【まのさばネタバレ】魔法少女ノ魔女裁判-異譚蜃問-【Ano-ode671 実況プレイ】   作:味噌のミカ

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 お久しぶりです。曇らせはまだ先なので初投稿です。




Part9

 

 

 どうも、クソ共犯者です。

 

 

 

 

〜前回のあらすじ〜

 

 

ミリア「おじさんなのでリオナちゃんと替わります」

 

レイア「ヨシ!!!!」

 

リオナ(他に突っ込むべきところがあるんじゃ……!?)

 

 

レイア「劇を作ろう!」

 

リオナ「そちらにとっても、悪い話ではないと思いますが?」

 

マーゴ「まあいいでしょう(不承不承)」

 

 

ココ「死ねよやーっ!」

 

リオナ「蛇翼崩天刃!」

 

ココ「グワーッ!」

 

 

 

 という訳で、今回はとっ捕まえたココたんを尋問します。あんまり刺激し過ぎると魔女化してしまうので穏便にいこうと思ったんですが……

 

 

 

「殺しに来たのなら容赦は致しません……が、別にわざわざ甚振る気も、殺す気もありません。死にたくないのなら、騒がず、正直に、私の問いに答えてください。」

 

「これは、今は拷問でも処刑でもなく、ただの尋問です。分かりますね?」

 

 “筋肉の付き方から分かり切ってはいたが……膂力では大差がある。とりあえず闇雲に抵抗する前に殺すなり突き出せるなりできることは示したし、尋問していこう。”

 

 

 

 穏便要素isどこ……ここ……?

 

 

 

 という訳で怯え切ったココたんをどうにか尋問していきます。ヒントの中にに【殺す】はないけど【拷問する】はある辺りどう考えても普通の子では無い……いや、魔女候補なのにこの状況下で【殺す】がないことの方がおかしい……

 

 どっちにしろおかしいですね(諦念)やっぱりナチュラルに傲慢…!

 

 

 では、尋問開始です。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 沢渡さんに聞きたいことは山ほどある。レイア様にも危害が及ぶ可能性を考慮するなら、有無を言わさず無力化するという手段もあるが……別にいつでもできることだ。できれば穏便に終わらせたい。

 

 時刻は……9時。タイムリミットは1時間。付近には誰もいなかったものの、もし誰かが来たら誤魔化す必要がある。

 

 これから私は、この事件そのものをなかったことにする。

 何故か? 全員で生きて帰るためだ。そのために、疑心暗鬼の種などあってはならないからだ。

 

 それに、この状況は都合がいい。

 

 最も利益の出る敵の排除とは、【懐柔】だ。

 

 弱みは掴んだ。生殺与奪も握った。メンタルが弱そうだから、甚振るなりなんなりして屈服させれば従順な駒にできるだろう。

 

「ひっ………。」

 

 だが、そのやり方は【違う】。強硬策だけでは禍根を生む。何よりも魔女化という点で不安がある。

 

 上手く行けば絶対に裏切ることのない協力者にもできるかもしれない。幸い利害自体は一致しているし、試す価値はあるはずだ。殺そうとしてきた相手にやるのは久々だが──。

 

 

「では、質問をしていきます。殺人未遂がバレたくないなら、小声で話してくださいね?」

 

 

 沢渡さんを説得して、味方側に引き入れてやる。

 

 

 

 

 

 -尋問開始-

 

 

 

「まず……何故、私を殺そうと?」

 

「…………あてぃし……死にたくなかった、から。」

 

「死にたくなかった……。やはり、【瞬間移動】が理由ですか?」

 

「そ、そう! そうだよ……! ほら……リオっちって、その、瞬間移動できるだろ……!?」

 

「ヒロってヤツも、急におかしくなってさ……! い、いや、アイツは元々ああかもしれないけど……。」

 

「と、とにかく、誰が魔女になるかなんて分かんねーじゃん……!? あてぃし、怖くて…… 絶対不意打ちだったのに、なんで…………。」

 

 

 

 

『あ、あてぃし、リオっちのこと、すげーって思ってっから! 仲間だと思ってっから! それじゃ!』

 

 あの時と同じだ。どう見ても嘘をついている……。

 

 それに、よく考えてみればこの殺人未遂、奇妙な点が多い。

 

 そもそも、何故あのタイミングで殺しに来た?

