青いバラの花畑の中
「以後、お見知りおきを」
美しくお辞儀をする目の前の美しい女性
その外見の殆どは人間そのものだが、体の関節が球体関節と呼ばれるもので、何よりも気配が人間のそれではなかった
コイツは何者だ?ソノコって何のことだ?虚飾の子も一体、あぁ!何がなんだか!
てかクラスG!?
『あわわわわわ!』
はい!クラスGです!
この女性がか?
『はい!』
はい、間違いありません
脳内会話と通信による会話を混ぜながら会話する。
冷や汗が止まらない
どうやって逃げる!?
『ととと、とりあえず助けをぉぉ!?』
変化した環境、周囲サーチも同時並行で行います!!
頼む!!
{それはきっと無駄ですよ}
!?
『!?』
脳内にもう一つの声、それはあの女性の声だった
『周辺を探知!結果不明です!』
{ほら、言った通り}
目の前の女性は口を開く
「ソノコよ、わたくしは貴方を始末しに来ました」
「はぁ?始末?ソノコって何のことだ、お前は何なんだ??」
思う疑問をぶつける
「わたくし?わたくしは虚飾の子、グーラを暴食と名付けたのならわたくしは虚飾が妥当でしょう、名前は特に決まってませんね…あなたが決めてくださる?」
「知らねぇよ、んなこと」
暴食ぅ?グーラのことも知ってんのかよコイツ
「ふふ、【シラネ】いい名前をつけてくださりました」
何だコイツ、喋れるジェテリア何ているのか…?
『そんなの聞いたことありません、前代未聞ですよ!』
「お礼に、ささやかな花を送りましょう」
ピリッ、と一瞬鋭い痛みが肌を刺激する
体を見れば、肩、横腹、首筋、腕と体の至ること所に青いバラの蕾が現れる
それらはゆっくりと花開き、美しいバラが開花する
そして
燃え盛る、蒼炎
全身が燃える
「グワァァァァ!!!」
熱い、燃えてる、一体、何が…花が発火したのか…
シラネはゆっくりと流麗な所作で歩み寄る
いつの間にか手に持たれていたのは木の枝
その木の枝が振り下ろされる
蒼炎の熱さを超えて…動け…!動け肉体!!
地面を歪ませるような威力の一撃
(あら?避けられた…まあ、そういうときもありますか)
一瞬、自分の体が別人のようになって動けた、
なんとか、回避できた。
気合で動け、初任務、これとか
「来やがれ、ボコボコにしてやる…!」
「その燃え盛る体で?説得力がありませんわ」
シラネは木の杖をコツン、と優しく地面に打ち付ける
ズズズズ、と
足元になんか来るだろ!
理人は跳躍し回避、さっきまでいた足場には樹木が生えていた
まだ地面を進む音がする、着地後すぐさま跳躍、二段構えの樹木を回避、シラネは既に木の杖をゆっくり横に薙いだ、
何が来る…!
青いバラの花吹雪、それは幻想的で美しい
広範囲に広がる花びら、
『おそらく先程の発火から推測するに…』
だよな!!!
花びらは爆破、その爆風で花びらは拡散し、更に爆破、結果的に超広域の爆破攻撃
『尾河さん!?』
「グッ!?大丈夫なんとか、かすっただけだ」
【敵を追え】試験時の教官の教えが聞こえた
探せ、敵を!
シラネはすぐ横だった、木の杖を大きく振り、俺を吹き飛ばそうとする
俺はなんとか反応できた、他より頑丈な右腕を攻撃をガード出来た
俺は大きく後退、シラネは木の杖を地面に付け、振り上げる
樹木が地面を這うように生える、
「しまっ」
俺は樹木に飲み込まれるように押さえつけられた。
コツン、と杖の音
俺に見えるのは立派な青いバラが咲いた樹木
当然
大爆発
「ガハッ、カヒュ、グッ、ぁ」
余裕で死ねるぞ、てかなんで生きてんだ俺、全身ギア人間だからかぁ??
