仮面ライダージオウ 外伝 FUTURE大戦   作:ボルメテウスさん

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それは、一つの本を開く男の声から始まる。

「私の名はウォズ」

そう、この物語を最初に案内する黒衣の男、ウォズは、その手にある逢魔降臨暦を開く。

「この本によれば、常磐ソウゴは様々なレジェンド達と出会い、全てのライダーの力を手中に収めようとしていた。しかし」

それと共に映し出されたのは、とある戦いの場面。
世界を改変させたアナザーライダーの一体であるアナザージオウⅡとの戦いを終わりを迎えた時の出来事。
仮面ライダージオウこと常磐ソウゴは、その腰に装着されたジクウドライバーに装填されていたグランドジオウライドウォッチの変化に気づく。

「あれっ、これって」

それは、先程まで黄金に輝いていたはずのグランドジオウライドウォッチが、19のライドウォッチへと分離された瞬間だった。
そして、その変化は、彼だけではなかった。

「何が起きてっ」「これは、厄介だな」

その変化は、ゲイツの持つゲイツリバイブ、ウォズの持つギンガファイナリーのライドウォッチまで影響を及ぼした。

「・・・これは想定外だな」

それを見た事態の張本人であったスウォルツは舌打ちをする。
先程、彼は仮面ライダーの1人であるディケイドの力を奪ったばかりだ。
だが、ディケイドの力の影響なのか、それとも別の影響か。
ソウゴ達のライダーの一部に変化が起きた。

「計画を少し変更する必要があるようだな」

それと共にスウォルツはその場を去っていた。

「スウォルツによって、我が魔王を含め、我々の力が一部が失われてしまった。だが、それによって起きた出来事は、それだけではなかった」

同時に、見つめた先。
そこには、ウォズと似た格好をした男達が複数現れる。

「これらの事態により、我が魔王に再び力を取り戻す為に新たな道を作り出す事になった。その結果」

そう、ウォズが見つめた先には、ジオウが、オーマジオウフォームへと変身した瞬間が映し出されていた。

「新たな我が王の戦いが描かれる。だが、皆さんは知っているだろうか」

ウォズの一言と共に。

「そもそも、なぜ、あれらのライドウォッチが彼らの手元にあったのか」

そうしながら、クォーツァー達が持つBLACKRXを含めたライダー達のライドウォッチ。

「なぜ、ドライブライドウォッチを手に入れた経緯が異なっていたのか」

そうして、アナザードライブとの戦いと戦国時代へと向かったソウゴ達の映像。

「なぜ、二つの物語が誕生したのか」

笑みを浮かべたウォズは笑みを浮かべる。

「これは、そんなもしもの物語」

そんなウォズの横に現れたのは、一つの人影。

腰には銃があり、テンガンハットはまるでガンマンを思わせる姿。

その腰にあるのは、トリガーの付いたピストルグリップにリボルバー弾倉が特徴的なドライバー。

「常磐ソウゴと、皆さんが知らないアナザーライダー。そして、本来ならば出会う事のなかった未来の仮面ライダー達との共闘」

まるで、その言葉が合図のように、そのライダーは腰にある銃をくるりと回して、引き金を引く。

そうして、穴を開いたのは、一つの手配書。

「これは、そんな未来の狭間の物語。FUTURE大戦の物語である」


2023:始まりの弾丸

クジゴジ堂の居間は静寂に包まれていた。テーブルの上には無数のライドウォッチが散らばり、特に目立つのは完全に機能停止した5つのウォッチだ—ジオウⅡライドウォッチ、ゲイツリバイブライドウォッチ、ジオウトリニティライドウォッチ、そしてギンガミライドウォッチ。どれも外殻に亀裂が入り、内部機構がむき出しになっている。

 

常磐ソウゴは眉間にしわを寄せながら椅子に座り、机上の残骸を見つめていた。隣の明光院ゲイツは拳を握り締め、奥歯を噛みしめている。ツクヨミは不安げな表情で指先を絡ませ、ウォズは冷静を装いつつもの瞳に鋭さが宿っていた。

 

「叔父さんの言う通りだけど、これじゃあ使い物にならないね」

 

