書けてる分だけ投稿しておきます、寝ます!!
鹵獲兵器群によって増強された第六艦隊は、艦隊の右翼側を担当していた。誤射を減らすためジオン系兵器が集中して運用されているのだが、敵もまた旧ジオン軍の兵器で武装していた。
「先頭のコロニーAに全弾命中、何もせんでも崩れます!」
「そうかい、それにしたって…」
白いゲルググの一機がビームライフルを放ち、飛翔するオッゴミサイルを狙うMSを粉砕する。一基目のコロニーA破壊は秒読みだ、少し後方に位置する三基目のCも構造上の弱点が見つかっている。
「どっちが誰の味方か、分りゃしないね!」
ジオン系MS同士で行われる乱戦で前線の指揮を取るのは、愛機を駆るエフェメラ艦長だ。部下達と共にレーザー誘導型のオッゴミサイルの誘導を行うという、非常に危険な役目を買って出ていた。
破壊すべき目標は戦乱に巻き込まれているのだ、無傷のコロニーというわけでないのなら、被害が最大化する箇所を狙って解体できる。そのため彼らはコロニーへ接近し、弱点を突くことで解体を手助けしていた。
「第一と第二は付いて来な、照準用のレーザーを使うよ。それ以外はここを守りな、パトロンの期待に答えてやらなきゃねえ」
「了解です。右翼は我々で抑えます、大漁を!」
「あいよ!」
彼らが使う拳銃型のレーザーポインターは急造品だが、その性能は最低限とはいえ十分だった。邪魔になるであろう対空砲を事前に潰し、場合によっては事前に爆破を行い、本命のオッゴミサイルをぶつけなければならない。
『こちら解体管制。旗艦の指揮能力一時喪失につき、指揮権を移譲された。現在の最優先目標をコロニーBに指定、各部隊は別命あるまで直近の指示に従え』
「…旗艦がどうしたってんだい、誰か見た奴は?」
「最大望遠でなんとか、あのMAが突っ込んだようでさぁ!」
艦橋に穴が空いており、窓も割れている。火力も殆ど失っているようだが、残っていたミサイル発射管から何かが放たれる。ビーム撹乱幕だ、旗艦自らを守るようにそれは展開された。
そして逆噴射用の推進器がどうにか動き、艦隊の後方へと船が下がり、代打のマゼラン級が前に出る。指揮権を移譲されたという管制も、あの船に居るのだろうか。
「まだ中身は生きてるね。MAと真正面から殴り合うなんざ、馬鹿のやることを」
本隊はMAが旗艦に突っ込んだことで少しの混乱があったようだが、事前の取り決め通りに他の船が指揮権を握り、短時間で立て直しに成功している。最大の脅威だったMAが消えたことで状況は即応艦隊有利、このまま押し込みたいのがエフェメラ艦長の考えだ。
「あの艦長にここで死なれたら困るんだ、サッサと終わらせて恩を売るよ!」
「「了解!」」
MAの一点突破を甘く見ていた訳ではない、相手が一枚上手だったということだ。ナガトは損傷しつつも航行不能ではないようで、後退しつつも戦列からは離れていない。今は通信機能の復旧中だが、被害の詳しい状況は不明だ。
『こちら解体管制。艦隊はこれよりコロニー群周辺を右回りに周回する軌道を取る。オッゴミサイルの発射予定射角まで、あと35分。レーザー誘導を』
「対空砲に気をつけな、小賢しい真似する相手にやられたら承知しない」
解体予定のコロニー二つ目は、デラーズフリートが拠点として改造したものだ。武装も一つ目に比べれば段違いの密度で配置されており、艦隊からの援護射撃がなければ、近付くことすらままならない。
「管制、こっちは下から回り込む。邪魔な砲台を潰してもらえるかい」
『お安い御用だが、精度は期待しないでくれよ』
「レーザーで示してやるさ、それなら分かりやすいだろう」
『有り難いが、敵から狙われるぞ?』
「何、あの砲台とやり合うよかマシさ」
第六艦隊の艦艇は別方面の砲撃で手一杯だ、急拵えの艦隊に余裕がないことは彼女が一番分かっていた。支援要請を出してすぐ、ナガノとは別のマゼラン級が砲身をコロニーの砲台陣地へ向ける。
『レーザーの発射地点に撃つよう要請した、すぐに来るぞ』
管制からの通信を聞いて、白いゲルググは即座にレーザーを照射した。砲台からの迎撃がすぐに行われることを見越し、移動しながらもレーザーの照射地点はブレさせない。
発射された第一射は砲台とは大きくずれて着弾し、外壁を溶かす。だが一発目はあくまでも当てることを目的にしたものではない、本命は誤差を修正したそれ以降だ。
「戦艦ってのも、悪くないねぇ」
二射目は僅かに中心を捉えず、三射目で砲台がまとめて沈黙した。弾薬や動力源をも巻き込んだのか、内側から捲れ上がるかのようにして砲台陣地は大穴の出現と供に消滅する。
これでオッゴミサイルが迎撃される可能性も低くなったと思った矢先のことだ、艦隊の方で大きな爆発が一つ起きた。
『オッゴミサイルの搭載艦がやられた、現在被害を確認中』
「何を何発やられた?!」
『…レーザー誘導型を四発だ、非常に不味いことになった』
精密な誘導が可能なレーザー誘導型は解体における切り札だ、それを四発も失ったことはかなりの痛手だろう。彼女は残りの数を確認するが、周囲のものよりも強固な二つ目のコロニーを今まで通りに破壊しようとすれば、オッゴミサイルが足りなくなることが分かる。
「ちょいと中を見るしかないね、管制!」
『こちら管制、どうした?』
「内部の偵察データは必要かい、ミサイルの数は余ってないんだろう」
『…危険だが、頼めるか』
「昔の仕事よりよっぽどマシさ」
何処か吹っ切れたかのような表情を見せた彼女は、部下を連れてコロニーへと続く。敵のMS部隊はノイエ・ジールと共に艦隊へ攻撃を仕掛けていたため、コロニー付近は思ったよりも手薄だ。
ゲルググのビームライフルで次々と敵機を撃ち落とし、味方の砲撃によって開いた穴から中へと入る。中は小惑星や増設されたと思わしき施設が目立つが、人が生活していたであろう市街地もまた残っている。
「色々と増えてはいますが、大きくは変わっちゃいません。中央のシャフトを折っちまえば、自らの加速に耐えられずに自壊する可能性が」
「一旦はそれで行くよ、各自で情報を集めたら外へ出る」
ゲルググ達は二機一組で散らばり、情報を集めるべくコロニー内を飛び回る。敵の本拠地だったであろう廃コロニーなのに、何故何も起きないのかとエフェメラ艦長は疑問を抱く。
「不気味だね、何も来ないとなると……」
その時だった、赤いMAが瓦礫の中から飛び出したのは。
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