今回、クロスオーバーキャラが何人か出てきます。
使い方や喋り方に違和感がないかどうか……気になったらすいません。
【異世界転移400年目 △日目】
あれから時々、アインズさんは『
頻度的には、数日に一回くらい。口寂しくなった時に、ご飯とか食べに来たり、昼寝していく。日帰りで帰っていくこともあれば、泊っていくこともある。
あるいは、『トップ同士で打ち合わせするゆえ供は許さぬ』って。部屋に私と2人だけで入って……ユグドラシル時代の口調で気兼ねなく雑談して、愚痴とか言い合ったりね。
なお、この『空中庭園』の周辺には、転移を阻害する結界を常時張ってあり、転移魔法最上位の『
アインズさんには、その阻害結界を
事前に
2回目以降の来訪には、面子は毎回違うけど……アルベドとデミウルゴスのどっちかは絶対一緒に来てるな。
2人とも、ナザリックでも有数の知恵者っていう設定で、ナザリックの運営や防衛に関することを含めた多くの重要な仕事を割り振っているらしい。その2人に、うちとの技術協力や情報提供をスムーズに行うためってことらしい。普通に仕事として打ち合わせに来てる感じだな。
もちろん、その2人も含めて色々と楽しんでもらってるけどね。食事とかお風呂とか。
なお、その2人……特にデミウルゴスは本当に頭がよくて、ぶっちゃけ私も勝てる気がしなくてちょっと怖いので……打ち合わせの際には、こっちもこっちで相応の知恵者達に出てもらってます。
私の右腕左腕と言っていい、最高幹部2人……カリンと、デミアに。
特にカリンは、彼女の創造主であるギルメンの設定もあって、知恵者であると同時に、覇王の器を持った傑物であるので、デミウルゴス相手でも互角かそれ以上にやり合える……と信じてる。
……少なくとも、私が1人で相手するよりは万倍ましだよ。
デミアも頭はいいけど、どっちかっていうと『知識人』ないし『技術者』としての頭の良さに割り振ってる感じするからな、彼女の場合。
彼女に任せてる仕事も多いし、やっぱ外交分野はカリンにお世話になるだろうな、この先も。
……ところで、その情報提供のための打ち合わせの中で、カリンがデミウルゴスから妙な話を聞いてきた。
曰く、ナザリック地下大墳墓は、『世界征服』のために動いているとかなんとか。
それ聞いた時、思わず『は?』って言っちゃったんだけど……え、それマジ? アインズさん、世界征服するつもりなん?
いや、ユグドラシル時代も確かにWikiとかで『非公式魔王』とか呼ばれたり、『実はあの人はユグドラシルの隠しラスボスである』なんてデマが飛び交ってたこともあるくらいには
しかもそのために、デミウルゴスが独自に色々とやばい計画を立てているようで……さらにそれらのうちのいくつかについて『ご協力願えませんか?』って要請してきたらしい。
アベリオン丘陵のあたりに『牧場』を作る計画とか、まだ候補地を探してる段階の『ゲヘナ』とか、いくつか聞かされたけど……正直引いた。『うわあ』ってなった。
超級の頭脳にカルマ値-500(極悪)が合わさるとこんなことになるのか、と。
しかもだよ。
『……デミウルゴスがこんなこと言ってたらしいんですけど、知ってました?』
『いや何ですかそれ!? 聞いてない! 怖!!』
その日の夜にアインズさんの部屋にお邪魔して、晩酌しながらそれとなーく聞いてみたら、当のアインズさんが私以上にドン引きしてた件。知らなかったんかい!?
え、何? でもそれっぽいことはその場のノリで言っちゃったかもしれない?
この世界に来たばかりの頃に、夜の空中散歩で……なるほど、『宝石箱』……昔ギルメンの間で……ふむ……へえ、ウルベルトさんもそんなことを……
……誤発注じゃねーか!