 

 付近には城ケ崎さんのアトリエに娯楽室もある。そうでなくとも、誰が来るかは分からないはずだ。なぜその状況で犯行に及んだ……? 二階堂さんのように魔女因子による突発的なものなのか?

 

 それとも──【魔法】が絡んでいるのか?

 

 ……質問を続けよう。

 

 

 

 

「動機は恐怖、と。では次の質問です。何故、あのタイミングで殺そうと?」

 

「……へ?」

 

「そもそも、アトリエに城ケ崎さんがいるはずでしょう。レイア様や佐伯さんも階段を降りてからそう時間は経っていないし、宝生さんも恐らく図書室にいる。」

 

「私を殺せたとして……物音などでバレる危険性はなかったのですか?」

 

「それは、その……。殺したくて、仕方なかったし……! バレても、正当防衛って言い訳する……とか…………。」

 

 

【正当防衛】

 

 

【反論:その言い訳は成立しない】

 

 

 

「あのゴクチョーが、情状酌量を許すとは思えませんが。」

 

「で、でも? ルールっつっても、部屋割りは変えれたじゃんか……?」

 

「しかし、逆らった二階堂さんは躊躇なく殺され、逃げ出しただけの紫藤さんも襲われかけたというケースもあります。恐らく、正当防衛だとしても普通に処刑されるでしょう。」

 

「そもそも、ただの部屋替えの申請と規則の【違反】では状況が違います。ましてや……殺人となれば魔女を処刑することが最優先。運営の裁定は自明でしょう。」

 

「うっ……!?」

 

「それに私は、良くも悪くも信頼されています。」

 

「ど、どーいうことだよ、それ……? 嫌味……?」

 

「【私がそんな事をするはずない】か。もしくは、失礼を承知で言うなら──【沢渡さんが私相手に抵抗できるとは思えない】か。」

 

「ぐ、ぐぎぎ…………。」

 

「……貴女は、生きて帰りたいのですよね? 恐らくそれは本当でしょう。ならば、【沢渡さんが魔女である事実】は確実に闇に葬らなくてはならない。つまり──。」

 

 

「何か、裁かれない目算があった。私を殺した上で、露見しないための手段があったのですね?」

 

「っ……!」

 

 

 

 何かに勘づかれたかのように、沢渡さんが硬直する……図星のようだ。

 違和感や矛盾の正体が分かったり、核心を突くことができそうなら、【遡及して指摘する】のもいいかもしれない。

 

 あの周囲の状況から脱する術があったということだが……そのような手段は非常に限られる。

 

 とどのつまり、ほぼ間違いなく魔法が絡んでいるだろう。

 

 沢渡さんが……そういえば、なぜ彼女は頻繁に配信をしていた……? ただの暇潰しだけとは思えない……。

 

 

「貴女の魔法は?」

 

「………………。」

 

 

 話したくないようだ。暴力に訴えるのが早いが……隠す意味がないと考えて自白してもらう方が穏便だろう。

 

 普段の沢渡さんの行動から、何か分かることはないか? 言動に違和感はないか? これまでの会話を振り返ってみよう。

 

 

『と、とにかく、誰が魔女になるかなんて分かんねーじゃん……!? あてぃし、怖くて…… 絶対不意打ちだったのに、なんで…………。』

 

 

【絶対不意打ちだった】

 

 

【反論:不意打ちとは確信できない】

 

 

 

 推測の域を出ないが……沢渡さんには、不意打ちであると確信し、勘違いする要素があったのではないだろうか?ならば、余程稀な特技でもない限り、その要素は【魔法】だと見ていい。

 

 ……ここは、仮説を真実のように提言し、詰めてみるのもいいかもしれない。

 

