『ぎあまき!』   作:すやすや教徒

12 / 14
第12話【再びの邂逅と時元ループ】

『葉月朱音、トム・サシャータ、尾河理人、新島タケル、雪城友里、以上の5名が作戦参加メンバーとなります』

可愛らしい声が響く

 

『西口からの侵入が最も安全なルートと判断しました』

 

『そして、本作戦のオペレーターはわたし、千登世菜美が担当させていただきます!』

 

巨大モール掃討作戦

俺はその作戦に参加していた

 

と言うか大家さん…サシャータさんも参加しているんだ、侵略対策部所属なのだろうか

 

軽く挨拶しに行くか

 

そう思いサシャータさんの所へ歩を進める

 

「サシャータさーん、おはようございマース!」

「あら、理人くん、おはよう、今日も元気ね」

 

「はい!おかげさまで!」

 

以前、昔話を聞いた、ガタイのいい、銀髪ポニーテールの女性、いわゆるオカマと言われる人物だ

 

そんな中、もうひとつの見知った声がする

「あれ?大家さん、何でいるの?」

 

元気な少年の声

その声の主は新島タケルであった

 

「あら、タケルくんもおはよう」

俺は一つ疑問思う

「あれ、タケルもサシャータさんのこと知ってるの?」

 

タケルはその問いになんてこともないように一言

「そりゃそうよ、僕の住んでるアパートの大家さんだからな」

 

ん?つまり?

「えぇ!?俺も同じアパート住んでるぜ!」

驚愕の新事実だなぁ!まさか同じアパートに住んでいたとは

 

サシャータさんはニッコリと笑う

「あら、お友だち?」

 

「はい!そうなんですよ、俺らと雪城って女の子、三人で友達です!」

そう自信満々に俺は言う

 

タケルは後頭部をポリポリと掻き

「ははっ、そう直球で言われると照れちまうぞ」

 

 

「ていうか!本当になんでサシャータさんがこの作戦に?」

本当にそれが気になるのだ。俺の認識が大家さんだから、なぜこんなところにいるのだと

 

「ああ、それね、そう言えば昔話のときにしっかり説明してなかったわね」

 

 

「アタシは侵略対策部発足前からジェテリアを狩り続けた、【守護者】の一人なの、あぁ、守護者っていうのは侵略対策部みたいな公的な機関が生まれる前からジェテリアと戦ってきた人たちのことを言うのよ」

今は侵略対策部所属よ♪と付け足す

 

なるほど、この人は昔から戦ってきたのか

「じゃ、頼りにさせてもらっても、いいですか?」

 

「えぇ!じゃんじゃん頼って頂戴」

そう言い彼女は笑った

 

side雪城友里

 

わたしはモールを眺めながらため息を吐く

 

憂鬱だ…本当に

おそらくその原因はわたしの腰に携えてある『刀』のせいであろう。

 

人間が皆生きるためにする呼吸すらも剣士ならば、律さなければならない。とても面倒臭い、その積み重なる深い歴史の剣士としての【心得】がわたしに重石を乗せる

 

「やっぱりこんなモノ、持ってこなければ良かった」

刀と空を見比べながら、わたしは心の底からため息を吐いている

 

愛刀【岩切】

とてつもない名刀らしいけど、役に立つとは思えない

 

わたしの尾の先にある刃、こっちのほうがよっぽど使いやすいだろう

 

足元の小石を一つ、手に取る、放り投げて

[抜刀]

 

小石は真っ二つに断ち切られ、ぽとり、と二つの欠片が落っこちる

 

「おーい、雪城!」

なにやってんのー?

