オーバーロード 傾国狐の異世界日記   作:破戒僧

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あの親にしてこの子あり

 

 

【異世界転移400年目 〇日目】

 

 結構な急転直下だった気がするけど、エオンの周りで起こっていたゴタゴタと、あの子自身の恋路について、ひとまず決着がついたので、まとめて書いておこうと思う。

 

 もともとエオンは、帝国に出店している私の子供達の商会の1つに、技術者兼用心棒……という設定で出向していた。

 しかしその真の目的は、元のエルフ王国こと、『ヘイムダール王国』から逃亡した、前エルフ王の信奉者達の生き残りを探して捕らえることだ。

 

 あのクーデターの時に何かしらの理由で国にいなかった、その後も戻ってこなかった者達とかがまだいて、このままだと政権転覆とかを狙ったテロリストになるんじゃないか、って危惧してたところだったので。

 今回の一件で、それらしいエルフ達を大量確保できた。行方不明になってる奴全員じゃないから、まだもうちょっと探して捕らえる必要はあるけどもね。

 

 そんな任務中にエオンってば、現地で知り合ったアルシェって女の子と仲良くなって……まあ、このへんは前にも日記に書いたから省略しますか。あの子が陥ってるピンチな状況も含めて。

 

 で、今回そのアルシェちゃんや、彼女が所属してるワーカーチーム『フォーサイト』が、絶体絶命のピンチに陥ったところを、颯爽と現れたエオンが助けた。

 あ、もちろん何もマッチポンプ的なことは起こってないよ? エオンがアルシェちゃんと会って助けたのは、前回(出会った時)に続いて、本当に偶然。

 

 ただ、同じタイミングで例の信奉者エルフ達の所在が判明して、エオンが摘発に向かったら……タイミングよく?悪く?アルシェちゃん達がそいつらに関係する依頼を受けて、見つかっちゃって絶体絶命、ってところだっただけ。

 ヤバいのにかかわっちゃったのは運が悪いとしか言えないけど……一方で、二度もうちの子に助けてもらえるなんて、変なところで運がいいんだな、彼女達。

 

 ただ、その助けた時に、明らかにエオンの設定(第5位階が使える)じゃ説明がつかないような魔法も使っちゃったもんで、このまま帰すわけにはいかなくなっちゃってね。

 急遽、ユリーシャが自ら迎えに行って、『フォーサイト』の4人と、あの、エルヤーとかいう胸糞系残念イケメンが奴隷にしていたエルフの子達3名を回収。『ヘイムダール』に連れ帰った。

 

 そしてそこで、諸々の事情を――話すわけにはいかないことはぼかしつつ――説明。

 

 エオンの素性や、帝国に来ていた理由。

 それらは秘密にしなければならないことなので、このまま君達に帝国に帰られて吹聴されるのは困る、ってことも。最悪の場合、国家として何かしらの対処が必要になる。

 

 まあ、といっても『生かして帰すわけには』っていうあれじゃないので大丈夫。

 彼女達には、3つのうちから1つ選んでもらうことになった。

 

 選択肢1、契約魔法で『このことは誰にも言いません』と契約して、魔法的に縛って話したくても話せなくした上で、帝国に帰る。

 これなら私達としても、アレなことをしなくてもいいし、フォーサイトにも実害らしい実害はないに等しいので問題ない。独り言だろうと何だろうと『口に出す』こと自体ができなくなるし、筆談とか暗号とかその他の手段での漏洩も防げる仕様なので安心だ。

 

 ただし、ちょっと魔がさして頭によぎった程度でも『それは禁じられている!』的な精神的な負荷がかかるので、慣れるまでちょっと疲れるかもしれないけどね。

 

 選択肢2、『記憶操作(コントロール・アムネジア)』の魔法で、今回の不都合な出来事に関する記憶を消す。

 話す離さない以前に記憶が消えるわけだから、ある意味選択肢1より確実性は上なのは間違いない。

 

 けど、あまり精神に手を入れすぎると負荷がかかって心が壊れたり、どっか頭の配線が変になったり、廃人になるリスクがあるし……そもそも頭の中をいじられるのとか、普通に嫌だろう。

 それに私達としても……記憶操作の魔法ってめっちゃ燃費悪いので、あんまり使いたくない手だ。

 

 一応、デミアが作った魔法薬をいくつか組み合わせて使うことで、劇的に燃費を改善する手法もあるんだけど……そうすると今度は操作される側の負担が増えるんだよ……。そうなると、さっきも言った廃人化のリスクが増すっていうね。

 

