藤丸立香が東方ロストワードの主人公だった概念ss 作:ライシャ
小次郎「ふむ、まさかレイシフト直後からマスターたちと別々になるとは」
金時「しかもここの山、魔力・・・いや、神秘?つーのが濃いせいか妖怪どもがうじゃうじゃいやがる。まあ不思議と邪気みてえなもんは感じられないから大丈夫そうだが・・・」
カルデアに所属しているサーヴァントの小次郎と金時の二人はマスターである立香や他のサーヴァントたちと特異点にレイシフトしたものの、気づいたときには何故か二人だけでそこに立香たちの姿はなかった。
小次郎「だが特筆すべきは前にある神社。あそこには神の気というべき力が満ちている」
金時「どっちみち近くに誰かいそうな場所は見える限りだとその神社しかないから行くっきゃねえな」
小次郎「これがほんとの神頼みか」
金時「うまいこと言うねえ」
こうして2人は神社を目指し階段を登り始めた。
長い石段を登り切った先、木漏れ日差す神社の境内で出迎えたのはどこか神々しさを感じさせる三人の女性たちだった。
1人は紫かがったボリュームある短い青髪に赤い服、そして背中の輪っか状の大きな注連縄が特徴な背の高い大人な女性。
もう1人は丸みを帯びたアゴくらいある金髪に青と白を基調とした服装、そしてどことなく蛙を連想させるような可愛らしい市女笠が特徴的な幼い風貌の女の子。
そしてその2人の間にいるのは長い緑髪をした青と白が特徴的な巫女服を着た少女。ちょうど立香と同い年くらいだろうか。
神奈子「ようこそ守矢神社へ。私はここで祀られている神の八坂神奈子だ」
諏訪子「同じく洩矢諏訪子だよ!」
早苗「そしてお二方の巫女を務めている東風谷早苗です」
小次郎「名乗られたからにはこちらも名乗らせていただこう。厳密には違うが佐々木小次郎として呼ばれた者だ。まあそこのところは気にしないでくれ」
金時「オレっちは坂田金時だ!」
神奈子「佐々木小次郎に坂田金時、どちらも有名なやつじゃないか」
諏訪子「悪意や敵意みたいのを感じないから本当のことを言っているんだろうね。幽霊・・・いや、その力を鑑みるに形式としては式神に近いのかな?それで守矢神社にどういった用事で?参拝なら歓迎するよ」
小次郎「それもいいが今は主人を探していてな」
金時「この辺じゃあんまり人の気配もしねぇし、神社が見えたから来てみたわけよ」
早苗「どんな人なのですか?」
金時「歳はそこの嬢ちゃんと同じくらいで癖毛の短い黒髪に青い目、いかにも好青年って雰囲気だ」
その特徴を聞いた瞬間、早苗の表情がピクリと動いた。
それに続いて神奈子、諏訪子も目を見合わせる。
早苗「私と同じ年頃で・・・癖毛の短い黒髪に・・・」
神奈子「青い目の好青年・・・」
諏訪子「まさか・・・いや、でも・・・」
明らかに動揺し始める三人は、言葉が詰まりながらも誰からともなくちらちらと目を合わせ驚きを隠せずにいた。
早苗「ち、ちなみにその人の名前は・・・」
小次郎「名は藤丸立香だ」
神奈子、諏訪子、早苗「「「やっぱり立香(さん)のことか(ですか)!?」」」
三者同時の大声に境内の小鳥たちが一斉に飛び立ち、小次郎と金時も驚いてしまうが見つかった立香への手がかりのためにすぐさま向き直る。
金時「あんたら大将のことを知っているのか?」
早苗「はい・・・。立香さんは昔、ここ幻想郷に来たことがあるんです」
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神奈子「歴史の焼却に世界の漂白・・・。元の世界でも立香は戦っているのか・・・」
小次郎「そちらの話も驚いた。ロストワード異変なるこの幻想郷という世界の危機を、カルデアに来る前のマスターが貴殿らとともに解決していたとは」
あれから小次郎と金時の二人は彼女たちから話しを聞いた。
忘れられた者たちが行き着く場所にして文明化が進んだ人間の世界から切り離された妖怪や神が隠れ住む最後の楽園、幻想郷。
そしてそんな世界で起きたロストワード異変という未曾有の危機に、幻想郷の外である人間の世界とはまた別の世界から来た立香とともにロストワード異変を解決したことを。
諏訪子「それにしても立香がそんな大変なことになっていたのに、そばにいてやれなかったのが悔しいな・・・。たとえ違う世界で会える手段がなかったとしても・・・」
小次郎「たしかにマスターに課せられたものは我らの世界が今まで積み上げきたものが消えるか否かの重いものだ」
金時「けどな、大将はそんな中でも前を向いて歩いているんだ。そんなゴールデンなお人だからオレっちたちも力を貸したくなるんだ!」
諏訪子の弱々しい独白に対して二人は励ましの言葉を入れる。
早苗「金時さん、小次郎さん。どうか立香さんをよろしくお願いします・・・!」
そしてそんな金時と小次郎に早苗は絞り出すような声で頭を下げた。
小次郎「もちろんだ。もとより我が刀と忠義はとうにマスターに捧げた身」
金時「ゴールデンなオレっちたちに任せな!」
早苗「ありがとうございます・・・!」
金時「そうと決めれば早いところ大将を探さなきゃな!」
神奈子「それならウチの早苗を連れて行くといい」
小次郎「いいのか?聞くところによるとその娘はここの巫女だが・・・」
諏訪子「本当は私たちも行きたいけど、聖杯っていうとんでもないもんを持ち込んだ奴がいるんだろ?万が一を考えて私たちだけでもここにいげないけど幻想郷の案内役は必要だろ?それに早く早苗には恋焦がれた相手と合わせてあげたいからね〜♪」
早苗「す、諏訪子様ッ///」
神奈子「うかうかしてると先に紅魔館や地霊殿の奴らに立香を取られるよ?」
早苗「神奈子様まで〜///」
小次郎「ふむ、その様子だと早苗殿も含めマスターがここでも引っ張りだこのようだな」
神奈子「まあね。あんたたちも知っているだろう?立香どんな相手でも相手を受け入れる確かな優しさと絶望的な状況だろうと決して諦めない芯の強さを。ん?てかここでもってことはまさか・・・」
金時「お察しの通りカルデアでも大将はみんなの人気者さ。夫や恋人する奴もいるし死後も取り合いなほど・・・」
ゴゴゴゴゴゴ・・・
金時は喋っている途中だったが早苗から感じる威圧感に言葉を遮ってしまう。
表情こそは笑顔を絶やさなかったがその空気からは嫉妬や怒りなどの感情が読み取れた。
諏訪子「さ、早苗・・・?」
早苗「ふふふ、もー立香さんたら。相変わらず天然誑しなんですから♪これは色々と"お話し"しないといけませんねぇ・・・。というわけで神奈子様、諏訪子様」
神奈子、諏訪子「「ひゃいっ!?」」
早苗「私は小次郎さんと金時さんのお二人と一緒に立香さんを探してきますので・・・。神社の方はよろしくお願いしますね?」
神奈子、諏訪子「あっ、はい」
早苗「それじゃあ行きましょうかお二人とも♪」
小次郎「はたしてマスターは無事でいられるのであろうか・・・」
金時「今は大将の無事を祈るばかりだな・・・ふたつの意味で」