しかし、幸い実行前に誤発注がわかったので、デミウルゴスに言って修正するのかな……と思ったら、アインズさん、何やら考え込み始めて……『それも悪くないかもしれない』と言い出した。
思わず『え゛っ!?』って聞き返しちゃったけど……詳しく聞いてみると、どうやらアインズさんは、何もこの世界の支配者になりたくてそう言ってるわけではなさそう。
聞けばアインズさんは、この世界に自分以外のギルメンが来ているかもしれない……と思っているらしい。
名前を『モモンガ』から『アインズ・ウール・ゴウン』に変えたのも、その名前を広く知らしめることでギルメン達に気づかせ、帰還を促すためだったんだそうだ。
まあ、可能性はゼロではないとは思うけど……いやまあ、何も言うまい。アインズさんがそう考えて動くって言うなら、私があーだこーだ言うのも違うだろうし、好きにしてもらおう。
で、そのための
私の口から、この世界における『100年の揺り返し』について聞いたのも大きいだろうな。自分達と違うタイミングでギルメン達が来ている、あるいはこれから来るかもしれない、っていう懸念も新たに生まれたみたいだし。
捜索と保護のための手段として考えるなら……なるほど、確かに悪くはないか。
けどそのためには、いくつも注意しなきゃいけないことがある。
その筆頭が……何といっても、デミウルゴスをはじめとしたNPC達の手綱を、可能な限りきちんと握っておくこと、だろうな。むしろこれは絶対条件と言ってもいい。
打ち合わせ何回かやった感じ……デミウルゴスだけじゃない、あのへんの『カルマ値:極悪』かその付近の面々……アルベドもシャルティアも、
必要なら……いや必要じゃなくても、容赦なくヤバい方向に物事を進めていくだろう。
倫理観の欠片もなく、効率と結果だけを見て……いやむしろあえて遠回りだとしても、残虐非道極まりない方法で嗜虐心を満たしながら全てをねじ伏せていく……気がする。
これそのまま野放しにしてやらせると、仮に世界征服できたとしても、おびただしい数の屍とか悲劇をその過程で量産するよね……。
そんなことになったら……仮にその後、ギルメンの人達が戻ってきたとしても……むしろやばいことになりそう。残虐非道なやり方に嫌悪感を示すであろうギルメンは、決して少なくない。
特に、リアルで警察官やってるたっちさんや、学校の先生やってて子供が大好きなやまいこさんあたりがやばい。
何の罪もない人を犠牲にしてとか、楽しみのためにいたぶってとか……キレそうだ。
それ以外にも、自ら『悪』を標榜しているウルベルトさんとかもまずいと思う。
種類は違えど同じ『悪』の求道者(というロールプレイ)として、私、彼とは仲が良かったんだけど……その価値観からして『弱いものを虐げて悦に浸るような誇りや悪など美学に反する』って感じで嫌いそうに思う。
あの人の『悪』の美学、単なるロールプレイである以上に、個人の信念みたいなところがあった気がするからな……理由はわかんないけど。
幸いと言っていいのか、ナザリックの面々の、アインズさんに対する忠誠心は高い。
高いというか、当のアインズさんが辟易するレベルで『高すぎる』らしい。
曰く、ギルメンを『至高の御方々』と呼んで神のごとく絶対視していて、ちょっと褒めただけでも感激に打ち震えるくらいに喜ぶし、逆にちょっと注意しただけで『自害してお詫びします』とかノータイムで言いだすらしい。しかも、守護者から一般メイドまで全員そうなんだって。
なので、指示1つ出すにも、ちょっと注意するにも下手なこと言えないし、支配者ロールを切らすわけにはいかないからすごく精神的に疲れるって言ってた。
さらには、『デミウルゴスやアルベドの方が自分より絶対頭いいのに、ギルメンってだけで俺が彼らよりはるかに頭がいいと思ってて……』と、このへん特に悩みの種なのか、泣きそうな声で愚痴ってきた。
単純に指示を出しただけのつもりが『……なるほど、そういうことですか』って勝手に深読みして言ってないことまでやって大事になったり、普通にNPC達に今後の予定を話して聞かせただけなのに『やれやれ、君達は本当にアインズ様がそれだけしか考えていないと思っているのかね?』『全く仕方がないわね。さあアインズ様、皆にその深謀遠慮の程をお聞かせください』とか言ってきて、毎度精神が擦り切れそうになるんだって。
今回の『世界征服』もその類例ってわけか……ちょっと冗談、あるいは独り言で言ったつもりのことが、大本営発表ばりに取り上げられてしもべ達全員に共有されて……って感じ。
しかし……まだこの世界に来てそんなに経っていないはずなんだけどなこの人……この短期間でどれだけ苦労してんの?