 選択肢3。帝国には帰らず……私達の勢力下にある町や村で、一生を過ごす。

 これなら……彼女達が知っている範囲の情報は、既に一般的に知られている、という場所で暮らすことになる。すなわち、秘密にする意味がないので、契約とか記憶とか処理をする必要がない。

 

 欠点はもちろん、帝国に帰れないこと。帝国に自分達の暮らしの場がある彼女達には、あんまりふさわしくない選択肢ではあるものの……一応提示はしておいた形だ。

 

 以上、3つの選択肢を提示したわけだが。

 

 まず、奴隷だったエルフの3人は、3つ目を選んだ。

 彼女達にとって、帝国はむしろ虐げられた記憶がある嫌な場所でしかないし、仮にも『持ち主』だったエルヤーはもういないので、そもそも居場所がない。未練なんてあるはずもなかった。

 

 加えて、『ヘイムダール』に連れ帰ってきたエオンが、切られた耳を含めて、怪我とか色々一切合切治しちゃったんだけど、それがよっぽど嬉しかったみたいで、号泣するほど感謝した挙句、彼に忠誠を誓ってしまった。

 なので、むしろヘイムダールでエオンに仕えたい、って感じで残ることになった。

 

 耳を切られたエルフを治してあげると、高確率で忠誠誓うレベルで懐かれるっていうのは、前に私も何度かやったことあるので知ってる。法国から買って助けたエルフの子達で、何度も同じことが起こったからね。

 あの子優しいから、正直こうなると思ってました。

 

 なお、エオンは魔力系魔法詠唱者なので、治癒魔法は本来使えないんだけど、あの子が持ってるアイテムに、1日3回まで信仰形治癒魔法を使えるようになる指輪があるので、それを使ってだ。

 

 加えて、エオンの持つ生まれながらの異能(タレント)でそれを強化した。

 あの子の異能(タレント)は、使用するアイテムや装備のレアリティを、『伝説級(レジェンド)』を上限として1~2つ強化する、というものである。しかもコレ、消費型のアイテムはもちろんのこと、創造系の魔法で作った物品にも適用される。

 

 例えば、あの子が得意な『上位道具創造(クリエイト・グレーターアイテム)』を使って全身の装備を『聖遺物級(レリック)』で作れば、それが全身『伝説級(レジェンド)』に早変わりというわけである。

 それによって新たな効果が発生するとかはないが、レアリティの引き上げに伴い、既存の効果が順当に強化されるので、『本物の伝説級にはちょっと物足りないかな?』程度の性能になる。

 

 なので、戦闘の相手に合わせて『筋力強化』や『速度強化』の効果を持つアイテムを瞬時に選択して装備し、さらにそれを異能(タレント)で強化することで、およそどんな状況にも対応できるオールラウンダーとしての活躍ができる。

 今はまだエオンはレベル80ちょいなので、カンスト級の戦いにはついてこれないだろうけど……レベルが上がれば、間違いなく親衛隊長クラスの実力者になるだろう。今から楽しみである。

 

 ……で、話が脱線したけど、その異能を使って強化した治癒魔法で、エルフ娘達を治したので、懐かれて忠誠を誓われましたってことね。

 今後彼女達は、きちんと職業訓練を施したうえで、エオン専属のメイドになる予定だ。家事全般はもちろん、元ワーカーってことで、時には現場に同行してもらうこともあるだろう。

 まあ……弱すぎるので、戦闘には参加せず、雑務担当だろうけどね。

 

 続いて、『フォーサイト』のうち……アルシェちゃんを除く面々について。

 彼らは、選択肢1の、『契約』をして口をふさいだうえで帝国に帰る、を選択した。まあ、これも予想通りだ。

 

 別に彼らも、帝国に帰属意識は特になくて、必要なら王国とか、他の国に移ることも考えてたらしいんだけど……さすがに昨日今日来たばかりで、知識も全然ないエルフの国に移り住みたいとは思わないわけで。

 それよりだったら住み慣れた国に戻りたいと思うのは、当然だった。

 

 ヘッケランとイミーナは、元々いい仲だったってこともあって……ワーカーは引退して一緒になり、もっとまともな仕事で稼いで2人で生活していくらしい。

 2人とも腕も立つし、他の道でもきっとやっていけるよ。大丈夫大丈夫。

 

 ……あとなんか、ヘッケランって元々冒険者目指してたのに、なんか色々あって流されて、気が付いたらワーカーになってたんだっけ?(※公式設定)

 よくわかんないけど……今度は頑張ってね。

 

