ソードアート・オンライン≪漆黒の剣士≫   作:紫だ

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第1話「バーチャルワールド」

第1話「バーチャルワールド」

 

 

フルダイブユーザーの五感と脳を仮想現実に接続し、完全なるフルダイブを現実とする夢の機械――ナーヴギア。茅場晶彦と言う人物が作り出した。

VRMMORPG対応初となる1万人限定の専用ゲーム、SAO《ソードアート・オンライン》

浮遊城アインクラッド。

 全百層から成るこの世界の虜囚となり、この世界からの解放条件である全層攻略しなければならない、一度も死なないで。

 

まさに

 

 

 

 

 

デスゲームだ

 

 

 

 

 

 

まだ、このゲームがデスゲームとなる前

 

 

 

「はっ…」

今は、第1層の街の外にある草原で感覚に馴れる為に、モンスターを倒しまくっている。

まあ、そのモンスター〈フレンジーボア〉と言って他のゲームで言うスライムレベルの雑魚、それを100体目を今倒したところだ。どんだけ出るんだよと毒づきなから。

「そろそろ戻るか。」

そう言いながら、メインメニュー画面を確認する。レベルが1から3まで上がっていた。

街に戻って、装備を揃えるか。

 

 

 

 

街に戻った俺はまず武器屋で、店で一番性能のいい片手用直剣を買い、次に防具屋に向かった

防具屋についてからそこで、黒いコートを買った。

これ、防御力はちょっと少ないが、安いので、これにした。

 

「時間は、まだあるな。」

時刻は5時ちょうど、なのでもう少し経験値を稼ぐことにした。さっきと同じ所で〈フレンジーボア〉を狩っていると少し先に、とある二人組が目についた。

 

一人はまるでド素人、と言っても過言ではないくらい無茶苦茶に剣を振りまわしている。

あ、今〈フレンジーボア〉の突進当たったな...。

もう一人は、なんか石拾って投げてる。

 

気になり近付いて行った。

「何、してるんですか?」

そう言うと。

「ちょとコツを教えて貰ってたんだ。」

赤髪のロンゲに額にバンダナを巻いた長身痩躯の男性プレイヤーが返事した。

もう一人の黒のミドルへアーの男性プレイヤーが赤髪のプレイヤーの肩越しから不思議そうにこちらを見ていた。

「ところで、貴方は?」

 すると、さっきまで黙っていた黒髪の男性プレイヤーが声を掛けてきた。

「ああ悪い俺は、ハヤトだ」

そう言って自分の名を名乗る。

「俺は、クライン、こっちはキリトだ、よろしく頼むぜ。」

赤髪の方がクラインで黒髪の方は、キリトか。

クラインが手を差し出してきたので俺も手を差し出して。

「こちらこそ、よろしく。」

握手を交わす。キリトとも握手を交わした。

『以下のプレイヤーからフレンド申請を受けています。

 

   kirito y/n

kurain y/n

                         』

 

どうやらキリトとクラインがフレンド申請をしてくれたようだ。

 

少し迷ったが、yを選んだ

まあ、こいつらとは仲良くできそうだな。

『フレンド申請が受理されました』

 

3人の画面にそう出る。

 

フレンドの利点は、いつでも相手にメッセージを送れる事である。

 

これ結構大切なので、俺は基本、オンラインゲームで結構仲良くなった人には絶対フレンド申請をしている。

 

「...っと、そろそろ落ちて飯食わねえと。ピザの宅配5時半に指定してるからよ」

 

視界の右隅にある、時計を見てクラインが言う。

 

「準備万端だなぁ...」

 

キリトが感心そうに言う。

 

 

 

「あ、んで、俺そのあと、ほかのゲームで知り合った奴らと《始まりの町》で待ち合わせしてんだよな。紹介すっから、あいつらともフレンド登録しねえか? いつでもメッセージ飛ばせて便利だしよ」

 

「え、う~ん...」

 

その言葉にキリトが口ごもる。

 

はっきり言うと、俺も多分同じ気持ちだ。

 

恐らく、キリトは、このクラインとは仲良くやれてるが、そのクラインの知り合いと仲良くできる自信がない、というところだろう。

 

...まぁ、俺は少なくともそうだけど。

 

と、そこで、俺らが黙った理由を悟ったのだろう、すぐに首を振った。

 