けどまあ、アインズさんの命令に絶対的に従うっていうのはこの場合都合がいい。
アインズさん的に譲れない部分については、事前にきちんと細かいところまで指示を出して禁止し、周知徹底しておけば、それに背くようなことはしないはずだ。
それに伴って必要になる各種調整については……それこそ勝手にうまいことやってくれるだろう。
同時に、あんまり過激かつ残虐な方法だけでことを進めないように、上手いこと誘導を……そうだな、さっきのウルベルトさんの『悪の美学』をダシに使うのがいいかもしれない。
『力のみに訴えて、弱いものを虐げるだけの野蛮極まりないやり方など、『悪』の美学に反する。わが友ウルベルトさんもよくは思わないだろう』とか言っておけば、デミウルゴスには効果抜群じゃないかな。
むしろそうだな……カルマ値が善方向のはずの、セバスとかユリ、子供が大好きなペストーニャやニグレドあたりに配慮する形で進めるくらいがちょうどいい目安になるかもね。
計画は長期で進め、決して焦らない。力や恐怖による単純な支配を目指すのではなく、アインズさんが言った通りに『アインズ・ウール・ゴウンを不変の伝説とする』ために、1つの芸術品を作るようなつもりで進めていく……そう考えるとやりがいも感じられて、皆頑張るかもね。
【追記】
しかし、ナザリックのNPC達、
うちの場合も忠誠心は本物だけど、全体的に『緩い』感じだから、絶対的支配者とその下僕達、って感じじゃなく……サークルのリーダーとメンバー、先輩後輩くらいの感じなんだよね。
口調も割と雑な敬語だし……むしろ一部は敬語すら使わないから、接していてもぜんぜんストレスとかない。イエスマンとかでも全然ないから、会議の時とかもガンガン意見してくるし、なんだったらサンゴとか『えー、めんどい……』とか言ってくるし。それでも最後にはきちんと仕事引き受けてくれるんだけどね。
特に、デミアとカリンは設定上、『部下であると同時に、古くからの付き合いの悪友である』ってなってるから、公の場じゃなければ普通にタメ口な上、私が間違った道に進もうとしている時には引っぱたいてでも蹴っ飛ばしてでも止めてくれる。
私がギルド長であり、『空中庭園』の支配者だからって、何も間違わない、常に正しい絶対の存在だなんて微塵も思っちゃいないのだ。いい意味で。
……こないだ、ベッドの中でクリムとのあれこれに夢中になって朝一の会議すっぽかしそうになった時、カリンが部屋の中に乗り込んできて『いつまで盛ってるのこの色ボケ狐!』って暴言込みでドロップキックかましてきたもんな。
いや、あれは単純に私がバカだっただけだから、何も文句ないし反省するばかりだけど。
けどその後の会議で『私は部下との〇〇〇に夢中になって会議に遅刻しました』って書かれたフリップ首にかけた状態で出席させるのはどうかと思うの……めっちゃ笑われたじゃん……。
デミアの場合、逆にそういうことにはおおらかで口うるさく言ってはこないけど、その分こっちにも遠慮なくて、『ちょっと研究に使いたいから血くれない?』『尻尾の毛くれない?』『唾液くれない?』『髪の毛くれない?』『●●●●くれない?』って平気な顔して要求してくる。
個人的には最後の1つは耳を疑った。医者がそれ言うならギリギリセーフかも知れないけどさあ……笑顔でビーカーもって言ってくるのは完全に特殊かつ上級者向けのプレイなんよ……。
そして、その2人とも……カリンもデミアも、時々ベッドに呼んで色々やるんだけど、その時に当然のように『攻める』側に回ってくる。
魔法やらおもちゃやら使って私をひぃひぃ言わせてくるし、やめてって言ってもやめてくれないし……極めつけはあの2人、滅茶苦茶にされて放心状態の私の寝顔、映像記録用クリスタルで撮影してコレクションしてるっていうね……本当に遠慮も何もないんだよ。いい意味で。
これらの、全体的に『いい意味で雑』な上下関係は、やっぱりそういう風にフレーバーテキストを入力して設定したことによるものなんだろうな。