うつ伏せ状態の俺、コツンコツンとシラネが歩を進める音が聞こえる
なんとか、死んだふりでも何でもしてその杖をぶっ飛ばす…!
「ここまでやっても、死に切れない、不憫な体ですこと…」
「今、トドメを刺してあげましょう」
杖が振り上げられる
今だ!!
俺は異次元の速度で立ち上がり、振り上げられた杖を左腕で吹き飛ばす、そうすれば杖は十m程飛んでいき、シラネに確実な隙ができた
「だぁぁぁぁ!!!」
全力の回し蹴り、気合と回転の困った、蒼炎を纏う蹴りが敵の頭部にヒットした!
敵が数十メートル吹っ飛んでいった、
何だこの違和感、攻撃できたのは良いものの、軽いのか?
「その理由はですね、わたくしが発砲スチロールから発生したジェテリアだからでしょう」
「まぁ、そんなことはどうでもいいでしょう、続けましょう、あなたが壊れる時まで…」
俺は殴りかかる、インカムはいつの間にか壊れ、ナビからの通信は途絶えた
全力で殴る、捉えたと思った瞬間に敵は消えた
敵を探す、真後ろか
そのまま後ろ回し蹴り、フッと消える
ナメられてる…完全に
そのまま攻撃を続けるが背後に回られてばかり、
「少し、チクッとしますよ」
ふとシラネから耳元で囁かれる
直後ピリッ、という感覚、言われてみればチクッ、にも近いかもしれない、
何をされた…?見れば肩に刺さる一輪のバラ
気付けば全身に広がっている青いバラの蕾
最初と同じ状態…まずい、発火する…!!!
「ささやかな贈り物、第二段です」
発火、蒼炎が火柱を立て燃え上がる
体の芯から燃やされる感覚…く、苦しい
誰か…助け、
突如、バリィン、とひび割れた音がする
「タケちゃん登っ場!!なに、しとんじゃ、ワレェェェ!!!」
「……っ!」
空間を割って突入してきたの二つの人影
新島タケル、雪城友里、二人は攻撃を放ち、巨大な拳と尾の斬撃が飛ぶ
◆
【モール二階】side新島タケル
二階に登り、しばらくして合流した雪城とタケル、二人はモール内に存在するジェテリアを観測していた。
『クラスG1体、クラスM12体を捕捉、記録します』
時計の針の音が響くこの空間、モール内の危険なジェテリアを探知にリスト化していく
「二階もコレで終わりか」
「そうですね」
「にしてもクラスG、姿すら見ていないのに、スゲェ威圧感だぜ」
「クラスGを単独撃破という偉業は別名『強者の証』と言われています、ハードルが程よく高いですからね」
振れ幅デカいからなぁ、クラスG、まあクラスGの時点で侵略対策部に入りたての僕は負けそうだけど
『クラスGは複数体捕捉されています、細心の注意を払って、三階へ移動しましょう』
尾河の奴大丈夫か?二階に上がる連絡がないから、何かあったとしか思えない
雪城の方を見る、彼女は瞳を閉じ、静かに呼吸をしている。相変わらず、何考えてるかわっかんねぇな。
『尾河さんからの救助要請!!クラスG強と接触!!場所は一階フードコートエリア!!』
!?やっぱりなんかアイツあったじゃねぇか!
