コードギアス 戦場のライル B2   作:meitoken

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まだ暫くゴタゴタ続きます。前々から言っていた扇達に厳しい場面はあとちょっとです。


BERSERK-8『新たな出会い』

ライルはぼんやりと歩いていた。気付いた将兵が敬礼するが、それにも気づかない。あの男を殺した様子をヴェルドとコローレから聞いた。

 

『あの処刑に限れば、人を殺すのを見てるしそういう仕事してるのを知ってるでしょ?』

 

『でも、あれはないです。普通拒絶されます。』

 

なぜ…どこで、何を間違えたんだ?

 

あそこで、奴を殺さずにいればそれでよかったのか?彼女の敵を排除しただけなのに……排除の方法を間違えた?

そんな風に考えている時に、珍しい顔を見つけた。左目に眼帯をしたイレヴンの男の子と、中学生になるかならないかという年齢のブリタニア人の少女だ。他のブリタニア人も好奇の視線を向けていた。

 

政庁に来ていることと、現在のエリア11の状況から考えればあの少女はブリタニア軍人か官僚の娘、それも貴族で男の子が使用人の子供というところだろう。だが、

 

「ねえ、どうして『黒の騎士団』を処刑しないの?」

 

受付に男の子が質問をした。イレヴンが珍しい、という顔をして受付の兵士が応える。

 

「皇帝陛下が認めてくれないんだ。」

 

「じゃあ、皇帝陛下にお願いしてよ。処刑させてって。あいつら、悪い奴らで嘘つきなんだから。」

 

「そうしたいんだが…」

 

「リュウタ、もうやめなさい。」

 

ブリタニア人の少女が言い聞かせるが、男の子は聞かない。

 

「だって、あいつらお父さんとお母さんを殺したんだよ!何にも悪いことしてないのに!武器を持たない人を殺さないなんて嘘つきだよ!」

 

「いい加減にしなさい!」

 

流石に他の職員が強く出るが、男の子はバッグから包丁を出した。

 

「じゃあ、あいつらのところに連れて行ってよ!僕がやるから!」

 

「リュウタ!」

 

これ以上は流石にまずい。あいつらなら、あんな幼い子供でもテロリスト呼ばわりしかねない。それを阻止するべく、ライルが間に入った。

 

「どうしたんですか?」

 

「あ、こ、これはライル殿下!いえ、それが…このイレヴンの子供が『黒の騎士団』を処刑してくれと。」

 

「…お兄ちゃん、誰?」

 

「初めまして。私はライル・フェ・ブリタニア。そうだね…分かりやすく言えばブリタニアの皇子様だよ。」

 

子供に目線を合わせて手を出すと。

 

「駄目かい?」

 

「ううん。」

 

小さな手が握り返してきた。イレヴンごときが、という声も聞こえる。

 

子供相手にどういう思考をしているんだ、こいつら!

 

「僕、リュウタ。リュウタ・ヒダ・バルテリンク。」

 

「殿下、初めまして。私はユリアナ・バルテリンク。バルテリンク子爵家の長女です。」

 

バルテリンク…確か、本国の社交では末席よりのバルテリンク子爵家。エリア11でも文官として活動していたとか。

 

「そうか……ここだと何だから。私の居室へ案内する。」

 

「殿下!」

 

「包丁を持っていたのは感心しないが、まさかこんな幼い子がテロリスト。なんて言わないよな?」

 

「あ、いえ…その……テロリストに唆された可能性が。」

 

ライルはわざとらしくため息をついた。

 

「そういう発想ができるなら、最初からそう言え!この子の荷物を見るなら、見ろ!」

 

「は、は!」

 

兵士たちが荷物を見せるように言って、リュウタとユリアナはバッグを見せた。入っていたのはお菓子、或いはボトルに入った飲み物と実に子供らしいものばかりだ。

 

「包丁以外、何もないね。」

 

「はい。…君、その包丁だけはここで預かるから出しなさい。」

 

「やだ!『黒の騎士団』をやっつけに行くんだ!」

 

これは…相当だ。しかも『黒の騎士団』に恨みがあるとは。

 

「リュウタ、といったね。私は皇子様で、少しだけ我儘ができる。『黒の騎士団』の人達を処刑はできなくても、君に会わせて、悪口を言わせてあげるだけならしてあげられる。それでどうかな?」

 

「…じゃあ、我慢する。」

 

そう答えて、包丁を横に持って受付に手渡す。

 

「名前は私が代わりに書きます。いいですよね?」

 

「構わないよ。」

 

ユリアナ・バルテリンクが名前を書き、リュウタの手を取る。

 

「それじゃあ、おいで。」

 

 

 

リュウタは途中、周りをきょろきょろと見まわしていた。珍しく見えるのだろう。

 

「ねえ、ロボットはないの?」

 

「KMFのことかい?」

 

確かに、一般の子供向けの玩具としてミニチュアが販売されているというから、それに触れているのだろうか?