ソウゴは特に気にした様子もなく、気の抜けた呟きに、ゲイツが即座に反応した。

 

「問題はそれだけじゃない! スウォルツの奴はディケイドの力だけでなく、ツクヨミの力も奪ったんだぞ!ここから、どうするのか!」

 

彼の声には明らかな焦燥が滲んでいた。テーブルを叩く音が空気を震わせる。

 

ツクヨミもまたため息を吐く。

 

「スウォルツは、何を企んでいるのか。その上、あのジオウの姿も出来ないんでしょ」

 

「そうなんだよねぇ、何が原因なのか分からないけど、まぁ大丈夫でしょ」

 

ソウゴは意外にも穏やかな口調で言った。立ち上がり、割れたジオウⅡウォッチを慎重に拾い上げる。

 

「確かに今は使えないけど、これでもなんとかなる気がする」

 

その言葉にゲイツは呆れ顔で息を吐いた。

 

「おいおい、根拠もなく言い切るなよ。スウォルツの野郎が今頃どうしてるかなんて……」

 

「スウォルツだけじゃない」

 

突然ウォズが言葉を挟んだ。

 

「我が魔王が仰るように、これは単なる力の消失ではない。別の『可能性』が裏で蠢いているのだ」

 

ツクヨミが身を乗り出した。「何言ってるの? ウォズ」

 

「例えば――」

 

ウォズは、その手にある本を閉じると。

 

「本来なら存在しなかった未来の邂逅が、既に起こり始めているかもしれないという話だ」

 

「本来ならば、起こらない未来。それって、もしかして、未来の仮面ライダー!」

 

ウォズの話を聞いたソウゴは、そのまま呟いたのは、未来の仮面ライダー。

 

かつて、もう一つの未来から来たウォズこと白ウォズによって本来の歴史とは異なる未来から呼ばれた仮面ライダー達。

 

ソウゴ達が出会った、シノビ、クイズ、キカイの3人は、オーマジオウことソウゴが倒された未来で誕生したライダーである。

 

「既にあの時から、全く別の未来へと歩み出した以上は、本来ならば交わることのない運命が存在することも想像できるということです。そして―」

 

それと共にウォズは机の上に置いてあったライドウォッチの一つを手に取る。

 

「もう一度会えるチャンスはあるかもって事?」

 

「我が魔王次第でしょう」

 

ウォズの言葉を聞いていたゲイツとツクヨミも互いに顔を見合わせると小さく肩を竦めた。

 

「まぁ確かにスウォルツも黙っていないだろうし……警戒しておくに越したことは無いだろうな」

 

「とにかく今は、このライドウォッチをなんとかしないといけない。俺たちの戦いはまだ終わってない」

 

そう言って決意を新たにする二人。

 

クジゴジ堂の空気が一変したのは、ツクヨミが突然叫んだときだった。

 

「待って!」

 

その声は甲高くなりすぎず、だが全員の注意を引くには十分だった。彼女は両手を胸元で組み合わせたまま窓際に駆け寄り、外を指差した。ソウゴとゲイツも反射的に振り返る。ウォズだけはわずかに首を傾げただけだった

 

「あれを見て!」

 

ツクヨミが指差した先——街の中心部から黒煙が幾筋も立ち昇っていた。ソウゴが目を凝らすと、次々と建物が崩落していくのが見える。

 

「……誰かが暴れてる?」

 

ゲイツが眉間に皺を寄せた。

 

その時、轟音と共に新しく巨大な炎柱が噴き上がった。驚愕すべきことに、炎の中から不自然な青色の閃光が断続的に放たれている。ソウゴの目に映るのは、明らかに普通の火災ではない——まるで何かが意図的に街を破壊しているかのような光景だった。

 

「見て……あそこ」

 

ツクヨミが指を微調整した。視界の中で建物群より少し高い空中に一点の影があった。

 

人型だが、その影が不規則に揺らぎながら移動しているのがわかる。そしてその動きに合わせて——地上ではまた一つ建物が粉塵となって消えていく。

 

「青い光弾か……?」

 

ウォズが静かに呟いた。

 