「いや、二人とも、勿論無理にとは言わねえよ。そのうち、また紹介する機会もあるだろうしな」

 

「ああ、悪いな」

「そうしてくれると助かる」

 

俺とキリトが謝ると、クラインはもう一度、派手に首を振った。

 

「おいおい、キリト、礼を言うのはこっちの方だぜ!おめぇのおかげですっげぇ助かったよ。この礼は、そのうちちゃんとすっからな。精神的に」

 

 

にかっ、と笑い、もう一度時計を見るクライン。

 

 

「...ほんじゃ、おりゃ、ここで、一度落ちるわ。まじ、サンキューな。キリト、ハヤトこれからよろしくな」

 

...きっと、ほかのゲームの時、かなりいいリーダーだったんだろうなぁと思う。

 

「まぁ、また聞きたいことがあったらいつでもメッセージくれよ」

 

「おう、頼りにしてるぜ。二人とも、いつか一緒にダンジョン行こうぜ」

 

「ああじゃあ、それを楽しみにしとくよ」

 

キリト、クライン、俺の順で言葉を発して、クラインが一歩さがり、右手の人差指と中指を合わせて真下に振る。ゲームのメインメニュー画面を呼び出すためのアクションだ。

 

そしてキリトも数歩下がってそこにあった手頃な岩に腰をかけ、同じくメインメニューを呼び出した。

 

おそらくこれまでの戦闘でドロップしたアイテムを整理しようとしているのだろう。

 

ちなみに俺は、別に呼び出す必要がないので、普通に立っているだけ。

 

その時、

 

「あれ?」

 

クラインの声が響いた。

 

「何だこりゃ。...ログアウトボタンがねぇよ」

 

「ボタンがない、って...そんなわけないだろ。よく見てみろよ」

 

キリトがそう返す。

 

まぁ、普通に考えればそうなんだが、俺もちょっと嫌な予感がしたので、自分のメインメニュー画面を呼び出す。

 

そして左側のいくつかの項目の中の、一番下、本来《LOG OUT》のボタンがあるところを見る。

 

...そこには何もなかった。

 

「ほんとだ...ねぇ...」

 

「ほら、ハヤトもねえってよ」

 

「んな、バカな...」

 

そう言いながらキリトも少し焦りながら、やっと整理が終わったようで、左上の、トップ画面に戻るためのボタンがある場所をタップしている。

そして、キリトは、どんどんメニューをスクロールしていき...

 

少しの間、目を見開いていた。

 

恐らく、ないことがわかったのだろう。

 

そして、数十秒後、キリトが視線を上げた。

 

「...ねぇだろ?」

 

クラインがキリトに言う。

 

「うん、ない」

 

キリトが正直にうなづく。

 

するとクラインは、にまっと頬を釣り上げ、顎をなでた。

 

「ま、今日はゲームの公式サービス初日だかんな。こんなバグも出るだろ。今頃GMコールが殺到して、運営は半泣きだろうなぁ」

 

「まぁ、それもそうだけど...クライン、いいのか?さっき五時半にピザの宅配頼んだって...」

 

俺が疑問に思ってたことを呟くと、キリトがうんうん、とうなづく。

 

「うお、そうだった!!」

 

目を丸くして飛び上がるその姿に少し吹き出しそうになるがこらえる。

 

そしてキリトが立ち上がり、やべえオレ様のアンチョビピッツァとジンジャーエールがぁぁああ! とか叫んでいるクラインさんの傍に歩み寄った。

 

「とりあえずGMコールしてみろよ。システム側で落としてくれるかもよ?」

 

キリトが助言する。

 

しかし、

 

「試したけど、反応がねぇんだよな...。ああっ!もう5時25分じゃん!二人とも、ほかにログアウトする方法ってなかったっけ?」

 

 

...知らない。

 

少なくとも、俺は、そんな方法は知らない。

 

ログアウトするならメニュー画面の右一番下のログアウトボタンをタップし、確認のダイアログにyのボタンを押せばいい。

 

それが常識だったし、ほかのログアウト方法など、どこにも書かれてなかった。

 

まぁ、自分の意志では、だけど。

 

「ねぇよ、クライン、自発的にログアウトするには、なくなっているログアウトのボタンを押すしかない」

 

「俺も同じだ」

 

俺の意見にキリトが乗っかる。

 

キリトは間違いなく、一番やりこんでるし、こういうのを一番知ってるかもしれない人だろう。

 

