『ぎあまき!』   作:すやすや教徒

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第4話【初任務と同期達】

俺達同期、尾河理人、新島タケル、雪城友里の3人は基地壱号を出た先の郊外を歩いていた。そこは全く人気は全く無く、真昼にも関わらず不気味だった。

 

俺、尾河理人は3人以外誰もいない空間で一言

「侵略対策部って人使い荒いのかな?」

 

「否定したいですが……かもしれませんね」

「発現者自体貴重なんだし、まあ、妥当じゃないか?なんせ僕達、あの鬼教官の試験を突破したニュー・スターなんだぜ」

受かって昼食の後、速攻で任務に行かされるとは誰も予測していなかったのである。

 

 

「まぁ、あの試験官の試験を突破した者は皆、後に何らかの名声を得ています。中でも代表的なのは【星断ちの狩人】でしょう」

試験中はやけに強いしっぽの人だったその少女、雪城友里はそう語り口調で話す。彼女は【静か】を体で表している、そんな外見の少女だった

 

「ハッハッハ!僕達はやっぱり英雄の器ってやつかねぇ!もしかして20回中、18回鬼教官に当たっていたのは俺達三人が巡り会えたこの運命の為だったのかも!」

友里とは対極、うるさいの権化みたいな好青年、試験時は教官にビビり散らかしていた青年であるが、彼がいなければ今の侵略対策部職員の立場は無かったかもしれない。

 

それだけ期待されてるって事なのかもな、と俺は言う、

続けて

「にしてもさ、俺達三人、全員が17歳だとは思わなかった。ほんとに運命かもな?」

 

「やっぱり運命ってやつで繋がってるんだよ、きっと!」

「本当に、すごい偶然で驚いちゃいます」

 

目標地点まであともう少しか、確か任務内容は…

 

思い返す、葉月朱音教官は任務内容を俺達三人に伝えた

『目標地点は18年前、壊滅した巨大モール。そして目的は偵察だ』

『詳しくは現場で伝えられることだろう』

 

現場で??と疑問に思った覚えがある。

 

「現場までもう少しなんだが…このインカムって何だ?」

 

「確かに…こういった通信機器はジェテリアの機化電波の格好の的だと思います」

確かに…そういう危険もあるのになぜ?と友里と首を傾げていれば、以外な人物がその答えを言う。

 

「それはね、機化対処済みインカムって言うやつ」

そう、タケルである

 

「破損したギアから作ってるからジェテリア化しないんだって」

 

「はえー、でもなんでそんな事知ってるの?」

 

「ふふ、それはね…」

「三回目の試験の時、一回目は鬼教官じゃなかったんだけど普通に舐めてて落ちて、二回目鬼教官でシメられて、三回目は鬼教官の排出率20%って聞いてもう既に受かった気でいて、受かったあとの勉強してたんだ」

 

「あー、だからか」

納得納得、いや、ちょっとおバカか?

「で、三回目は?」

 

「…鬼教官でした」

 

「ほんと…引き悪いな」

 

 

「ふふ、」

俺達の会話を横で聞いていた友里は口元を隠しクスクスと笑う

 

「あっ、なぜ笑うっ!」

 

「いえ、本当に面白い方々だなって、」

「あともう目的地です、気を引き締めたほうが良いかなと」

 

 

 

俺とタケルはビッ、と背筋を伸ばす

 

巨大モール

広い敷地、その敷地の地面のコンクリートが酷い有様でそのへんに転がっている{イオソ}の看板が当時の惨状の物語っている。

 

一歩足を踏み入れる

耳元に電子音が…

 

『接続完了!聞こますか、皆さん?』

透き通るような声質、若く可愛らしい声だった。

誰だ?

 

『可愛らしい声、だなんて、えへへっありがとうございます♪』

『あっ、申し遅れました、わたしは【ナビ】任務遂行のお手伝いをするオペレーターです』

 

俺の考えていることが読まれた…だと?

 

「わたしは雪城、よろしくお願いします、ナビさん。そっちが尾河くんで、」

「僕、タケル」

 

『では、任務の詳細を説明しますね?あなた達のやる偵察の目的は目的は主に二つ』

 

『一!内部で柱が倒れてたり、床が崩れてしまったりして通過することそのものにリスクが有るルートが有ります、なのでリスクの少ないルートを探すこと』

『二!内部にいる高危険度のジェテリアを調べる、つまり敵の戦力を割り出すこと』

 

「どうやって調べるんだよ?」

タケルが問いかける

 

『はい♪まず、皆さんには三手に分かれてもらいます。わたしがインカムを通して周囲100mのジェテリアの信号を検知して、システムに記録します♪』

 

『モール内全域のジェテリアとルートを調べることが今回の任務の全容となります』

 

なるほどなぁ、情報を集めること、

 

「今回得る情報を元に主戦力でモールを落とそうってこと?」

雪城がそう問えば

 

『はい♪勘が鋭いですね』

と肯定

 

「なんでモールを落とす必要が?」

そんな質問をする、そもそも、ここのジェテリアは攻めずにこのモールを根城にしている状態だ、こちらから攻める意味は?

