『ぎあまき!』   作:すやすや教徒

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第11話【特訓とクラスG】

はぁーーーっと息をする

全身の感覚が研ぎ澄まされている

 

これが動力爆破…!

 

「っ!?」

急に動力爆破が解除され、膝をつく。いや、ただたんに維持できなかっただけであろう

 

「大丈夫?」

先程まで戦い合っていた雪場はこちらに駆け寄り、手を差し伸べる

 

「あぁ、ありがとう」

俺は彼女の手を取り立ち上がる

 

「途切れたとは言え、出来たじゃねぇか、動力爆破!すげぇ速度で覚えたぜ」

いつの間にか復帰したタケルは俺をそう褒める

 

へへ、悪い気はしない

 

「よし、もう一回、試みてみるよ、出来たら試合再開な」

 

「オッケ!」

「わかりました」

 

深呼吸、全身の動力を稼働させるため、力を込める

 

基盤のような紋様が現れ、それがやがて全身から立ち昇る黄色のオーラに変化する、

 

「にしても、僕達の強化は基盤模様で終わりなのに、お前の場合オーラみたいになるんだな?」

 

確かに、なんでだ?

 

その疑問に雪城が推測する

「おそらく、ですが。わたしの場合尻尾、まあ、正確には尾骨ですが、そこを起点に生身の肉体に動力が流れます、しかし尾河さんの場合が全身が動力の発生源だから、こういったオーラのような状態になったんじゃないかなぁー、と思います」

 

まあ、推測ですが、と付け足す

 

 

「さて、と」

オーラを纏う俺が一言

「特訓再開だ」

 

そういうと、全員がバックステップで距離を取る

その途中、尾から斬撃が飛ぶ

 

その斬撃を軽く屈み、回避

「身体が軽い…」

自分じゃないみたいだ

 

「スピードクラッシュ!」

高速の拳がタケルのギアから放たれる

それはこちらに飛んでくる

 

早い…!けど、今まで感じてたほどじゃない、な

 

俺はスピードクラッシュに正面から拳を合わせた

 

その拳は爆発、煙が立つが、そこまで痛くないな

 

鋭くなった感覚、直感で…!

 

「ハア!」

走り出し、タケルにボディブローを放つ

 

「っ!?」

それに少し遅れて放たれたのは巨大な拳

「ビックフィスト」

拳と拳の鍔迫り合いに俺は勝ち、また爆発、煙立つ

 

その煙の中で、的確にタケルを捉え、攻撃を放った

 

その攻撃は直撃し、吹き飛ばされるのだった

 

一つ、深呼吸を挟む

 

消えていくオーラ、動力爆破が途切れた…

 

「大体20秒くらいか?維持できたのは」

「そうかもね」

背後から声

 

振り向き、防御態勢を取る

尾と蹴りによる、連撃が放たれる

 

なんとか回避、最後の強力な蹴りを頑丈な右手で防御する

 

動力爆破なしじゃどうやっても雪城の速度のほうが早い、なら

動力爆破発動を試みながら、耐え忍ぶ

 

右腕に巻き付く尻尾

その細い尻尾で出せる力とは思えない力で引っ張られる

 

やはり右腕を警戒…!

俺は近接戦で彼女に勝ったことがない

 

右腕を引っ張られて、体勢が悪い…!

俺はそのまま胴に三発程攻撃を受ける

 

そして、俺は宙に浮いた

尾によって持ち上げられ、地面に叩きつけられる

 

「グッ!?」

 

なんとか、再発動できた…!

