休暇はハワイ、軍上層や大貴族もご用達のビーチがあり、今回はライルがその一角を貸切っていた。
「ライル殿下、今回はご利用ありがとうございます。」
「いえ、こちらこそ無理を聞いていただいて感謝します。」
出迎えたのは、パーティーで何度か会ったホテル経営の貴族だ。高いホテルだが、従業員は平民出身者を多く起用しており、サービスの質の向上を第一にしている。ライルのナンバーズ出身者の採用には難色を示しがちだが、人間の数という観点では理解を得られたその点だけでもライルは彼を好いていた。
「しかし、噂のナンバーズ出身者の方々ですか。直接見ると、大貴族用の娼館や高級士官向けクラブのホステスでも通用する美人揃いだ。」
「……セクハラと受け取っていいですか?」
「褒めたんですよ。それに、ナンバーズといえど皇族の肝いり、少しは拍が着きます。そのためにも、サービスは惜しみませんから。」
「はあ、軍学校の校長といい貴方といい、殴りたくなるくらいにしっかりしていますね。」
ライルは最上のスイートは遠慮した。以前と同じ、いると教えているようなものだからだ。代わりに中間のフロアを選び、上と下にフェリクスや有紗が泊まっている。
ホテルを出て、ビーチに出たライルは男子と一緒に先立って準備をしていた。幸い、貸切っているので一目はない。準備を終えた頃に
「お待たせいたしました。」
クリスタルが真っ先に来た。濃い紫のマイクロビキニだ。軍人故に程よく鍛えられたクリスタルの抜群のスタイルとマッチしており、グラビアアイドルとしても通用しそうだ。
「あ、さ、流石クリスタル…」
軍学校時代、公共のプールへ行ったときに注目されていた彼女だがあの頃より成長しており、胸を強調したようなデザインが扇情的だ。
「もう、先越された。」
「まあまあ…」
優衣とリーザがやってきた。優衣はライトグリーンのチューブトップビキニでリーザは白の三角ビキニ。だが、二人とも胸は大きすぎるくらいで大幅にはみ出している。これでは娼婦と言われても文句が言えない。
「気合が入っているな…」
「だって、好きな人に見せるものは気合入ります。」
「ライル様こそ、有紗の水着は見たいでしょう?」
さりげなく、ライバルの有紗を持ち出すリーザの神経の太さにライルは気圧された。しかも事実だ。
「まったく、大したずぶとさね。」
レイがやってきた。レイは黒のワイヤービキニで、このメンバーでは一番小さい…と言っても一般から見れば十分に大きい胸が収まっており、それが逆に色気を引き立てている。続いてエレーナもやって来て、彼女はワインレッドのスリングショットだ。七人中、最も大きい胸を強調し、ダンサー故に腰回りもよく、娼婦ならば彼女は十人中十人が指名しそうだ。
「ぅ……刺激が強いよ。」
「…もう、全部見たくせに。」
エレーナが恥じらうそぶりを見せるが、今度は美水がやってきた。これもまた、大きい胸が強調されるグレーのクロスデザインビキニだ。
「海なんて久しぶり……それも、好きな人とは初めてです。」
「そ、そうなんだ……」
ここまで来ると、有紗への期待が高まってしまう自分に驚いた。
「あの、ライル様…どうです?」
有紗が来た。青の三角ビキニにパレオを巻いている。彼女の清楚な雰囲気と豊満な肢体が見事にマッチしており、そそられる色気があった。
「あ、わ、私としては…君が一番いい。」
すると、優衣が右腕を胸に挟んだ。
「結局、一番好きな人ってこと?」
「なんか面白くない……悩んだのに。」
美水まで張り合ってきた。
「わ、分かった!分かったから離れろ!」
だが、クリスタルが後ろから胸を押し付けた。
「初心な反応、可愛い。」
更にエレーナまで正面から胸を押し付けてきた。このままではずれて直接触れ合いそうだ。
「お子様みたいですね。」
「それとこれとは話が違う!」
だが、それでは収まらずにレイやリーザ、そして有紗も張り合って取り合いに発展した。
「いやあ、眼福だ………って、言いたいけどなんつう羨ましい状況。」
「ここにもいい男が二人はいるのに。」
ヴェルドとコローレはライルが美女たちに引っ張りだこにされている状況をひがんでいたが、フェリクスはわざとらしくため息をついた。
「だったら、公共のスペースで美人を引っかければいいでしょう?」
