パチンコ大好き山伏女がダンジョンの下層階で遭難した美人配信者に注文通りハンバーガーセットを届けたら全世界に激震が走った件 作:羽黒楓
「ひどい……」
虹子のケガを改めて見て、
右足が膝の下のところからちぎれて取れてしまっている。
肉と血、そして白い骨が見えてしまっている。
さきほど
「
「さっきほとんど使っちゃったから……。まだ少しだけ……」
トメの火傷を治癒するのにほとんど使い果たしていて、底の方にへばりついているのが少しあるだけだ。
「これだけじゃ足りないわ……ほかに何かなかったかしら……虹子さん、とりあえずこれ、食べて。ヒーバーが漬けた特別製の梅干しよ」
「ムギューッ!」
そのあまりの酸っぱさに虹子は顔をシワだらけにして叫ぶ。
「これ食べると霊力が回復するから、我慢して食べて! 一粒でごはん2合はいけるすっぱさだけど……」
「見るだけで口の中が唾でいっぱいになるよね……まあ、おいしいを通り越しているレベルの酸っぱさとしょっぱさだけど……」
そう言いながらクーとアルフスのクチバシにその梅干しを突っ込んでいる。
「ニャオー!」
二羽の孔雀は抗議の鳴き声をあげていた。
「とりあえず、足をくっつけよう」
「くっつくの?」
「大丈夫。そこの雪女ちゃんの首だってくっついたんだから、足なんてよゆーよゆー」
「モンスターと一緒にされても……」
「まあ、まかせてちょうだい!」
いつの間にか荷台を降りてそばに来ていたヤミが、その断面を見ながら、
「うわーグロ……」
などと言っている。
「ヤッちゃん、人の身体を勝手に見といてそういうこと言うの、駄目よ。言われた方は傷つくんだから、虹子さんに謝っときなさい」
「あ、うん、ごめん」
骨は綺麗に折れてはいなくて、その切断面はグチャグチャだ。
少ない軟膏を薄く繊細な手つきで塗っていく
「あれ、つららのときと塗り方が違うよ?」
つららがなんだか不満そうに言っている。
「まあそこは……ね、くっついたからいいじゃない」
などと言いながら、
さらに
「よし、じゃ、
「うん、お姉ちゃん!」
★
「コーポ・デ・スキュリがやられたわ……。瞬殺だったわね……」
「思ったより……いえ、想定をはるかに超えた強さねえ……」
焦りの表情を浮かべる
「特SSS級とSSS級……。そんなレベルじゃないかもしれない……。私よりもはるかに強い魔力を持っているかもしれない……」
――もしかしたら、この子こそが、『奇跡の子』なのでは?
マクンバで教団のリーダーをしている老婆に『奇跡の子』などと言われて、その気になっていたけど。
自分は石の赤ん坊しか産めなかった。
もしや、彼女ほどの力がある人間こそ、精霊の伴侶となりその子を産むべき存在なのでは?
――殺す。
かならず、殺す。
どんな手を使ってでも――。
「エシュ様……私にお力を……。あの女を殺し、魂の力を奪い、あなた様と私の子を復活させるためのお力を……私にお与えください……」