第9話 ふー子、悪夢からの大騒動!? の巻
天国の朝。
ふー子はふわふわの雲ベッドの上で気持ちよく丸まって眠っり夢を見ていた。
アップテンポで流れる、かつて下界で観たアニメのオープニング。
野良猫の主人公・にゃんたと仲間たちが、
謎の鎧武者に支配された動物村を救うため旅をする、あの物語。
ふー子は当時を思い出しながら夢の中でワクワクしていた。
「にゃんた達がいれば、村も楽勝で救えるにゃ〜♪」
たっぷり油断したその瞬間。
ドォォンッ!!
雲を裂くような衝撃音とともに、
画面いっぱいに“白イタチヨロイ”のアップ。
両手に刀。
目は釣り上がり、耳まで裂けた口。
子供がみるアニメに出て良いキャラでは無い。
夢とはいえ、まさに魔王!!
「にゃああああああああああああ!!!!!」
ふー子は叫びながら飛び起き、雲ベッドを転げ落ちた。
慌てて駆けつける仲間たち。
ミケミケ
「ふー子!? 大丈夫!?」
クロベエ
「すげぇ声が響いたが……何があった?」
白雪
「お怪我はなくて? とても苦しそうな声でしたわ」
ふー子
「に、にゃんでもないにゃ!
ちょっと、ちょっとだけ怖い夢を……!」
そこへ、胸を張ったコロが登場。
コロ
「ま、まさかふー子先輩……
シロクマ長老との激闘を思い出してしまったんじゃ……!?」
ふー子
「(いや、シロクマ長老は関係ないにゃ……!!)」
だがコロは止まらない。
コロ
「ぼくは忘れません!!
雷のような咆哮! 大地を割る足踏み!!
あの白い巨体と、ふー子先輩が真正面から対峙したあの瞬間を!!」
ふー子
「(地割れなんて一回もしてないにゃ!?)」
白雪はコロの話を静かに聞き、上品に感心した顔をする。
白雪
「まぁ……そのような壮絶な戦いが……
ふー子さん、なんて勇ましいのかしら」
ふー子
「にゃ、にゃあぁぁ……」
(心の声:違うにゃああああ!)
ミケミケ
「……コロ、まだ勘違いしてるのね」
クロベエ
「まあ、本人楽しそうだからいいけどな」
ミケミケは苦笑しながら肩をすくめる。
ふー子はそっと白雪を見る。
白雪は余裕の笑顔で、コロの語りに相槌をうち、揺るがない。
ふー子
「(し、白雪……なんか余裕ありすぎにゃ!?
もしかして……この子、強い……!?)」
背中がピンと固くなる。
ミケミケ
「ふー子、本当に大丈夫? なんか汗すごいよ?」
白雪
「もし体調が悪いのでしたら、無理なさらずに」
ふー子
「ちょ、ちょっと……体調が……
にゃ、にゃのでトイレに……失礼するにゃ……!!」
スタタタッ!
ふー子は雲トイレへ全力で撤退していった。
残された仲間達は顔を見合わせる。
白雪
「どうなさったのかしら……?」
ミケミケ
「さぁねぇ。ふー子にも色々あるのよ、たぶん」
コロ
「ふー子先輩……きっと戦いの記憶がフラッシュバックを……!」
ミケミケ
「(完全に間違ってる……)」
雲トイレの中でひとり、膝を抱えて落ち込むふー子。
「このままじゃマズいにゃ ⋯」
次回予告
最近まったりできていない事に気づいたふー子。このままではタイトル詐欺でJAR○に通報されてしまう!!
ふー子はトラウマ克服の為 ⋯白雪を女子会に誘う !!