「うるせえ、お前こそどうなんだよ。」
「さあ……妾腹の息子でもつながりを欲しがるお嬢様も多いですから。その人達を堪能したので。」
真剣な男女恋愛のライルに対し、フェリクスはビジネスライクに近いが女性経験は豊富だ。おそらく、年上のヴェルドとコローレにも経験だけなら負けていない。
「一晩でも、私が相手をしてくれること自体嬉しいなんて寂しい人が多くてね。正直、あそこまで真剣になってくれる人が多い殿下が羨ましいくらいです。」
所詮は妾腹の息子……ヴィオレット伯爵家との小さなパイプ以外相手は期待していないだろう。
だから、私は殿下に惹かれたのかもしれないな。
軍学校時代の先輩や同期生の女とは、今でも時折会って肌を合わせているが、ライルのように真剣な付き合いはない。それに憧れ、諦めなかった者と諦めた者の違いだろう。
「まあ、ダメならダメなりに頑張らないと。そっちこそ邪な魂胆が見え透いているからダメなんでしょう。」
「失敬な、これは我らのチャームポイントだ。正直だろう?」
「正直すぎて、ただのケダモノにしか見えないです。」
「だよな…」
「確かに下品男の家系だ。」
デビーも相槌を入れ、セヴィーナがとどめを刺した。
それから、ライルは有紗達をボートで牽引したり、ビーチバレーをして今までの鬱憤を晴らすかのように遊んだ。途中、クリスタルと優衣が日焼け止めをねだったかと思えばリーザが自分の胸を使ってライルに日焼け止めをこすりつけるなどとんでもないアプローチをして振り払うのに苦労させられた。
ヴェルドとコローレが塗ると言いだしたが、それはフェリクスとデビーがガードに回って潰えた。
だが、それでも純粋に楽しかった。軍学校の訓練用プールを遊泳に使わせてもらった時、フェリクスと競争をしたような童心に帰った気分だった。
夜…食事を終えた後はクリスタルと優衣が率先して夜の相手を申し出て、対抗する形で有紗達も相手を申し出た。ライル自身もこの休暇中で有紗達と愛し合いたい気持ちはあった。
しかし、いくらなんでも連日連夜全員を相手にするのは厳しかった。そのため、一週間の休暇のうちその日ごとのくじ引きで相手を二人から三人、或いは四人で順番を決めて最後の夜のみ全員という形で合意を得た。
雛は休暇がとれ、ゲイリーを経由してウェルナーへの謁見を申し出た。イレヴンごとき、というのが本国貴族の言い分だがウェルナー本人が会うことを希望し、母トゥーリアも三十分だけという条件で了承を得ていた。これでも会う回数はかなり減っており、その分ウェルナーも嬉しそうではあるが。
「雛…その、申し訳ありません。ブリタニア皇族の一人として、シェール様の暴挙をお詫びいたします。」
出会い頭に頭を下げられ、雛は面食らった。
「ちょっと、いくらあたしとの付き合い知ってる人しかいないと言ってもね。」
「ですが…シェール様の暴挙はブリタニア皇族の責任ですから。ユフィの件なら、きっと私だって殺されるでしょう?」
「あ、まあ…そうだけどさ。」
相変わらず調子の狂う相手だ。いや、確かに純粋にいい子なのだ。それは断言できる。
「とにかく、時は金なりって言葉があるように時間が惜しいわ。」
「はい、それじゃあ早速紅茶を入れますね。」
「……皇子殿下御自ら紅茶を入れていただき、光栄の至りです。で、良いの?」
「お出迎えしたのは僕です。それに、せっかくお茶請けのケーキがあるのですから。」
「………お勉強と身体動かす訓練も良いけど、片手間程度でお菓子作りでも練習したら?ウチのトップ専属メイドなら二つ返事でOKするわよ。」
「飯田有紗さん、ですよね。お会いしたことはないですけど………とても清楚な方だそうですね。」
清楚…確かにそうだ。正に大和撫子と言わんばかりの美少女だ。自分が男でも食いつくほど身体つきも豊かで、ここ最近は更に豊かになったが、この子には少し刺激が強い話だろう。
「まあ、今回の事件で分かるようにウチのトップは怒ると怖いからね。あんたも耳元で大声出される覚悟は必要かも。」
「兄上の大声なら、効きそうですね。」
秀作はセラフィナの元を訪れていた。彼女も丁度休暇中で、暇を持て余していたという。
「で、なんでこうなるんだ?」
「いいじゃない。豪華なリムジンよりも少し軍人らしくて。」
