パチンコ大好き山伏女がダンジョンの下層階で遭難した美人配信者に注文通りハンバーガーセットを届けたら全世界に激震が走った件 作:羽黒楓
それを見てトメが言った。
「かっこいい……。なんか中二病っぽくてゴスに似合いそうだな。あいつ、趣味いいじゃないか」
「ふふふ。ヤッちゃんのお母さん、すごいものを持っていたよ。これはかなりの念が込められている。とても高校生の持ち物とは思えないわ」
「そうなのか?」
「うん、ヤッちゃんが中学生のころ、お年玉で買ったんだって。でも、趣味で買ったおもちゃ、なんてもんじゃないわよこれ。今の状況からするとベストの法具とさえ言えるわ」
「あ! これ……!」
と絶句した。
「さすが
「うん、すごい……これって、もしかしたら……ワンチャン……」
「それはまだわからないわ。まだ言わないで」
虹子が
「えー、なにこれ、お姉さま、
それを聞いて、虹子は目を見開き、ペンダントを凝視した。
「これ……そういうものなの……?」
トメは眉を寄せ、ため息をつく。
「こんなものがあるとなると……。気分的に除霊はしづらくなるな……」
四人が
それぞれが、まだ高校一年生だったヤミ――
★
「まず、ドローンを飛ばすわよ。持ってきたから虹子さん、セッティングお願い」
「あ、うん」
虹子が
そしてyphoneを操作すると、ドローンはプロペラを回し始め、シュイーンというかすかな音とともに宙に浮いた。
トンボほどの大きさのドローンは
「ヤッちゃんのお母さんにも見えるようにしないとね」
「でも、それならお母さんだけが見えるようにしたらいいんじゃない?」
虹子の言葉に
「……だって、配信するとお金がもらえるのよね……?」
「うん、まあ」
「どのくらい稼げる?」
「わかんないけど、人類が未到達の階層を目指すわけだから……。うまくいけば何百万円とか入るかも」
「私、
それを聞いてトメが口角をかすかにあげた。
「いいな、そういうの。私もお兄ちゃんに学費を出してもらったんだ。そういうことなら協力するぞ」
撮影を始めると聞いて、あわてて鏡を見始めた
「まーたお姉ちゃんそういうこと言う……。お姉ちゃん、パチンコやるお金が欲しいだけなんじゃないの? それに、私は受験よりお姉ちゃんとダンジョン探索者やりたいんだってば!」
「でも
「まあそうだけど。新しい知識が身につくのは楽しいし」
「だったら!
虹子も鏡を取り出して化粧を直し始めている。
「そんなん、これが終わったらこの四人でバーベキューやろうよ! きっと楽しいよ! 阿賀野川の河川敷でいいとこあるんだよ!」
トメも長いツインテールにブラシを入れ始めている。
「それ、私も入っているのか……?」
「トメさん、バーベキュー、嫌なの?」
「…………まあどうしても、というなら……。家族でやったことはあるが、友達とはやったことないからな」
「友達! 嬉しい、トメさん、私たちを友達だと思ってくれてるんだね! 私もだよ!」
言われてトメは顔を少し染めて、
「ふん」
と言った。
そしてコンパクトを取り出して前髪をいじり始める。
結局みんな女の子なのだった。
カメラに映るとなると、見た目を気にせずにはいられないのだ。
ただ一人を除いては。
「お姉さまはいいよね、そのままで超美人だし……なに見てるの?」
「動画……。これ、来週行きつけの店に入るのよ……」
スマホからは、男のyootuberの、甲高い声が聞こえてきていた。
『
トメがそれを聞きながらボソッと言った。
「パチンコか……私は競馬派だからな……。そっちのが面白いぞ」
「トメさん! お姉ちゃんに変なこと教えないでください! これ以上ギャンブルにはまったら困るんです!」