コードギアス 戦場のライル B2   作:meitoken

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バベルタワー以上に露骨に起こっており、アルマリアでハクバとサトリが潰したような事例を私なりに何年も前の掲示板時代にブリタニアでやったやつです。

あの世界観ならあると思ってましたから。光和でもやっぱりやるところではやっていた。


BERSERK-5『オークション』

ライルはオークション会場を進んでいた。よく見れば、本国で顔の利く貴族もいる。流石にアッシュフォード家の人間はいないようだ。万が一、これが本当に闇オークションなら露見した途端に首が飛ぶ。せっかくシュナイゼルお抱えの科学者であるロイド・アスプルンドと娘を婚約させた苦労も水の泡だ。

 

そんなことを考え、ライルは変装用のサングラスをもらい、髪形をオールバックに変えた。

 

「これで、どうでしょう?」

 

「おお、様になっておりますな。」

 

分かりやすい…だが、これでいいだろう。

 

本音を言えば、サッサと政庁に帰りたい。こんなことよりも、富士山の慰霊碑の方がライルにとっては優先順位が高いのだから。

 

「そっちへ行った!」

 

「逃がすな!今回の目玉なのだぞ!」

 

随分と騒がしい。すると、二人の少女が走っていた。後ろからはサングラスの男達。まさか…!

 

少女たちは追いつかれ、取り押さえられた。

 

「嫌!放して!!」

 

「こ、こんなオークションが政庁の耳に入ったら!?」

 

「安心しろ、政庁の役人もここを利用しているのでな。」

 

布を当てられ、もがく二人は気絶した。薬をしみこませたやつだ。

 

「今の二人は?」

 

「はい、今回の催しの目玉でございます。見たところ、お客様は大変お若い。」

 

「知人が政庁に勤めている関係で……今後の勉学のためにと、ご厚意で招待してくださったのです。」

 

どうやら、主催者らしき男はこちらの素性に気づいていないようだ。

 

「それはそれは。今回のオークションは良いものを取り揃えております故……釣り合いの取れそうなものもそろっておりますよ?」

 

確定だ。このオークションの正体は……

 

エリア特法ではナンバーズ相手にこうした罪状は存在しない。となれば、潰す場合は他の罪状を探すしかないか。しかも、事務次官がいるとなれば…少なくとも内政省は確実。軍、警察にも通じている者がいるだろう。マフィアと通じている罪状ならば、エリア特法の外だ。カラレスと言えど、文句は言わせないようにしないと。

 

「全く、貴族の寵愛を受けられるほどの上玉でありながら。」

 

「今回が最初ではないのですか?」

 

「ええ、一週間前に仕入れて以来これで五回目です。」

 

一週間で五回。少し、興味をそそられた。ちらりと見えたが、おそらく姉妹だろう。容姿も整っており、数年後には周囲を引き付ける美女になるだろう。

 

「他に逃げようとしたのは?」

 

「いえ、私が知る限り今のだけです。」

 

つまり、このまま終わりたくないということなのか。

 

少し、話してみたいかな?

 

あの二人にライルは興味をそそられた。

 

 

 

緊急の案件で数人が集まった会議室でゲイリーはテーブルと叩いた。

 

「くそ!まさか、政庁で誘拐が起こるとは!!」

 

フェリクスもカラレスを睨みつける。

 

「これはどういうことか、説明していただけますか?」

 

が、カラレスは意に介さない。

 

「誘拐と言っても、たかがイレヴンの小娘ではないか。何を騒ぎ立てる必要がある。」

 

「……皇族の御威光に弱い貴方らしくないですね。」

 

「何?」

 

「彼女……飯田有紗は我らが主君の御寵愛を受けているのですよ?」

 

「な!?」

 

余り公表するようなことではないが、どうせそう邪推されている。明かしたところで問題はあるまい。

 

「それに、個人的なことを申し上げれば彼女は一年近く我々と共に行動しています。我々にとっても馴染みなのですよ、彼女は。」

 

「い、いやしかし…」

 

そこへ、長野が入った。

 

