おっぱいと妄想はいくら盛っても良い、と誰かが言った気がしました。
―私は何をしている?
流れ落ちる体液もそのままに、私は目的も無く故郷の大地を彷徨う。体に漲っていたJジュエルの力はギリギリの生命活動の維持に回す他無く。「何故?」と言う思いと「敗れたのだ」と言う思いが纏まらない思考を埋め尽くす。
あの時――空中庭園にまで原種に攻め込まれた、あの時。建造されていたジェイアーク艦隊も“頭脳”となる筈だったトモロタイプの生体コンピューターが早々にゾンダーの餌食となり、原種と十全に渡り合えるよう設計されたジェイアークも頭脳が無ければメガフュージョンも行使し得ず、原種と対消滅するよう制作されたアルマも原種に触れる事敵わずに封殺された。
あの時――私を含む残ったソルダート部隊と腕原種との決戦。私の光刃は確かに腕原種に届いたが逆に奴の攻撃も私の命に届きかけた。結果このザマだ。護るべき主も故郷も、何一つ出来ずに半死半生のまま彷徨う敗残兵・・・
それが私、ソルダートJ-№002だ。
どれくらい歩いたのだろうか?聞こえるのは自分の荒い呼吸と引き摺る様な足音のみ。このまま力尽きるのか、この、ソルダート部隊のサイボーグである私が。死する事に恐れはない。だが戦いもせず、戦いの果てに倒れる事も出来ずに敗北したまま衰弱死する事は受け入れる事が出来ない。私はソルダート。戦いに生き、戦いに倒れる事を運命づけられたサイボーグ。何も成せずに倒れる事は胸中に残された矜持に反する。
「ハァハァ・・・クッ!」
体力も底を突き、無様に倒れ伏す。何という姿だ、ならばせめて最後は己の手で・・・そう思い掛けた時、目の前に影が差す。友軍・・・はあり得ない。であれば、敵。気力を振り絞り影の主を見れば艦船を模したと思われる体に歯車、細い手足を生やし、ギョロリと動く目玉が特徴の異形・・・原種では無いな、確たる姿を保っているという事はゾンダーロボ、か?いやコヤツは
「ゾンダリアンか・・・!」
ウギュルィィィィ、と泣き声とも呻きとも分からぬ音を発しながらこちらを睥睨するゾンダリアン、他とはぐれ姿を現した個体か、と考えたがすぐに自嘲の笑みを浮かべる。最早
「フッ、力尽きる前にこのような場を与えられるとはな。死出の旅路、付き合って貰うぞ!」
私の最後に相応しい舞台を整えてくれたゾンダリアンに感謝すら感じながらラディアントリッパーを展開し、構える。対するゾンダリアンは身動き一つしないどころか構えもしない。恐怖に慄く訳でも無く、戦いの興奮に身を震わせる事も無く、一つだけの目玉でジッと私を見つめるのみ。
「どうした、臆したか!ならばこちらから行くぞ!」
裂帛の気合と共に駆けだそうとした正にその瞬間、ゾンダリアンから発せられた問いに思わず足を止めてしまう。
「な・・・何を」
『お前は それで 良いのかと言っている。敗北したまま負けたまま。勝利を掴む事無く倒れるのがお前の望みなのか』
コイツは何を言っている?惑わされるな002!アレはただの鳴き声だ、意思を、中身を持たぬただの音だ!己に言い聞かせるも重い鎖の如く、ヤツの言葉が私に絡みつく。敗北のまま、倒れる。護れぬまま、死す。そんな事は私の矜持が許さn
「黙れッ!虚言で私を惑わすか!こ『この光刃で?』で・・・!?」
『どうした、ソルダート。手にしている
『ならばすぐにでも実行せよ。その千々に乱れた心で実行できるのであれば、だが』
腕が動かない、否、動けない。体力を失い過ぎた故なのか敗北を受け入れる事が出来ぬという思い故なのか・・・いや私は悟ってしまったのだ、ゾンダリアンのたった一言に揺れてしまった心、“このまま死にたく無い”と言う思いに心が傾いてしまっている事を。
Jジュエルの輝きが薄れて来ている事も自覚出来ず、動けぬ私の目の前に気が付けばゾンダリアンが居た。だがヤツに攻撃する気配はないどころかこちらを覗き込んでいる。ここで初めて奴の目玉を間近で見る事になったのだが、僅かな違和感を感じる。違和感と言うか・・・微かな理性の光・・・か?コヤツ等にはコヤツ等なりの理念が存在するのだろうが、それとも異なる光。コレは一体?