「動力爆破!」

そのままの勢いで彼女の尾を掴み、逆に放り投げる

 

投げられた彼女は受け身を取り着地、そこに俺は跳躍し踵落としを繰り出した

 

それを彼女は尾と腕で受け流した

 

ここまで簡単に対処されるのはいささかショックであるが

「流石の技量だな!何処でそれを学んでる」

 

「家庭の事情でちょっと、もう縁切ってるけど」

 

「まあ、いいか、ここからが本番だぜ?」

溢れ出るオーラでそう言えば

「付け焼き刃で勝てると思わないで」

そう啖呵を切った

 

 

俺はすぐさま格闘戦に持ち込む、

 

 

動力爆破が途切れた俺に飛ぶ斬撃が直撃する

 

そして俺は倒れた。

途中、タケルも復帰し、攻撃を仕掛けてきたが動力爆破状態の俺の一撃を再び受け、ダウンした

 

「一旦、きゅーけー」

 

俺達三人は芝生で大の字となる

 

俺自身ヒジョーに疲れた

 

「動力爆破ってすげー疲れるんだな…遅れて疲れが来る」

寝転びながら俺が一言

「やっぱ、慣れてないことをしたから、仕方ないよ」

タケルも寝転び一言

「わたしだって最初はそんなもんでしたよ、日々の成長あるのみですよね」

雪城も寝転び一言

 

「俺の問題はアレだなぁ、維持だなぁ」

「まずは、そうだろうな」

「そこからもまだまだ課題はありますよ、出力調整もですし、体の一部に動力を集中とかー、そもそもとして尾河くんだって、わたしやタケルみたいにギア特有の能力がある筈ですし…」

なんだか全員の口調がふわっとしている、そんな気がする

 

「そんなにあるのかー、」

あーダメだ、芝生心地良すぎて頭ふわふわになるー、コレが母の温もり…

 

「ま、気長に、成長したいけど、まず最初の一歩が出来ないとなぁ、なんかいい方法とか知らない?」

 

タケルはこちらを向き、一言

 

「ううん、一切わからん」

と言った

 

俺達がサンサンと輝く太陽に照らされながらほぼ脳みそを溶かしたような会話をしている時、鋭く、凛とした声が響く

「お前達、何をしている」

 

そう、俺達の試験を担当した教官であり、俺達の職場の副部長、葉月朱音であった

 

俺達はバッ、と猫のように素早く立ち上がり、姿勢を正す

タケルはうげぇ、と嫌そうな顔をするので少し小突く

「教官、俺達は現在特訓の後の休息を取っていました」

と俺が説明する

 

「別に悪いことはしていません!!」

タケルは懇願するように言う

 

「そうかそうか、」

彼女は腕を組み、ウンウンと頷く、その所作一つ一つに圧がある

 

ゴクリ、と生唾を飲み、次の教官の言葉を待つ

 

 

教官の放つ言葉は俺達の予想に反するものだった

「休息も大事なことだ、水分でもいるか?必要なら汲んでくるぞ」

 

彼女は優しく、俺達に言う

「どうした、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして、必要ないなら私はもう行くぞ」

 

「あぁっ、水分は自分たちで用意できますので、お気遣いどうも」

 

「なら、少々スパルタな方法になるが、いいか?」

 

この人が言うスパルタってどんなレベルだ?だが、

「はい、問題ありません」

どんな辛いことだって受け入れる覚悟が俺にはある

 

はは、なら、教えよう――

その方法とは…?

 

 

足に力を込め、黄色のオーラを纏い、跳躍

 

目の前には巨大なジェテリア、車型のジェテリアだった

 

ジェテリアは突進してくる、それは俺は正面、真っ向勝負でぶち抜いた

 

ジェテリアは停止、破壊が完了した

「ナビちゃん、後は?」

 

『そりゃ、もちろん、無尽蔵にいるに決まってるじゃないですかー!』

アハハ!と乾いた笑い声が耳のインカムから聞こえる

 

ここが何処か、気になるだろう。ここは

 

[暴食]の通り道だ

 

此処には無尽蔵のジェテリアがいる此処は3年ほど前、グーラが通った道だ。

 

改めて、辺りを見渡す、数え切れないほどの赤い目、虫が這うような音、歯車が回る音

 