 配信が関係しているとしたら、それは──。

 

 

「恐らく【見られる】ことで発動しているようですが……黙秘しますか?」

 

「ひっ……!? な、なんで……!?」

 

「何故、ですか。逆に何故【絶対に不意打ち】と確信できたのです?」

 

「言う、言います! 言いますから……! せ、【千里眼】、です……。 」

 

「……【千里眼】。それはどのような?」

 

「あ、あてぃしの姿を見てるヤツの姿を、監視カメラみたいに見られる、役に立たねー魔法……。写真とか動画でも、発動します……。」

 

「ああ、だから配信を……本当に、それだけですか? 何をしていなくとも見える訳ではなく?」

 

「えっ……!? そ、そうだけど……。」

 

 

【そう】

 

 

【反論:魔法と逃走の順序が成立しない】

 

 

 思ったよりすぐ魔法について明かしてくれたが……どうにも気がかりなことがある。

 

 敢えて手を離しながら尋問を続けてみよう。

 

 

「嘘、ですね。」

 

「……え?」

 

「沢渡さん。やはり、何をせずとも一定範囲内は見えるのではありませんか?」

 

「……な、なんで……。」

 

「仮に私を殺せたとして、第三者に見られてから隠したり逃げるのでは遅いのです。」

 

「周囲を見通せているのであれば、桜羽さん達が基本一緒に行動、他何名かは定位置にいることを考えると……余程運が悪くなければ誰とも鉢合わせない逃走経路を得られるはず。どうでしょう?」

 

「…………ごめんなさい……ごめんなさい、黙ってました。」

 

「正直でよろしい。」

 

「……何も、しねーの?」

 

「? すぐ情報を吐いてくれたのに、何故罰を与える必要が?」

 

 

 ……おかしい。

 

 今のは多少シラを切られたり誤魔化されてもいいつもりで突きつけた。だが、いくら何でも従順過ぎる。

 しかしその割に、それまで隠せることはできるだけ隠そうとしている……。

 

 

 まだ、あるのか? 隠したいことが。だとしたら何だ?

 

 

 違和感を整理しよう。

 

 他の囚人でも有り得る動機なのに、沢渡さんだけがすぐさま殺しに来たのは何故だ? 彼女が小心者側だから? 魔女化進行の影響と考えるだけならば妥当だが……どうにもしっくり来ない。この引っ掛かりは、恐らく【沢渡さんが】という点だろうか? 武器を拾ったから……? いや、元から定義されるモノに縛らなければ、凶器や武器はいくらでもある。

 

 見られている状況以外でも発動することを指摘した時、何故すぐに肯定した? 見破られたから? いや、とぼけたりハッタリと扱ってもいい段階のはずだ。拷問を怖がった? それもそうだろう。だが……本当にそれだけなのか? その前に嘘をついたりすぐ自白するケースがあった……ということは、偽のゴールに誘導しようとしている?

 

 私に返り討ちにされた時、何故彼女はこの世の終わりのような表情をしていた? 経験上、本当に殺したいなら、不意打ちに失敗して気づかれたのなら、やけっぱちの悪足掻きをするのがそういう手合いの心理だ。いくら何でも諦めが早すぎる。

 

 私を殺す理由……レイア様のようなアイデンティティに関わる何かに触れた……? いや、そんなことはなさげだ。なら、生存意欲の方か?

 

 沢渡さんの【勝利条件】は? 彼女にしか出来ないことは? 彼女しか知り得ないこととは? 犯行前に、何があった?

 

 この非日常における、私を殺しに来る理由とは、真っ先に殺すべきという結論に行き着くだけの事実とは、何だ?