 

「僕、あのユーフェミア様の白いのが見たい!」

 

ランスロットの事か。しかし、イレヴンでユーフェミアを敬称で呼ぶとは。『黒の騎士団』に両親を殺されたというのと関係しているのか?

 

「あの白いのに乗っていた人は今外国で仕事をしているからね。それに、軍隊や政庁の人以外にはあまり見せられないんだ。」

 

「じゃあ、大きくなってブリタニアの兵隊になったら見られる?」

 

「……そうだね。名誉ブリタニア人の人も見るだけならできるよ。」

 

「そうなの?僕、大きくなったらブリタニアの兵隊になって、KMFで日本人をたくさん殺したいのに。」

 

な…今、なんと言った?日本人をたくさん殺す?まだ、6,7歳の子供じゃないか。

 

随行の兵士も、あまりにも無邪気に言ったリュウタの発言内容にギョッとしている。

 

「き、君……KMFに乗りたい、のだろう?」

 

随行のもう一人の兵士が恐る恐る問う。流石に相手が貴族令嬢と共にいるとはいえ、こんな子供がそんなことを言う場面には慣れていないのだろう。しかも人種で言えばイレヴンなのに殺したい相手が同国人。ライルだって慣れていないし、慣れたくない。

 

「うん、それで日本人や黒の騎士団を踏み潰すの。お父さんとお母さんの仇を取るの。」

 

「リュウタ…」

 

ユリアナがつらそうな顔をしている。さっきの受付でのやり取りと関係があるのか。

 

「さあ、着いたよ。」

 

部屋に入ると、優衣と涼子が雑誌を読んでいたところだ。二人とも、まだしばらくこちらにいて、話し相手になってもらっている。

 

「日本人!!」

 

リュウタが大声を上げ、こちらに気づいた優衣と涼子も驚いていた。

 

「なんでうそつきの日本人がいるの!?」

 

「え、え?」

 

「あの、ライル様その子たち誰?まさか、隠し子?」

 

「そんなわけないだろうが。年齢を考えろ。」

 

「あ、そうか。」

 

妙にかみ合わないやり取りを経て、ライルの仲介でお互いに自己紹介をしてライルは頼んでいたジュースを二人に出した。

 

「ねえ、なんで日本人がいるの?日本人はみんな嘘つきなんだよ。」

 

「リュウタって言ったわね……さっきも言ってたけど、なんで日本人が嘘つきなの?貴方だって日本人よ?」

 

「僕は名誉ブリタニア人だ!大人になったら、KMFでお父さんとお母さんの仇を取るんだ!」

 

涼子の問いにリュウタは日本人への憎悪をむき出しにしている。それに対し……

 

「今の言葉、そっくり返すわ。私だって、『黒の騎士団』の技術者として両親の仇を取るために協力したい。」

 

「なんで?どうせ嘘ついてたんでしょ?武器を持たない人をいじめないなんて言って、僕のお父さんとお母さんを殺して左目をダメにしたんだもん!」

 

「え、左目?」

 

優衣の疑念に、ユリアナが…

 

「あの『ブラック・リベリオン』で…この子は目の前で両親を殺されたんです。戦争で私の父が保護して、そのまま父が使用人に雇いました。この子は、その後に生まれたんです。」

 

 

 

ユリアナはあの『ブラック・リベリオン』の時のことを思い出す。『黒の騎士団』が攻め込んだあの日、父は政庁に出ており、リュウタの両親が二人の世話をしていた。その時、『黒の騎士団』の兵士がなだれ込み、屋敷を破壊しようとした。

 

両親がそれを諫めようとしたら、彼らは二人を裏切り者と呼んでなぶり殺しにした。そして、食って掛かったリュウタの左目を殴りつけて、潰した。

 