「…行こう」
雪城は真っ先に走り出す、僕もそれに続く
『前方十m先、クラスM!』
それは3mほどの巨人型ジェテリア、俺達を見つけ全身の歯車が回りだす
「何もさせずに潰すぞ!」
「言われなくても」
雪城は体を一捻り、エネルギーが蓄積された尾から斬撃を二回飛ばす
俺も左手のギアにエネルギーを集中させる、
斬撃はジェテリアに直撃、一発目を大きく怯ませ、二発目で腕を切断した、その後大きく倒れ込むジェテリア、そこに待ち構えるは、この僕
「ビックフィスト」
半透明の巨大な手によるアッパーカットがジェテリアを完全に破壊した。
「いくぞ!」
「…!」
俺の呼びかけに無言の頷き
そうして、僕達はフードコートエリアに到着した
そこには争った跡があった。
「ナビチャン、この跡は?」
約1秒の思考の後、ナビは答える
『記録によるとクラスKのジェテリアが5体とクラスMのジェテリアが1体、尾河さんはクラスKのジェテリアを破壊したあと、クラスMのジェテリアが姿を現しましたが、その危険度がみるみる内に上昇し、クラスGとなったようです』
「力を隠してたってこと?」
雪城の質問が放たれる
僕も同じ事疑問に思ってた
『知能がある程度高いジェテリアならあり得る話かと、かなり稀な例ですが…』
ふぅむ、そして尾河は何処にいるんだ?
『花畑、だそうです』
「花畑?こんな事所には一切無いし、閉じ込められた、みたいな感じか?」
「でも一体…どうやって」
『本部にも救援信号は送信済みです』
取り敢えず、どうしたもんかな、ここらへんにいるのか、それとも別の場所にワープしたのか?一切分からん
突然スンスン、と雪城が鼻を動かす
「なんか、焦げ臭い」
焦げ臭い?
「ふむ、」
俺も臭いを嗅ぐ
「確かに、なぁーんか焦げ臭いな?」
そうして二人で首を傾げていればドシン!と大きな揺れが発生した
一瞬の揺れに倒れそうになる
「ナビ、震源分かる?」
『んーーと、ちょうど、ここらへんです!』
そうゆうのも分かるんだ…すごいなこの子
雪城はポツリと言葉を零し
「絶対、ここだと思う、まだこのフードコートエリアに尾河くんはいる」
その後何かを確信したようで
「新島くん、破れる、と思いながら攻撃して、全力で」
「なるほどね」
認識阻害の類と推測したのか…!
「なら、行かせてもらおう」
「セブンフィスト」
左手のギアから紋様が広がり、力が流れる、ギアから己の拳と同サイズの半透明の拳が六つ
一つ一つの拳にエネルギーが集まる
「同時・インパクト」
六つの拳と己の拳、その七つの拳が一点に炸裂する
この一撃で!どんな結界だろうが絶対に!破れるのだ!!
空間にヒビが入る
そして
ガラスが割れる音がしたのだ
◆【花畑】side尾河理人
「タケちゃん登っ場!!なに、しとんじゃ、ワレェェェ!!!」
「……っ!」
空間を割って突入してきたの二つの人影
拳と斬撃が飛び交う
「あら、邪魔者、どうやって入ってきたのかしら?あの虚飾の力を借りたというのに」
飛び交う二人の弾幕を舞うように避けるシラネ
そして、ストンと優雅に着地した
乱入した二人は思う
(おい、コレがクラスG強、目の前に対面すると格の違いが分かる…!)
(流石に、恐ろしい、ここから全員を連れて脱出する方法を…!)
侵入した外に繋がる穴は既に閉じていた
来てくれたのか…皆!
わたしもいますよぉ〜
ナビさん!でもどうやって!?
お二人のインカムから貴方の脳ギアに接続しました!
さて、わたしは基地壱号に救援要請を出しました、そして、この空間に入る方法も!
入れる、と確信した上での該当空間への攻撃、それがこの認識阻害花畑への侵入方法です
あとは耐えるだけ、頑張ってください!
インカム越しにも話していたのだろう、同時に
「「「了解!」」」
と決意の声が響く
燃え盛る体にムチを打ち、立ち上がる、俺の体は全身ギア、実質的な不死身らしい、なら
「多少無理しても構わないよなぁ??」
覚悟はできた、理解もした、
俺は地獄の道を突き進むのだ、その覚悟は、今、出来た