 

 

 

 

 

【証拠:千里眼の発動条件】

 

 

 

 

 まさか。

 

 

 

 

 

 

「リ……リオっち…………? もう、聞きたいこととか、ないん……だよね……? 誰にも言わないし、もう、しないから…………。」

 

「そういうこと、ですか。」

 

「な、何……!? 急に……。」

 

「まず、【怖かったから】【生きて帰りたかったから】。これは間違いありませんね。私を返り討ちにできる方法が確立しているなら、他の方と比べて怖がる必要もない。」

 

「ですが、その動機でならまず貴女が狙うのは、橘さんか紫藤さんか夏目さん、銃を持つ黒部さん、あとは魔法が不明な桜羽さんか宝生さん辺りになるはずです。」

 

「な、何の話してん……ですか? さっきから……。」

 

「私も驚異ではありますが……殺して【生きて帰る】までが目的ならば、【瞬間移動】を相手取る場合に自らが直接手を汚す真似はハイリスクな悪手中の悪手ですから。」

 

 もし【無条件の瞬間移動】を相手取る場合、即死さえしなければ容易にダイイングメッセージを残されてしまう可能性があるのだ。これは例え夏目さんが居ようが極めて重要な証拠になりうる。最悪、医務室に氷上さんが居れば治療されることすらも考えられる。

 

 要するに、他の囚人の方が殺す難度もリスクも低いのだ。特に紫藤さんは度重なる受難で心身共に弱っているのに加え、足に鉄球を着けられているため、分かりやすく殺しやすく殺す理由もある。確か今日は湖に居たはずだ。

 

 なのに、私を狙った。私を最優先で殺さなければならない理由があった。

 

 リスクを冒してでも──いや、相手が荒事に心得のある私でなければ、仕留め切れさえすれば、そもそもリスクは軽微なものだったはずだ。

 

 

 

 

 私の魔法は、【時間停止】。念じることで止まった時の中を動けるようになる魔法。発動中は息を止めなければならない……厳密に言えば、息を吸う行為が禁止される。

 

 初めに発現したのは恐らく、1年生の頃トラックに轢かれそうになった同級生を助けた時だった。轢かれる寸前に踏み出したはずなのに無事助けられたことに、当時は疑問を抱かなかった。

 

 気づいたのは、2年生の秋頃に宿題でノートに漢字を書いていた時だった。普段10分くらいかかるはずのそれが5分で終わった。明らかに早すぎて奇妙に思いながらも、気を取り直して算数のドリルを進めていた時。

 

「宿──────題ちゃんとやってる?」

 

 ノックもせず自室のドアを開いた母が、ピタリと静止していたのを見た。

 

 その時恐らく私は、【ゾーン】【フロー】と呼ばれる状態にあった。

 早く宿題を終わらせて、予習をしようと必死になっていた。息が詰まっていた。どうやら、発動したりしなかったりを無意識に繰り返していたようだ。

 

 そして、もう一度やってみたら、そのまま維持できて。時計の針が全く動いていないのを見た。

 

 己の世界へ集中し、我が儘とし、行動を起こして物事を変える、その延長線───。

 

 時空間の概念を嘲笑い、五体が成し得る限りの須臾を書き換えられる、反則、埒外、イレギュラー。

 

 しかし、反則でありながら、ある意味ただそれだけでしかない、【ヒトのできないことはできない】そんな魔法。

 

 それが、【時間停止】。

 

 そして、だからこそ、何か【あった】時に逃れる術と言うには実は不適切なのだ。

 

 例えば、四肢が使えなくなれば這うしかない。停め続けなければ逃れることは出来ない。

 毒の類は……どうなるのだろうか? 死ぬかもしれないので試していない。恐らく、【肉体の症状】である以上進行する……いや、どうなんだ? 連続で停止した時に酸欠にはなり疲労は溜まるものの、空腹といった生理現象が発生した覚えがない。

 

 閑話休題。

 

 さて、世の創作物に登場する【時間停止】の使い手が何故強いのか? 当然、時間停止が強いというのもあるだろう。だが、それだけでは理由として不適切だ。

 

 

 不死身。

 

 超パワー。

 

 ナイフ。

 

 銃火器。

 

 機動兵器。

 

 変身。

 

 音速の脚。

 

 