彼女が言っていた方法、それはシンプル、無尽蔵にいるジェテリアを破壊し続けることだ

教官いわく、発現者にとって、ジェテリアを殺すことは単なる駆除意外の意味を持つらしい

 

発現者がジェテリアを殺すことは刀を鍛えるのと同義である

そう教官は俺に言った

俺以外の発現者はギアではない生身の部分がある、そこももちろんジェテリアの機化電波の浸蝕を受けている、ならなぜギアが増えたり、ジェテリア化しないのか。それは全てギアがそれらを糧にし進化しているから、だそうだ

 

つまりこの特訓は進化を促す特訓であるということだ

 

2m程の箱に大量のコードが絡まった様な見た目のジェテリアが6体、群れている

「ナビちゃん、アイツらのクラスは?」

 

『うーん、ちょっとまって下さい、今、調べまーす』

ピピッ、という音と一緒に『全員クラスMです!』という可愛らしい声が

 

「多少、面倒くさい」

動力爆破、まず、一番前にいる奴

 

拳を振るえば、ジェテリアの胴らしき部分に拳が貫通した

ジェテリアは叫び声を上げ、コードを伸ばし、攻撃してくるがその前に腕を引き抜き、回し蹴りで吹き飛ばし、一体処理

 

残りの五体のジェテリアもこちらに気付く、そして、電気の伸びたコードを伸ばしてくるのであった

 

五体のジェテリアによる、同時攻撃、避けられないな

だがしかし、この場にいるのは俺だけではないのだ

 

「タケル!」

 

「応よ!セブンフィスト:分散・アタック!」

空から飛んでくる七つの拳、それらはコードと敵本体を的確に破壊した

 

スタッと着地したタケル、この特訓、参加者は俺とタケル、雪城は用事があるから遠慮しておく、だそうだ。教官は遠くから俺達を監視しているらしい

 

「コレで僕は50体くらい倒したんじゃないかな」

タケルは手についた汚れを払いながらいう

 

「なら俺は60くらいは狩ってるかな」

「思い違いだったみたい、61以上だ」

 

「は?」

「は?」

 

「「は?」」

なんだコイツ?ぶっ飛ばしてやろうかな

 

『くだらないことで張り合うのやめてくださーい!!』

 

ピピッ、と通信音

『クラスGだ。注意しておけ』

葉月からの通信

 

「は?クラスG、マジで言ってます?」

クラスGって結構少ないっすよ?とタケル

 

『マジだ、というか暴食の通り道ではクラスG程度、普通に見かけるぞ』

 

まじか、動力爆破を切り、小休符

 

ここまで戦って、分かったことがある、今の俺の練度では動力爆破を継続させることが出来ない、だいたい爆破状態と通常状態で1:1の比率、それを意識して戦わないと俺自身の体力が持たないのだ。

 

クラスGに備え、構える

 

遠方に見える無数の赤い目、それらはこちらに押し寄せる

否、その無数の目は一体のジェテリアの眼球だった

 

5mほどの赤い眼球の塊のジェテリアは流動的に蠢く

 

「クラスG威圧感がMとは段違いだ…!」

俺はそう呟く、だが、あの虚飾の子よりはマシだ

 

「俺達ならやれる…!」

タケルがそうやって鼓舞する

 

「あぁ、行くぞ」

動力爆破、起動

 

ジェテリアの全身の眼が強く光り、その光が一つの眼に収束していく

 

その輝きが最高潮になった時、放たれたのはレーザービームだった。

 

俺は右、タケルは左に飛ぶ、ビームの着地点は大きく爆発した

 

あぶねぇ、よけれなかったら今の時点で…

 

そういった悪い想像を振り払い、俺はジェテリアに飛び込んでいく。そして右から体重を乗せたパンチを繰り出した。

 

その一撃によりジェテリアは少し仰け反る。しかし、俺は感じた

 

あんまり効いてない、流動的で不安定、しかもだ、おそらくコイツ、ジェテリアの塊だ。ジェテリアの残骸を操ってんのか?