 

「それはジェテリアの習性として、戦力を整えるというのがあるの」

『補足しますとこのモールのジェテリアが動き出した時、真っ先に襲撃すると予測されるのは基地壱号です。その襲撃の規模も大きなものになるでしょう。それが理由です』

 

なるほど、完全に理解した

 

『それは良かったです♪』

なぜ俺の思考を…!?

 

『東西南北、4つの入口があります。ですがそのうちの南口は通れなくなってしまいました』

 

「じゃ、僕が北」

「わたしは西に」

 

「余り物には福がある、俺東ね?」

 

俺が仕切る

「じゃ」

 

―作戦開始だ――

 

【北口】side新島タケル

 

新島は北口から入って、すぐクリアリング

かつて野菜などが販売してあったであろうエリア、もう既に野菜類は消えてなくなっている

その奥には食品棚がズラリと並ぶ、その食品棚も倒れているものなどが見受けられた

 

『新島さんの周辺には強大なジェテリアはいないようです』

 

「サンキュー、ナビチャン」

 

ナビちゃんは優秀だなぁ、まじで、どうやってんのさ?

 

カサリ、音

 

ん、なんかいる?周辺から音がしたような…

 

『反応検出、クラスb』何だbか、すぐ、破壊s『上昇B、K』

は?ちょ

『足元です!!』

足元を見る、そこには膨張し、内部から光が漏れ出ているカサカサと動く足を持つ球体型ジェテリア

 

「これ自爆ってやつじゃ…!!」

体にグッと力を込める、その瞬間、左手のギアから光の筋が流れる、光は回路を流れるような動きで全身に流れ、染み渡る、そして力が溢れる

 

球体型ジェテリアは爆発、僕はなんとか巨大な拳を顕現させて防御に成功した。

 

「ナビチャン、さっきのは?」

 

『先程のは推測するにスイカがジェテリア化かと、探知に映らなかったのはスイカ型は爆破機構にほぼすべてのリソースを割いたからかと、』

 

「これ危険だよ?不意打ちで食らったらひとたまりもない」

『そうですね、記録しておきます。そして感知範囲も広げておきます』

 

うん、そうしといて…

『へ?』

急にバグったんか?

「どしたの?ナビチャン」

『いや、いっぱいいるなぁ〜、と』

えぇ〜?いっぱいいるの?

首が錆びたみたいにギギギ、と後ろを向く

 

そこには…シャアっと飛び掛かる大量の球体型

え〜と、数は…10、20、、いっぱい!

 

「ヤバイヤバイヤバイィィ!!」

 

ガンダッシュ!!後ろからは大量のカサカサ音!!

 

あいつら全部爆散するんだろ!?無理やろ、死ぬぞ僕ゥ!?

 

たくさんいる中の一体のジェテリアが僕の背中にぴょん!とくっついた

 

こっち来んなぁぁ!

「ゴーストハンド!放り投げろ!!」

 

ギアから湧き出る一つの手、その手はくっついた爆発物を取り除き、後ろのジェテリア軍に放り投げた

 

飛んでった爆発物は無事爆破、後ろのジェテリアの大群を消し飛ばした。

 

「ふぅ、なんとかなった…」

 

『北口側の安全ルートは確立出来ました♪』

まじで、ナビチャン優秀…いなかったら俺死んでた…

 

「こちらタケル、北口側の調査が終わった、2階に移動する」

返答が来る、雪城からだ

『了解、もうこっちは二階の調査を開始しています、後で合流しましょう』

 

【西口】side雪城友里

少し時は遡り一階調査中の雪城

広い空間、吊り下げバナーが床に転がっている、枯れ果てた観葉植物やひしゃげたショッピングカートが目に入る。耳を澄ませば機械音、ここ周辺のジェテリアが暴れたのだろう

「ナビ、ジェテリアは?」

 

『80m先、右手方向にクラスKが6体、クラスMが2体』

 

バレないように移動しましょう、スニーキングミッションってやつ

 

ジェテリアも個体によって敵の探し方が違う、最新の注意を払わなければ…

 

