パチンコ大好き山伏女がダンジョンの下層階で遭難した美人配信者に注文通りハンバーガーセットを届けたら全世界に激震が走った件 作:羽黒楓
ラスボスに出会ったら、会敵直後に最大攻撃をぶっ放してすぐに決着をつけてやる、という選択肢も
しかし、寝台に横たわる少女の姿を見て、すぐにそうはいかないことに気づいた。
老婆とピンクのドレスのゾンビを睨みつけながら、
ちらっと荷台の上のヤミを見る。
ヤミはまだ状況がわかっていないようで、ポカーンとした顔をしている。
だが、
この近くには、目の前の二人以外には、強大な霊力を持つ存在がいないようだった。
その二人だって、戦闘力という面でいえば、
「虹子さん、トメさん、つららちゃん、それにヤッちゃん。後ろに下がってて。なるべく離れないで。コーオツヘイテイちゃんたちに守ってもらってて。
「え? ちょっと待って? あの、あの寝ている女の子……なんか変な感じするんだけど!?」
ヤミが寝台に向かおうとするのを、トメが抱きかかえて引きとめる。
「待て。お前はこっちだ」
それを目の端で見て、
「……この子は? これは、どういうこと? 虹子さんとトメさんに呪いをかけたのは……あなた?」
白い衣服に身を包んだ老婆は、椅子に座ったまま、するどい目つきで
「三日月……
その名前を聞いて、
青塚は旧姓で、青塚家と
「ヒーバー……私のひいおばあちゃんの、お知り合い?」
老婆はシワだらけの顔をゆがめると、くっくっくっ、と低い笑い声を漏らした。
「
ヒーバーと面識がある老婆……。
とすると、ヒーバーと同じくらいの年齢だろうか、と
その表情を読み取ったのか、ハナエはニヤリと笑って言う。
「あの頃が儂の最盛期だったかもしれん……。まだ小娘だった茜に、儂が稽古をつけてやったものさ……。儂はもう140歳になる……。長く生きた……」
「140歳!?」
にわかには信じられなかった。
だが……。
確かに、老婆から感じる霊力は、量こそ多くはないが、極限まで練られた、鋭いものであった。
ヒーバーに匹敵するほどね、と
「聞きたいことがたくさんあるわ」
「なんでも聞くがよい」
しかし、
聞きたいことがありすぎるのだ。
えっと、えっと、何から聞けばいい……?
と、そこに
「ハナエさん。私も青塚茜のひ孫です。まず聞きたい。その子は?」
寝台に横たわる、なにも身に着けていない少女。
一応、胸と下腹部には白い布のようなものがかけられてある。
そして、顔にも。
「……その人って、……ご遺体?」
「そうじゃ」
ハナエは即答する。
「今から何年も前に、ダンジョンの中で死んだ。モンスターに襲われたんじゃ」
「……その子はだれ? なぜ何年も前に死んだ子の遺体がそのまま?」
「そうじゃな……まずは、その死体が誰のものか、確認してみた方がいいじゃろう……」
そうする必要もないほど
老婆――ハナエから視線をいっときも離さぬまま、寝台の上にのった死体に近づき、その顔を覆っている布をとった。