 神官のロバーデイクは、開拓村で畑を耕しつつ、神官の真似事をしたり、子供達に勉強を教えてあげたり、って感じで過ごすことを考えてるらしい。そういうスローライフとか清貧みたいな生活が全然苦じゃない、人の役に立てるのが生きがいなマジの善人と見た。

 聞けば、人助けをするにも神殿の意向に沿って動かなければならないのが嫌でワーカーになったんだとか。……この人が何かまかり間違って殺されたりするようなことがなくてホントよかった。

 

 もうなんか私、アルシェちゃん以外にもこの3人も気に入っちゃったので、エオン経由で、エオンが働いてる(という設定の)店と、その系列店で使える『ゴールドパス』あげちゃったよ。店での買い物が少し割引になったり、その他色々お得な特典があって、ポイントも溜まるやつ。

 新婚生活や、弱者救済の活動に役立ててちょーだいな。

 

 そして、残る1人。アルシェちゃんだけど……

 

 

 ☆☆☆

 

 

「……疲れた」

 

「お疲れ様。ごめんねアルシェ、色々振り回しちゃって」

 

 ヘイムダール王国、王城の中にある……大公・エオンの部屋。

 そこで、普段は着る機会のないような余所行きの服を着たアルシェが、ふかふかのソファに座って脱力していた。

 

 その隣に、苦笑するエオン。こちらも、ゆったりした部屋着ではあるが、つくりからして高級品とわかるそれに身を包んでいる。

 

「っ……いや、そんなこと……エオンが助けてくれなきゃ、私達……それなのに、こんな弱音を言って……申し訳、ない」

 

「仕方ないよ、気疲れするのも当然なスケジュールだったし。いきなり『謁見』なんかさせちゃってごめんねホントに」

 

 先程まで、アルシェ達『フォーサイト』4人は……このヘイムダール王国の国王であり、エオンの姉でもある女王・ユリーシャを相手に謁見を行っていた。

 そしてその場で、『帝国に帰れないとは言わないが、機密保持のために『魔法の契約』を結んでもらいたい』との申し出を受けた。

 ヘッケラン、イミーナ、ロバーデイクはそれに是と答えた。命の恩もある、口を噤むぐらいはどうということはないし、それで何事もなく日常に戻れるのなら、文句などあるはずもない。

 

 ……ただ、アルシェだけは……返事を保留にした。

 もちろん、エオンに対して迷惑になるようなことは絶対にしないが、『選択肢』のどれを選ぶか、もう少し考えて決めたい、と。

 

 ユリーシャは『もちろん構いません』『それまではゆっくり疲れを癒してくださいね』と、快くそれを受け入れた。

 そして今……アルシェは、エオンと話すために、王城に用意された彼の部屋に招かれていた。

 

 なお、ヘッケラン達は、来客用に用意されているゲストルームを1人1部屋割り当てられている(アルシェも一応、自室はこっち割り当てである)ので、そちらに戻っているはずだ。

 

 アルシェとエオンは、しばしソファで雑談に興じていたが……不意にアルシェが、気になっていたことを思い切って尋ねた。

 

「……エオンは、これからどうするの?」

 

「どう、って?」

 

「前エルフ王の信奉者だったエルフ達の捕縛が、帝国に来た目的だったと聞いた。彼らを捕縛して、目的は達成したことになるけど……」

 

「ん~……まあ、すぐにあの店を、というか帝都を離れるってことはないよ。色々と後始末もあるし……一応、まだ捕まってない信奉者エルフもいるから、そいつらがいないかどうか、きちんと帝国内を確認して……それ全部終わったら、タイミングを見計らって……ここに戻るかな」

 

 だいたい1~2ヶ月くらいで、と答えると、アルシェは『……そう』と、やや沈んだ声。

 

 一方、今度はエオンの方がアルシェに予定を尋ねると、少し迷った後で……『妹と一緒に家を出るつもりだ』と返答。ただし、具体的にどこに行くとか、いつとかは決まっていない、とも。

 

 2人それぞれの回答は、そのままいけば、いずれ離れ離れになってしまうものだった。

 2人とも、それはわかっていた。

 2人とも、それは嫌だった。

 

 故に、

 

「……あのさ、アルシェ。もし……もし迷惑だったらごめんなんだけど……今のうちに、どうしても言っておきたいことがあって」

 

「っ……な、何……?」

 

「僕……アルシェのこと、好きだ」

 

 それを聞いて、アルシェが何か、劇的な反応を示す、ということはなかった。

 ただし、ずっと聞きたかったことであるのは確かだったようで……期待していた、言ってほしかったことを言ってもらえた、というように……ゆっくりと、体全体で反応していった。