『己の命と引き換えに敵を討つ・・・それはそれで価値のある死だと言えるだろう。だがワタシはこうも思うのだ、それは自己満足に浸っているだけではないか、とな』
『思うにお前は“生き汚さ”が足りない。例え泥に塗れようと譲れないモノ・・・お前には無いのか?ワタシにはト*ロとしての責務がある!・・・ワタシは何を言った?***?ナンだソレは』
『ソルダート・・・お前はここで倒れて良い器では無い。機界昇華のため/来たるべき復活を信じて受け入れろ』
『お前の戦いはまだ終わってはいない』
愕然とすると同時に腑に落ちた。そうか、コヤツは・・・お前はトモロだったのか。原種にゾンダー化され情報を吸い出されて捨て駒にされたとばかり思っていたが、お前の様な存在も居たのだな。その大半を侵食されたにも関わらず、僅かに残った意思で私を導きに来たのか。ならば。ならば私にも出来る筈だ。ゾンダーメタルに敗北せず、己を貫き通してみせる。そしていつかソルダートとしての使命を・・・
光を失ったJジュエルの上からゾンダーメタルが押し当てられ、私の意識は闇に落ちた。
ゾンダーメタルがソルダートを飲み込み、変化が始まった事をゾンダリアン・・・ペンチノンは見ながら成功を確信する。手負いとは言えソルダートの個体、戦って負けるとは思わないが無傷では済まされない。取り込めるのであればそちらの方が合理的であり機界昇華の同志はいるに越した事はないし戦友を見捨てる事のも忍びない。直にこの星も機界昇華に呑まれ助かるモノは存在しないだろう、崇高な機界昇華が果たされ、素晴らしい世界がまた一つ完成する事は喜ばしい。
このソルダートがどちらに転ぶかは未知数、だが弱っているとはいえ赤の星が創り出した戦闘サイボーグの強度に期待し、戦友として彼を信じている。変化を見届け共に報告へ戻ろう、そう考えていた時に背後から聞こえる物音に振り返る。
「敵・・・ゾンダリアンを発見・・・赤の星の障害は・・・俺が・・・斬る!」
私が作り変えられる。体の内側が食い破られ、新しいナニカに置き換わっていく。絶え間なく続く不快感と痛みに意識が遠のきかける。私はコノママ・・・
『それでいいのか』
脳裏に響く言葉に意識を引き戻す。そうだ、私は戦わなくてはならない。この程度の痛みに、苦痛に屈する訳にはゆかぬ!
→目を覚ます
『鬱陶しい。腐ってもソルダート師団という事か』
ペンチノンは会敵以来無言で攻撃を続けるソルダートへ対処を続けていた。捌く事は可能でまれに攻撃を受けたとしても自己修復の範囲内、だがこちらの攻撃が当たらない。ここでソルダートが時間を稼ぐ意味も無いだろうに困ったものだ、とペンチノンは油断していた。だがそれは2重の出来事で覆される。
「・・・好機」
1つはソルダートによる、ペンチノンの想定を超えた速度での一撃。全てはこの一撃の布石だったという事か。もう1つは咄嗟にかざした腕ごと切り裂かれる・・・寸前の
『全速で下がれ。細切れになる前にな』
の声。遮二無二後ろへ下がれば斬り飛ばされた己の左腕の先端とソルダートの一撃を止めている背中が見えた。猛禽を思わせる爪を持つ手足、細長い骨の様な左右対称の肩当、翼ともマントとも取れるような物に身を包んだ、逆髪長身の男。
『
『手出し無用、コイツは私が闘る』
『よかろう、お前に任せるぞ、同胞よ。その力、見せて貰う』
ペンチノンは自身のダメージよりも完全な状態で生まれ変わったゾンダリアンを見て感嘆の言葉を漏らす。そしてその言葉に逆らわずダメージを修復すると傍観の態勢に入る。
『待たせたな、慣らしも兼ねて相手をしてやる。簡単に倒れてくれるなよ?』
