オーバーロード 傾国狐の異世界日記   作:破戒僧

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今回から新章になります。
だんだんと原作から離れていく……かも。


第4章 反逆の半森妖精たち
見えないからといってエロくないとは限らない


 

 

【異世界転移400年目 :日目】

 

 この先しばらく、アインズさんは『次の作戦』の準備のために……なんというか、拠点フェイズ的な感じになるらしい。

 なお、『次の作戦』が何になるのか自体は未定なんだとか。デミウルゴスが色々動いてるらしいけど、いくつか同時にプランを進めているので、各国の情勢その他を見て都合がよさそうなものを、適切な時期に手を付ける……みたいに考えてるそうだ。

 

 なので今は、守護者達共々、ひとまず普段通りに色々仕事をして過ごしつつ、やれることを少しずつやって、コツコツ足元を固めていく感じみたい。

 そんなにあわただしい感じにはならなそうなので、実質的に息抜き期間的な感じになるのかも。

 

 で、その『普段通りの仕事』の中には、私の拠点である『空中庭園』との交流も含まれている。

 今日も、ナザリックからの使節団が到着したので、私自ら(暇つぶしも兼ねて)その対応に出させてもらった。

 

 今回来たのは、マーレとシャルティア、それに……珍しいことに、ペストーニャだった。

 守護者やプレアデスが来ることはあったけど、ナザリックのメイド長である彼女が来るのは初めてだったので、ちょっとびっくりした。

『お邪魔でしたか……? あ、わん』ってかわいいことを言って来たけど、単純に意外だっただけだよ、ってちゃんと言っておいた。

 

 なお、ペストーニャが来たのには理由があり、技術交流の一環としてに加えて……先日あった『ゲゲル』の際の『お礼』がしたかったんだって。

 本来の『ゲヘナ』であれば、子供だろうが赤ん坊だろうが関係なく攫って『有効利用』するか、御方の恩情によって『苦痛なき慈悲深い死』を与えるところだったらしいんだけど、私の提案で『ゲゲル』に変わったことで、最終的にとはいえ。子供の被害0で収まったからって。

 

 ニグレド同様、子供が大好きで優しいペストーニャにとっては、嬉しいことだったそうだ。

 別に知り合いの誰かが助かったとかそういうわけじゃないにしても、お礼を言いたかったんだって。律儀と言うか、真面目だねえ……あんちゃんが聞いたら喜ぶよきっと。

 

 そんなわけで、ちょうどセバスが任務を終えて帰還したタイミングなので、使用人達のまとめ役は彼に任せられる。なので、彼女がここに来たと。

 

 

 

 で、後はいつも通りだ。『使節団』としての用事である、ユグドラシル金貨やアイテム各種の受け渡しについては、手続きとかはすぐに終わった。

 後はいつもと同じように、『せっかく来たんだしとんぼ返りしてもらうのもアレだから、色々見て楽しんでいってね』的な時間です。普通に観光するもよし、訓練に混じって『武技』その他を体験するもよし、デミアとかの研究所で新たな技術や魔法に触れて見分を深めるもよし。

 

 今回は、3人とも別々な過ごし方をすることにしたみたいだった。

 

 シャルティアは前回に引き続き、『練武郭』で、高レベル組や『親衛隊』の子供達に混じって、『武技』その他の戦闘技能の訓練。

 さすがガチビルドの守護者、ペロロンチーノさんの力作というべきか、呑み込みが早くて、既にいくつかの『武技』を使えるようになっているシャルティアは、しかしもっと貪欲に、より強力な武技や、私達が開発した『オリジナル武技』の習得も目指しているようだ。

 

 そしてゆくゆくは、自分でもオリジナルの武技を作って、アインズ様のために存分に力を振るうのでありんす……って、気合入れてた。

 

 なお、監督はヤマトが買って出てくれた。彼女なら武技関係の指導もノウハウがあってこなせるから、ちょうどいいな。

 

 ……どうやら、例の洗脳されてアインズさんと戦ってしまった件で、落ち込む期間は無事に終わって、その分を取り戻すってやる気に変えることができたようだ。よかったよかった。

 

 次にペストーニャだけど、こちらはデミアのところで、クレリック関係のアイテムや新しい魔法を勉強しに行ったみたい。

 

 ペストーニャは高レベルのクレリックであり、その優しい性格から、ナザリックにおいて非っ常 ~~~に珍しい、か弱い者(もち人間含む)を助けることに抵抗がないばかりか、むしろアインズさんに進言してまで助けようとするほどの善性の持ち主だ。

 

