プロローグ
お姉ちゃんがキヴォトスと言う場所で先生をやるらしい
遠い場所らしくこれから中々会えなくなるかも…とか言っていた
私的には「ヤダヤダ行かないでっー!妹離れが早いよ!お姉ちゃん!!!」とか言って地面で泣きながら暴れ散らかしたい気分なんだけど…まぁせっかくの門出だし祝ってあげるのが良い妹と言うものなのでは?と思ったから辞めた
…まぁ本音を言うならば6、いや7割…やっぱ8割くらいは本気でやろうとしてたけどお母さんとお父さんがすっっごい目で圧をかけてきたから辞めた…いやあれは反則だよね完全に人殺したことある人の目ですよ。はい
いや、分かるよ?お姉ちゃんが大学で一人暮らししようとした時も私が三日三晩泣き喚いたせいでお姉ちゃんが折れて実家通いになったもんね…
え?私?申し訳ないとは思ってるけど後悔はしてないよ!!
まぁだからといって愛しのお姉ちゃんが家を出ていくのは耐えきれないので…取り敢えず今日も不貞寝することにする…
自分の部屋に入り鍵を掛ける。そのままベットに寝転がってみても寝れそうにない
…こういうときはお姉ちゃんの事でも考えるか
私のお姉ちゃんは何と言うか…人との線引きがすごく上手い人だ
押してくる相手にはのらりくらりと躱して。引いてくる相手には突っかかって…それでいてその人にとってのラインを上手く判断してギリギリまで詰めてくるものだから学生時代なんかは中々モテていたと思う
…まぁ全部無自覚だからたちが悪いのだけれども
後、空間把握能力が異常なほどに高い。程々に記憶力も良かったせいでお姉ちゃんとゲームをするといつも負ける
私もお姉ちゃんと同じ血が入ってるのにね…?まぁ私はそのかわり記憶力が高いから良いのだけども。お姉ちゃんの事を脳に焼き付けれるしね!
それにお姉ちゃんはちょr…いや優しい。
私が6歳年下の中学2年生だと言うことを考えたとしても優しすぎる
多分一線を越えなければ何しても許されると思う
まぁ他にも語り切れないくらいお姉ちゃんの魅力はあるのだけれども…明日にはいなくなるもんね…うぅ…
…いやだー!!私の感情でお姉ちゃんを縛るのは良くないことだって分かってるけども!それでも嫌だ!!
思わず怒りに身を任せて枕を天井に投げる…跳ね返って頭に直撃…
わ た し は し ょ う き に も ど っ た !
…はい。寝ます
◇◇◇
…あれ?ここは…私は確かあのまま寝たはず
見渡す限り辺りは真っ暗。その中にポツンと机と椅子が置いてあり机の上には起動されたタブレットがただ1つ光を放っている
おそらく…夢?
お姉ちゃんが居なくなるショックのせいかな…取り敢えず何もしないのも暇なのでタブレットに近づいてみる
タブレットに表示されている文章を見てみる…えっと…"ブルーアーカイブ"…ってなんだコレ
…むむ…ゲームっぽいけど…うーん…記憶を辿ってみても何も思い出せない…
まぁ、夢だからこういう事があっても変では無いけれども
そしてそれからもしばらくの間タブレットを見つめていたのだがーーー
「…わっ…画面が…」
ブルーアーカイブと言う文字が消え"ストーリー"というボタンが画面に映し出される
…これは押せということだろうか…えぇい!ままよ!
勢いのまま"ストーリー"というボタンを押すと次は画面が暗転し謎の水色髪インナーピンクの美少女が出てくる
どうやらこの子は"先生"とか言う人に語りかけているらしい。
この子の話を聞いて暫く経つと画面が暗転する
そこに次は黒髪インナー青の美少女が出てきて誰かを起こして…ってアイエエエ!?お姉ちゃん!?お姉ちゃんナンデ!?
何でそんな美少女に起こされてるのお姉ちゃんっ?!