 顔がほんのりと赤く染まって……ゆっくりと深呼吸して……自分の体を、両手で、自分で抱きしめるようにする。

 耳からじんわりと入ってきたその言葉を、頭で幸せに感じて、それがゆっくりと体全体に広がっているような……そんな反応にも見えた。

 

 並んで座るエオンは、アルシェの方を見ないままに話す。

 普段通りの口調なのに反して、だいぶどころではなく勇気を振り絞っているので、その余裕がない、というのが正しい。

 

「コレ、っていう何かきっかけがあってじゃないんだけど……いつも、散歩の途中で君に会って、色々話して、笑ったり、呆れたり……時には、妹さん2人とも仲良く遊んだりして……そんな風に過ごした日々が、すごく心地よくて。当たり前になってたそんな日々を……仕事が終わったからって、失いたくなくて……これからも、一緒にいたい。だから……」

 

 一瞬、ためらった後……エオンは、隣に座るアルシェの手に、自分の手を重ねて、握った。

 

「今まで、色々隠し事してて……いや、今までどころか、まだ僕、君に色々言っていないことがあるんだけど……きっといつか、それも全部打ち明けられるように頑張るから。だから……」

 

「っ……?」

 

 そこでエオンは、アルシェの方を見て。

 全く同じタイミングで、アルシェもエオンの方を見て。

 目が合って。

 

「一緒に来てほしい。帝都を……っていうか、帝国をでて……この国に……僕の、恋人になって……僕に、ついてきて……くれないかな?」

 

 しばしの沈黙。

 

 アルシェから、すぐには返事は返ってこなかった。

 無理もないだろうとはわかっていても……勇気を振り絞っていったエオンからすれば、待たされている時間は、地獄のように長く思えた。アルシェの表情がどう変わるのか、次にアルシェの口から何が出てくるのか。

 早く見たい。聞きたい。けどそれが怖い。

 

「……こ……」

 

「こ……?」

 

(『断る』? それとも、『今回はご縁がなかったということで』?)

 

 冷静でない、テンパった頭では、普通に考えて『そうはならんやろ』とでもいうようなネガティブな発想がどこからか浮かんでしまう。

 色々と本当にいっぱいいっぱいで、もし本当にそんなことを言われようものなら、どうにかなってしまいそうで……

 

「こ……」

 

 

 

「恋人じゃなくて……婚約者でも、いい」

 

「…………ほぇ?」

 

 

 

 何のことはない。頭がもういっぱいいっぱいだったのは、何もエオンだけではなかった、という落ちである。

 両想いだったことが、エオンからの告白が嬉しすぎて……欲望ないし願望がだだ漏れ。

 

 一拍置いて、自分が何を言ったのかを今更自覚したアルシェは、顔を真っ赤に染めるが……口を飛び出して行ってしまった言葉はもう戻せない。

 なので、さらに行けるところまで行くという発想になった。

 

「わ、わた、私も……エオンと、離れたくない。あなたと一緒に過ごす日々が、すごく楽しくて……妹達も、幸せそうにしてくれて……そんな日常を、失いたくない。ずっと。だから……」

 

 

 

「エオンになら……ううん、エオンに! 私のこと……連れて行ってほしい。私の全部を……エオンに、もらってほしい……っ!」

 

 

 

 きっと彼も、自分の返事を待っている間、こんな気持ちだったのだろう。

 開き直って、1から100まで全部言った、言いすぎた……そんなアルシェが、エオンの返事を待っている間の、耐えがたい沈黙。数秒。

 

 そして……アルシェがアルシェなら、エオンもエオン。

 嬉しすぎて、いっぱいいっぱいで……そして、一気にそれを通り越した。

 

 

 ―――がしっ

 

 

「へ?」

 

 パニックが一周回って冷静になった……と思いきや全然なっていない、目が座ったエオンの両手が、小刻みに震えたアルシェの肩をつかんだ。

 そして、そのまま……

 

「アルシェ……っ!」

 

「え? ……きゃっ!?」

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

【※日記 続き】

 

『謁見』の後、エオンから色々と相談というか話があるってことで、私のところに来るって話だったんだけど……なんでか一向に来なかったんだよね。

 時間にきっちりした子なのに、珍しいなー、って思った。取り込み中なのかわかんないけど、『伝言(メッセージ)』にも出ないし……。

 

 で、何やってんのかなー、って思って、現地にいるユリーシャに部屋見に行ってもらったら……まさか、何をやってるっていうか、ナニをヤってるとは思わないじゃん?