「通常の爆発とは異質だ。指向性と精密性が高い」

 

「スウォルツか?」

 

ゲイツが警戒心露わに拳を固めた。

 

「分からない、けれど、このまま放っておけないよ」

 

「あぁ、とにかく急ぐぞ」

 

それと共に、そのまま全員が走り出す。

 

クジコジ党から出たソウゴ達。

 

赤熱した粒子がソウゴの周囲を煌めく。仮面ライダージオウ・フォーゼアームズは全身に搭載された推進装置が咆哮をあげ、その姿はまさに宇宙飛行士の勇猛さを宿していた。両肩のフェアリングフラッパーは盾となりながらも推進翼へと切り替わり、赤き軌跡を描く。その双眸に刻まれた「フォーゼ」の文字が決意を込めて輝いた。

 

一方のゲイツWアームズは対照的だった。風圧が渦巻き、黒と緑の二色が織り成す装甲が陽光を撥ね返す。胸部に据えられたWのメタリックな輪郭が雄弁に変身の真実を語っていた。頭部のW字型装甲が風圧を受け流し、その複眼に浮かぶ「だぶる」の文字が冷徹な観察眼を示していた。

 

「行くぜ!」

 

ソウゴの掛け声と共に、両者の飛翔が始まった。ジオウのブースターモジュールから迸る炎が轟音を奏で、地面を焦がしながら一気に高度を上げていく。その傍らでゲイツの装甲が緑と黒の旋風を纏い、空気抵抗さえ味方につけた優雅な飛行を見せた。二人の異なる飛翔スタイルが交錯しながら、青い光芒が穿つ方向へ一直線に突き進む。

 

眼下には被害が広がっていた。建物の骨組みが剥き出しになり、道路は陥没し、避難する市民の群れが恐怖に追われて散っていく。その混乱を招いた元凶は、遥か高空に佇んでいた。

 

青い人影──いや、もはや影ではなかった。

 

青い人影が空中で静止していた。ジオウとゲイツは近づくにつれ、それが仮面ライダーだと認識する。

 

「知らない仮面ライダーだけど、どっちだろう」

 

そう、2人は、その存在を知らない仮面ライダーサイガは、2人を認識する。

 

(ただ、感じるのは敵意っ)

 

ソウゴの脳裏を掠める違和感。だが躊躇はない。空中で相対した途端、サイガのバックパックにある銃が展開し、碧い光条が雨霰と降り注いだ。

 

「来るぞ!」

 

ゲイツの警告は風を斬る叫びに変わった。

 

ソウゴは瞬時にロケットブースターをフルパワー稼働。後方で爆発のような炎を噴き上げ、急角度で螺旋上昇。青い光弾が真下のビル群を抉る。コンクリートが砕け散る轟音が遅れて響く。

 

(速い……! だが読める)

 

視界の隅でサイガが首を振る。次の射角を探るような滑らかな機械的な動作。その刹那の隙を狙い、推進剤の残量と射線を計算──

 

「今だ!」

 

左腕のブースターを逆噴射し、空中で急制動。前方に突っ込んだ光弾が目標を逸れて空を抜けていく。

 

同じタイミングでゲイツは別方向へ。Wアームズの風操作能力が発動し、全身を包み込む。

 

「ヒュウゥ……ッ!」

 

疾風がゲイツの足元に竜巻を生み出し、垂直落下と水平回避を自在に混ぜ込む。まるで燕のように翻弄されぬ螺旋軌道。

 

「おっと!」

 

光弾の一本がゲイツの耳飾りを掠める。火花。髪一本分の誤差だった。

 

(こっちを狙ってきたか……)

 

ソウゴは心中で理解しながら、宙返りで光弾群を掻い潜る。フライングアタッカーが充填される淡い光。次波が来る!

 

「ゲイツ!」

 

「わかってる!」

 

言葉よりも速く動き出す。ソウゴは右腕を突き出し、「ロケットモジュール」のエネルギーをチャージ──

 

「ライダー! ロケットパーンチッ!!」

 

発射と同時に推進器点火。巨拳状の光球が空気を焼いてサイガへ直進!

