狼のヒーローアカデミア   作:ベネット

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閑話です。


合格発表

 

「実技総合成績出ました!」

 

雄英高校会議室。

そこでは今回の受験者の成績が上から表示されていた。

 

「この子救助活動(レスキュー)ポイント0で2位って凄いな」

「敵ポイント77か……仮想敵は標的を捕捉して近寄ってくる。後半周りが疲弊し鈍っていく中、派手な個性で寄せ付けて迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」

 

モニターの中に1人の男子学生が手を翳して仮想敵を爆破する映像が映る。

 

「こっちの子は逆に敵ポイント0、救助活動(レスキュー)ポイント60で8位」

「いやーアレには痺れたぜ!お邪魔ギミックに攻撃仕掛ける受験生は他にもいたけどよ、ぶっ飛ばしちゃったのは久しく見てねーな!俺思わずYeah!って叫んじゃったもん」

 

モニターに、周囲の建物より大きい仮想敵が文字通り殴り飛ばされる(・・・・・・・)衝撃映像が映る。

 

「だがその反動で両足と右腕骨折……自身の個性を制御できてない。まるで個性を発現したての幼児のようだ」

「ま、そこは追々だな」

 

仮想敵を倒すとヴィランポイントが与えられる。これは受験者達に説明したルールだったが、実はこの試験で与えられるポイントはもう一つあった。

 

それが救助活動ポイント(・・・・・・・・)

敵を倒すことではなく、他人を助けることで与えられるポイントだった。

 

「ヒーローの仕事は2つ。1つは犯罪を犯すヴィランを捕まえること。そしてもう1つこそがヒーローの本質……人助け。余計なお世話を命懸けで実践するお仕事だ」

 

お邪魔ギミックは倒しても0ポイント。倒すメリットは無い。

そんな中モニターの中の少年は、瓦礫に足を取られた少女を助けるために自身を犠牲にしてでも巨大な敵に立ち向かい、打ち倒したのだ。

 

「窮地にこそ人間の本性は現れる。あの場で自身より他人を優先して行動できる。それはヒーローとして得難い資質だ」

 

かくして、合格者が選定されていく中。

 

「しかし今年は粒揃いだな」

「ああ、特にあの1位!」

 

 

 

 

「わ〜た〜し〜が〜投影された!」

 

 

「うえっ!?オールマイト!?なんで!!?」

 

雄英高校からの合否判定の通知が来たので開封したら、何故か国民的ヒーロー"オールマイト"がプロジェクターで映し出されていた。

 

「なんで私が映るのかって?実は今年からここ雄英で教職に就かせて頂くのさ!」

 

(あわ、あわわわ)

 

昔からの憧れの人から、まさかのサプライズ。

思考がバグって纏まらない。

 

「さて、傘咲少年!」

「!はいっ」

 

ピン、と背中を伸ばす。

 

「まずは成績発表だ!筆記試験は……うん、ギリギリ合格だね」

「よっしゃー!!」

 

腕を振り上げて快哉を叫ぶ。なんかオールマイトが苦笑いを浮かべてる気がするが、まあ良し!

 

「そして実技試験の結果だがーー」

「ばっちこーい!」

 

そっちは自信あるので、もう心安らかにオールマイトの明らかに画風の違う濃い顔を眺める。

 

「結論から言うとーーおめでとう!!敵ポイント310!!これは歴代TOPの成績だ!!」

「あざっす!」

「いやもうほんと凄い……ぶっちゃけ、君が試験会場で仮想敵殆ど倒しちゃったから他の生徒に全然ポイント入らなかったんだけどね?」

「さーせん!ちゃんとお詫びしときます!」

 

今度一緒に遊ぶ約束したから、その時目一杯尽くそうと思う。

 

「ごほんーーそして、我々が見ていたのは敵ポイントのみに非ず!!」

「!」

 

……え?ここからどんでん返しとかないよね?

 

「その名も救助活動(レスキュー)ポイント!!我々雄英が見ていたもう一つの基礎能力!」

「傘咲少年。君なんだろう!?あの0ポイント敵によって生み出される被害を抑え、他の受験生達を守っていたのは!」

 

オールマイトがそういうと、なにやら見覚えのある光景が次々と映し出される。

 

降り注ぐ瓦礫が空中で砕かれ(・・・・・・)巻き上げられるシーンが。

 

「……正直、君の個性は分からない点も多かった。だがその心は、我々と同じだと信じる」

 

拳一つで、これまで何万人もの人々を救ってきた伝説のヒーローは

 

「ーー救助活動(レスキュー)ポイント50点!敵ポイントと合わせて総合ポイント360点!!ーー来いよ傘咲少年!ここが君のヒーローアカデミアだ!!」

 

そう言って、笑いかけてくれた。

 

 

 

 

「……あ、因みに新入生代表だから挨拶考えてきてね!」

 

おなか痛くなった。

 

 

 

 

 

 

 

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