 

 部屋に女の子(もちアルシェちゃんね)連れ込んでさ。いつの間にそんなとこまで進展してたの!? ってびっくりしちゃったわ。交際始めたって報告もなかったのに。

 

 え、何? 告白が成功しすぎて嬉しくなってブレーキがカッ飛んで、そのまま襲った?

 ……あんた、割と冷静沈着な常識人枠だと思ってたんだけど、実はそんながっついた感じの子だったんだね。お母さん知らなかったよ。

 

 ……そういう欲望がちゃんとあって、私の子供らしくて嬉しいとも思っちゃったけど。

 

 これでアルシェちゃんが、いきなり襲われて傷ついたとかだったらぶん殴ってたところだけど……曰く『びっくりはしたけど嬉しかった』『彼との消えない絆ができたと思えて、むしろすごく幸せな気分』とのこと。よかったぁ……。

 

 ともあれ、仲良くなれたのはいいことです。

『友達以上恋人未満』から、一足飛びに『婚約者』かつ『男と女の関係』までランクアップしたので、これでアルシェちゃんは私からしても全力で助けてあげる対象になりました。

 

 加えて、ユリーシャとの謁見の時に、彼女が保留してた答えについても聞くことができた。

 帝国には戻らずに、ここでエオンと一緒に暮らすってさ。よかったよかった。

 

 まあ、このまますぐにここに住む、ってわけにはいかないから……荷物まとめたり、その他諸々の準備のために、一回帝都に帰って、色々済ませてから引っ越すそうだけどね。

 もちろん、その際のバックアップも色々とこっちでしてあげるよ。

 

 そんでその後、ホントならエオンだけが私のところに会いに来て諸々相談する予定だったわけだけど……急遽、アルシェちゃんも一緒に来た。(約3時間遅れ)

 もう後戻りはできないし、するつもりもないから、自分の身の上の隠してた部分とか、全部アルシェちゃんに話したいからって、エオンの頼みで。

 

 アルシェちゃん、エオンがエルフの国の大公って点だけでも驚きだっただろうに、そのさらに裏の事情……私っていう『神』(この世界基準)の子だったってことまで聞いて、気絶しそうなほどびっくりしてたな……まあ当たり前だけど。

 がくがく震えて、『か、神様が、私のお義母さまになるの……!?』って。立て続けに処理に困るレベルの衝撃情報ぶっこんでごめんねホント。

 

 ちなみに、私への謁見(という名のご挨拶)に来るに際して、アルシェちゃんには、あらかじめ『獅子のごとき心(ライオンズハート)』の効果があるマジックアイテムを装備した上で来てもらいました。

 

 何でかっていうと……彼女の異能(タレント)がね。相手の使える魔法の位階がどれだけなのかを見ることができる、って話だ。

 魔力探知系の異能になるわけだけど、実は私、そういう能力を持った人と会うのって、初めてじゃないんだよね。この400年間で、何度か経験ある。

 

 その時の経験から知ってることなんだけど……普段、第1や第2位階程度しか目にする機会のない人が、超位魔法を使える私やアインズさんを見ちゃうとさ……ヤバいんだわ。

 まさしく『神レベル』の力を見ちゃった衝撃で、気絶したり、嘔吐したり、発狂したり……ひどいとそのままショック死しちゃったりするの。マジで。

 

 もう200年くらい前になるかなあ……『城下町』に移民で入ってきた人の中に、その手の異能の持ち主がいてさ。私の姿を見た瞬間『おげええええっ!』って……こっちが軽くトラウマ。

 

 なので、そういう人と会う時は、指輪でステータスを隠蔽した上で会うか……隠したくない場合は、あらかじめ精神防御系のアイテムを持っておいてもらってから会うようにしてるの。

 アルシェちゃんも、ふらついて倒れそうになってたけど……どうにか耐えてた。

 

 なお、その時に一緒に、エオンの位階についてもカミングアウト済みです。こないだ第10位階までようやく使えるようになったんだよね。

 

 そんな感じで、超越級の存在と親戚になりますのでよろしく。

 あと、第10位階くらいならここには使える子なんかゴロゴロいるから、びっくりするかもしれないけど……慣れてね。

 

 将来、あなたが産むことになるエオンの子も……多分、第8位階くらいまでは余裕で使えるようになると思うし。

 

 さて、それじゃあ……家族が増えることも決まったし、そのための準備も色々始めるとしますか。

 差し当たって、ろくでなしだっていう両親のところから、アルシェちゃんはもちろん……妹さん2人を助け出すための手配をしなくちゃね。

 もう手は考えてあるから、ささっとやっちゃおう。

 

 

 

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