『ぎあまき!』   作:すやすや教徒

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第14話『進化と巨人』

”生き永らえた”か

「つまりただでは済まなかったんだな?」

 

目の前のジェテリアの少女は俺の質問に対して答える

「ええ、彼女の傷は酷く、暴食のあまりに強すぎる電波によって機械化が進行しmsぢた」

 

「ですが負担は大きく、何より恨みを買ったのです」

 

「恨み?」

 

「虚飾にはわたくしのような虚飾の子が、それと同様に暴食にも似たような者たちがいる。彼等は主が幾年ぶりに損傷し怒りに燃えています」

 

「貴方の幼馴染は死にかけみたいなものです、その命を虎視眈々と狙う暴食の子、まぁ、クラスTは硬いでしょう」

 

「彼女を救いたいのなら早い所第二基地付近を捜索すると良いでしょう」

 

一通りの話を聞いて疑問が一つ

「なぜそこまで細かい情報を知っている」

 

 

「横の繋がりってモノですよ、あなた達人類もそういうの、得意でしょう?」

 

「お話は以上、あとは生き残るのみ、陰ながら応援しております」

 

俺の体から薔薇が花開く

 

コイツッ、話してる間に花仕込みやがったな!?

 

完全な不意打ち、迂闊だった、動力爆破で守ることも出来ず、燃える花に呆気なく焼かれた

 

「ダァァァァ!!!」

動力爆破を起動、だがどれだけ肉体が強靭になろうが熱いものは熱い

 

右ストレートを放ち、それを受け止められるが力比べでは勝つことができ、数メートル程度吹き飛ばす

 

その後も連撃、低い位置からの蹴り、などと、体一つでできる出来る限りの猛攻。それらをシラネは避ける、杖で流す、受け止めるという行動は極力避けながら対応する。

 

俺は違和感を感じた。以前戦った時との違い、彼女は自身を発泡スチロールから生まれたジェテリアだと言っていた。実際、とんでもなく軽く、動力爆破を会得していなかった頃の自分の一撃でも10m近く吹き飛ばすことが出来て、戦いづらかったのを覚えている。

 

故に疑問を言葉にすると、こうなる

「お前、なんか太った?」

 

「は?」

 

植物が急に速度を上げ、頬を殴られ吹き飛ばされる

 

なんだ!?急に強くなったぞ!?

 

「はぁ、デリカシーの無い方、感情の揺らぎで力加減を間違えてしまいましたわ」

不貞腐れたように頬に手を当てるシラネ

 

 

「反撃されることも予測しとけよ!!」

吹き飛ばされてもすぐに受け身を取り、そのまま動力爆破でシラネへと直進する

 

最高速、今までのやり取りで身体能力という一点に置いては俺が上回っていることはよぉくわかった。ならこのまま身体能力で潰す!!

速度を乗せた全身全霊の一撃

 

それがシラネに命中する。

 

シラネは大きく吹き飛び煙が立つ

 

 

一方、俺は左手が切り落とされた

 

「は?」

 

『仕込み刀︰緑』

煙が斬撃の風圧によって吹き飛ぶ。それと同時に青い薔薇の花びらが舞う

 

先程まで杖だった物、杖だと思っていた物。それは隠し刀と呼ばれる物だった

 

「以前は貴方のお仲間に見破られ、逆に利用されましたがね」

 

シラネが急接近し、切り下ろし、薙ぐように切り裂く2連撃

 

俺は後ろに下がり回避する

 

斬撃一つ一つに花びらが創り出され風圧で遠くまでひらりと舞う

 

俺の知識からして、この花びらは…!

 

避けられない!

 

予想通りの大爆発、美しい花びらは火薬と同義であった。

 

首を切り落とす一撃、間一髪で鋼鉄の右腕で受け止める

 

「やはりその腕は切れませんか…」

 

左手が切り落とされた以上、攻勢に出られない

 

全力で距離を取る、左手を修復しなきゃ勝てっこねぇ!そう思い適当な瓦礫を拾う

 

自分でやるのは初めてだ!

瓦礫と左腕の断面を押し当てる

 

瓦礫は接着剤のように容易く腕にくっつき、ボコボコと蠢き始める

こうやって治っていくのか…!

 

治る様子に感心しているうちに治っている途中の左手がバッサリと切り落とされた

 

「グゥ、アァ」

俺がその痛みに悶絶している間、シラネは一輪のバラを刺す

 

俺の体にはバラが咲き、発火する

それと同時に首に刃が向う

 

キィンと甲高い音を鳴る

 

危機一髪

鋼鉄の右腕で受け止める

 

動力爆破を再度起動、回し蹴りを放ち反撃

それもしっかり刀でガードされ距離を取られる

 

「少し戦法を変えるとしましょう」

それと同時に僅かな溜め

 

虚空で1,2,3と刀を振るえば、その回数だけ花びらが舞う

 

そして、手をかざした

 

突風が吹いたのを感じた

 

今までの剣戟によって生まれた辺りに散らばった花びらが再び舞うのだ

 

「まさかッ!」

今までの花びらはここで一気に爆破するためか…!

