第11話 女子会 中篇(白雪克服への道は険しいにゃ)
天国の小道を、ふー子・ミケミケ・白雪・コロの四人が並んで歩いていた。
もちろん、ふー子の狙いはひとつ。
(今日は……絶対に白雪とマンツーマンにならないように動くにゃ!
コロ……あなたが盾にゃ……!)
コロはニコニコと、いつも以上に呑気そうに歩いている。
ミケミケと白雪は、すっかり仲良く会話していた。
ミケミケ「白雪さん、前に言ってた姫様ってどんな子?」
白雪「とても可愛い方でしたよ。毎日やんちゃで……ふふ」
ふー子は不思議そうに二人を見上げる。
(えっ……いつの間にこんなに仲良くなったにゃ……?
ミケミケ、コミュ力おばけすぎるにゃ……)
白雪は白雪で、ふー子を気にかけるように時々こちらを見る。
その度に、ふー子は慌てて視線をそらし、コロの後ろに隠れた。
コロ「ふー子先輩、ぼくの後ろにずっといると歩きづらいですよ〜」
ふー子「気にするにゃ。盾の使命を全うしてもらうにゃ」
コロ「え、使命!?」
ミケミケ(あー……今日はふー子を白雪さんに慣らす日だったっけ……)
――そして四人は、いつもの「ほんわかカフェ」に到着した。
ふー子は心の中でガッツポーズをとる。
(ここは四角いテーブルが多いにゃ!
白雪の横にミケミケ、正面にコロ
そしてその横にふー子……!
これなら顔を合わせなくて済む完璧配置にゃ!!
なんという策士……ふふふ……)
ひとり、こっそりほくそ笑むふー子。
他の三人はその奇妙な笑みを見て首をかしげた。
しかし――
店員「はーい、四名様ですね。丸テーブルへどうぞ〜」
ふー子「……………………にゃ?」
案内されたのは、よりによって 丸テーブル。
(そ、そんな……!!
よりによって“丸”!?
どこ座っても白雪と向き合う可能性あるにゃ!?
ふー子生涯最大の誤算……!!)
ふー子は椅子の前で固まった。
そこへ、コロがふわりと笑った。
「ふー子先輩、白雪さんともっと仲良くなりたいんですよね?」
コロは気を使って、
白雪の隣にふー子とミケミケが座るように椅子を引いた。
自分は反対側に座る。
(コローーーー!!
違うにゃ!!今日こそ“盾”の役割を果たす日だったにゃーーー!!)
ふー子の計画は1秒で瓦解した。
しかし逃げ場はない。
とりあえず、お茶とお菓子を頼むことで気持ちを落ち着けようとした。
やがて、各々に飲み物が配られ――
緩やかな談笑タイムが始まった。
ミケミケは、さりげなくふー子と白雪が話しやすいように会話を振る。
ミケミケ「ねぇ白雪さんって、姫様の教育係だったんでしょ?
ふー子も、ちょっと興味あるみたいよ?」
ふー子「えっ!?」
白雪は優しく微笑んでふー子に向き直る。
「よろしければ……少しお話ししましょうか?」
その瞬間――
ふー子「ひゃあっ!」
緊張しすぎて、ふー子の手が震え、飲み物がカップから零れた。
コロ「ふ、ふー子先輩ーっ!?」
慌てるふー子より早く、
白雪が静かにハンカチを広げ、手際よく拭いてくれた。
白雪「大丈夫ですよ。ふー子さん、やけどしていませんか?」
ミケミケも顔をしかめつつ、心配して覗き込む。
ミケミケ「もう、しょうがないわね……でも大丈夫? 手、痛くない?」
ふー子は赤くなりながら、小さく頷いた。
「ありがとにゃ……白雪、ミケミケ……
コロも落ち着けにゃ……そんなにオロオロしなくていいにゃ……」
コロ「で、でも! びっくりして!」
ふー子は白雪とミケミケの息の合ったサポートを見て、
ふと心の奥が温かくなるのを感じた。
(ふたりとも……お姉さんみたいだにゃ……
どうしてこんなに仲いいんにゃ?)
気になったふー子は、勇気を振り絞って尋ねた。
ふー子「そ、それにゃ……ミケミケと白雪、いつの間にそんな仲良くなったにゃ……?」
白雪は優しく微笑んだ。
「その話は……新しい飲み物が来てからにしましょう。
焦らず、ゆっくりでいいんですよ、ふー子さん」
白雪の微笑みは、
ふー子の心に焼きついている“白い鎧のイタチ”とは違い――
氷が溶けるように、柔らかくあたたかいものだった。
(あれ……? 思ってたより……ずっと、怖くないにゃ……)
――女子会・中篇、ここまで。
つづく(後篇へ)
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