貞操逆転・男女比偏重・美少女ソシャゲ・ゲッターロボ   作:芯鉄

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プロローグ

 

 大学生だった俺は引越し作業のアルバイト中、胸の痛みを覚えた。

 強烈な痛みに耐えきれず、倒れてしまったことだけは記憶しているが、それ以降の記憶はなかった。

 

 そして、気がつくと自分の体が赤ん坊のものとなっていた。

 当初は混乱の極みといった精神状態だったが、満足に体を動かせず何もしない時間を長く過ごす内に、自分が一度死んで生まれ変わったことを理解し、精神が落ち着いた後は冷静に今の自分が置かれている状況を観察することが出来た。

 

 どうやら自分は、忍者の棟梁の一人息子「朧 真一」として生を受けたらしい。

 身の回りに置かれているベビー用品は、前世の21世紀で使われている物とあまり差はないのに、忍者という前時代的な言葉が周囲にいる大人の女性たちから出ることに違和感を覚えたが、忍びの棟梁――今生の母である人物から更なる衝撃の言葉が発せられた。

 

「この子にはロボットに乗ってもらう。反論は許さん」

 

 母親の言葉に周囲にいる5人の女性達が腰を抜かすくらい驚いていたが、自分も同じくらいに驚いた。

 

(朧……ロボット…もしかして、ここってスパロボYの世界なのか!!)

 

 様々なロボット作品が集結するゲームシリーズの一つである2025年に発売された「スーパーロボット大戦Y」のオリジナル主人公は「朧」というNINJAの組織に所属していて、NINJA専用のロボットを操っていた。

 

(まさか自分がロボットに乗れるなんて……すごい嬉しいが、どうせならゲッターロボの方に乗ってみたかったな。いや、でも不可能ではないか。アークはパイロットが決まっている関係で難しいが、D2部隊の1機に乗るくらいならできるかな?)

 

 ゲッターロボが好きな自分は、将来のゲッターロボとの邂逅に思いを馳せていたが、ある一つの重大な勘違いをしていたのを当時は気づけなかった。

 それは――スーパーロボット大戦Yの主人公は朧という組織に所属しているが、名字は月ノ輪であり、朧ではないということを。

 

 〇

 

 なぜかテレビや新聞、インターネット等の外部を情報の一切に触れない環境で育てられていたが、3歳になったころから本格的な修行が始まった。

 小規模な山村にある道場が修行場所となった。

 どうやらロボットに乗る肉体へ鍛えることを最優先しているらしく、体力づくりの運動と素手による格闘術を中心に教わり、手裏剣や苦無を扱う武器術や敵からの逃走に用いる遁走術は、ほとんど教わらなかった。

 

 修行内容は、前世の価値観から見てあまりにも常軌を逸しており、自分の体重と同じくらいの重りを身に着け、気絶するまで走らされたり、こちらがどんなに泣き叫んでも、一切の手を緩めず、殴られ蹴られた。

 疲労で体が動かなくなった後も、座学が行われ、精神的な急速な食事と睡眠以外は無かった。

 

 何度も心が折れようとしていたが、NINJA専用ロボットに乗りたい、出来ればゲッターロボにも乗りたいという思いで立ち上がり、つらい修行に励んだ。

 

 ――後に当時のことを振り返ってみると、自分の指導をした人間は母親を含め10人いたが、座学を教えた男性以外の9人が女性という状況について、不自然な印象を抱かなかったのが、我ながら不思議に思った。修行がつらすぎて、前世と異なる男女比や貞操観念に気づく余裕がなかったのかもしれない。

 

 〇

 

 12歳となった頃には母親以外に戦闘訓練で負けることはなくなった。

 刀や手裏剣を扱う教師役の女忍者達に対し、武器術をほとんど教わらなかった俺は、素手で戦った。

 理不尽なハンデに不満はあったが、身体能力は圧倒的に優っているため、勝利することが出来た。

 しかし、身体能力の差を覆す、圧倒的技量を有している母親にだけは勝つことは出来なかった。

 

 〇

 

 14歳となり、身長180cm・体重90キロほどとかなりの大柄に成長した。

 そして、とうとう戦闘訓練で母親に勝つことが出来た。

「見事だ」

 口数の多くない母親からの賞賛の言葉は短いものだった。

 何千回と挑み続け、ようやく勝てたこともあり、喜びを噛み締めていたが、

「忍びたるもの、常に油断はするな」

 刀の峰で頭を思いきり叩かれてしまった。

「だが、私から1本を取ったのは事実か……。真一お前に伝えることがある」

 

 ――これまで外部の情報を遮断されていた俺は、始めて外の情報を知った。

 曰く、世界には30億人ほどの人口がいるが、その男女比は1:50と極端な偏りがある。

 曰く、この世界では、男性が戦場に立つことはなく、女性が戦うのが常識である。

 

 スーパーロボット大戦Yの世界に生まれたと思っていた自分には、教えられた内容があまりにも予想外すぎてすぐには理解できなかった。

 混乱をよそに母親は話し続ける。

 

「お前がこれから乗る巨大兵器――ロボットについてだが」

 

 これまで詳細を教えられなかった、この世界のロボットについても伝えられた。

 まず、この世界はスーパーロボット大戦のような様々な開発経緯を持つロボットが存在することはなく、1種類のロボットしか存在しない。 

 そのロボットは3機の戦闘機が合体し、合体する組合わせにより3つの形態へ姿を変えることが出来る。

 

「そのロボットの名前はケッダーロボという」

「ゲッターロボ!」

「お前、その名は! ……いや、違う。今世界で運用されているのは、ケッダーロボという名前だ」

(なんだそのパチモンは……。ゲッP-Xの同類かよ)

 

 スーパーロボット大戦Yの世界に転生したと思っていたが、どうやらゲッターロボに似たロボットが存在し、偏った男女比と逆転した貞操観念を有する世界だったようだ。

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