦場にフェアも何もない』

 

コアビームを発射、アイツは予想通りそれを触手で防ぐ。光で視界が遮られる中、ロックオンサイトを頼りに距離を詰める。

 

「どうです?ここらで一時休戦にしませんか?」

 

『するわけないだろ...!』

 

「いえ、ただ───残量は平気なんですか?

 

残量?まさか...まず───

 

『WARNING』

 

『っ!?そこまで図ってたのか!』

 

「やっと空に上がれますね♪」

 

心底楽しそうな声色で、怪物は言う。

 

『っ...』

 

「少々感情的になりすぎじゃないですかー?」

 

『...まだだ...あたしはまだ戦える...!』

 

高くジャンプした後に、変形。強襲形態(アサルトモード)から飛行形態(フライトモード)へと体が変わり、ステータス:レッドの翼を広げて敵の目の前に滞空する。

 

「ほう...君、可変兵器(トランスモデル)ですか」

 

『だったらなんだ?』

 

「いえ、普通の超兵器ならただ嬲り殺しますが...可変兵器なら敬意をもって嬲り殺さないといけないので♪」

 

ETの残量は残り19%。本当にギリギリだけど、やるしかない。

 

 

 

 

 

『For my mother planet!』

 

 

 

 

 




要らないって言ったのにとろろ昆布入れられたぁ...!
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