呂布はふと目を覚ました。外は明るい。夜ではないのだろう。
「ぬおおおお。頭が割れるようだ!!また酒に負けたというのか!人中の、この呂奉先が!!!」
捕まって立ち上がり一歩目を踏み出し二歩目に踏んでしまった。
「階段でもないのに、なぜこんなことがおきるんだ!!フザケルナァッ!!」
ツボがガタガタいうほどの気迫は天井からつり下がる装飾品を落とすほどだった。
ポカ~~~ン
「敵だと!?・・・これは、飾り・・・ぐああああああ!!なんなんだ!!」
なんとか食卓に着いた呂布は、料理を運んで来るものに一瞬戸惑った。
「呂布殿。料理人が腹を壊しまして、代わりに、代わりにこの陳公台が腕によりをかけましたぞ!!」
「おまえはちまちまとした策とやらだけではないのか。」
箸を取りどんぶりに入れ、つまんで持ち上げる。麺が大量に箸につかまれていた。
一度戻し、ちょこんととって持ち上げると、つるり。もうちょっととって持ち上げたら、麵の塊が芋づる式にボンと出てきた。
「陳宮。お前は何を作ったんだ?」
「おや、これは麺、ラーメンですぞ。カニとイノシシとニンニクとふんだんなく味付けた花椒。なにより麺、麺の一体感がやがて訪れる呂布殿の天下のようにまとまっているのですぞ!!」
「・・・ふん。意外な一面を見せたな」
呂布は一切口をつけずに場をあとにした。
方天戟に手をかけようとすると、バチッと音が立った。呂布は手首で手を振り「ちっ、こうなったら山の猛獣に少しは楽しませてもらうか」慎重に方天戟をつかみ、肩にかついで、赤兎馬の厩舎に向かった。赤兎馬のつなぎを解くといきなり走り出した。「なんだと?マテ、おい!」
赤兎馬は少し離れたところでぶるぶるいっている。
「慌てなくてもすぐに走らせてやる。ったく・・・」
そして山に向かって颯爽と走るとバキィ!バキィ!呂布は枝に頭をぶつけてしまった。たんこぶがぷくーっと膨れた。
「ぬあああああ!!!!せっかくの休暇をなんだと思っている!!!」
山でホッキョクグマやライオン、キリンの蹴りもしっかりあしらい大勝利した。
「もう日が暮れそうだな。ふん、あんまり暴れた気がしないが、帰るか」
方天戟をしっかり台に置き振り向くと貂蝉がいた。
「奉先様、ああおはようございます。」
「ん?夕方ではないか。何を言っている?」
「はい奉先様は3時まで眠っていらっしゃいましたから。陳宮様のおやつはいかがでしたか?」
「な、休暇でも俺は鍛錬があってだな・・・」
「呂布殿、ではこの張文遠も共に夕食前の鍛練をご一緒してもよろしいか?」
「いや、よろしいが・・・よし楽しませてみろ!」
張遼は珍しく双戟ではなく偃月刀を構えていた。
(・・・左右じゃない、中心から一点。読めん。張遼はただの雑魚じゃない・・・)
カッ!カカカカ!!!
「雑魚がぁぁあああああ!!」
渾身の一撃が張遼の背後をとらえたが、カシィィィィィ!!!
張遼は振り向きもせず柄を背中に回していた。そして貂蝉が二人を呼ぶ。
「お食事ができました。お戻りくださいませ。」
「フン、張遼、お前にしては今日は頑張ったじゃないか」
「頑張るのはいつものこと、得物を変えて呂布殿がすこしでも困ればと・・・いつも通り私は受けのみでしたな。さて、貂蝉殿の料理が楽しみですな」
夕食には米とばらばらの大きさの野菜炒め。ヘナヘナの人参もあれば少し青臭い人参もはいっていた。もやし、ピーマン、食べてるうちに少しずつ、だが確かに確実にしたがびりびりとしびれる。
「陳公台の特製!特製野菜炒めですぞ!!花椒の色に染まったあんかけ、あんかけが最大の見せ場ですぞ」
そして呂布は布団に入った。
「明日は軍議、眠れん、遊んでない。さんざんな目に遭ったことしか覚えておらん!ふざけおって・・・」
寝てみたり、おきあがってみたり。
「外は明るいか。仕方がない」
立ち上がると腹部が鈍く痛い。
「筋肉痛?この俺が?」