廊下の曲がり角手前に移動する

『雪城さん、その曲がり角の先、クラスKが1体』

 

「動力爆破…」

尻尾のギア、尾骨がギア化し、変化したギアから回路状の紋様が全身に流れる

 

そして伸縮自在の尾は曲がり角の先のジェテリアの赤い眼を貫いた

そして、上方向へと切り上げ、完全に破壊した

 

『鮮やかですね♪そして周辺に接敵しそうな敵対存在はいません』

 

「二階へのルートを探索すれば西口は終了?」

『はい♪』

 

慎重に、二階に通ずるエスカレーターに向かう

 

『注意してください、クラスMです』

ナビからの忠告

「どれ?」

何がジェテリア化してるか分からない

 

『エスカレーターそのものです』

 

「了解」

ここまで近づいても反応がない、恐らくトラップ型、踏み入れた者を確実に処分するのに特化しているのでしょう

 

なら最速で最大でぶつけて沈めるとしましょう

尾の先の刃に力が集まる、尾を振るえば斬撃が飛ぶ

甲高い鳴き声のような音が響く

命中し、巨大な機体に深い切込みを入れることに成功

エスカレーターが高速で動き始め手すりが伸び、襲ってくる。

 

身を捩り手すりを回避、その間に尾から斬撃を三回ほど放つ

 

ガタガタと蠢くジェテリアに吸い込まれるように命中し、エスカレーターは二つに切断された

 

 

階段が無くなってしまった…

「…ジャンプして飛び越えましょうか」

ぴょんと飛び乗り、二階に侵入

 

あと少し、よし!がんばろう!

 

【東口】side尾河理人

 

探索を開始して、最後のエリア

そこはフードコートエリアだった。

 

食べ物とかもジェテリア化するんだもんなぁ、ホントに世界的脅威じゃないか

さっきからずっと疑問に思っていたことを通信先の相手に聞く

「なあ、ナビさん、なんで俺の思考が読めるの?」

エスパー何じゃないかってくらい思考が筒抜けだったし

 

『エスパーなんて、大したものではありません』

 

ほらやっぱり思考読んでる!?

 

『尾河さんは脳もギア化していますよね?』

うん

『わたしのギア化部位も脳なんです、ですので他の回路と接続するように貴方の思考を読めるんです!』

 

逆に…ほら

 

 こうやって思考に入り込むことだって…

『こうやって思考に入り込むことだって…』

 

同じ声が二つ同時に聞こえるぅ!?

やだ!怖い!!

 

『怖いだなんてそんな、女の子に失礼ですよっ』

 

 謝ってください!

『謝ってください!!』

 

謝るからやめてぇ!?

 

「はぁ、はぁ、味方に精神削られた…」

 

『こほん、悪ふざけが過ぎましたね。気を取り直して、フードコート内だけでも6体のジェテリアがいます、クラスはBからMです』

 

了解

 

『戦闘は避けられませんがおそらく、問題ないかと…』

 

物陰やら、何やらに隠れてるな?

 

「シャッ!来い!」

 

飛び掛かってくるのは1m程大きさの虫のようなジャテリアや人型ジェテリア

 

一体目、右ストレートで破壊

二体目、回し蹴りで破壊

三体目は首根っこ掴んで四体目にぶん投げて破壊

四体目は隙だらけで頭部を蹴り壊す

 

五体目は鉄塊を射出してきたがそこまで速くなかったので、回避しぶん殴って破壊

 

「…ふぅ」

『お〜、パワフルですね』

あっさり終わったな。思ったより、動ける、ていうか教官との戦いのラーニングが強すぎる

 

「あと一体、クラスMだっけ」

 

『はい、そうです。このフードコート内にいるはずですよ』

辺りを見回す、フードコート全体を見回しても違和感は特にない

あるのはイスと机と廃れたお店と椅子に座るお人形くらい

 

ん?

お人形?なぜ気付かなかった?

 

 尾河さん、逃げてください

『尾河さん、逃げてください』

 

「え?」

 

 検知されたクラスM、力を隠して…数値が増大していきます

『クラスGです!!』

 それも強めの!!

 

「は?」

クラスG??

 

目の前の人形が立ち上がり、こちらに向き直る

 

その人形はまるで人間そっくりで瞳を閉じた端正な顔立ち、漆黒のドレスに身を包み、所々に青い花が添えられる

 

気付けば辺りはフードコートではなく、青いバラの花畑

 

「こんにちは、ソノコよ、わたくしは虚飾の子」

「以後、お見知りおきを」

スカートをふわりとたくし上げ、お辞儀をする

開かれた瞳は一切濁りのない蒼だった




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