ユリアナはそれを呆然と眺めていた。正気に戻ってしばらくして、父に連絡を取って租界の病院でリュウタは左目を診察してもらったが、完全に眼球を潰されていた。外科手術で傷は治療したが、リュウタはそれ以来左目を眼帯で覆っている。

 

『嘘つき!お父さんとお母さんは悪いことしてないよ!』

 

『うるせえ!ブリキの使用人やってる時点で悪者なんだよ、このガキ!』

 

それに対し、ユリアナも思わず口に出してしまった。

 

『ゼロは武器を持たない人間を殺さないと言ったのに、それを破っていいんですか!?』

 

『てめえらブリキが日本人をだまし討ちにしたのが悪いんだよ!大体、俺達は正義の味方だ!だから、やっていいんだよ!』

 

幼いながら、ユリアナは理解した。ゼロはどうだかわからないがあの連中に限れば『正義の味方』という看板に酔っていた。その結果、何をしても良いという腐敗につながった。

 

その結果が、この子だ。

 

 

 

ライルはリュウタの過去に動揺した。同国人同士で等と珍しくない。ライルだって同じ目に遭った。それに思うところがあったか、涼子も…

 

「言いたいことは分かったけどね…うちの親だって、ゼロに協力していたわけじゃないわ。なのに、副総督は日本人だから。そんな理由だけで私達の両親や多くの日本人が殺されたの。私達に言わせれば、副総督だって嘘つきよ。」

 

「…お互いさま、というわけですか?」

 

「それを言ったら、身も蓋もないけど………でも、私達はブリタニア人全部がそうだって考えないわ。本当にそれなら、ブリタニア人のテレビ屋が手配されるわけないもの。」

 

ブリタニア人の報道屋、確かに逃亡中の構成員にそんな人物がいた。

 

「でも、日本人はみんな僕を嘘つき呼ばわりするんだ!みんなずるいよ!ゼロだから良いことになるんだから!!」

 

「リュウタ、それくらいにしなさい。」

 

ライルはリュウタを止め、肩に手を置いてかがむ。

 

「良いか、リュウタ?君にとってゼロが嘘つきの悪い奴。それは良いよ。でも、このお姉さんたちにとっては妹が嘘つきの悪い奴なんだ。どうしてかわからないけど、あの子はたくさんの日本人を殺したんだ。そう、君のお父さんとお母さんのように何も悪いことをしてないのに。仲良くしようと嘘をついて、たくさん殺した。そこは分かってほしいんだ。」

 

「ユーフェミア様もゼロも嘘つきなの?」

 

「それは……ちょっとわからないね…でも、『黒の騎士団』は仕返しの相手を間違えたと私も思うから。優衣と涼子も…この子達には。」

 

「別に何もしませんよ…私達だって両親が恭順派だったから。」

 

涼子がばつの悪い顔で答えるが…優衣は

 

「でも、考えてみれば私達もこの子みたいになった可能性もあるのかしら?」

 

「あまり考えたくないが、可能性はあるね。ゼロや幹部がその気でも……武器と立派な大義名分で人はいくらでも愚かになれる。何しろ、そんな愚か者の頭だからね、私は。」

 

リュウタが不思議そうな顔をして見上げるが…

 

「でも、ゼロは絶対に噓つきだもん。」

 

ライルは何も言わずに頭を撫でた。

 

「殿下、失礼します。」

 

ギルフォードが入室してきた。

 

「…来客中でしたか。ならば後程…」

 

「いえ、大丈夫です。」

 

「そうでしたか、その子達は…」

 

「内政のバルテリンク卿のご息女方です。」

 

「あ、最近イレヴンの子供の保護者を買って出たという。」

 

どうやら、バルテリンク卿の話題は政庁でも多少語り草になっている。だが、そのためにギルフォードが来た、というわけでもないだろう。

 

「それで、お話は?」

 

「はい…軍務ですので。」

 

「分かりました。すまないが優衣、涼子。この二人の相手を暫くしてくれるかな?」

 

「良いですけど……日本人不信のこの子は大丈夫なんですか?」

 

優衣の言葉にライルはややつまり、リュウタの前にかがむ。

 

「リュウタ、このお姉さん達と喧嘩したら『黒の騎士団』の会わせてあげないから。いいね?」

 

「……うん。」

 

渋々といった様子でリュウタは頷いた。それを見送り、ライルはギルフォードと別室へ移動した。

 

 

 

「それで、お話は?」

 

「は、殿下にお願いされていた補充要員です。ブリタニア人の将兵が一名、名誉ブリタニア人が二名です。」

 