 ぶっちゃけ、『いつかやりすぎて何かやらかすんじゃないか』と逆に心配してるくらいなんだよね……こないだのゲゲルの時の『ころしてでも、ちりょうする』っぷりを見たらさ。

 ……似たような感じのセバスが既にほら、やらかしてるから。

 

 まあそのへんは置いといて、そのペストーニャは、そういう誰かを助ける機会により力になれるように、っていう思いも込めて、自分の癒しの力をさらに高めることを考えて、あるいはアイテムその他による補助でより強い力を使えるようにと、勉強に来たんだって。

 

 そのことを伝えたら、デミアが『よさそうなのをいくつか見繕っておく』って言ってくれたから、きっと有意義な時間を過ごすことができるだろう。

 

 そして残るマーレだが、彼は今回は私と一緒に、『データクリスタル畑』の視察に行った。

 

『データクリスタル畑』と言いつつ、データクリスタル以外のアイテムもドロップするそこで、こないだのアインズさんと同様に『収穫作業』を体験してもらい、その後、そのアイテムを使ってポーションその他の合成・調合もやってもらった。

 

 普通の調合なら彼は既にやったことあるだろうし――あるいは『そうあれ』と作られてるから―意味ないだろうけど、―今回やってもらったのは、デミアがこの世界に来てから新開発したレシピである。なので、きちんと『経験』する意味がある。

 

 実際、レシピとしては単純なものなのに、慣れてないからか何度か失敗しちゃってた。

 やっぱりこの世界、単純に職業(クラス)やスキルを持ってるだけじゃ説明できない法則みたいなものがあるんだと思う。

 経験によってのみ習得できるような、いわゆる『スキル外スキル』みたいなものが。

 

 失敗して素材を無駄にしちゃったことについて、マーレがあわててお詫びして来たけど、全然いくらでも手に入るものだから気にしないで、って言っておいた。

 

 ナザリックに帰ってからも練習とかできるように、今回持って帰るものにプラスして、調合用の素材その他をおまけにつけておいてあげることにした。

『これでもっとアインズ様のお役に立てます!』って喜んでもらえてよかったよ。

 

 花の咲いたような笑顔がかわいくてかわいくて……思わずサービスしていっぱいプレゼントしちゃったよ。

 ……本当にこの男の娘、普通の女の子よりかわいいんだもんな……茶釜さんすげえわ。

 

 ……そういえばこないだ、アインズさんから、珍しい薬草を手に入れたって話を聞いたな。

 

 なんでも、エ・ランテルの冒険者組合から指名依頼が入って、それでトブの大森林の深部に採取しに行ったんだけど……その薬草って言うのが、ヤバめのトレント型モンスターの体に生えてて、そいつと戦って奪うことになったんだって。

 

 しかもその……『ザイトルクワエ』とかいうらしいモンスター、レイドボスみたいな巨大さとバカげたHPの多さだったらしい。全高100m超えで、1回1回の攻撃が冗談みたいに広範囲を薙ぎ払ってくる上、魔法まで使って来たんだとか。

 

 けど、それ以外はそこまで大したことなかったそうで……アインズさん、いい機会だから、守護者達が連携して戦う練習をするためのサンドバッグとして利用したそうだ。

 レベル100のNPC達複数人がかりで(しかもすぐ終わっちゃわないようにかなり手加減して)フルボッコにされて、あえなく討伐。

 もちろん、生えてた薬草も無事に回収して、依頼も完遂したんだって。

 

 その薬草、一部はアインズさん達の方でももらって保管してるらしいんだが……少し分けてもらうこととかってできないかな……研究して、増やせるかどうかデミアに試してもらいたい。

 首尾よく増やせれば、貴重かつ強力な、しかも現地産のポーションを量産できるわけだし……それを使って、新しい、もっと有用なポーションを作れるかもしれないし。

 

 そうしたらまた、それについてもマーレを通してナザリックと情報共有して……って感じでお互いに得する結果になるかもしれないし。そうなるといいな。

 

 今度、アインズさんに相談してみよう。

 

 ……しかし、トブの大森林のトレント型モンスターか……なんかどっかで聞き覚えがあるような……? どこで誰に聞いたんだったかなあ?