「失礼ですが、総督。政庁の内部でこんな事件が起きたこと自体が問題とはお考えにならないのですか?」

 

「貴様、いかに旧日本政府側で政策協力しているとはいえイレヴンの身で総督の私に意見するか!?」

 

これだ…ゲイリーは半ば呆れてしまった。今、長野はこの男の沽券に関わることを言ったというのに、イレヴンの忠告ということで反対の耳から通り抜けてしまったようだ。

 

「今は、そのような些事を気にしている場合ではございません。もう一度申し上げます。政庁の内部で皇族に縁のある者を狙った誘拐事件が起きたこと自体が問題です。」

 

政庁の内部での誘拐、被害者が皇族の関係者という事例を強調して出すと。

 

「あ…!ああ…!!」

 

フェリクスがさらに畳みかける。

 

「しかも、ライル殿下は外出中。つまり、殿下が外出しているこの頃合いを見計らったという事です。我々も殿下からお叱りを受けるでしょうが、政庁の内部で起こった事件ならば、責任の大半は貴方の管轄。しかも、元『ユーロ・ブリタニア』騎士が下手人を抑えた。この意味がお分かりで?」

 

次第にカラレスは青ざめていく。ライルもたまにこうした攻めを行うが、間違いなくフェリクスから学習したのだろう。流石にライルの汚れ役や憎まれ役を自称するだけある。

 

「尻拭いをしてあげる、と仰っているのですよ?」

 

もはやカラレスをはじめ、補佐官たちは何も言えずに顔面蒼白だ。

 

「救出成功の暁には、政庁の監督不行き届きを詫びる意味で彼女に便宜を図らってもらいます。それと、今回の件では我々に行動の自由を許していただきたいのですが?」

 

「あ、ああ…わ、分かった。い、いや頼む!どうか、本国への報告は!」

 

「それは殿下の御裁量とご慈悲次第でしょうね。ただ、大事なお姫様を一人攫われたとなっては、殿下は我々でも宥めるのは困難ですから。」

 

半ば脅迫する形で、しかもブリタニアならではの現実論でカラレスを追いつめていった。

この男が敵でなくてよかった……

 

これで、小規模な反ブリタニア勢力が出張ってこなければいいが…………

 

 

 

ライルはオークションの特別席をもらっていた。買いたい商品…つまり、イレヴンの金額は端末で入力できる。しかも、ブースの番号だから面が割れない。これは見つけるのは手間だ。客よりも主催者を叩いた方が良いだろう。ついでに、この男も……

 

「さあ、今回が最後です!目玉商品はこの姉妹!」

 

手錠をはめられた先ほどの姉妹が入場した。浅葱色の髪に豊満な肢体が男の情欲を掻き立てそうだ。

 

だが、オペラグラスで覗けば確かに二人とも目玉になるだけあり、有紗に引けを取らない美少女だと分かる。身体つきはクリスタルといい勝負だろう。

 

「姉と妹、一括の片方のどちらも可能です!では、一万ポンドから入りましょう!」

 

パネルに金額が表示された。妹だけに一万五千、姉だけに二万とどんどん上がっていく。

ライルは二人で10万と入力した。一気に高額を振り込まれたことに主催者が気をよくしたようだ。

 

「はい!特別ブースのお客様に、二人まとめて!」

 

鎖で引っ張られ、二人はライルの元へやってきた。

 

「……全く、悪趣味な。」

 

そして、二人に日本語で耳打ちをする。

 

「少なくとも、君達が考えているようなことをする気はない。」

 

「いやはや、買い物がお上手ですな。」

 

「は?」

 

事務次官がご満悦といった表情だ。この男はライルの数倍の額で六人は女を買っている。この姉妹には及ばないが、かなりの美女だ。

 

「少なく、それでいて最上級のものを買うとは。軍の方針もそこからでしょうか?」

 

「軍の情報をこのような場でお話しするようなものではないでしょう。そろそろ、お暇したいのですが?」

 

すると、事務次官の表情が少し変わった。

 

「さ、さようですか?この後お食事でも。良い店を知っているのですが。」

 