まさか皇女ともあろう者がサイドカーを希望するとは思わなかった。
「俺がいたら目立つんじゃないのか?」
「大丈夫よ、エリア11成立以前から住んでいるって言えば大体の言い訳はつくから。それに軍のIDもあるんでしょう?」
「まあ、な。」
ゲイリー以外にセラフィナも乗せてみたい、などという期待はあった。それがこんな形で実現するとは思わなかった。
ホテルのバーで男達は酒を飲んでいたが……
「ったく、こっちは清く健全な休暇だったってのに。あっちは美女七人をとっかえひっかえか。なんだよ、この不条理。」
「その不条理がブリタニアの不平等って、我らの主君なら言いますよ?」
「あぐ……言い返せねえ。」
ヴェルドはフェリクスの指摘に引き下がるしかなかった。彼らもブリタニア貴族…不平等は悪ではない、という言葉それ自体を全ては否定していない。何故なら、彼らも貴族では不平等それも下に位置する者だからだ。
「確かに、殿下がもてるのも不平等の実践だけどさ。」
コローレはそれでも不満そうだが……
「まあ、ブリタニア以前に貴方達は日ごろの行いが悪いからこうなるんです。」
チェックアウトの朝……有紗達は静かに寝息を立てているライルの寝顔に見とれ、順番に膝枕をするまたは豊かな胸で顔を包んでいた。
昨夜は七人を一度に相手にするためか、少し早めの食事を取った。その後、全員がライルに迫った。唇の取り合いから、豊かな胸をライルに提供する順番まで取り合いになりかけた。ライルと濃密なキスを何度もして、果実をたっぷりと……もしかしたら搾られてしまうのではと言うくらいに吸って貰った。その順番さえも取り合いになり、その分ライルに収まりきらないほどに満たされ……この上ないほど幸せになっていた。
「可愛い、ライル様…」
有紗が頭をなでると、今は優衣とリーザが胸で顔を埋めており…
「私の胸が一番安心するのよね?」
「違うわよ、私よ。私の方が大きいもの。」
張り合う二人をレイとエレーナが引き離した。
「もう、起きちゃうわよ。」
「せっかくかわいい寝顔なのよ?」
レイが額にキスをして、エレーナがわざと吸わせるように胸を差し出そうとするが、クリスタルと美水が割り込んだ。
「年上の私が良いわよね?酷い形でママに裏切られたんだから。」
「私も年上よ…だから、私が膝枕をかわってあげる。」
そこにエレーナが再度乱入してきた。
「じゃあ、私もママしてあげる。」
年上の三人が母親代わりをすると言いだすと、有紗が文句を言った。
「ちょっと、それは嫌よ!」
すると、優衣とレイも乱入した。
「もう、膝枕いい加減に代わって!」
「朝の抱き枕をやらせてよ。」
「うるさい…朝から何をしているんだ?」
不機嫌な声を聴き、見下ろすとライルが目を開けていた。有紗がばつが悪そうに問う。
「…起きてたんですか?」
「耳元でそれだけ騒げば、起きるよ……全員一ヶ月間夜は禁止にされたいか?」
一か月、夜の相手を禁じられる。ただでさえ、夜の相手を求められる回数が少ないのに、下手をすれば一か月では済まされない。それは嫌だった。愛する男と身体を重ねられないのは耐えられないため、全員引き下がった。
休暇を一足先に負えた涼子は支給された新型KMFの適性を確認していた。
「驚いたわ……まさか素人でこれだけの適性があるなんて。」
ガウェインとガレスの間にあるKMF、ガングランは扱いが難しい砲撃型だった。しかし、ヴァルとセルフィーは親衛隊と『フォーリン・ナイツ』のメンバーを差し置いてトップクラスだった。そして、ギャラハッドの量産試作機のパラディン。これの適性は幸也とノエルがトップだった。
「これ、やっぱり他を乗せるより良いですよね?」
メカニックの先輩達も首を縦に振った。
「ああ、これで適性データをでっちあげでもしたら後で我々が殿下に殺される。大体、せっかくの高性能機が無駄になる。」
なるほど、いかにも技術者らしい意見だ。最も、涼子は一人でも反対する気でいた。
「これ、絶対に煩い貴族が怒るわね。平民や負け犬のナンバーズがこんな高性能機の適性が高いなんてインチキだって。」
だが、ライルなら間違いなく『くだらない。』と一蹴する。涼子だって同じだ。