 

呑気な声、どっちだろうか、尾河くんかな

 

「ううん、何もしてないよ、座ってゆっくり、休んでいただけ」

 

理人はふーん、と言いながらわたしの隣に座る

 

「今日がさ、俺達の初めての大仕事なんだろ、」

わたしはうんうん、と頷く

 

「大丈夫だって、信じてるんだけどさ、あの時。シラネみたいな、強いやつと戦うのが怖いんだ…リーヴィズ、幼馴染と約束したはずなのに…痛いのは、辛い」

 

「そりゃそうだよ、痛いのが辛いって感じるのは本能なんだから」

 

でもわたしは心の底から思う

「でもね、わたしだって見てきた、三人で特訓、したでしょ?」

 

「なら、きっと勝てるよ」

 

「そうかな、」

彼はボリボリと頬を掻く

 

そして立ち上がって一言

「はは、俺ってちょっとチョロいのかな、なんかできる気してきた!」

 

「ありがとな、雪城、お前もきっと悩みとか色々あるんだろうけど、乗り越えられる!その剣、似合ってるぜ!」

 

じゃあな!と彼は向こうに行ってしまった

 

わたし一人、数秒の沈黙が流れる

「はぁー、」

大きくため息

 

「尾河くん、本当に勘が鋭いな、にしても」

 

剣、似合ってる、か

刀と剣の見分けもつかないんだから…きっと本心から

 

私の心の重石が一つ、取れた気がした

 

 

ビィーー!!っと笛の音

 

それを合図にメンバーが集まる

 

「これより!作戦を開始する!!」

聞くだけで背筋が伸びる、威圧感のある声

 

葉月朱音が指揮を取る

 

「用意はできたな?なら、作戦開始だ」

 

その声が合図となる

 

俺達は西口から攻め込むこととなる

 

「では、突撃!!」

俺は西口から一番に走り出す

 

探せ、敵を…幼馴染の手掛かりを掴むんだ!そう思いながら広いモールを駆け抜ける

 

一体のジェテリアが二階から襲ってくる

『推定クラスMです!』

ナビちゃんの声

 

鋭い刃物を装備したジェテリア、俺はそれの強襲にバックステップで回避そのまま動力爆破を一瞬発動させ、踏み込み、頭部に一撃

 

ただそれだけでジェテリアは再起不能となる。

 

『お見事です!』

 

「にしても、みんな、来ないな」

教官とかなら絶対俺より速く先に進めるはずなのにな

 

「ナビちゃん、みんなの位置は?」

 

・・・

返答はない

 

「ナビちゃん?」

 

耳に手を当てる、するとどうしたものか。明らかに機械ではない、植物の手触りがインカムからしたのだ。

 

暖かく、焼けるような臭い

 

「!?」

俺は咄嗟にインカムを投げ捨てる

 

「あら、美しいデザインにしてあげたというのに…捨ててしまうだなんて、悲しいですわ」

 

インカムが爆発する

 

「ごきげんようですわ、ソノコ」

花開く、そうすれば俺は知らない空間にいた

 

ここはモール内、本売り場だろうか、いや、もしかしたら全く別の場所の可能性もある。

 

「シラネ…!ここはどこだ…!」

 

「ふふっ、ここが何処か、ね、安心して下さい。ちゃんとモール内ですよ」

 

目の前にいるのは黒いドレスが特徴のシラネと呼ばれるジェテリア、あの時佐美宗部長が倒したはず…

 

 

「ふふ、また会えましたね」

 

「なぜ…生きてる、どうやって生き返った」

 

「バカ正直に答えると思おもいで?」

 

でも良かったよ、早く出会えて

「話してもらおうか。リーヴィス・カンターレについてジェテリア共が一体どんな情報を握っている?」

 

「この情報は所詮エサ、聞き出せるものなら聞き出してみてください」

 

青いバラの花びらが舞う

 

「さぁ、踊りましょう?」

青い眼が薄い赤を纏う

 

side葉月朱音

 

鐘の音、空間が揺れる

気付けば私は、私達は

モールの外にいた

 

この場にいるのは私、トム、新島、雪城の4人。唯一、尾河の姿だけが無い

全員が困惑した様子

 

「何が起きた?ナビ、何か異常は?」

 

『凄まじい動力反応がひとつ、ほんの一瞬の内に反応は消失しましたが、確かに確認しました』

 

「そいつが何かしてるな、一旦待機だ」

 

そう伝え私はもう一度モール内に入る

 

「おやぁ、過激な出迎えだな?」

そこにいたのは数十体のジェテリア、大きな球体に手足がいくつもくっついたような、そんなジェテリアが大量にいた

 