 

なるべく距離を取る、俺の経験上、一枚一枚の花びらは大した威力じゃない、しかし数は膨大で爆風によって花びらは広範囲に拡散する

 

その時が来る、連鎖的に花びらが爆発し辺り一帯を攻撃する時が

 

爆発、爆発、爆発

動力爆破で身を固め、被害を最小限に抑える

 

被害は凄まじいものだった。老朽化した建物にこの爆破を耐える耐久力が無く、理人とシラネの戦場、ゲームセンターエリアは崩壊した

 

「マズイ、崩れっ!?」

 

俺は下の階層へと落ちていく、落ちていく俺を見つめるシラネを睨みながら

 

 

スタッと下へ降りていくシラネ、尾河理人は瓦礫に埋もれ、生きているか、死んでいるかも分からない

 

いや、アレはそう簡単に死ぬ存在ではない、この程度で死んでいたら苦労はしない

 

そう思いながら歩く

 

足元から動力が湧き出る

 

「なっっ!?」

アッパーの一撃が瓦礫の下から放たれる

 

シラネはその一撃をまともに喰らい、大きくよろける

 

「おいおい、油断は禁物だろ、」

 

「痛た、乙女の顔を殴るとは…本当に失礼な方…」

 

「こちとら一回お前に殺されかけてんのよ、コレでトントンな?」

 

シラネは呆れたようにそうですか…と返して斬りかかる

 

それを俺は避け、受け止め、流す…は少し厳しいか、やり方はどうであれ対処していく

 

一方、シラネは思う

(この方、片手だけでわたくしの攻撃を対処している?)

 

刃を右手で受け止め、反撃する

 

(やはり気のせいではない、確実、成長している…!?)

 

俺は斬り落とされた左手を振りかぶる、と言っても、落下中、瓦礫と接触したのか修復を始めていた

 

(修復途中とは言え、断面を押し付けるなんて、激痛も良いところでしょう!?)

シラネは驚愕した

 

 

振りかぶった左手がシラネに接触する時、それは起きた

 

光線が放たれた、その光線は凄まじい動力出力であった。

 

そんな光線と反撃を迎撃するために振るわれたシラネの刀がかち合う

 

轟音が鳴り響く、

 

折れた刀を持ったシラネが一言、声を発する

「今、貴方、何をしました?」

 

 

 

side新島タケル

 

「ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!」

なんか変形したぁ!?

 

まるでスパロボみたいな形に変形したぞ!!

 

僕は今、ビックフィストに乗って空中戦を繰り広げていた

 

俺もなけなしのバレットパンチで反撃しているけどまるで効いてない

 

元自販機現スパロボのジェテリアは一度着地、自身を固定し動力が集中し始める

 

「まてまてまて、一々攻撃がかっこよすぎだろ」

男の子が疼いちゃう

 

レーザーショットが放たれる

 

「うおおおおおお!!全速力で避けろよぉぉぉ!!!」

 

レーザーショットが着弾した地点は爆発、恐ろしいほどの威力…

 

思わず身震いする

 

ジェテリアはジェット噴射で急加速、一気に間合いを詰め、ビームサーベルを振りかざす

 

一度ビックフィストから降り、そのままビックフィストを爆破、

 

実質的な装甲に包まれた自販機の姿とは違い、軽量化されたジェテリア、流石に防御面においては前の姿に劣るようで、機体から火花が出始めた

 

「効いてるっぽいなぁ!」

 

ビックフィストを創り出す、次にナックルボムを生成し始める

 

その時耳元から声が聞こえた

 

『敵対ジェテリア、全門解放!掃射攻撃、来ます!!』

 

自販機の時近づけなかったアレか!?

 

ジェテリアの各部位は変形を始め、内蔵されていた重火器が姿を表す

 

掃射を始めた、逃げ場はビックフィストを盾する以外、無かった

 

ビックフィストが消滅した次の瞬間には僕は蜂の巣にされることだろうと簡単に想像がついた

 

どうする、考えろ、セブンフィストをいつでも発動できるように準備はしとくだろ?動力量もかなり減ってきた…このままじゃ良くてジリ貧、隙を見せたら即お陀仏

 

 

唐突にジェテリアは掃射をやめ、遠くへと飛び立つ、

 

なんだ?と思う間もなく聞こえてくるのは爆発音、その音は真上から聞こえてきた

 

コンクリの小さな破片が僕の頭に落ちてくる

 

『上の階にもクラスGの反応あり!』

おい、誰かが別のヤベーのと戦ってるのか?

 

てか、崩れる!!逃げるぞ!!!