名誉ブリタニア人が二人?随分と珍しい。

 

「今の情勢でよく二人も…」

 

「両名とも、『ブラック・リベリオン』で……その、パイロット不在のサザーランドで出たんです。」

 

「となると、認証コードや起動キーは強引にと言ったところですか。よくそんなのを許しましたね。」

 

が、ギルフォードが妙に言いにくそうな態度になる。

 

「事態が事態でしたので……事後承諾を。戦果もその両名が単独で7機以上のKMFを撃破したのです。その後、事態と実績を鑑み、姫様の采配で予備パイロットとして准尉に昇進しました。」

 

「そこは流石姉様…柔軟ですね。カラレスだったら絶対にやらない。」

 

「邪推が過ぎますよ…」

 

「私が貴族を基本的に信用しないのはご存知でしょうに。」

 

「……お会いになられますか?」

 

「ええ、ぜひ。あと、その三人の詳細な経歴も。」

 

 

 

ライルは三人の経歴を洗っていた。哀沢幸也、武石良二、ノエル・アーデルハイト……共に18歳。

 

哀沢幸也は14で入隊。歩兵として着実に成果を挙げていたが、その思想面が問題だという。ブリタニアへの忠誠心は薄い。どうやら戦時中にブリタニア軍人の一部が遊びで父を殺害したらしい。だが、それならば反ブリタニア活動に走ってもおかしくないが、そうさせない動機がもう一つ…戦後、日本軍人の一団に遭遇して保護を願い出ようとしたところで母と姉が目の前で暴行を受け、その果てに殺されたらしい。しかも、そのいずれも目の前で目撃している。

 

加えて、双方ともにそれを正義だと主張したことで正義を名乗るものへの過剰な憎悪を持っている。

 

酷い矛盾だ……軍人それ自体正義という曖昧なもののために戦うのに。……いや、ただ単純にそうした手合いを殺す力が欲しかっただけか。世界の三分の一以上を支配するブリタニアの力はまさにうってつけだ。

 

加えて、父を殺したブリタニア軍人はエリア11に駐在していたが、彼が入隊する一年前にテロで死んだという。だが、日本軍人の指揮官は健在だという。おそらく、復讐相手を探す意味でもブリタニア軍に入隊した……わずかな可能性に賭けて。

 

不思議だな…秀作やレイとは違う。

 

『ブラック・リベリオン』では予備のサザーランドの担当に詰め寄って、半ば強引に搭乗。正面から攻め込んだ藤堂の部隊に攻撃を仕掛けたという。その戦いぶりは苛烈、残虐とも取れ、歩兵部隊を容赦なく踏みつぶし、KMFのコクピットも破壊するような戦いぶり。とても同国人に対するそれではなかったらしい。

 

元々、正義の味方を自称するゼロに並々ならぬ憎悪を燃やし、あの特区の事件でも彼が建国を表明した合衆国日本とそれに心酔する日本人も憎悪の対象になっていた。そんな精神状態で、反乱の可能性は低いが暴れられたら止めにくいというのが上の印象らしい。

 

 

 

武石良二……武石という名前は知っている。桐原産業よりも早く、日本の降伏とほぼ同じタイミングで植民地政策への協力を申し出た武石財閥だ。キョウト六家と呼ばれるNAC幹部達の財閥には届かないが、日本有数の財閥で『ブラック・リベリオン』後も大きな影響力を持つ。

 

彼はその跡取りで、ブリタニアへの恭順を示す意味でも息子を入隊させたのだろう。よくある話だ……そして、彼はあの枢木スザクと幼馴染だという。なんでも、藤堂鏡志朗が武術の指南をしていた頃の同門で、更に実家の財閥が今も影響力を持つ皇コンツェルンと取引をして、従妹筋にあたる皇神楽耶とも面識があるそうだ。

 

戦後、逃亡した皇神楽耶の動向について尋問を受けたが、本人は知らないと主張していた。親ならともかく、息子が知っている可能性は低いだろう。

 

彼の素行を知る人間によれば、特段問題はなく、クロヴィスの時から後方任務だったという。おそらく、協力企業の息子という立場に助けられたのだろう。が、前線任務ではスザクを裏切り者呼ばわりするイレヴンにかなり攻撃的だという。

 

友人故に思うところがあるのか…

 