 そう、使い手が強く、知性を持っているからだ。

 

 そして、そんな存在だろうが負ける時は負ける。

 

 ともかく、もっと強くなれば手の届くモノが増える。もっと強くなれば誰かに喜ばれる。もっと強くなれば独りでも自分を守れる。中学に入る頃にはあまりにも【反則】と自戒して止めたが、それまでは元の性分もあって。

 

 時を止めて、鍛えて、鍛えて、鍛えて──。

 

 

 鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて鍛えて──

 

 

 ──ただ、ひたすらに鍛えた。

 

 

 現在、深呼吸後に全力で走るなどした場合の最長発動記録は、3分29秒。平均的に3分は発動できる……のだが、この間は約5分は発動できた。どういうことだ……?

 

 ともかく。それに加えて、基礎能力──特に、魔法維持を目的として得た無尽蔵とも呼ばれる体力や、難関大を間違いなく首席で合格できる程度の学力。

 

 結果的にはレイア様を護るための力となったりこういうことへの対処ができたりと、有難いことが多いのは複雑だが。

 

 しかし……私の【世界】にレイア様が入り込んできて、私の眼を奪った。その前例がなかったら、イレギュラーな前提について思い当たらなかったかもしれない。

 

 推しと、この出会いに、感謝を──。

 

 

 

 

 

 

 

 

 千里眼は【止まった時の中】でも発動すると見破る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず、実験しましょうか。」

 

「何言って──」

 

【時間停止】。沢渡さんを立たせ、視界に収めたまま、矢を手に取って背後に回る。

 

 停止解除。再び、時は動き出す。

 

「てめっ、何のつも──!! むぐっ……!?!?」

 

 抵抗する沢渡さんが騒がないよう口を塞ぎ取り押さえる。

 

「勿論、本当に殺す気はありません。ですが貴女は今──【迷わず】振り向いた。」

 

「…………!?」

 

 みるみると沢渡さんの顔が青褪めていく。

 ──やはり、これか。魔法の情報を囮にしてでも、絶対に私に隠しておきたかった事実。

 

「既にご存知でしょうが……改めて。私の本当の魔法は、【時間停止】。止まった時の中で動けるようになる時空間魔法です。」

 

「貴女の魔法は他者に見られることで発動する。例えそれが、止(・)ま(・)っ(・)た(・)時(・)の(・)中(・)で(・)あ(・)ろ(・)う(・)と(・)も(・)。どのような形かは分かりませんが───。」

 

 

 

 

 

「沢渡さん……貴女、見(・)え(・)て(・)い(・)ま(・)す(・)ね(・)?」

 

 

 

 

 

 

 久々だ、完全な想定外は。レイア様と出会った時以来だろうか? 沢渡ココさん……貴女は素晴らしい力を持っている。

 

「まさか、私の【世界】を観測できる方が実在するとは……。」

 

「……あ、あぁ……。」

 

「通りで、昨夜も怯えていた訳です。」

 

「ひっ…………やだ、やだ……! ごめんなさい……!」

 

「……あの?」

 

 ……土下座だ。土下座をしている。

 

「許して……! 殺さないでください…………! もうしません……誰にも言いません……! 何でもしますから……! 」

 

 絶対に知ってはならない秘密を知ってしまって、それがバレて、これから始末されるかのような反応。いや、始末以外その通りではあるのだが。完全にパニックに陥っている。

 ポーズにしかならないが……時を止めてボウガンの矢をベッドの下に捨て、パニックになった沢渡さんを抱き締める。

 

「……落ち着いて。落ち着いてください。深呼吸はできますか?」

 

「ごめんなさい……殺さないで……! あてぃし……あてぃし…………!」

 

「殺しません。ゴクチョーにも言いません。処刑もさせません。私に貴女を殺す必要性などない。」

 

「…………え? 殺さない? ホントに……?」

 

「殺しません。絶対に。ですが……貴女も事情を知る側になった。知ったからにはできる限りの協力はしていただきます。」

 

 まだ息が荒いものの、落ち着き始めたようだ。良かった。

 

 ……すぐ宥められたのは恐らく、私が本当に殺す気だとしたら命乞いをする暇どころかネタばらしをされる間もなく殺されているからだろう。ケースバイケースではあるが、殺さないこと自体が交渉のポーズになる訳か……。

 

「……そろそろ、大丈夫…………。ホントに何でも、何でもします……。魔女化も手伝いますから……。」

 

 10分程経っただろうか……? 彼女を離して……えっ魔女化?

