どうぞ。
【異世界転移400年目 ;日目】
王都で起こった『ゲゲル』事件は、英雄モモンとその仲間達、そして王族としての勇気ある行動を見せたザナック王子、ラナー王女両名の活躍によって、無事に終わりを告げた……というわけで、その顛末みたいなところを軽くまとめておこうかな。
魔王ヤルダバオトが最後に起こした『ゲビシビション・ゲゲル』以降、王都で悪魔が人を襲うことはなくなった。
話に聞いていた『ゲゲル』が終わり、悪魔達が去っていった。ようやく悪夢は終わったのだと知って、王都の民や貴族達はほっと胸をなでおろしていた。
決して少なくない数の民が犠牲になってしまったので、素直に喜べはしないところだけど。
しかしその死者数は、最終的に、本来よりもずっと少なく終わった。
それは、『もともとデミウルゴスが企画していた『ゲヘナ』だったらもっといっぱい死んでた』……という意味ではない。
ちょっとどんでん返し、ないしウルトラC的なことが起こって、この『ゲゲル』による死者数が大幅に減ったのだ。最後の最後で。
どういうことかと言うと……だ。ヤルダバオトが『ゲビシビション・ゲゲル』を開催する時に、ルール説明で言ったことを覚えてるだろうか。
『人間サイドが勝ったら、願いを1つかなえる』って。
ラナー王女はこれを利用して、ヤルダバオトに『今回の一連のゲゲルで死んでしまった人を生き返らせて。ただし悪人除く(要約)』と願ったのだ。『ゲビシビション・ゲゲル』だけじゃなく、今回の『一連の』……すなわち、最初の方で悪魔に殺されていた人も含めて、全てを。
聞いていた人たちは、『そんなのアリなの!?』『魔王とはいえ、そんなことができるのか!?』という感じの顔になってたけど、ヤルダバオトはこの願いを聞いて、
『人数が多すぎるため、全員生き返らせることができるかはわからない。私の力でも及ばないかもしれない』
『魂が擦り切れて完全に消えてしまった者や、自分で蘇生を拒否した者も蘇ることはない』
『それでもよければ……その願いをかなえよう』
そして、ヤルダバオトが悪魔の力で発動した超大規模蘇生魔法により……これまでゲゲルで命を奪われた、何百人もの罪のない民達が蘇った。
埋葬された者や火葬された者すら含めて、王都のあちこちに、完全な体で蘇り、目を覚ました。
ヤルダバオトが言った通りに、全員が戻ってこれたわけではなかったけど、失われた命の半分以上が戻ってきたこの奇跡に、人々は感激して涙を流し、同時に、自らも命の危機だった中でこの結果を手繰り寄せたラナー王女に感謝した。支持率アップ。
……はい、じゃあ表向きのストーリーはこの辺にして、舞台裏というか、実際のところはどんな感じだったのかというと。
少し前に私が、日記で『殺されてしまった罪もない市民達には『アフターケア』を用意してます』って書いてたのを覚えてるだろうか。
あれだよ、あれ。
まず、ゲゲルが終わった後、『罪もないけど殺されてしまった市民』や『懸命に戦った結果力尽きてしまった兵士』あたりの死体を、葬儀・埋葬が終わった後でひそかに回収しておく。
この時点で、犯罪者や悪徳貴族、その協力者達といった、『悪人』カテゴリーな連中はシカトします。君らはそのまま死んでてよろしい。ラナー王女も『悪人は除く』って言ってた。
次に、彼らを蘇生します。普通の市民や弱い兵士だと、低位の蘇生魔法だと生命力=レベルが足りずに灰になって死んでしまうので、クリムをはじめとした最高レベルのクレリックやプリースト達の蘇生魔法で、レベルダウンなしで生き返らせておきます。