 

 

 

 そんな感じで一日楽しく過ごしたわけだけど、夕方、それぞれ楽しんでた面々が合流して、夕食は一緒にとった。

 城……『煌皇郭』の食堂でもよかったんだけど、それは前にもご馳走したので、今回は『遊享郭』のレストランで食べることに。

 

 各々好きなものを注文して、美味しく楽しく食べてもらったんだが……その最中に、こんな一幕がありました。

 ペストーニャを案内してあげてたデミアも一緒になって食べてたんだけど、食後のドリンクを飲んでる時にね……よかったらこの後、皆で一緒にお風呂に入らない? って言って来たんだよ。

 

 なんか、デミアがここ最近手慰みに開発してた、ちょっとおもしろいギミックが出来上がったので、試してみないかっていう誘いだった。

 ちょうどナザリックから来てくれてる、マーレとシャルティア、ペストーニャも一緒に。

 

 もちろんデミアは、マーレが男だってことは知っている。

 その上でしれっとマーレも誘ってるってことは、つまり混浴だってことで……シャルティアが大興奮してね……。

 

「混浴……! ひょっとして、男女入り乱れてくんずほぐれつの乱痴気騒ぎがあったりしんすか!?」

 

「えぇっ!? だ、男女入り乱れ……」

 

「あっはっは、ごめんね、期待させちゃったかしら? でもそれはさすがにないわよ。今回入るのは、混浴ではあるけど、あくまで普通のお風呂だから。変なことしたら怒られちゃうって」

 

「……!? デミア先生、その言い方……つまり、『普通じゃないお風呂』もあるということでは?」

 

「おう、耳ざとい上に鋭いねシャルティアちゃん。まあ、一応ね……あるよ。『そういうこともしていいお風呂』が」

 

「それは……っ! できれば、そっちのお風呂にも入ってみたいでありんす!」

 

(欲望隠さないな……さすがはペロロンさんのNPC)

 

 とまあ、こんな感じで猥談飛び交う中……なんかマーレがちらちらこっち見てたんだよね。

 

 ……そういやこの子、私の自意識過剰でなければ……『私のことが気になってるかもしれない』+『男の子として色々目覚め始めてるかもしれない』疑惑あったっけ。

 

 実は今日の、ポーション調合体験した後に、ちょっと恥ずかしそうにしながら、

 

『きょ……今日は、ブラッシングどうしますか……?』

 

 って顔を赤くして聞いてきたっけ。

 

 それがあまりにかわいかったもんで、『じゃあ後で私の部屋でお願いしようかな』って答えたら……嬉しさ半分、がっかり半分、みたいな顔してたので『あれ?』って思ってたんだよね。

 ……今思うとアレもしかして……こないだみたいに、お風呂でブラッシングするのを期待してたのかも……って、なんとなく思った。

 

 ……いかん、考えたら、かわいすぎて……美味しそうすぎて……よだれが(じゅるり)。

 

 で、話し合った結果……『いかがわしいことはしない』という前提のもと、皆で一緒に混浴することになりました。

 

 なお、男の子であるマーレを一緒に風呂に入れることについては、シャルティアも含めてほぼ誰も反対しなかったんだけど……唯一ペストーニャだけは難色を示した。

 まだ子供(76歳)であるマーレの情操教育上あまりよくないのでは……っていう意見だった。

 

 そういえば、創造主同士……茶釜さんと餡ちゃんが仲良かったこともあって、アウラとマーレの兄弟とペストーニャも仲いいんだっけ。アウラのことを時々『アーちゃん』って呼んでるの、前に見たことある。

 そのペストーニャから見たら、マーレも……立場上は『階層守護者』として要職についていても、まだまだ面倒を見てあげたい子供的に見てるのかもね。

 

 ……私、今後場合によっては、マーレを『男』にしてあげるのも辞さないとか、(よこしま)なこと考えてたんだが……これバレたらペストーニャに怒られるかもしれない。

 

 

 そして、いざ混浴のお風呂(健全)に皆で入った時のことだ。

 普段は『混浴』設定のお風呂に、男性と女性が両方揃ってる場合、自動で『湯浴み着』が具現化して装着されるんだが……今回はそれがなかった。

 

 が、隠されずに何もかも丸出しになってしまったかというと、そういうわけでもなく……

 

「……いや、デミア……何、この……『謎の光』は?」

 

「胸とか股間とかにキラキラ光が集まって、勝手に隠してるでありんす!?」

 

 深夜アニメとかでよくある、『大事な部分を都合よく隠す謎の光』が、私達の体にまとわりついて……胸の先端とか、足の付け根付近とか、そのへんをうまいこと隠していた。

 

 デミアが暇つぶしに研究していた『オートナノツゴウ光学』とやらの成果で――何ちゅうネーミングだ……――見たまんま、大事なところを見せない光を発生させるギミックだそうだ。

 全裸なのはきちんとわかるけど、肝心な部分だけは見えない。早く動いても振り切れず、ぴったりきっちり隠している。

 

 デミア曰く、視覚的に楽しいのに加えて……これなら湯浴み着みたいに、洗う時に邪魔になったりしないので、ずらして洗ったり流したりする手間がいらないだろうとのこと。

 なるほど、それは確かに。放送コードの健全さと洗いやすさを両立させるいい手ではあるな。

 

 ……そこ、かえって不健全に見えるとか言わない。

 

 なお、ナザリック勢力の反応はと言うと……シャルティアは、肝心な部分こそ見えないものの、それ以外は見える、その状態で全裸で皆でお風呂ってだけで充分エロいので大満足だった。

 

 ペストーニャは『確かに隠れてはいますけどちょっとコレは……あ、わん』ありゃま、まだ合格ラインに行かなかったかな?