 

すぐにビックフィストに動力を注ぎ、乗って飛び立つ、あのジェテリアを放ってはおけねぇ!

 

そう思い、追いかける

 

ガラガラと凄まじい音が後ろからする。天井が崩れたようだ

 

どうか、無事であってくれよ…戦ってる人!!

 

ミサイルが大量に飛んでくる、それらミサイルはペットボトルや缶の様な形状をしていて、誰が撃ってきたのかは明白だった

 

回避、回避、回避、ミサイルに一発でも当たれば大怪我間違いなし!スリル満点!

 

「バレットパンチ!」

四発の小さな拳、威力はともかくスピードクラッシュよりも速い、高速のまるで弾丸のような攻撃

 

その攻撃を自販機のジャテリアは横方向のジャット噴射の急加速で回避した

 

前方向の噴射、右方向の噴射、上方向の噴射、その移動に僕は翻弄される、そしてジェテリアは一気に距離を距離を離す

 

クソ!一か八か、一気に距離を詰めてくることを祈って!!

 

「セブンフィスト・一点:インパクト!!」

 

現実は…そう、甘くなかった、右方向からの蹴りを直に受け、僕は吹き飛ばされる

 

生きてるどころか気絶すらしていないのは髪に感謝すべきで、アバラが何本か逝っただろうか

 

セブンフィストは空振り、迂闊だった

 

「はぁ、はぁ、」

ミサイルが飛んでくる、

 

「ビックフィスト、登れ」

 

ビックフィストを掴んで上空へと移動する

 

だがミサイルは追尾し、ビックフィストが盾になったがビックフィストは消滅

僕は落ちていく

 

『タケルさん!』

 

…あぁ、死ぬ

 

ナビちゃんの心配する声が聞こえたけど、ああ、無理だ

あのジャテリア、速すぎる、僕の技も全てを避けようと思えば避けれるだろう…最初っかわ勝ち目なんて無かったんだ…落下死、か、痛いだろうなぁ

 

「……あ」

 

 

 

「まぁた鬼教官じゃねぇか!!!」

 

「またとは、何だ?」

葉月は鋭い眼光を僕に向けた、

 

侵略対策課に務めるための試験

僕にとってはこの試験が何回目の正直なのか、分からなかった。

 

訓練場で重々しい雰囲気が漂う

 

鬼教官はいつも通り、無理ゲー難易度の試験の説明をする

 

 

試験が始まり開始10秒、約半数の受験者が倒れた

 

コイツラは油断をしている連中、鬼教官にとっては論外なのだろう

 

僕は全力で新技、ダブルフィストを発動した、のちのセブンフィストの原型となる技だった。

 

評価は「悪くない」その一言

 

くそっ、軽く回避したくせに

 

狙いがこちらに定まり、猛攻を仕掛けてくる、その数秒の猛攻だけで当時の俺はへとへとになっていた

 

最終的に俺は隙を見せ、KOされた

 

「記録は1分20秒、コレで試験は終わりだ」

 

今日は帰っていいぞ

 

試験は軽く冷たく終りを迎える

 

(渾身の新技が当たらなかった…クソッ、いっそのことこの訓練場丸ごと攻撃できるような…そんな技があったら…!)

 

「いや、無理だな、現実的じゃない」

 

そう思って諦めて、そこそこの大きさに留めたんだっけ、それがビックフィストの生まれた理由のはずだ

 

 

 

そっか、後先考えず…走馬灯ってやつか、ちゃんと役に立つんだな、アレ

 

アイツ殺らなきゃどのみち死ぬんだ…

 

 

限界を超えろ

 

 

落ちていく空中でギアを構える

 

僕の扱える全動力を…絞り出す

 

僕の上空に大量の動力が集まる。動力は密集し密度を高める。

やがて動力は色を見せた

緑がかった青、美しい青の巨大な、巨大な動力の集まり

 

手を形作り

まるで巨人の手の様な大きさだった

 

技名を唱える

巨人の手(タイタン・ハンド)

 

俺の全動力を犠牲にした一撃

 

これがギアの進化か、今までだったら絶対に扱いきれないほどの動力量、それを操作しきれていることに自分でも驚く

 

「さぁ!受けてみやがれ!!」

 

自販機のジャテリアは地に足を着け、動力をチャージする

 

そして跳躍、ビームサーベルと動力バリアをフル稼働させ迎え撃つ

 

動力のぶつかり合いで凄まじい力と光が発生する

 

そして、勝ったのは…

 

巨人の手(タイタン・ハンド)の爆心地にはガラクタになったクラスGのジェテリアがいた

 

『クラスG、反応…消滅』

ナビちゃんの報告を聞く

「僕の…勝ちだ」

 

バタリ、と大の字になって倒れる

やべぇ、もう動けそうにねぇ、暫く…休むわ

 

「あとは、頑張れよ、みんな」

きっと何処かで戦っているであろう仲間たちにエールを送るのであった

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