 

そう考えていると聞こえるキュイン、という音

ジェテリアは体から丸ノコ付きの触手を生やし振り下ろす

 

それを俺は右腕で弾き返した

 

この移植された右腕、本当に頑丈である、そう思いながら触手部分を掴み引っこ抜く

 

「体が軽いってのはいいもんだ!!」

 

 

一方タケルは…

 

「ゴーストハンド」

半透明の拳を創り出したタケル

 

「理人もかなり強くなってる、一番弱いだね、ま、名誉挽回といきますかっ」

 

半透明の拳、ゴーストハンドに動力を注ぎ、一言

「ナックルボム」

 

ゴーストハンドがジェテリアに向かって飛んでいき、着弾

次の瞬間、爆発

その爆発によってジェテリアの残骸が一部吹き飛ぶ

 

タケルは見たその内部の赤く大きな球体を

「あ!多分弱点みっけ!」

 

しかしその内部は残骸によって塞がれていった

 

「本当か!?」

俺、尾河理人はジェテリアの凶器付き触手攻撃を拳で弾きながら聞く

 

「あの内部、ちょうど中心らへんに赤いコアみたいなのがあった!」

 

「なら、それ叩き割るぞ!」

爆破状態を解除、

「僕が道をこじ開ける」

 

「了解、俺がとどめを刺せば良いんだな?」

 

(僕がセブンフィスト:連撃でコアを露出させる、)

「少し隙ができるから後サポートもよろしく」

 

オーケーと了承する。

動力爆破状態の拳で破壊する、

 

タケルから動力が溢れ出る、それらは七つ箇所に集まっていく

 

ジェテリアがレーザービームを放つ。そのビームがタケルを貫こうとする。俺はともかく、タケルにとっては直撃すれば致命傷の一撃

なら、しっかり防御すれば良い

 

「動力爆破…!」

タケルの前に立つ、鋼鉄の右手でレーザービームを受け止める

 

凄まじい熱量の末、爆発。それをもろに受けるが俺の身体は無事だ

 

エネルギーは拳の形を形成する、それが六つ

 

「準備完了だぜ」

 

「…!」

俺は動力爆破を解除する

 

任せたぜ、タケル

 

「行くぜ!セブンフィスト:連撃!」

 

一つ一つが爆発する拳、それぞれが違うタイミングで放たれる

 

(ジェテリアのあの巨体、その衣剥がしてやる!)

 

拳が当たるたび、ジェテリアが身に纏う残骸を吹き飛ばされる。

 

「最後のいっぱぁつ!!!」

最後に放つは己のギアに込められたエネルギー

 

その拳が最後の残骸を吹き飛ばす

 

「あれがコアか!」

巨大な赤いコア

 

「動力爆破!」

俺は踏み込む、オーラが自身の進んだ跡を作る

「だあああああ!!!」

 

右手の一撃がコアに突き刺さり、ヒビが入る

 

ジェテリアのコアからエネルギーが発され、衝撃波

 

俺は吹き飛ばされ、タケルに受け止められる

 

数秒の沈黙

「…どうなる?」

 

ピキリ、ピキリ

ビビがだんだんと全体に広がっていき、やがて砕け散った

 

『クラスG、反応』

消失

そうナビちゃんの声が聞こえる

 

勝ったのだ

「はぁ、疲れた、」

ただ、その一言に尽きる

 

「僕たち、クラスGを倒せたのか…」

 

ピピっと、通信が入る。葉月からのようだ

『お疲れ様、今迎えに行く、それか自力で私のいる地点まで戻ってこい、私の位置はナビちゃんに聞いてくれ』

 

「自力で帰れますよ、疲れた、と言ってもケガを負ったわけではないですから」

俺はそう答えた

 

 

時が、少し経過しついに俺たちは【巨大モール掃討作戦】当日を迎えた

 

そして、俺は此処で何か知ってるジェテリア共に俺の幼馴染について聞き出すのだ




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