「乾杯」
宴は始まった。周泰は2分で飲んでまた次いで2分で飲んでいた。
「おお周泰、ワシの強力な老酎を一口どうだ?」
周泰は盃を差し出し、「いただきます」
黄蓋は気を使って少しだけ入れた。現代で換算するとAlc60%は優に超える。
「・・・それだけか」
「なんと、これはよほど酒に強くなければおいそれとは飲めんぞ。・・・いいんだな?」
今度は盃にしっかり注いだ。周泰は盃を口にあてがい首を上に、一気飲みした。
「うまい酒だ・・・」
黄蓋は驚いていながらも
「う、うまそうに飲むではないか、もう一杯行くか?」
周泰はどこからかどんぶりサイズの盃を差し出した。「たっぷり頼みます」
黄蓋は青ざめながらも注ぐ。
「うまい酒だ」
もう空っぽだ。黄蓋はカラになった爵をもってすごすごと引き下がった。
相変わらず周泰は2分で飲みまた注ぐを繰り返している。気が付けばサントリーオールドの黒い瓶が5本並んでいた。
「おお、やってるな。周泰。おまえは目立たないからいいやつだ。俺と一杯酌み交わさないか?」
互いの酒を互いの盃に注いだ。
「ずいぶん木の匂いが強いし変な色の酒だな。どれどれ・・・」
今周泰の酒を受け取り飲んだのは韓当である。その韓当は口元を必死に抑え、飲み込むと今度は首元を抑え始めた。
「さ、酒なんだよな・・・ずいぶん味が強いぞ・・・」
韓当はそのまま座り込んだ。
周泰はなおも自分のペースでウィスキーを薄めもせずに飲む。
今度は甘寧だ。
「おーい周泰、俺の部下と一緒に飲み比べしねぇか?最後まで寝なかった奴が勝ちだ。野郎どもどんどんもってこい!!」
全員が足並みをそろえて同時に盃を傾ける。
ひとりが倒れ、また倒れ。
「よぉ・・・しゅうはい・・・おめぇ・・・いけんのか?」
周泰はその間も自分の酒を淡々と飲んでいた。
ついにラスボスの登場である。
「周泰ぃ~この私と飲み比べだ~~。こんっやこそ負けぬ」
そして2時間にわたり足並みをそろえて一緒に飲み続け、孫権がたおれた。
そも会場の7割がもうダウンしている。
周泰は淡々と飲んでいた。
翌朝9時頃だろうか。ちらほら起き上がって「頭いてぇ」と口々にする。
周泰の周りにはサントリーオールド15本、ジャックダニエル20本、ブラックニッカ26本がきれいに並んでいた。
さすがの周泰も・・・まだ飲んでいた。
「周泰、酔い覚ましに水か?」
「もう終わる。山崎だ」
3時間後昼の軍議に周泰も参加。当然孫権の一番近くでドンと立っている。
夕刻になり解散し、周泰は自宅に向かった。棚から透明な液体の瓶を取り出した。
「スピリタス・・・」
周泰はラッパ飲みした。そしておそしてぷはーっとして
「・・・また一口残ったか・・・」
本当におちょこ一杯分のウォッカが残っている。
「さて、飲むか」
屋敷の倉庫にはぎっしり詰まったウィスキーとブランデー。
夜も深まり、月を見ながら周泰は言う。
「赤壁は勝った。荊州を取る。」
そうして夜は深くなっていく・・・。