「お心づかいはありがたいのですが……慣れない場所に来て今日はもう疲れましたので。個人的に特区の慰霊碑も訪問したいですから。」

 

何か怪しい…明らかに見て取れた。

 

「…殿下の方針で弔問があるのですか?」

 

「個人的な約束で。それでは。」

 

二人の手錠を外し、車に乗せた。

 

「どうする気なの?」

 

髪の長い少女が敵意を見え隠れしながら質問する。当然だろう…

 

「まず、自己紹介をしないと。」

 

髪形を戻し、サングラスを外す。

 

「…え?」

 

「ブリタニア第八皇子ライル・フェ・ブリタニア……『洗脳皇子』と言えばわかるか?」

 

「あの、名誉ブリタニア人部隊の?」

 

詳しいな…ネット接続さえ困難なゲットーで。といっても、日本時代のネットもあるから、遮断は政庁としても不可能だというのが現状だ。でなければ、『ブラック・リベリオン』で全国規模の暴動が起こるわけがない。

 

「ああ……その名誉ブリタニア人部隊の皇子だ。」

 

「私達を、どうする気なの?」

 

「その前に自己紹介してくれ。」

 

姉妹で髪の長さや目つきが微妙に異なる。そして心なしか、髪の短い少女は先ほどまで怯えていたのに、今度はぼーっとこちらを見ている。

 

「…木藤涼子、こっちは。」

 

「……あ、い、妹の木藤優衣です!」

 

髪の長い方が姉の涼子、短い方が妹の優衣という名前か。

 

「では、涼子…」

 

続けようとしたところで通信機がなった。「失礼」と断りを入れ、通信機を取る。

 

「どうした?」

 

〈殿下!政庁で誘拐が発生!飯田有紗が誘拐されました!〉

 

何?今、なんと言った?

 

「今、なんて言った?」

 

連絡を取ったのはゲイリーだ。

 

〈飯田有紗が政庁内部で誘拐されました!〉

 

ライルは思わず、通信機を落としてしまった。

 

〈殿下?殿下!〉

 

優衣が通信機を拾った。

 

「あの、軍の通信機ですよね?」

 

「す、すまない……!カラレスは何をしていたんだ!?」

 

今の声に耳を遠ざけたゲイリーがいそうだと思いながら、ライルは問う。

 

〈カラレス総督も知らなかったようです!とにかく、ヴィオレット卿が調査を取り付けてありますので、急ぎお戻りを!〉

 

「カラレスを脅迫したのか?」

 

〈責任問題を提示しただけです!〉

 

物は言いようか。だが、事実だ。

 

「分かった!政庁内部の監視カメラ映像の確認と、実行犯の手掛かりは?」

 

〈テレサ・スクラーリが丁度一緒に拉致されかけたところを撃退、救出は失敗しましたが犯人を確保しております。〉

 

そうか…しかし、有紗だけでなくテレサまでとは。

 

「他には?」

 

〈スレイター卿とウィスティリア卿も狙われたようです。〉

 

レイとクリスタルまで!?……まるで。

 

〈殿下のお気に入りの女を狙ったようですな。全く、趣味の悪い。〉

 

考えていたことを言い当てられた。だが、テレサまでそう思われていたとは。

 

「テレサとはそうした仲ではないぞ?なのに、何故?」

 

〈さあ、育ちは平民ですからジュリア・ボネットと同類視したのでは!?〉

 

首謀者は馬鹿なのか?思わず、口に出そうになった。だが、今はそんなことをいっている場合ではない。

 

「……とにかく、すぐに戻る!」

 

通信を切って、ため息をついた。

 

「すまないが、政庁内部で事件が発生した。君達の事は後回しだ。」

 




オークションでライルが買った姉妹。この時、荒削りですがライルはある手を考えています。

ライルの能力はKMFではラウンズ並、頭はシュナイゼルとゼロより下で指揮官もコーネリアと藤堂よりは下。

といっても、比較対象が強すぎて参考にしにくいかも。まあ、総じて現場向きの能力です。
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