パチンコ大好き山伏女がダンジョンの下層階で遭難した美人配信者に注文通りハンバーガーセットを届けたら全世界に激震が走った件 作:羽黒楓
素っ裸の
「寒い寒い寒い寒い! ななななににににここここれれれれ」
歯の根も合っていないとはこのことで、ガチガチと音を立てながら歯を鳴らし、全身を震わせている。
唇は真っ青で、生き返ったのにその顔色だって真っ青だ。
「あー……そっか、直前までつららちゃんに冷やされてたもんね……」
そのつららはと言えば。
「熱い熱い熱い溶け溶け溶け溶け溶けるぅぅぅぅ~~~~~~」
こっちは逆に溶けかけていた。
それはそうだ。
さっきまで大日如来の太陽光がこの辺りを照らしていたのだ。
雪女が真夏の陽光に直撃されたらただですむわけがなかったのである。
そもそも、一介の妖怪にすぎないつららが、大日如来の光で消滅しなかったのが奇跡のようなものだった。
「寒い寒い寒い」
「熱い熱い熱い」
寒がる
と、その時だった。
「やった……やった……お姉ちゃん、やったね……」
か細い声で
「えへへ……お姉ちゃんの霊力についていくのでやっとだったよ……でもヤミちゃん生き返って……よかっ……た……」
そしてそのまま意識を失ってしまった。
「あれ? えっとえっとえっと……どうすればいいのかしら……?」
その場には今にも死にそうな三人がいた。
それだけではない。
「私の……娘……身体が……そんな……」
拘束されている
「うぅぅ……もう……全部……おわったわあ……」
と呟いた直後に、その黒目がぐるんと上を向いた。そしてそのまま、血走った白目をむき出しにして意識を失ってしまった。
「えっとえっとえっと……」
もはや考える余裕なんかなかった。
うつろな瞳で、
「ちょっとちょっとちょっと! えー? どうしようどうしよう」
虹子が慌てた声を出す。
そして自転車のトレーラーに駆け寄ると、その荷物を漁り始めた。
「えーとなんかないかな? 軟膏はもう使っちゃったし……あ! 梅干しあった! えーとえーと、誰から上げればいいかな? えーとえーとマリアージュしなきゃ! マリアージュ!」
トメも一緒にトレーラーを漁る。
「そうだな。マリアージュしなきゃな。梅干しにはやはり白いご飯だろう。いや、焼酎のお湯割りに梅干しってのもマリアージュだよな……って虹子、それを言うならトリアージだろう」
「ノリツッコミする余裕あるならトメさんもなんかないか探して!」
「探してるよ。まあ治療する順番としてはヤミ、妹山伏、つららで、最後に
そこにつららが抗議の声を上げる。
「えええ? トメお姉さん、ひどくない? 多分今一番死にそうなの、つららなんだけど……」
トメがつららをちらっと見ると、つららはいつかのようにドロドロと溶け始めていて、かろうじて表情がわかる程度になっていた。
その足元には溶けた氷がみずたまりを作っている。
「……かわいい弟子だがお前はモンスターだからな……。まあ一粒だけ食ってろ」
壺から取り出した梅干しをつららの方に放り投げるトメ。
つららはそれを犬のようにパクッと口で受け止めて、
「しゅっぱーーーーい!」
と叫んだ。
「トメさんはつららちゃんに甘いなあ! まずはヤミちゃんだってば!」
虹子は梅干しの入った壺ごと抱えて
「ほら、ヤミちゃん、これを食べて!」
虹子が梅干しを
なにしろ一流の巫女だった
霊力満点、さらには酸味も満点、塩気も満点だった。
「むぎゅううううううう~~~!」
あまりのすっぱさに
そこに、毛布を抱えてトメがやってきた。
「よし、体温で温めるぞ。虹子の体温で」
「へ? 私?」
「そうだ、お前ら、くっつけくっつけ。あ、その前に虹子、一枚上着脱げ」
「待って待って待って」
「待たない。このままじゃ幽霊女……じゃない、元幽霊女が低体温症で死ぬぞ! 命には代えられないだろ、おとなしくしろ!」
トメは虹子から上着をひっぺがす。
その下に着ていたシャツまで脱がした。
「待って冗談でしょ、トメさんがやれば……」
「私よりお前の方が脂肪あるから向いているんだ」
「ししししし失礼な!」
「私は腹筋がバキバキに割れてるからな。お前はどうせぷにぷにおなかだろ」
「しししししししししし失礼な! 女性らしいって言いなさいよ!」
「いいから!」
トメは上半身ブラだけの虹子を無理やり裸の
「ひゃ! ヤミちゃん、身体冷たい! うわっ! 立ってらんない!」
ぐるぐる巻きにされた虹子と
「ひぃぃ! 冷たーい!」
叫ぶ虹子、
「熱、熱、熱がほしい……」
その虹子に肌をスリスリする
「ふう……これでよし、と。配信していなくてよかったぞ。確実に一発バンだな、この光景は。次は妹山伏だが……」
トメは額の汗を拭いながら