うちのギルド、大なり小なりそういう価値観が共通してて……『NPC達とも極力友達付き合いで楽しく交流できたらいいね』って皆で笑いながら設定打ち込んでたから……皆、似たような感じに仕上がったんだろう。
今となっては、そういう感じに仕上がっててよかったと思う。
アインズさんにはちょっと悪いけど、そういう、絶対の上下関係で400年も過ごしてたら、と考えると……途中で壊れてたかもしれないもん、私。
なお、アインズさんに『うちのNPC達はこんな感じなんですよ』と話すと……沈静化が5~6回発動するくらいに、本気で羨ましがっていた。
……強く生きてください。いやアンデッドだけど。
【異世界転移400年目 □日目】
今後のことについて、アインズさんから相談を受けた。
なんでも、前々から……私と再会する前から考えていた計画を、そろそろ実行に移そうかと思っている、とのこと。
その計画とは、アインズさんが正体を隠して人里に降りて『冒険者』になる、というもの。
その目的は、冒険者として人の町、その営みの中で生活することで、この世界についての情報を集めたり、この世界で表向きに通用する『顔』を作ったり……といった複合的なものらしい。
情報だけなら私達がいくらでも、知ってる分については提供できる。この世界における一般常識とかはもちろん、大まかな各国の状況、問題点、力関係なんかも。
だから、そういうのは調べなくてもよくなったわけだが……だからといって、アインズさん達が求める情報全てを網羅できているわけではない。
別に私達は、調べようと思って詳細に色々と調べてるわけじゃないからね……基本、『空中庭園』に引きこもってて、外とあんまり関わりを持たないスタンスだから。
市井で飛び交うこまごまとした噂話や、リアルタイムで起こってることを逐一把握したりとかはしてないのだ。
もちろん、やろうと思えばそういうのもやれるし、『それなら言ってくれれば……』とも言ったんだけど、アインズさんとしては、何から何まで私達に頼むわけにはいかない、とのこと。
それに加えて……さっきも言ったように、この世界で活動する際に便利な、社会的に受けがいいアバター(ゲーム用語ではない意味での)を作っておくというのも理由の1つだ。
アインズさん達が『世界征服』を目指すうえで、そういったものも有効に使えるカードの1つになりうる、とのことで。
……それから、アインズさん個人的に……冒険とかしてみたいんだってさ。
ずっとナザリックにこもってばかりだと――ちょくちょく『空中庭園』に遊びに来るとは言え――退屈だし……RPG好きなゲーマーの気質もあって、目の前に広がっている『未知の世界』をちょっと旅してみたい、という気持ちがあるそうで。
なるほど、わからないでもない。私もゲーマーだからね。
けど……どっちかって言うと私、RPGより、物作り系とかスローライフ系が好きなんだよね。マ〇ンクラフトとか牧〇物語とか。
だからかどうかはわかんないけど、基本引きこもってても400年間平気だった。
男の子の微笑ましい部分が垣間見えたところで……アインズさんがそう思うなら、私としてもできる範囲で協力させてもらうつもりだ。
さしあたって、アインズさんの方で考えている計画や設定を聞いたうえで、何か気になる部分がないか等、色々とアドバイスが欲しいとのこと。
で、聞かせてもらったわけだが……いくつか提案したいことや、改善したほうがよさそうな点があったので、話させてもらった。
まず、アインズさんは、自分と戦闘メイド『プレアデス』の1人、ナーベラル・ガンマと一緒に外に出るつもりのようだが、それだとこの世界の常識がわからなくて苦労すると思う。
通貨とか簡単なことならまだしも、彼らだけではこの世界の文字の読み書きができないだろうし……その他にも、知っていて当然の一般常識みたいなものもある。
『遠くから来たからよく知らないんです』って言っておけばごまかせる部分もあるだろうけど、不便であることに変わりはない。そのへんの対策は必要だろう。