子供や赤ちゃんを蘇生させるときのペストーニャの気合がすごかったです。魔力が尽きそうになっても、1人でも多く助けようとして『休んで! もう休んで! 後やっとくから!』って、うちの子達(クレリック班)に必死に止められてた。
うん、気持ちはわかるけど無理しないでペストーニャ。ちゃんと皆助けるから。特に子供は。
君に倒れられたりしたら、あんちゃん―――あんころもっちもちさんに申し訳ないから。
その後、精神魔法とか色々使ってそいつの記憶を確かめる。この時、実は悪人だったことが判明した奴らについては、ナザリックにプレゼントして『有効活用』してもらう。
どんな風に使うかは、アインズさんがデミウルゴスに一任してたけど……確実に、あのまま死んでいた方がマシだと言えるような目に遭うと思われます。……小声でちらっと『牧場』がどうとか言ってたな……。
残りの、ちゃんと『罪のない市民』だった者達については、悪魔に殺されたことや、ここで色々処置をしたことについての記憶を消した上で……冷凍封印魔法『
氷の棺の中に封じ込める……いわゆるコールドスリープ状態に持っていく魔法だ。すげえ見た目だけどちゃんと生きたまま封印してるのでご安心を。
そのまましばらく……ゲゲル計画が最終段階までいくまで、保存しておく。
そして、ラナー王女が
なお、あの時一瞬で全てが終わったように見えただろうけど、実際には……あの瞬間『
急に大勢動員して申し訳ないな、と思ったけど、『役に立てるなら嬉しい』『どんどん使ってください』ってさ。いい子達だぁ……。
そんな感じで、ラナー王女ナイス! 的な感じで、マッチポンプの上にデウスエクスマキナな形で『ゲゲル』の全行程は終了しましたとさ。
なお、残り2人いる生き残った『ターゲット』……王国の中でも数少ない、まともで良心的な領地経営をしている2人についても、願いがかなえられる。
1人は『今年の自分の領地の作物を大豊作にしてほしい』と願った。
これに関しては、こっそり領内でうちの子達が
土地そのものをすごく肥沃な感じにするので、今年と言わず来年以降もしばらくは確実に豊作だよ。よかったね。
もう1人は、『傾いた領地を立て直せるだけの金がほしい』。即物的というか俗な感じに聞こえるかもしれないけど、領地を立て直して、自分達はもちろん領民達も助けてあげたいという願いからの、立派な願いである。
もっとも彼の領地、確かに麻薬の流入とかで若干大変そうではあったけど、そんな言うほど傾いてないんだけどね……比較的。王国は、その他のほとんどの領地がひどすぎるから。
これについては即物的というか手っ取り早く、彼の家の宝物庫に大量の金銀財宝を出現させてあげた。向こう数年分の税収が一気に入ったほどの収入になったはずだ。
犯罪組織の被害の補償や、公共事業による民間への富の還流、さらには王家へ献上して覚えをめでたくする等々、適切に使ってくれるだろう。
なお、どこからそんな財宝を用意したのかというと……うちで所有している
このアイテムは、
それで作り出せるアイテムの中に、拠点とかに置いておくインテリア用のアイテムで、『金銀財宝』っていうのがあってね……読んで字のごとく、金貨や宝石、宝剣など、とにかく見た目一発『すごい財宝!』って感じの宝物がわんさか出てくるんだよ。
そしてそれらはただの飾りではなく、正真正銘の黄金とか宝石なので、売れば大金になる。
ただし欠点として、この『打ち出の小槌』でアイテムを取り出す時、ゲーム内で店売りで買う時よりも割高になる。
その為、これで手に入れたアイテムを売って金策を……とかはできないようになってる。いちいち店まで行って買ったり、普段は使わないような低いレア度のアイテムをわざわざ探して取りに行く手間が省けるだけなのだ。それだけでももちろん、十分ぶっ壊れだけどね。
