パチンコ大好き山伏女がダンジョンの下層階で遭難した美人配信者に注文通りハンバーガーセットを届けたら全世界に激震が走った件 作:羽黒楓
そしてトメとにらみ合った。
「トメさん……」
「山伏女。その幽霊を――モンスターを滅そうとする妹を、なぜ止める? そいつはモンスターだ。放っておくと必ず人間に仇なすぞ」
ギロッと突き刺すような鋭い視線を
「違う、
トメはちらっと
そして、トメに向かって言った。
「トメさん! いいところに! あのモンスターをやっつけるの! 手伝ってください!」
「そうだな、それには私も賛成だ。手伝ってやる」
「違うってば!
「なにを言っている。モンスターに操られてモンスターを殺そうとしているというのか? ……むしろ、モンスターをかばおうとしているお前の方こそモンスターに操られているんじゃないか?」
「違うよ!
それに、壁に貼り付いていたゴスロリ幽霊少女、ヤミも必死の形相で言った。
「そうだよ! その人、私を殺そうとしているの! なんか勘違いしちゃっているんだって!」
「お前を殺すのは探索者として当然だ。山伏女、お前どうかしているな? モンスターを守ろうとするとは……」
そこに
「トメさん! とにかくモンスターをやっつけないと! 一緒に攻撃しましょう!」
その
埒があかない、と
一気に制圧してしまおう。
まずは、弱い方から片づける。
つまり、トメからだ。
「ふんっ!」
トメはその場でひらりと跳び上がる。
そして、くるりと一回転、天井にぴたりとすいつき、掃除機のノズルを
「
トメが掃除機のスイッチを押す。
ギュオオオン! と掃除機のモーターがうなる。
目立製の特別仕様、と言っていたわね、と
サイクロン式じゃない。
きっとパック式だと思うけど……。
だけど、今は
トメを制圧するあいだに隙を見せれば、
殺す気なら瞬殺できるかもしれないけど、もちろん
ただ無力化したい。
そして、命を奪うよりも無力化するほうが手間がかかる。
――まずは、あの掃除機を壊さないといけないわね。
両手を組んで印を結ぶ。
「
そして、真言を叫んだ。
「ソワタヤ ウンタラタ カンマン!!」
「
倶利伽羅龍王とは、不動明王が持つ剣に巻き付いている竜のことである。
その竜の力を借りる、
並みの人間――いや、トメのようなS級探索者すら一撃で灰にするほどの威力を誇る。
だが、
トメが持つ、掃除機だったのだ。
出力を最小に絞る。
次の瞬間。
トメが背中に背負っている掃除機がボンッ! という音を立てた。
そして、焦げ臭い黒煙を吐き、その機能を停止した。
「な……!? こいつ……!」
トメはノズルを手放し、腰の後ろに横差しにしていた短剣を抜くが、
そして掌底をトメのアゴに叩き込む。
「…………ぐっ…………」
トメはうめき声をあげるとその場で昏倒する。
「このカマキリ……!」
「
そう叫んで法術を発動しようとする。
「
拳を固める。
黒髪のポニーテールをなびかせ、
「く! オン バザラ ギニ ハラチ ハタヤ ソワカ!!」
身を守る九字護身法、
「それでいいよ、
「くぅっ!」
鈍い音ともに
「ぐ……うううう……」
そしてそのまま気絶する
「妖怪め! 引きずり出してやるわ!」