加えて、冒険者として活動するなら、他の冒険者と協力して動くこともあるし、その途中で雑談を交わしたり、色々な形で交流することになる。そういう時に、きちんと愛想よく対応できるかどうか……っていう点。
アインズさんは大丈夫だと思うんだけど……ナーベラルはどうだろ? ナザリックの中にも、人間に対して友好的な者とそうでない者がいるからなあ……事前に確認しておく必要はあると思う。
それと、そういう交流の場で必ずと言っていいほど出てくるのが、食事だ。
クエスト中に皆で一緒に摂る、いわゆる『同じ釜の飯』であったり、酒場で酌み交わす飲みュニケーションだったりね。
しかし、アインズさんはアンデッドであり、場所が『空中庭園』でない以上、飲み食いすることは当然できないわけで。
そういう状況になった時に、上手いこと断るか、あるいはごまかす方法を事前に考えて、用意しておく必要があるわけだが……さあ果たして。
『はいアインズさん、今あなたは冒険者仲間とキャンプでご飯を食べることになりました! さあどうしますか! 3秒以内に答えなさい!』
『えっ!? え、ええと、そうですね……んんっ。……すいません、私はその……宗教上の理由で、命を奪った日の食事は1人でとらなければならないんですよ』
うーん……微妙。
『宗教上の理由』って言葉、確かに便利ではあるけど……その場しのぎのごまかしで使うには、結構ハードル高いよ。『どんな宗教ですか』とか聞かれたら、その捏造宗教の設定その他まで話して聞かせなきゃいけないし、一度捏造ごまかしで言ったことをきちんとその後も全部覚えてないといけないから。
何か他に、手を考えた方がいいかもね。
それから……その会話の途中で、横にいたナーベラル(今回のお供)が、『アインズ様が下等な人間ごときと交流? 必要性を感じませんが』的なことを言ってきて……。
私とアインズさん、揃って『あ、これやばいな』って悟った瞬間だった。この子、人間蔑視が基本のナザリックの中でも、結構な上澄みだわ。
しかも、主人であるアインズさんと私が話してる最中のところに反射的に口挟んできたってことは……こらえ性も多分、ない。突発的にやらかす危険性を秘めてる。
この子の創造主は……弐式炎雷さんだっけか。どんな設定にしたんだろ……ドジっ子属性とかポンコツ属性でも入れたのかな?
このへんも、可能な限りカバーしたほうがいいか……となると……
☆☆☆
その数日後。
場所は、リ・エスティーゼ王国の国境付近にある都市『エ・ランテル』。
その中心部にある冒険者組合で……今日、新規に冒険者登録を行った者達がいた。
人数は、全部で
「失礼。冒険者登録をしたいのだが、ここでよかったかな?」
「はい。それでは、こちらの書類に必要事項をご記入お願いします。読み書きができない等の場合は代筆もできますが……」
「あ、師匠、ここは俺が書きます。全員分。その方が手っ取り早いと思いますんで」
「む、そうか。それなら……任せるか。すまないな、
「あ、じゃあ私は先に適当な依頼をボードから見繕っておきますね! 戻ってくる頃には4人とも冒険者で、依頼受けられますから問題ないです!」
「ああ。悪いな、
漆黒の全身鎧を纏い、背中に大剣を2本、交差させる形で背負った戦士・モモン。
動きやすい旅装に身を包み、黒い髪と息をのむような美しさが特徴の魔法詠唱者・ナーベ。
黒いコートを着て、背中に1本の黒い剣を帯びた、小柄で童顔な剣士・キリト。
にこにこと笑っているが、軽装に見える全身に刃物を隠した
4人が揃って同じ日に冒険者として登録し、その胸に
そして、さっそくその日から、4人一チームで動き始めた。
(ラストさんが派遣してくれた2人……どっちもさっそくいい働きしてくれるな。俺もナーベも、勉強が間に合わなくてまだ読み書きができないから、そういうのを含めた色々な雑務を『自分達がしたっぱだから』的な形で全部やってくれるの、すごく助かる。後で改めてお礼言っとこう)