「その姿・・・よもやソルダート師団の一員、なのか・・・見るに堪えぬ堕した姿、せめてもの手向けに俺が
言い終えるや否や同時に踏み込み交わる2つの影。光刃が、爪が、何度も火花を散らす。地上のみならず気が付くと戦闘の場は空中へと移っていた。ペンチノンはただ、静かに見守っていた。
『遅い遅い!そんなものか赤の星の戦士よ!』
「笑止・・・この大地こそ、大空こそ我等が戦場、遅れなど取るものかよ・・・!」
何度目かの空中での激突後、距離を取り正対する
(慣らしは終わりだ。思い出すなぁ01*、次に動くのだろう?戦士よ、刈り取らせて貰う)
(大口を叩くだけの事はある・・・未完成とは言え我が必殺の一刀、乾坤一擲を賭さん)
「雄オオォオ!」
雄叫びと共に機会をうかがいながら溜めたJジュエルのパワーを解き放ち、瞬時に距離を詰めた勢いのまま振り抜かれた斬撃は一瞬とは言え光を置き去りにした。それに対応しきれぬゾンダリアンは体を上下に泣き別れになり勝敗は決した、
『斬撃の後にその軌跡が追い付く、か。至りかけたのだな、0*4。その命、私が狩る!』
筈だった。耳元で聞こえる、あり得ない声と胸を焼く焦熱、そこから生えたゾンダリアンの腕。
「な・・・何故・・・」
『何故も何も。間合いを見切り背後へ回り込む、ただそれだけの事だろう?』
無造作に胸から引き抜かれる腕、乾いた音と共に光刀が零れ落ち、膝を着くソルダート。気力で振り返り目にしたものは右手を無傷で佇むゾンダリアン。勝敗は決した、ソルダートたる自分の敗北で。だがそれ以上にソルダート・・・J-014を驚愕せしめた事実。
「ま・・・間合いを外し瞬時に背後へ・・・そ、その技は・・・多重加速は・・・お前は・・・す、済まぬ002・・・
『中々にコクのある闘争だった。誇るが良い、我が糧となれた事を!絶技、見事なり』
『終わったようだな。その戦闘力、素晴らしい。そういえば名乗っていなかったな、私の名はペンチノン。お前は・・・名乗れるのか?』
戦いの終わりを見届け、右腕を振るい付着した血を払っている
これは赤の星が機界昇華で消滅する、直前の出来事である。
赤と紫で思考が入り乱れているのを表現したかったんですが、果たして・・・
・J-014
口調のモデルは真・三国無双の周泰、中身のモデルは剣聖・葦名一心。14=いち、し=一心、的な。
ぶっちゃけ「斬って・・・やれぬか・・・」が言いたいだけでした。
頑張れば葦名十文字は放てたかもしれない。
・ペンチノンとの会話
回想シーンでペンチノンと会話してた気がしたんですが、見直してみてもフラッシュバックばっかで会話が見当たらない?存在しない記憶だったのかな?
一応「お前の戦いはまだ終わっていない」というセリフ自体は本編34話にて覚醒した戒道君が死にかけピッツァに向けた言葉ではあります。
ピッツァと言う名は捨てた!って割にはトモロをペンチノン呼ばわりしてるJ。自分は「や~いお前機界四天王ピッツァ~」って言われたらバチ切れしそうなのに。
・多重加速?002ってそんな技あったっけ?
妄想です。頭の中の精神科医のDr.林も言ってました。
多重加速なんて大層な名前ですが2段クイックブースト的な動きを想定。
一々下がって背後に行くんじゃなくてそのまま背後取れんじゃね?とは自分でも思いました、ハイ。
ピクルの「高速で反復横跳びして当たって無い」みたいなのを思って頂ければ・・・
・Jジュエルにゾンダーメタル付けても無意味じゃね?
極度のエネルギー低下に加えJのメンタルブレイクにより機能停止した、と言う拡大解釈。
万全を期すなら019の様にJジュエルをカチ割ってゾンダーメタルくっ付けるのが安全だと思います。