…と暫く混乱しながら進めていって分かったことがある
1つ目はこの"先生"とか呼ばれている存在がお姉ちゃんであること
2つ目はこのタブレットに表示されている国?都市?はキヴォトスであるという事
どうも現実と被る。いや、夢とはレム睡眠中に、脳が日中の記憶や経験を整理する過程で、断片的な情報がランダムに結びついて映像化されることだから別におかしくは無いのだけれども
少し、胸騒ぎがするのは私だけかな?
それからどうも好奇心に抗えずタブレットに表示される"ストーリー"とやらを読み進めていく
ーー9億もの借金返済に追われ、それでもここを選んだ女子高生たちの物語。
ーー廃部寸前の部活と魔王でありながらも勇者に憧れた少女達の物語。
ーー長く対立してきた2つの学園が対立を終わらせるために行った条約を巡る物語。
ーー他の人とは違う自分たちの持つ『正義』がぶつかりあう物語。
ーーあったかもしれない終着点。先生と生徒たちの『在り方』を問うような物語。
…これは。
何と言うか…色々と言いたいことはあるのだが、取り敢えず言わせてもらうと…"先生"って言うかお姉ちゃん!!
無理しすぎじゃ無いですかねぇ?!お腹に銃弾食らったり!生身で銃弾飛び交う所に行ったり!!お姉ちゃんただの人間だよね?!
はぁ…別に夢に怒っても仕方ないんだけどさぁ…
何と言うか、嫌だよね。こんなさぁお姉ちゃんの新しい門出のタイミングでこーゆーの見せられたら流石にねぇ?
送り出したくなくなっちゃうじゃん!!
…って、ん?まだタブレットの画面が変わって…
えっーと…"プレナパテスルート"?…プレナパテス…さっき"ストーリー"に出てきたやつか。
…少しワクワクしてしまう。プレナパテスの先生や、シロコちゃんやアロナちゃんが苦しんでるのは十分"ストーリー"で理解しているけどさっきと同じ感動が味わえると思うと…これは期待せざるを得ない
少し躊躇したのちボタンを押してみる
ーー喪われた生命
ーー『色彩』との接触
ーー先生の…
…少し、後悔したかもしれない。でも、後悔は失礼な気もするからこの選択を噛み締めていこうと思う。
そして一番気になるのは…やっぱりお姉ちゃん。なんでそんなに自己犠牲モンスターになっちゃったの…?
確かに、昔から利他精神はあった気がするけどここまでじゃ無かったはず
"先生"になると何か変わるのだろうか?
そうして色々と考えていると視界が黒く霞んでくる
「待って…!まだ見たいことがーーー」
◇◇◇
「ーーー待って!」
ベットから勢いよく伸ばした手はキレイに空振って空気を切る
窓の外を見ると真っ暗で夜だということがわかる
どうやら夜と言っても深夜帯のようで家族の物音も聞こえない
着ていた服は汗でびっしょりで少し気持ち悪い
…夢、か。
不思議な夢もあるもんだな…とか思いながら汗でベタベタの体を洗おうと着替えを持ってお風呂場へと行く。
手短に体を洗い湯船に浸かって夢のことを考える
何と言うか…嫌な予感がする。もし、仕事でキヴォトスに行ったらお姉ちゃんは帰ってこないようなそういう気が。
私の勘違いならそれでも良いのだけど
湯船に浸かったは良いがこんなモヤモヤを抱えて長風呂する気にもなれず早めに湯船から上がる
そのまま着替え、軽くスキンケアをし、髪を乾かす。面倒くさいので手短に
お腹が減ったので何か無いかな…とリビングに行くと机の上にはお姉ちゃんのスマホが
スマホケースの中には明日の電車のチケットがある「キヴォトスって電車が特別らしくて切符も一枚しかもらえないんだよね。無くしたら変わりは無いらしくて…不思議だね」と言っていた電車のチケットが
お姉ちゃんは昔から無くしちゃマズイこういう物はスマホケースの中に入れる癖があるんだよね…
その時、脳裏に夢で見た
…夢、だよね。うん
そう思っていても勝手に手がスマホケースに伸びてスマホケースの中の切符を取り出してしまう。
…ホログラム加工?凝ってるな…
そう思いながら切符を眺める。出発時間は5時30分と書いてある。今の時刻は3時30分。書いてある駅に行くまでは歩きで30分程
…もしコレが無かったら、お姉ちゃんは"先生"にならなくても良いのかな…?
