二つの最強が振るった一撃の交差点
◆呪術廻戦側
地面が裂け、大地がめくれ上がり、
空間そのものが“縦に割れた”。
鹿紫雲の前で、宿儺が低く呟く。
「番の流星──避けろよ」
──世界を断つ斬撃
刹那。
地平線を越え、空そのものまでが“壁紙のように”破れ、
黒い裂け目が一直線に伸びていく。
周囲の建物が、遅れて“切られたことに気づく”ようにずれ落ちる。
砂煙と共に、世界が悲鳴を上げて崩れ去ってゆく。
鹿紫雲一は確かに見た。
視界を埋め尽くす“世界そのものの断面”を。
宿儺は薄ら笑いのまま、刃を振り切る。
世界の理がひしゃげ、
重力すら歪むような「裂け目」が生まれた。
その断層は──
まだ閉じてはいなかった。
まるで、次の“何か”を待つように。
◆ヒロアカ側
奥渡島から雄英へ向かいながら──
雲を裂き、風を焦がしながら、
デクが全身の発光とともに落下してくる。
かつてないほど強い意思を帯びた瞳で、
決戦へ向かう。
「あれは──!」
アメリカからステルス機が急降下し、出久は4代目個性・黒鞭を巻きつけて一気にデクの身体を投げ出す。
身体が限界を超えて発光し、
黒い鞭が空中で鞭鳴りを上げ、
拳は光の尾を引いて燃え上がる。
その一撃は──
もはや「拳圧」ではない。
「──SMASH!!!」
衝撃波は直撃したオール・フォー・ワンもろとも、大気の膜を破り、
光が一点から爆ぜ、
空そのものが“白く軋む”
その瞬間。
大気に亀裂が走った。
デクの意志が、世界の膜へ到達したのだ。
──その“瞬間”が重なった。
呪いの世界では、
宿儺の「世界を断つ斬撃」が空間の断面を固定したまま残っていた。
個性の世界では、
デクの受け継がれし意志による一撃が“世界の膜の外側”にまで衝撃を到達させた。
世界の裂け目(宿儺)
×
世界の膜への衝撃(デク)
本来なら出会うはずのない二つの極は、
奇跡的に“亀裂の位相”を一致させた。
──そして、起きてはならないことが起きてしまった。
宿儺が作った“断層”は、
デクの想いの奔流に押し開かれ、
別世界の境界へと繋がり始めた。
裂け目は、歪んだ万華鏡のように多重化し、
色彩が混じり、
理(ことわり)が崩れ──
幻想郷の外壁に穴が空く。
一瞬だけ、結界の膜がたわむ。
その裂け目へ──
宿儺は“すべり落ち”、
オール・フォー・ワンは光の奔流に“押し出された”。
二つの化生が、
まったく同じ瞬間に、
まったく同じ異界へと落ちていく。
誰にも知られぬまま。
ただし──幻想郷は知っていた。
“怪物の到来”を。