パチンコ大好き山伏女がダンジョンの下層階で遭難した美人配信者に注文通りハンバーガーセットを届けたら全世界に激震が走った件 作:羽黒楓
六畳一間の部屋の中。
白い着物を着せられた虹子が横になっている。
胸元は少しはだけさせられて、アザが見えていた。
それは、円形の中に歪んだ十字架のような模様が描かれたアザ。
虹子の傍らに座っている
「|臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」《りん・ぴょう・とう・しゃ・かい・じん・れつ・ざい・ぜん》!」
そして、両手に持った数珠をジャリジャリとこすり合わせて鳴らした。
この数珠は一般的な数珠とは違うかたちをしている。
粒の一つ一つは球ではなく、ソロバンの珠のような角を持った形状をしている。
それが108個。
煩悩の数だけ連なっているのだ。
それが奏でる音は、人に害なすものの力を砕くことができるのだ。
「オン マユラ キランデイ ソワカ!」
丹田に力をため、
虹子は怖いのか、ぎゅっと目をつぶって唇を引き締めていた。
長さ20センチくらいで、手に握れるほどの太さ。
両端は槍の穂先のように尖っている。
片目をそっと開けた虹子はそれを見て、「ひっ」と声をあげた。
「あの、お姉さま、それ、痛い?」
「たぶん、少し、痛い。我慢してね」
「ひっ! が、我慢する……」
眉間にしわをよせながら、また強く目をつむる虹子。
「オン マユラ キランデイ ソワカ!」
その瞬間。
ギィィィンッ!
アパートの部屋に大きな金属音が響き渡った。
「……え? なにこれ?」
「お姉ちゃん、これ……」
「うん……かなり強い結界が張られてある……。そんじょそこらの妖怪の仕業じゃないわね、これ……」
「え? え? お姉さま、
「もう一度やってみるわ! 今度は全力全開! オン マユラ キランデイ ソワカ!」
「え、ちょっと待って怖い、うう~~!」
虹子の言葉を無視して
そんじょそこらの呪いなら、これで雲散霧消するはずだった。
だが。
ギイイイイイン!
またもや大きな金属音とともに、
「…………これ、やばいやつかも…………」
と、次の瞬間。
虹子の身体がドクンッ! と弾むように跳ねた。
同時に、
「ううううああああああああああああ!!」
虹子が喉の奥からしゃがれた悲鳴のようなものをあげる。
「やばい!
「うん!」
「
と叫んだ。
「
と叫んだ。
とたんにお札は虹子のアザに貼り付く。
虹子はそれで落ち着きを取り戻し、ふーふーと大きく息を吐き始める。
「おねえちゃん……」
眉をひそめて
「これは、かなり強力だわ……まずいかもしれない。
「でもそんな護摩壇なんて持ってきてないよ、さすがに」
「うーん、どうしようかしら……。…………私と
「ちょっと待ってお姉ちゃん。私、ちょっと気になるんだけど……トメさんは大丈夫かな?」