 

「……はい? 魔女化? どういう……?」

 

「えっ、リ、リオっちが、黒幕なんじゃないの……?」

 

「……そうか。確かに、そう見えてもおかしくありませんね。完全に失策でした。」

 

 他者の生殺与奪を握る魔法──【時間停止】を隠しており、看守の鎌をわざと受けて負傷している人物。ついでに【黒幕】の目的をある程度推測しており、積極的に探索している。事実を知る人間からすれば、怪しくないわけがない。

 

「私は黒幕ではありません。魔法によってこのようなパニックを引き起こすこと、ひいてはレイア様が危険に晒されることを懸念したため、偽らせていただきました。」

 

「そ……そう、なんだ…………。」

 

 気が変わった。確かに、【千里眼】はこと協力においてとても優秀な、欠けたピースが嵌ったかのような、そして私(・)の(・)魔(・)法(・)と(・)相(・)性(・)が(・)最(・)高(・)だ(・)。だが……ただの協力者にするだけだって? 失礼にも程があるだろう。

 

「【推し】とまた会いたいですか?」

 

「あ、当たり前じゃん……!?」

 

 彼女はもう私にとって親友だ。今私が決めた。魔法を持ち、推しのために、この牢屋敷から出る──同じ価値観を持つ仲間だ。元からそのつもりではあったが……絶対に生きて帰らせてみせる。

 

 私はコ(・)コ(・)さ(・)ん(・)の手を取り──

 

 

 

「ココさん。どうか、私の親友になってください。」

 

 

 

「私と協力して、ここから生きて帰りましょう。」

 

 

 

「は、はぁ……分かりました……。ん? 親友?」

 

「はい、親友ですが……。」

 

 

 

 

「………………はぁぁぁぁ!?」

 

 

 

 


 

 

 

 

 工事完了です……ココたんがbrotherになりました(東堂並感)【時間停止】では初プレイですが、こういう判定になるんですねえ。見えているのかと聞いているのだ!沢渡ココ!!

 

 あのユリちゃん?親友判定早くない?

 

「え、えぇ……リ、リオっち? 親友って……えぇ……? なんでぇ……?」

 

「なんでって、推し活仲間で魔法も使えて脱獄協力者じゃないですか私達。私にとっては親友も同然です。……その、嫌でしたか?」

 

「ひっ!? そんなことないです! ただ、その……あ、あてぃしリオっち殺そうとしたはずなんだけど……。」

 

「相手は私で未遂ですし、過ぎたことはいいじゃないですか。ただし、今後は誰も殺そうとしたりしないこと。いいですね?」

 

「あっ、はい……。へ、変な奴……。」

 

 “殺人は許されないことだが……魔女因子の後押しがあるとはいえ、ココさんは紛れもなく黒幕を倒すために立ち上がった。生きるために私に立ち向かってきた。牢屋敷から出るために、【時を止められる私】が相手だろうと闘うことを選べた。”

 

 “持ち得る能力を駆使し全力で、だ。きっと常在戦場の意識が染み付いた私でなければ、致命傷を与えられただろう。狙われたのが私で良かった。許すことができたし、ココさんを信じることができた。”

 

 何やねん常在戦場ってズバババンか?しかし、頭おかしい強さと傲慢さのワケが明らかになりましたね。元がストイックな上に光属性で擬似精神と時の部屋経験者とか、そりゃ殺しに来た相手に友情すら持てるわけですわよ。

 

 ……ついでに人間卒業級の特技も発覚したわけですが。なんやねん発動時間5分って。

 

