ふー子のまったり天国ライフ   作:猫太鼓

18 / 18
ほっこり風の草原 の巻 後編

第17話 ほっこり風の草原 の巻 後編

 

ふー子たちがひとしきり走り回った頃、

草原の風はすっかり穏やかになり、

日差しもやわらかい金色に変わっていた。

 

ミケミケが持ってきた水筒をふりながら言う。

 

「そろそろ休憩にしましょ。ふー子もクロベエも、汗だくよ?」

 

ふー子はその場にダイブ。

 

「にゃ~~……いっぱい走ったにゃ……!」

 

クロベエもドサっと座り込み、額をぬぐう。

 

「はぁー……おまえ元気すぎんだよ。

 ……でもよ、楽しかったじゃねぇか」

 

ふー子はむくっと顔を上げた。

 

「そうにゃ! クロベエも楽しそうだったにゃ!」

 

「た、楽し……いや、まぁ……走るのも悪くねぇよ」

 

ミケミケはニヤリ。

 

「ほらね。あんた、やっぱ甘いのよ」

 

「うるせぇ! 俺はただ見張ってただけだっての!」

 

白雪は柔らかく笑いながら、おやつを配る。

 

「はい、皆さんどうぞ。ちょっとしたおやつですわ。草原で食べると美味しいのです」

 

コロが目を輝かせた。

 

「わぁ……白雪さん、ありがとうございますっ……!

 こ、こんな美味しそうなの、た、食べていいんですか……!」

 

「もちろんよ、コロさん。いっぱい走りましたものね」

 

「はいぃ……!」

 

ふー子がもぐもぐ食べながら言う。

 

「白雪のおやつは美味しいにゃー!」

 

「ふふ……よかったです」

 

ミケミケは草をむしりながら、遠くを見た。

 

「しかし、こんなのんびりも悪くないわねぇ。

 みんなで集まるの、やっぱり好きだわ」

 

クロベエも空を眺める。

 

「……ああ。たまにはこういうのもいいな。

 なんつーか、落ち着くっていうかよ」

 

ふー子は両手をひろげてゴロンと寝転がる。

 

「天国は広いにゃー……風が気持ちいいにゃー……!」

 

コロが真似して寝転ぶ。

 

「ふわぁ……き、気持ちいい……ふー子先輩、これいいです……!」

 

白雪はその姿を見守りながら、小さくつぶやいた。

 

「皆さん、本当に仲が良いのね……こんな時間がずっと続けばいいのに」

 

ミケミケが肩をすくめる。

 

「続くわよ。天国だもの。

 そりゃ細かいことは色々あるけど……でも、こうして笑う時間はいくらでもあるわ」

 

クロベエがふと、小さく鼻で笑った。

 

「そうだな。

 ……ま、俺がついてりゃ心配ねぇよ。コロもふー子も、そこの猫も白雪も」

 

ミケミケがジト目。

 

「“そこの猫”って何よ。名前呼びなさいよ」

 

「へいへい……ミケミケ」

 

「よろしい」

 

ふー子はゆらゆら尻尾を揺らしながら、ぽつり。

 

「仲間っていいにゃ……おじさんもにこにこして見てそうにゃ」

 

白雪が優しく頷いた。

 

「ええ、きっと笑ってますわ。

 あなたが今日も元気に遊んでいたこと……絶対にね」

 

ふー子は照れながら顔を埋める。

 

「……にゃふ」

 

* * *

 

夕方。

空が少しだけ桃色になった頃、

みんなでお弁当の片づけをして帰り支度をする。

 

クロベエが最後の荷物を持ち上げながら言った。

 

「よし、帰るか。今日はゆっくり寝られそうだ」

 

ミケミケも頷く。

 

「明日も晴れるといいわねぇ」

 

白雪はふー子の頭をそっと撫でた。

 

「楽しかったですね、ふー子さん」

 

「うんにゃ! また行きたいにゃ!」

 

コロはニコニコしながら尻尾を振る。

 

「ぼ、ぼくも……ま、また皆さんと……!」

 

クロベエがふー子の前に立つ。

 

「おい。帰り道で走り出すなよ?

 疲れてんだから、ゆっくり行くぞ」

 

「わかってるにゃ! ……たぶん」

 

「“たぶん”じゃねぇっ!」

 

そのやり取りに、みんながクスッと笑った。

 

天国の夕暮れの草原を、

ふー子たちは並んで歩き始める。

 

今日も、優しい一日だった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。