『ブラック・リベリオン』では同じく強引に出撃したが、派手ではないが確実で的確な戦闘を行っていた。動機もまた、ユーフェミアは分からないが、スザクは信じる。同時に、ユーフェミアについてもあの場面であの暴挙に出る理由が分からない、とのことだ。

 

ゼロが何か唆した、と考える方が説得力があるとのことらしい。同時に、ゼロに勝たれたらどのみち自分も殺されるし、社員とその家族にも火の粉が飛ぶと言っていた。

 

両親が含まれていないのは、両親を俗物と忌み嫌っており、すぐにゼロに寝返る可能性も疑っていたためらしい。

あくまで、枢木スザクを信じた……ということか。

 

彼の行動基準は実家の社員たちと枢木スザクにあるらしい。そして、両親を全く信用していないようだ。

 

 

 

最後のノエル・アーデルハイト…彼女はエリア11のブリタニア軍人では少々特殊だった。名前通り、ブリタニア人でエリア11に移った彼女は四年程前まではどこにでもある平民の家庭だった。それが何故、ブリタニア軍人になった。

 

四年前のある日、彼女の兄が職場で不正に手を染めたという。兄は無実を主張したが聞き入れられずに投獄、そのまま自殺してしまったという。その後、兄の不正が上司の貴族が不正を擦り付けたということが発覚し、父が報復でその貴族を殺した。その父も投獄され、貴族の報復によって獄中で死亡、その後を追うように母も病死してしまったという。

 

絵に描いたような貴族の利己的な動機による被害に遭った平民だ。貴族が平民に、要は『力のある者は何をしても良い』というそうした現在のブリタニアを変える方法を求めて軍に入隊したのだ。

 

『郷に入っては郷に従え』、それとも『毒を以て毒を制す』か……確かにそうした風を吹かせるために軍隊は最も確実な方法だ。

 

そういえば、ライルは聞いたことがあった。エリア11で平民の社員に自身の不正の責任を擦り付けた結果、当主を殺された上にその不正が発覚して没落した貴族がいたことを。跡取りは軍隊にいると。

 

この様子だと、その跡取りはあぶれているようだ。いたとしても、ノエルと顔を合わせたら戦場のど真ん中で撃ち合いにもなりかねない。何より、その跡取りが父達の不正を反面教師にしているかが分からなかった。分からない以上は入れたくないのがライルの本音だ。もし、想像通りの手合いならノエルどころかレイや長野にだってどんな因縁をつけるかわかったものではない。

 

それなら、この這い上がろうというタイプの方がまだあてになるし、面白そうだった。入隊時の成績を認められていきなりKMFパイロットという破格のスタートだ。実戦経験は少ないが、『ブラック・リベリオン』では指揮官が負傷した小隊をとっさにまとめ、その功績から少尉に昇進したという。

 

いずれも癖の強そうな顔触ればかり。確かに、優等生タイプのコーネリアでは持て余すかもしれない。カラレスなど論外だ。

 

「殿下、ご要望のあった三名お連れいたしました。」

 

「どうぞ。」

 

今書類で顔を見ていた三人が敬礼をする。

 

「哀沢幸也准尉です。」

 

「武石良二准尉です。」

 

「ノエル・アーデルハイト少尉です。」

 

「ブリタニア帝国第八皇子ライル・フェ・ブリタニア……わざわざ呼び立ててすまない。」

 

 

 

 




新しいメンバーと民間人の知り合いです。リュウタは正に名誉ブリタニア人が辿る道の一つでしょう。

幸也はもっと酷く、ブリタニアと日本の両方に家族を奪われた。イレヴンはあの頃の有様だと、母と姉は正当化しそう。

ロストストーリーズのマーヤなら「ブリタニアが日本に侵攻しなければそうはならなかった」と言うでしょうが、そう言った瞬間幸也は絶対に殺しに行くタイプです。何故なら「母と姉を殺した日本軍人は悪くない。」、酷ければ「殺されたお前の母と姉が悪い」になる。

良二はいるだろうと思った恭順派の会社や政治家の子供として考えました。いくらブリタニアでも、スザクのように切れていない協力企業の要人の子が従軍していれば後ろに回すでしょうね。テロリストの支援に回られたら困るし。

ノエルはわかりやすいまでの悪徳貴族の被害者です。ある意味で弱肉強食を都合よく利用する奴らの被害者かも。



ちなみに幸也とノエルは掲示板時代にいただいたキャラで、良二は私考案です。
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