「全員クラスMと言ったところか、それに例のスイカもいるな」

 

「まあいい」

動力爆破を発動、身体能力を強化する

「結果は変わらないんだ」

 

〜〜

 

〜〜

 

ジェテリアの残骸の山の中で私は歩を進める

「対して骨の無い」

そう呟く、全く殺るならもっと手応えのあるやつが欲しいものだ

 

 

鐘の音、空間が揺れる

気付けば私はモールの外にいた

 

「は?」

疑問符、一体どうなっている。気配はなかった。ふむ、鐘の音か、

 

「ナビ、事前調査で判明した要警戒ジェテリアは?」

強力な個体がこの事象を発生させているかもしれない。そう思ったからこその問い

 

『まず、理人さんの言っていた、【虚飾の子】、そして【時計】、【甲冑】、【自動販売機】、それぞれのジェテリアがクラスGとされています』

 

「ふむ」

顎に手を当て考える

 

「トム、私は確実にモール内に侵入したはず、どんな形で私は戻ってきた」

 

トムは直ぐに答える

「ワープされたみたい、急に戻ってきたからアタシびっくりよ」

 

「なるほどな、もう一回行ってくる、秒数を数えておいてくれ」

 

「了解したわ、今は相手の能力を見定めるターンってことね」

 

「そういうことだ」

そう言いながらなモール内に侵入する

 

内部にはジェテリアがにいたのは数十体のジェテリア、大きな鋼鉄の目玉に手足がいくつもくっついたような、そんなジェテリアが大量にいた

 

「おい、さっきも見たぞ」

1・・・2・・・3

葉月は呆れながら右側にいた最寄りのジェテリアを握りつぶした

 

それが開戦の合図となり、ジェテリア達の叫び声が響く

 

〜〜〜

 

〜〜〜

 

7・・・8・・・9

 

「前回よりも多少破壊が早くなったか」

ものの数秒でガラクタの山が出来上がり、秒数を数えながら一歩、二歩と歩みを進める

 

突如

 

ドスン、と壁が破壊されるような音が響き、次の瞬間飛んでくるのは鋼鉄の拳、その拳は私の真横から放たれた

 

迫ってくる拳を見ながら私はこう考える

 

(なるほど、事前調査後に新たに生まれたクラスGか…)

そのジェテリアは先程山ほど破壊した目玉に鋼鉄の目玉のジェテリアがさらに巨大化した、そんな見た目であった

 

放たれたその拳に対して私は動力爆破の出力を多少強めて、手の平で受け止め、そのまま右に投げ飛ばした

 

11・・・12・・・13

砂埃が立つ、その中で忽然と輝く赤い目、面白い

「来い」

そう静かに言い放つ

 

 

鐘の音、空間が揺れる

気付けば私はモールの外にいた

 

「…ふむ、何秒経った?」

直ぐに状況を理解した私は横にいるトム・サシャータに問いかける

 

「大体だけど…15秒ね」

 

「内部側も同じく15秒、そしてさっき破壊したはずのジェテリアが復活していた…と来ると…だ」

 

「ジェテリア側に時間を同行する奴がいるってことね」

 

「その通り、ナビ、さっき言ってた危険個体だが…その中にそれらしきモノが元となったジェテリアがいたな?」

 

『はい、クラスG【時計】ですね』

 

「ならやることは一つだ、全員集合、作戦再開だ」

 

そう言えば新島も雪城も集まってくる

「「「了解です!」」」

 

唯一、尾河だけがここに戻されなかった。一人ひとり潰していく作戦なのか、それとも…そう、並のクラスG程度なら命令を聞かせることが出来る格の個体が此処にはいた、そういったやつに指示されたか

 

 

「どちらにせよ、速く処理するに越したことはないな」

全員でモールに侵入する

 

先程と同じ光景、いや、以前のクラスGが待ち構えていた

 

クラスGが何だというのだろうか

 

私は右眼の眼帯に手をかけ、眼帯を外す

動力爆破

能力発動

 

彼女の機械的な金色の眼が晒された

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。