そして、今言った『金銀財宝』についても、仮にこれをエクスチェンジ・ボックスに入れても、査定額は購入した時の半分以下になる。あくまでインテリア用ということだ。
まあ、この世界で普通に売却する分には、金を出すのはこの世界の貴族や商人達だから、何も問題はないけどね。
さて、ゲゲルに関してはこのへんでいいとして……今回はそのゲゲルの裏でも色々と起こっていたので、それについても説明しておこうか。
まず、犯罪シンジゲート『八本指』についてだけど、こいつらはこのまま居座って勝手されてもこの先邪魔なので、うちの子達とデミウルゴス達とで協力してさくっと制圧しました。
ただ、いきなり全部ぶっ潰すとかえって混乱が大きくなるので、まずは各部門の長達を洗脳するとか眷属化するとかして、組織を丸ごと乗っ取る形で掌握。その上で、不必要なところを順次切り捨てたり作り替えたりして、『八本指』自体は生かす形で今後利用していく。
今後の舵取りは主にデミウルゴスが担う予定だ。王国はゆくゆくはナザリックが支配下に置く予定だってこともあるし、その下準備を着々と進めていくことだろう。
ちなみに、警備部門と暗殺部門にはさっそく手が入り、ほぼ解体された。
理由は、下僕のさらに部下達にも劣るような半端な戦力の雑魚を、わざわざ暴力装置として使う理由がないから。非効率的だもんね。
全部そっくり、ナザリックや
不要になった構成員達については、これもデミウルゴスがもらっていきました。どうなるかは知らん。
ただ、警備部門最強の6人……『六腕』については、知識や技術、経験的なところで他よりもまあまあ使えそうだから、使い道を模索するって言ってたな。
……だからと言って幸せな結末が待っているかどうかは……わからんけどね。
あと、国力低下につながるから、麻薬部門も解体された。
黒い金を稼ぐには効率的だっただろうけど、自分達以外すべてを毒浸しにして金に換えるようなやり方だから、中長期的に見ても……いや、短期的にでも十分、害悪だ。百害千害あって一利あるかないかだ。
なので、すっぱり切り捨てました。
ただ、部門のボスだった女……ヒルマとかいう、元高級娼婦の悪女については、立場ゆえの知識や経験があって、比較的使えそうだからってことで、殺したりすることはなく回収された。
というか、うちの子達――賭博と金融を元々ボスとして抑えていた2人――が回収したらしい。何か色々と使い道を考えてるみたいで。
……デミウルゴスに引き渡されるよりは、まあ、マシなんじゃないかな。多分きっと。
犯罪組織についてはこのくらいとして……次は、王都の貴族達について。
今回のゲゲルの目的の1つは、王都の大掃除だった。
汚職に手を染めて私腹を肥やしまくってる
うまいこと『いらない貴族』の大半はこれで始末できたので、後は裏から徐々に手を回して……って感じかな。ザナック王子とラナー王女、それにレエブン侯に頑張ってもらおう。
貴族派も同じようにやるだろうから、全部の椅子をまとも系貴族で占有するのは難しいかもだが……まあ、ひどいようならまた何かの手段で消せばいい。
無能な上に他人に迷惑をかけることしかできない貴族なんて、雑草と同じで生えてきたら刈り取らなきゃいけないからね。罪悪感もちっとも湧いてこない……ある意味珍しい人種だわ。
それに今回、ほとんどの貴族が『ゲゲル』から王都を、市民を守ることができなかった……どころか、そもそも守ろうとしなかったり、悪魔に積極的に生贄を差し出したりまでしたもんだから、元々低かった貴族の皆さんの評判はさらにダダ下がり。地を這っていたものが地の底に潜り始めた感じだ。