「おや、あと10分ですか。行きますよ、【時間停止】。」

 

「ちょ───」

 

 “初めて、心の底から親友と思える相手と出会えたんだ。絶対に手放すものか。”

 

 マジカル推し活仲間が出来てウキウキなのは分かるんですが…距離の詰め方がおかしい…おかしくない?とりあえず時を止めてお姫様抱っこしてココたんの房の前に移動し

 ました(ました工法)

 

「──っ、おま!? いきなり魔法使うなって! びっくりするから!」

 

「申し訳ありません。しかし、落ち着いて房に戻れる状態でやっておきたいことがあったので……。今後の策を話したいので、まずは友達登録しませんか?」

 

「え、え〜っと……リオっちの友だち……登録制なん?」

 

「あ、いえスマホの話です。どうやらこのスマホ、連絡が取れるようで。」

 

「あ〜そっちね、ちょいスマホ貸して…………はいOK。」

 

「おお、早い。」

 

「こ、こう見えても配信者だし? 機材とかは色々使えねーとさ……ここじゃロクに役に立たねーけど。そんで、今後の策って?」

 

「いえ、とても素晴らしい特技だと思います。では、策のためにツーショットでも撮りましょうか。撮ったら───。」

 

 

 

「私も、混ぜてくれるかな?」

 

 

 

 う あ あ あ あ あ あ あ(PC書き文字)

 

 

 レイアのエントリーだーっ!急に参戦するの心臓に悪すぎるっピ!

 

「お、レイアじゃん。今リオっちと自撮りするとこなんだけどさ、入る?」

 

「入ろうか!」

 

「えっ。」

 

「リオっちも推しとチェキしたいっしょ?」

 

「えっえっ。」

 

「さあ、撮ろうか。リオナくんも良いだろう?」

 

「いやそのそれは恐れ多いというか……!?」

 

「撮ろう!」

 

「は、はい……。」

 

 よわい(小並感)メトロノーム感覚で強くなったり弱くなったりするな…??ナチュラルにレイアが真ん中に割り込みましたね。なんか独占欲強い……強くない?

 

「おお、よく撮れてるじゃないか。」

 

「こーゆーの得意なんだよね〜。」

 

「推しと……親友と……自撮り……。」

 

「いつの間にココくんと親友に……? そういえば、さっきは何をしていたのかな?」

 

「スマホの友達登録をしていたんです。」

 

「今、何て……?」

 

「だーかーらー、スマホの友だち登録だって。コレでも通話したりメッセージ送れたりすんの。知らねーの?」

 

 “レイア様が突然崩れ落ちた……何故……?”

 

 

 

「…………ココくんに、リオナくんの初めてが奪われた……。」

 

 

 

「貴女は一体何を言ってるんです??」

 

「やかましいわ色ボケ俳優!!」

 

 またレイア様が脳を破壊されておられるぞ!!

 というか、なんかレイア様のテンションおかしくない……?魔女因子のせいでしょうか?(風評被害)多分メルルちゃんのせいですね(風評被害)

 

「は、はは。冗談さ、冗談……私とも交換してくれるね?」

 

「そ、それは勿論ですが、一先ずは房に戻りましょう……?」

 

「やっべ!? もう時間じゃん! そんじゃね〜。」

 

「ココさん、また後で。」

 

「コ(・)コ(・)さ(・)ん(・)……!?」

 

 レイア様と房に戻ったところで今回はここまで。ご視聴ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この1時間で、リオナくんはココくんを親友と呼んでいて、にも関わらずなぜか、さっきのココくんはほんの少しだけ片言で、いまいち芝居がかっているように見える。

 

 

 何があった……?

 

 






 ココ虐とかその他諸々は済ませたので失踪します。

 ちなみに、元は全力で運動しながらでも10分発動できる予定でした。人間卒業し過ぎだともう1人のボクに却下されたため3分にナーフされ、その後なぜか5分にアッパーされました。なんでだろう。


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