「んなバカな...ぜってぇ何かあるって!」

 

 

俺とキリトの言葉を拒否するようにわめき、クラインは突然大声をだした。

 

「戻れ! ログアウト! 脱出!」

 

...当然何も起こらない。SAOにはそういうボイスコマンドは実装されていない。

 

それでも、あれこれ唱え、しまいにはぴょんぴょんジャンプし始めたクラインに向かって、キリトが話しかけた。

 

「無駄だ。クライン。マニュアルにもその手の緊急切断方法は一切載っていなかった」

 

「でもよ...だって馬鹿げてるだろ! いくらバグだって、自分の部屋に...自分の体に自分の意志で戻れないなんてよ!」

 

くるりと振り向き、茫然とした顔でクラインが叫ぶ。

 

それは俺も同感だ。

 

やっぱり、おかしい。

 

「おいおい、ウソだろ、信じらんねえよ。今、ゲームから出られないんだぜ!俺たち!」

 

わははは、とやや切迫した響きのある笑い声をあげ、クラインが早口で続けた。

 

「そうだ。マシンの電源を切りゃいいんだ。それか、頭から《ギア》を引っぺがすか」

 

ここにはない、現実の《ギア》を取ろうとしているのだろう、額に手を触れるクラインに俺は静かに言った。

 

「できないよ。どっちも...。俺たちは今、生身の...現実の体は動かせないんだ。《ナーヴギア》が、僕たちの脳から体に向かって出力される命令を、全部ここで...」

 

そこで一旦止め、自分の指先で、後頭部のした、延髄の部分をとん、と叩く。

 

「インタラプトして、このアバターを動かす信号に変換しているんだから...」

 

クラインが押し黙り、のろのろと手を下ろした。

 

「...じゃあ、結局のところ、このバグが直るか、向こうで誰かが頭からギアをはずしてくれるまで待つしかねえってことかよ」

 

茫然とした感じでクラインが呟く。

 

俺はこくり、と頷いた。

 

「でもオレ、一人暮らしだぜ? 二人は?」

 

「俺は、二人暮らし、妹がいるから大丈夫と思うが?」

 

「母親と妹と3人。だから夕飯になっても降りてこなかったら、強制的にダイブ解除されると思うんだけど...」

 

と、そこでクラインが反応した。

 

「おおっ!キリトとハヤトの妹さんて幾つ?」

 

 

「俺ん所は、マジでやめとけ」

 

 

「あのなぁ、あいつ、運動部だし、ゲーム好きじゃないし、俺らみたいな人種とは接点皆無だぞ。...んなことよりさ」

 

 

俺とキリトがそんなことを言っていると。

 

キリトが右手を広げた。

 

「なんか...変だと思わないか?」

 

「そりゃ変だろさ、バグってんだもんよ」

 

「ただのバグじゃない。《ログアウト不能》なんて今後のゲーム運営にかかわる大問題だよ。実際こうしている間にも、クラインが頼んだピザは刻一刻と冷めつつあるし、それは現実問題での金銭的損害だろ?」

 

「...冷めたピッツァなんて粘らない納豆以下だぜ...」

 

うん、とりあえず、少しわかった。

普通、この状態なら...

 

そしてキリトが続ける。

 

「この状況なら運営サイドは何はともあれ一度サーバーを停止させ、プレイヤーを全員強制ログアウトさせるのが当然の措置だ。なのに...俺たちがこのバグに気付いてからもう15分は立ってるのに、切断されるどころか、運営のアナウンスすらないのは奇妙すぎる」

 

「む、確かにそうだな」

 

キリトの言葉にクラインが同意する。

 

確かにそうだ。

 

なのになぜ...?

 

そしてクラインが話を続ける。

 

「確か《アーガス》って言やぁ、ユーザー重視の姿勢で名前を売ってきたゲーム会社だろ。その信用があっから、初めてリリースするネットゲームでもあんなに争奪戦になったんだ。なのに、初日からそんなポカやってちゃ意味ないぜ」

 

「全く同意する。それに、SAOはVRMMOの先駆者でもあるしな。ここで問題起こしたら、ジャンルそのものが規制されかねないよ」

 

「だよね~」

 

そして3人で仮想の顔を見合わせ、同時に低く息を吐いた。

 




初めてなのでちゃんと出来てるか分からないですが、
よろしくお願いします。
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