お姉ちゃんが、あんな、自己犠牲モンスターな"先生"になって苦しむくらいなら私が代わりに…
嫌な考えが浮かぶ。いけない思考だと感じて居ても止められず
切符を持った手をポケットに突っ込み、誰にもバレないように自分の部屋に持っていく
駄目なことをしているのが分かっているからか心拍数が速くなってる気がする。
部屋に戻った私は外行きの服に着替える。何となくこれじゃなきゃ駄目な気がして上はYシャツ下はお姉ちゃんのスーツをパクったスタイルでいく。裾が長くて足首の辺りがダボッっとなっているのは御愛嬌であろう
お姉ちゃんと私では身長が違うのだ。まぁ年齢離れてるし…別に私は成長期が来てないだけだから別に良い
断じて、気にしてなんかいないが?
次にお姉ちゃんの部屋へ忍び込みセットしてあったアラームを消す。これで多分寝坊する…はず
そうしたら最後に1枚紙を用意する。流石に何も言わずに居なくなるのはね…
…なんて書けば良いのだろうか…家出します?いやコレだと少し問題がある気がする
ーーーかなり悩んだが一文だけ書いて目立つ場所に置いておく
そして纏めておいた最低限の荷物を持って玄関のドアを開ける。現在の時刻は4時30分。割と余裕がある
ドアの隙間からは朝焼けが見える。…綺麗だ
最近暖かくなってきたのを感じながら歩いていく。春の訪れって感じ
程なくして駅のホームに着くとベンチに座って待つ。
現在の時刻は5時。まだ30分もある
ポケットに手を突っ込むと少しクシャッとなった切符がある
切符の存在を手で感じながら空を眺める。何となくこの景色を見れるのも最後な気がしたから
そのままボーっと空を眺めていたら電車が来た。時刻は5時30分。この電車だ
電車に入ると1人先客が。水色の髪にインナーピンクの少女…座っている席には血溜まりが。体には3発銃弾を撃ち込まれたような跡が
…うわぁ…重なるなこれは。夢で見た
少し迷ったが少女の目の前に座ってみる
何か喋っているようだ
「……私のミスでした。
私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況
結局、この結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて……。
……今更図々しいですが、お願いします。」
そう言って少女は顔を上げ、こちらを見る
あ、すっっごい目見開いてる。まぁ目の前に呼んだ覚えのない子供が居たらそりゃビビるよね…
取り敢えず笑顔で手を降っておく。大々挨拶されたら皆嬉しいもんだからね
少女は戸惑ったように手を振り返して何かを考えているようだ…しばらくすると再び喋りだした
「…よく、分かりませんがここに居るということは先生なのでしょう。それなら…お願いします。先生。
あの時の私には分かりませんでしたが……。今なら理解できます。
先生としての、責任と義務。そして、その延長線上にあった、あなたの選択。
それが意味する心延えも。」
「ですから、先生。
私が信じられる大人である、あなたなら。
この捻じれて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を……。
そこへ繋がる選択肢は……きっと見つかるはずです。
だから先生……どうか。」
…おそらくこれはお姉ちゃんに対する言葉だったのだろう。だけど今ここに居るのは私だ。
申し訳ないけどお姉ちゃんにはあんな終着点を辿って欲しくない。それなら私が代わりにやりたい
だからこれは私のエゴ。
私はこの
と言う事ではい。主人公ちゃんが先生になるらしいですね。
こんなお姉ちゃんラブなイカれた性格してますけど生徒にも愛着とか湧いてるのでおそらくちゃんと先生をやってくれる事でしょう。
感想とかくれると嬉しいです。では