 

対するサイガは肩のアタッカーを素早く引き抜くように前方へスライドさせて盾代わりに展開! 衝突!

 

爆ぜる光と金属片の衝撃波が、双方の装甲を激しく叩いた。風圧に煽られソウゴのロングジャケットがバサバサとはためく。

 

(硬い……!)

 

しかし怯む暇は与えられない。すぐさま距離を取り直すべく急加速。背後の空間を光弾が通過する。

 

(この空中戦……長期戦になると不利だ)

 

長期戦は不利だ──ソウゴの本能が警鐘を鳴らす。フォーゼアームズの推進剤は有限だし、Wアームズの風操作も長時間は精神集中を要する。地上の被害を考えても早期決着が必要だ。

 

(どうやって突破する?)

 

思案するソウゴの背筋を突如電流が走った。

 

(──来る!)

 

ゲイツも同時に察知したらしい。風圧を操作して急降下するその姿に迷いがない。戦場に漂うのは間違いなく“死”の予感。

 

刹那、

 

ドカンッ!!

 

炸裂音ではない。もっと鋭利で冷酷な音だった。サイガの胸部に突如として円形の穴が開いた。光弾など比較にならないほどの貫通力。直径十五センチほどの完全な穿孔が虚空を曝す。

 

「──!」

 

反応が遅れた。ソウゴの思考が追い付かない。ゲイツでさえ空中で硬直している。

 

その穴を中心に青い装甲が蜘蛛の巣状にひび割れ始めた。亀裂は急速に拡大し、内部機構を剥き出しにする。オイルではなく青いプラズマが漏れ出していた。

 

(銃撃……? どこからだ!?)

 

答えを得る前にサイガの体が歪んだ。自壊プロセスに入ったのだ。装甲が分解しつつありながらも未だ浮遊し続ける姿は異様に美しい。しかし次の瞬間──

 

ゴシャアァァッ!!

 

膨大なエネルギーが解放され、サイガの胴体から閃光が迸った。青い稲妻が四方八方に炸裂し、その衝撃波はソウゴとゲイツの装甲を容赦なく叩く。

 

爆風が渦を巻いた。ソウゴは咄嗟にブースターモジュールを逆噴射させようとしたが間に合わない。ゲイツも同様に風操作を試みるが乱気流に阻まれた。

 

(まずい──)

 

墜落の覚悟を決めかけたその瞬間だった。

 

「──ッ!」

 

轟音と共に突如出現した赤い閃光が爆風を切り裂いた。その姿を捉えたのは一瞬だった。銀色に輝く鋼鉄の装甲を持つ人影が疾走し、落下する2人の間を縫うように通過する。腰にはリボルバーを模した奇妙なドライバー──否、それは紛れもなくベルトだった。その存在はあまりにも異質で、しかし確かな力強さを持っていた。

 

「掴まれッ!」

 

低い男の声。その声の主は右手を伸ばし、落下中のソウゴの腕を掴んだ。続いて左手がゲイツの肩を支える。凄まじい重量がかかっているはずなのに微動だにしない。

 

「なっ──誰だ!?」

 

ゲイツが問いかけるが答えはない。代わりに彼は無言で加速した。地面が急速に近づくが、そのまま低空飛行に入る。砂塵が舞い上がる中、ようやく速度が緩んだところで2人は丁寧に地面に下ろされた。

 

ソウゴは立ち上がりながら目の前の人物を改めて見据えた。

 

銀色に光る鋼鉄の装甲。その表面には細かい傷が幾重にも刻まれているものの、磨かれた鏡面のごとき輝きを損なってはいない。最も特徴的なのはその頭部だ。赤いテンガンハットを深く被り、その下からは鋭い眼光が覗く。全身を覆う赤いジャケットと首元の白いマフラーが風を受けて靡いていた。

 

「……君は……?」

 

ソウゴが問いかけようと踏み出すと、謎のライダーは一歩退いた。そしてゆっくりと右手を胸元へやりながら名乗る。

 

「俺はガンナー。仮面ライダーガンナーだ」




こちらの方でミライダーに関する募集を行っています。
興味がありましたら、ぜひ。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=333405&uid=45956
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