「適性なんて、インチキのしようがないじゃない。データをでっちあげてもすぐにボロが出るし、それこそ負け犬の遠吠えよ。それで乗って失敗したら、見苦しい言い訳するのよ。」
容易に想像が浮かぶ光景だ。ブリタニア人だから、貴族だから絶対高性能のKMFを乗りこなせる。そんな法則はないし、それならば枢木スザクがランスロットを、シン・ヒュウガ・シャイングがヴェルキンゲトリクスを乗りこなすこと自体あり得ない。
「とりあえず、馬鹿が因縁着けてくるのは確実だから模擬戦できるようにしましょう。どうせやったって、不正だ何だって喚くなら、百回くらい潰せるくらいにしないと。」
「お前が仕切るな…」
整備長が窘めるが、全員が涼子と同じ意見でもあった。
休暇から戻ったライルは部下達に出迎えられ……
「随分とお楽しみだったようね。」
「ストレートに言うな。」
雛の皮肉にライルが返すが、優衣は…
「何よ、あんただって手柄立ててサイバネティックスで火傷治せばあの皇子様とゴールできるじゃない。」
「な、なんでウェルナーとそうなるのが前提なのよ!?」
「自分で分かってないし。」
レイも意味を察してため息をついた。それを見ながらライルはゲイリーに問う。
「で、私がいない間に何か?」
「情報部のグレイブ・ガロファーノが訪ねてまいりました。」
グレイブ様が?
「もう一度、呼んでもらえるか?」
「は。」
グレイブ様が来た…もしかして。
ライルはグレイブに頼んでもらっていた別件の報告を受けていた。
「では、やはり天領全てに?」
「はい、殿下が竜門石窟で見かけた鳥のような紋章がありました。おそらく、ブリタニア領となったE.U.加盟国のいくつかも。」
「そうですか……ところで、クロヴィス兄様の補佐だったバトレー達がエリア11で研究していたことは?」
「はい…ハッキングしてみたのですが、厳重なプロテクトがかかっていて。分かったのは『コードR』という研究名、後は研究の記録画像が。」
余りに弱い手がかりだ。『ブラック・リベリオン』の後、バトレーに直接会ってシンジュクでの記憶の混乱を確認した。その後、スザクやジェレミアの奇行、ユーフェミアの暴走にアレクセイ・アーザル・アルハヌスの不可解な自決。
それらを全て確認すると……バトレーは口を閉ざした。そして、神根島と関係があるか聞いても返答はなかった。いや、答えられなかったと言うべきだろう。
全て繋がっているということだ。しかも、常識が通用しないような……
思考をグレイブから渡された画像に戻して確認すると、拘束衣を着せられた緑の髪の少女が何かの装置を着けられていた。
「これは…」
「分かりません。『コードR』の記録もバトレー将軍達が保有していたデータバンクから出てきたのです。」
つまり、『コードR』とはブリタニアの極秘研究事項ではなく、あくまでもクロヴィスとバトレーが私的に行っていた物になる。
個人的な研究…この人を調べることが兄様を継承権争いで有利に………?
「グレイブ様、この画像はもらって大丈夫ですか?」
「ええ、問題ありません。足は着きません。」
この人がそういうのなら大丈夫だろう。それにしても、中華連邦のクーデター前後から突然、バトレーと彼の部下の研究員達が姿を消してしまったことが気がかりだ。
皇帝に呼ばれた、ということしかわかっていないようだ。
「それと、殿下。本国へ戻った後にもバトレー将軍達は何か研究していた模様で……『コードR』に付随する形で妙な単語が。」
「単語?」
グレイブは別の資料を手渡した。その中で一つだけ、チェック項目とされていた単語を見つけた。
『ギアス』……
そんな、馬鹿な…!なぜ、バトレーが!?
ライルは部屋に戻り、パリで購入した何冊かの文献、昔話の本を開いて…それを見つけた。緑の髪の少女が大勢の従者と共に旅をする、ありふれた昔話だ。しかし、その挿絵と内容が問題だった。
グレイブが入手した研究画像とこの挿絵…流石に差異は大きいが似ている気がする。
『森の魔女』………E.U.で伝えられる伝承の一つだ。悠久の時を生きる魔女が時折森に姿を現し、出会ったら呪いをかけられる、とこれもまたよくあるような伝承だ。
『森の魔女』がこの彼女本人だったとしたら、本当に数百年以上生きていることになる。だとしても、何故エリア11…いや、日本にいたんだ?神根島と関係が?