 

 そしてマーレだけど……恥ずかしくてほとんど何も言えなくなってたけど、喜んでもらえていたようだった。まちがいなく。

 股間の光が、ちょっと大きくなって、その下のものを隠してたので。

 

 あと、湯浴み着の時よりはっきり見えるからかな……けっこう頻繁に、私の体のあちこちに視線を感じました。

 男のチラ見は女のガン見、という言葉を知らないと見える。不用心だよマーレ君。

 

 いや、別に私は全然かまわないんだけど……多分、私だけじゃなくて、他の女性陣全員にバレてたよ。

 

 シャルティアは、マーレと私を交互に見て『ははぁん?』みたいな目になってたし……デミアは前から感づいてて知ってるし……

 ペストーニャなんか、何度か明らかにわざと、マーレと私の間に挟まるように立って視線を遮断しようとしてた。『えっちなのはいけないと思いますわん!』的なガードだったと思われる。

 そのたびにマーレが残念そうな顔になってたけどね。

 

 で、そのまま皆でお風呂に入りつつ……マーレには、約束通りブラッシングもしてもらった。

 コンパクトにしてた9本の尻尾を出して、『よろしくね』ってお願いすると……マーレは、丸見えになった私の背中やお尻に目が行きつつも、ブラッシング自体はしっかり丁寧にやってくれた。前の時と同じく、毛並みがつやつやになって、気持ちよかった。

 

 ただ、股間の光がさらに大きくなってたから……頭の中は割と大変なことになってた気がしなくもないけどね……煩悩的な意味で。

 

 その後、これも前回と同じように、ついでに背中も流してもらって……お礼にマーレの背中を流してあげて……

 湯船に入る前からゆでだこみたいに顔が赤くなってたマーレは、大変かわいかったです。

 

 

 

【追記】

 

 お風呂では『顔が真っ赤で女の子に興味津々なマーレってばかわいい!』って軽く思ってたけど……よく考えたらこれ、割と真面目に考えた方がいい問題なんじゃね? って、部屋に戻ってから思った。

 

 明らかにマーレ、男の子としての本能、ないし欲望に目覚めてるし……今日の股間部分の光の大きさを見る限り、肉体の機能もきちんと出来上がってると思う。

 

 けど精神的には……変な話、ペストーニャの言う通り『まだまだ子供』なんだろう。

 第二次性徴……のちょっと手前、エッチなことに興味が出てきた小学生、くらいのレベルだと思う。興味津々で、見たいし触りたいけど、一方で……それを『悪いこと』だとも思ってる感じ。

 

 今はまだ大丈夫だろうけど……この先、そう遠くない未来、マーレの精神が成長して肉体に追いついたら……その時は、悪ふざけも何も抜きにして、きちんと向き合ってあげなきゃいけない気がする。

 自意識過剰かもしれないけど、マーレが今一番『異性』として意識しているであろう女として。

 

 ペストーニャとかアウラはいい顔しないかもしれないけどさ……そういう欲望が育ちきってるのに、適切に発散させることをせず、無理やり抑えさせ続けるっていうのも……それはそれで不健全だし不健康なんだよ。

 

 アインズさんに早めに相談したいけど……ちょっと失礼な話、アインズさんも割とこの手の……性教育分野の『真面目にエッチな』話って苦手そうなんだよな。

 ……ホントに失礼なこと言うけど、多分あの人、童〇だと思われる……。この手の話題に、偏見とかなしに真面目に話すのが難しい気がして、ちょっと不安なんだよね……。

 

 好きだってオープンに言われてるんだから、さっさとアルベドなりシャルティアなりと経験してもらえれば、割と余裕も出て来て、こういう話題での話し合いもできようもんだけど……一言命令すればすぐだろうに……ああ、そういうのも気が引けちゃって無理なのか。

 初心って微笑ましくて嫌いじゃないんだけど、こういう時はめんどくさいな……。

 

 ……というかこんな時間に私、何を自分の師匠のシモの事情について考察巡らせてんだ……やめやめ、疲れた。寝よ。

 

 

 

 

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