逆に、今回のことに見事に対応して見せた一部の貴族達……レエブン侯や、生き残ったターゲット2人の家なんかは、ストップ高の人気となっております。
人気と言えばもう1つ。貴族よりもさらにえらい……王族について。
ザナック王子とラナー王女についてはさっき言った通りだけど、ここにさらに、国王であるランポッサ3世も、実は今、人気が上がってきている。
何でかと言うと……ゲゲルの最後の方になるんだけど、ヤルダバオトが召喚した悪魔(多)への対処のために、なんと王自ら出陣していたのだ。
『これはもはや国の危機であり、王としてそこに出向かねばならぬ』って言って、周囲の反対を押し切って。
そして、王が動いたことで……王を守る剣であるガゼフも一緒に動けるようになった。
リ・エスティーゼ王国最強の戦士として、戦士団と共に悪魔達をなぎ倒していき、多くの市民達を救ったそうだ。
さすがに、モモンとヤルダバオトが戦っていた最前線にまでは出てこなかったから、あの場にいた面々が知ったのはあとになってからだったが……これが市民達にもうけて、ランポッサ王も人気が上がっている、というわけ。
……そんな王族3人とは対照的に、人気がストップ安になっているのが……第一王子であるバルブロだ。
弟や妹、さらに王である父までもが勇気をだしてみせたっていうのに、バルブロは1人、王城の自分の部屋に閉じこもってたそうだから。護衛の兵士達もしっかりつけて。
まあ、少し前の『ゲゲル』で標的にされるなんてことがあったから、怖くなって守りを固めるのもわかるし、別に今回のこれは、『外に出なかった』からといって責められるほどのことでも実際ないんだけど……事件が事件だったから、妹と弟とどうしても比べられちゃうよなあ。
もともと人気なんてあまりなかったけど、今回のことでさらに民衆の支持を失い……しかも、味方だったはずの貴族派の貴族の一部にも離反者、あるいはその可能性がある者が現れている。
それを知って、面白くなく思ったのか、最近機嫌があまりよろしくないそうだ。……少なくとも、外部に噂として流れ出るくらいには、露骨に気分を害していて隠していないらしい。
まあ、『次の王様はザナック王子かラナー王女がいいんじゃないか』なんて話が、市民のみならず貴族の間からも聞こえてきたら……王位継承の最右翼だったはずのバルブロとしては、そりゃ面白くないだろうしな。
焦って変に行動を起こして、結果ますます悪い方向に転がっていかないことを祈るばかりだ。
……そういうことが起こると、大抵の場合、罪もなければ関係もない、赤の他人が何かしらの形で巻き添え食ったりするからなあ……。
……今度、アインズさんとデミウルゴスにちょっと相談してみるか。『あの第一王子、いらないなら私がもらってもいいですか?』って。
いや、別にアレに何か利用価値を見出したとかじゃないんだけど……私の『悪女』としての部分が、あの王子、もうちょっと楽しく遊べる『
この国の貴族は大体そんな感じではあるけど……ああいう、自尊心ばっかりで中身が伴っておらず、しかもその自覚が全くなく、失敗から学習することもできない。
挙句、それに自分がふさわしいと本気で、根拠なく考えて、分不相応な地位や立場を望んで行動を起こし、周りを巻き込んで大失敗し……そしてやっぱりその失敗を自分の責任だと思わない。
そういう、頭の足りない小悪党って、いくらでも楽しく遊べる方法があるんだよねえ……♪
……ここ最近、アインズさんや『ナザリック』の子達と色々やってたのもあって、私の趣味としての『悪女』的なアレコレをやってなかったから、ちょっと欲求不満溜まってる感じがするんだよね……ここらで少し、発散しちゃおうかな?