神根島にある遺跡、竜門石窟にも同じようなものがあった。コンピューターで復元をシミュレーションしたら、あの門は天領の遺跡と同じ鳥のような紋章を刻まれていたことになる。太古の時代、世界をまたいだ何かの原始宗教なのか?天領と『森の魔女』、あのV.V.…そしてギアスとやらは今の時代にまで生きているその関係者?
もし、その通りで……この伝承が事実だとして、ゼロもその魔女に呪いをかけられていたら?
ばかばかしい。余りにも荒唐無稽、子供向けの絵本の題材にもならないような話だ。だが、もしこれらが事実だとしたら、殆どの疑念に説明がついてしまうのだ。
そして、バトレー達がこの少女や神根島を通じて存在を知り、あのV.V.がギアスと呼んでいた『王の力』とそれを得る契約………もし、この魔女も奴のように契約をすることができ、その魔女の呪いがギアスならば、自分は魔女の同類に目を着けられてしまい、それに皇帝自身が通じている可能性が浮上する。
何を……仮にそうだとして、誰が信じるのだ。こんな話。私だって信じられない。
そう、信じられないが説明がついてしまう部分もある。それゆえに半信半疑だ。それでも、こんな超常の力が実在すると仮定し、それで人間の行動に干渉できるとすれば説明がついてしまう。今まで自分が疑念を抱いていた人物達の突然の変貌……それを使った犯人にも。
だとしても、いくら皇帝陛下でも単独で研究できるわけがない。どこかに、それこそブリタニア本国かE.U.と中華連邦のどこかにこんな能力を研究している組織でもいそうだ。バトレー達がその手先か、逆にその組織に引き込まれた可能性もある。
そして、ライルは気付いていなかった。自分がパンドラの箱を開けてしまったことを。
V.V.は拠点の奥で一人、考えていた。ブリタニア内部にいるこちらの手の者からの情報そして、ここのシステムを通じてV.V.は気付いた。
ライルはバトレーから全てを得ていた。いや、自分が疑念を抱いた人物の周辺にアプローチしてそこから推理した。しかも、半分以上は当たっている。
「直観と洞察力、それだけならばシャルルの子供達では指折りだ。」
正に動物並みの勘と鼻の鋭さ。とはいえ、幸いなのはここを悟られていないということ。最も、今V.V.にとってはライルなどよりも厄介な相手がすぐ近くにいることだ。
「刺客を送っておいて正解だったね。念のために……」
レイシェフは皇帝に呼び出されていた。
「ライル殿下の側に、でありますか?」
「そうだ……我らの計画に引き入れる。適わぬ場合は、任せるぞ。」
「………私個人としては、引き入れたいのですが?」
「分かっておる…だが。」
「イエス・ユア・マジェスティ。」
レイシェフは退室し、古い友人のドウェイン・ラン・デルヴィーニュと両親が紹介した後妻の候補ヴィオラ・アールバリと出会った。
「レイシェフ、陛下は?」
「ライル殿下の件を任せられた。ビスマルクは枢木スザク……」
「気付かれたのですか?」
「すでにV.V.が契約を持ち掛けた。本人は断ったようだが………最悪の場合は、そうすることになるだろう。」
が、デルヴィーニュは顔が暗かった。
「本当に、それでいいのか?あの方はお前によく似ているぞ。特に境遇が。」
「………みなまで言うな。」
ハワイでの休暇、実は原稿ではベッドで激しいのを入れてたんですがやめました。
その代わり、最終日の朝でライルを取り合う有紗達を入れました。
で、フェリクスは元々家のパイプ目当ての女との関係が多く、今は皇族の側近。群がる女が多く、そうした女の相手で経験が豊富というある意味ハードで、ライルが諦めきれなかった普通の男女恋愛を既に諦めた感じです。
一方、ライル軍ではガウェインとギャラハッドの量産タイプです。実はガングランというのは掲示板時代、アグラヴェインが公式で出てくる前に私が考えたKMF。ギャラハッドの量産型パラディンは投稿で頂いた物です。
アグラヴェインがウィザードことオイアグロが自分用に造った機体なら、ガングランは原型機に添った機体ですね。つまり、胸にミサイル、腰にハーケンが着いて且つ手が使えるガウェイン。
そして、ある意味不吉と言いますか……遂にライルはパンドラの箱を開けてしまいました。