パチンコ大好き山伏女がダンジョンの下層階で遭難した美人配信者に注文通りハンバーガーセットを届けたら全世界に激震が走った件 作:羽黒楓
それを聞いて虹子の顔色が変わった。
「それって……」
そう、虹子が遭難したときとまったく同じシチュエーションだったのだ。
「それ、いつの話?」
「つい数日前だと思う……今日、何日だっけ? スマホの電池切れちゃって……いいでしょ、最新のyPhoneなんだよ」
少女はスマホを持っていた。
でも、yPhoneファンの虹子にはすぐわかった。
それはパイナップル社のyPhone xsだ。
最新どころか、五年以上前のモデルなはずだった。
「つまり、あなたは探索者
「そうだよ。私は探索者
「待って、もっとよく見てみる。念には念をいれて。間違うと悪いから。虹子さん、ちょっと離れて」
と言うと自分の目に手をあて、真言を唱え始めた。
「オン マカ キャロニキャ ソワカ」
十一面観音の真言だ。
じっと少女を見つめる
しばらくして視線を外すと、虹子の方を向いて軽く首を振る。
「え、え、え、なに、どういうこと?」
虹子は状況を理解していないようだった。
「ところで、今は西暦で言うと何年だかわかる?」
「西暦? 2018年でしょ? 平成30年。そういえば、来年年号変わるんだよね! なにになるか楽しみ!」
もちろん、年号なんてとっくに変わっている。
「………………」
また
「え? どういうこと……」
戸惑う虹子の耳もとで、
「この子、幽霊には間違いない。でも、自分が死んでいることに気づいていないわ」
「う……」
あとずさりする虹子。
「ねーねーねー、なに話してるの? お願いだから、地上まで案内してよ」
そんなことを言っている幽霊少女をよそに、
「これってどうすればいいの、お姉さま?」
「そうね、うーん、成仏させてあげる?」
「待って! スマホの地図アプリを書き換えた犯人って、私も同じ事されてるんだけど……。もっと情報を得てからにしない?」
その言葉に
「そうね。でも、じっくり話すと、修行積んでる私はともかく、虹子が『憑かれちゃう』かも……」
「え、こわ……。それってどうなるの?」
「家まで付いてくるかも。霊障で体調とか精神がおかしくなる可能性も……」
「待って、やばやばやば!」
「ちゃんと準備すれば大丈夫よ。でも今は……ここを離れるのがいいと思うわ」
ゴスロリ幽霊少女を振り向いて、
「ごめんね。私たちも迷っているの。また会いましょう。ほら、虹子さん、荷台に乗って。しっかり掴まっているのよ」
ひらりと自転車に乗る
「ムギーーーッ」
虹子がいつもの絶叫をあげた。
「ちょっと待ってよー! 置いてかないでー!」
涙声で幽霊が追いかけてくるが、