あちこちに、楽しく遊べそうな『玩具』にいくつか目をつけてあるから、デミアや、子供達の中でノリのいい子達に声かけて……ちょっと遊んじゃおうかな。
とまあ、今回の顛末はこんなところかな。
ああそれと、今回これだけの騒ぎになった上に、その裏でしれっと『八本指』も完全掌握できたわけなので、セバス達も元のまま、王都での生活を続ける。
けど、ぼちぼち用事は終わったということで、王都から引き払う体で、セバスもソリュシャンもナザリックに帰還する予定だとのことだ。
今後は元通り、ナザリックの家令とメイドとしての仕事に専念していくことだろう。
それで実は、アインズさんから『セバスが戻ってきたあたりで、ラストさんナザリックに遊びに来ませんか?』って誘われてるんだよね。
そういえば、元々『近々どうですか』って誘われてたんだっけ。王都でのごたごたのせいで、お流れになっちゃってたけど。
家令とメイドが帰ってきて、よりおもてなしの準備が整うし……セバス達としても、今回のお礼を私にしたいと思ってるみたいなのでちょうどいいって。
なら、お言葉に甘えて……今度お邪魔させてもらおうかな。
ナザリックでアインズさんが飲食するには、テレサを一緒に連れていく必要があるから……親子2人、あるいはプラスアルファでお世話になろうか。
ナザリックの食事もすごい美味しいし、娯楽施設も、うちにはないタイプのものがいくつも―――
☆☆☆
「……ん? 『
日記を書いている途中に、ふと、頭の中に何かが繋がった感覚を覚えたラストは、電話を取るような感覚でそれを受け入れた。
直後に聞こえてきた声は、よく知っている『戦友』にして『師匠』の声だった。
「ああ、アインズさんですか、どうしました?」
『ちょっと頼みがというか、教えてほしいことがありまして。今ちょっとお時間大丈夫ですかね?』
「自室で暇してましたんで全然大丈夫ですよ? それで、教えてほしい……って何をでした?」
『ええと……ラストさんの子供達や孫達って、必ずしも『空中庭園』に全員いるわけじゃなくて、外に出て行ってる者もいるんですよね? 仕事だけでなく、自発的に』
「ええ、そうですね。一応事前に色々確認というかテストして……知識とか対応力、戦闘力とかを見て『これなら外出ても大丈夫』って合格したらですけど。外出OK出した子達は、好きなように出入りして、好きなように過ごしてますよ」
王都での事件の際に陰ながら活躍した、『八本指』の2部門を支配していた2人も、その『好きなように』過ごしていた1人である。
……自分の好きなことをやっていた結果、闇組織のトップに上り詰めていたというのも『何それ』と当時のラストは驚かされたものだったが。
その2人以外にも、外の世界で様々な立場を持って活躍している子供達はいる。
いくつもの国をまたにかけて商会を経営していたり、趣味と実益を兼ねて娼館を経営していたり……あるいは、冒険者や
『その、冒険者をやってる子達って……やっぱり強いんでしょうし、アダマンタイト級チームだったりします?』
「そうですね。1つの国に集中してたらつまんないからって、あちこちの国に分かれて所属してますよ。王国にも……モモンの『漆黒』を含めて4つあるアダマンタイト級チームのうち、1つはうちの子達のチームですし。そう言えばコレまだ話してませんでしたね」
現在、リ・エスティーゼ王国に存在するアダマンタイト級の冒険者チームは、4つ。
アインズが『英雄モモン』として率いるチーム『漆黒』に、今回の騒動でも活躍したラキュース達『蒼の薔薇』、その叔父であるアズス・アインドラが率いるチーム『朱の雫』。
そして、ラストの子供達によって構成されるチーム『白の猟団』。
ちょうど遠方へ出ていて王都にはいなかったため、『ゲゲル』には関わってこなかったが、『漆黒』が現れる以前は、他の2つを凌いで王国最強ではないかとまで言われていたチームである。
もともと特定の拠点を持たず、王国内の冒険者組合を転々としているチームで、今はエ・レエブルに身を寄せていた。
王都には『蒼』と『朱』がいるのに加え、エ・ランテルには『漆黒』がいるため、ナワバリが被らないようにとの思惑もあってだった。
「それで、うちの子達がどうかしました?」
『いや、どうかしたというわけではないんですけど……デミウルゴスやアルベドと話して、今後、王国だけじゃなく他の国でも徐々に色々とやっていく見込みなんです。その時に、現地にラストさんの手勢がいる場合、お互いに迷惑にならないように、あらかじめ把握しておきたいなと思って……なのでラストさん、子供達がどこでどんな立場にいるか、確認させてもらえませんか?』
「いいですよ? 代わりにじゃないですけど、アインズさんの方でも、この先どこでどんなことをする予定なのか聞いても大丈夫ですか? 極力その邪魔にならないように、都合がよくなるように動こうと思うので」
『わかりました、じゃあ、一緒にお話しします』
「お願いします。ええと、じゃあ、どこの誰についてから話そうかな……?」