両面宿儺、チェンソーマン世界に転生する。   作:大山海ジョニー

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見切り発車で行きます。


転生

愛とは一体どのようなものなのだろうか?

これは未だに俺にとっては分からない項目だ。少し興味が湧く。

それにしても俺は呪いとして生きると決めていたのにこんな思いになるとは、、、天晴れだ虎杖悠二。

まぁ、死んだのだからもはや関係ないがな。だが、小僧、、、虎杖悠二の言うように生まれ変われたのなら生き方を変えて、愛とやらを探し求めてもいいかもしれんな。そう、生まれ変われたのなら、、、

 

意識が段々と遠のき、暗闇に身が沈んでゆく。

これにて呪いの王、両面宿儺の魂は地獄に堕ちる"はず"だった。

 

 

 

なんの因果か彼は別時空の『チェンソーマン』の世界に転生してしまう。

 

 

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

 

 

 

俺の名は早川スグル、前世では呪いの王に君臨し、両面宿儺と呼ばれていたな。なんの因果か知らんが俺は前世の記憶をもって一般の人間にこの世界に転生してきた。そして一番気になるのは悪魔について。というのもこの世界、呪霊に近しいような悪魔という存在がいて、そいつらは人間に害をなすのでそいつらを狩るデビルハンターと呼ばれる呪術師と似た職業があるらしい。

 

 

「にいちゃん!にいちゃん!キャッチボールしてあそぼ!」

 

 

「あぁ、いいぞ」

 

 

目の前で縋り付いてくるこの子供の名は早川アキ、この世界においての俺の弟だ。前の俺なら鬱陶しいと一蹴していたところだが、、この身体になってからはどうもそんな気にもならず、コイツの遊び相手をしてやっている。

 

 

「アキちゃんにすっくんー外は寒いからコートを着ていくのよ〜それと7時までには帰ってくることー!!」

 

「分かってるからそんな大きな声をだすな。」

 

 

こいつはこの世界での俺の母親、父親は今仕事で家にいない。

俺は子宮の中にいた頃から意識があったのでわかるが、この両親最初はおれの異質なオーラにひどく驚き、不気味がっていた。だが距離をとるのではなく近づいてきて俺のことを必死に理解しようとしていた。なぜだ?自分の子供だから?これが愛情ってやつなのか?

まぁそんなこともあって両親は俺のオーラにとっくに慣れたようだが、、そう簡単に慣れるものでもないけどな?

 

 

「ぼくもーー行きたいーー!!ねぇお母さん、お兄ちゃんたちに着いて行っていい?」

 

 

「もーしょうがないわねー、いいわよ、すっくんちゃんと面倒見てあげてね?」

 

「やったー!」

 

 

「お前は病弱なんだから家にいればいいだろ。お前は来なくていい」

 

「えっ、、、」

 

 

「はぁ、よせ、アキ」

 

 

「、、、うん、」

言い忘れていたが俺にはもう1人の弟がいる。名前はタイヨウという。元々病弱で両親がつきっきりになっている。そのせいで両親に構ってもらえないアキから謎に目の敵にされているようだが。

それにしても兄弟ができる感覚は初めて(腹の中で喰われた双子はノーカンで)、こいつらを守りたいなんて庇護欲が湧いてきた程に俺にとっては新鮮だった。

虎杖悠二の言っていたような道を辿れているのだろうか?

 

3人で俺を中央に手を繋いで公園につながる道を歩いてゆく。

手、、温かいな、、

 

 

「にーちゃんの手、温かーい!」

 

 

「、、、クッククッハ!ハッハハ!!」

 

「?」

 

「いや、俺もちょうど同じことを思ったから笑っただけだ。お前らの手も温かい」

 

 

「エッヘヘ、そうだね!」

 

まぁここは北海道だから冬場は特に寒い。前世でもよく蝦夷の地で熊とかを狩ってたな。今更だがここはパラレルワールドらしい、東京はうじゃうじゃ人が湧いているだろう。今は喰おうとは思えんが。

 

そんなこんなで俺たちは公園についた。

三角形になって野球ボールを順番に投げてゆく。

あ、アキが初っ端からぶっ飛ばしてきた。上空30mか余裕だな。

俺は垂直に30m跳躍してボールを取る。この世界でも前世のスペック、術式を受け継いでいる。御厨子も使えるし、破格すぎるなもはや人外だ。

五条悟を殺した“あの”斬撃を使えないのはいただけんが。

 

「やっぱすげー!」

 

「!!????」

 

「お前は初めて見たか、俺は見ての通り最強だ。安心するがいい」

 

 

「「すっげ〜〜〜!!」」

 

 

褒められるのは存外悪くないものだな。

 

 

「いくぞ」

 

 

本気で投げると死にかねないので大分力を弱めた投球をする。

 

 

「にいちゃん絶対手加減してるでしょー?本気だして!」

 

 

「クックク、クハハ!よいぞ、この球を取ってみるがいい!」

 

少々、力を入れすぎて300mくらい飛んでいった。そのボールをアキが追いかけてゆく。

 

 

「うわぁー!森の方まで飛んでいっちゃったよ」

 

 

 

 

 

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

 

 

 

 

アキは雪がまばらに降り積もる暗い森をぐんぐんと進んでゆく。

 

「あれ、」どこらへんに落ちたっけな?」

 

 

「見つかんないなぁ」

 

枯れかけた腰ほどの高さのある草を掻き分けながら、進む。

ボールを探しながら歩いていると突然何やらバキバキという音が聞こえ始めた。

(なにか、、、、いる?)

怪訝に思うとともに少しの好奇心を胸に抱いて歩いてゆく。

するとアキから50m程先に灰色の2m以上ある毛むくじゃらの動物らしきものがエゾシカを喰らっていた。

 

(あの動物なんだろう? 、、熊?だとしたら逃げなきゃ、)

 

 

この時、前方に気をとられていたアキは気づけなかった。もう一体が後ろから近づいてきていることに。

 

そろりそろりと徐々に距離が縮まり、両者の間はもう20mほど。

 

「シィャャャ!」

 

その動物は後ろ脚で地面を蹴り、一気に間をつめてきた。

鳴き声でようやく振り向いたアキは驚いてそのまま後ろに倒れ込む。

 

 

「うわゎゎゎゎ!!!」

 

ガブッ その動物は振り向いたアキの肩に齧り付いた。

勢いよく赤色の鮮血が宙を舞い、まだ足跡もついてない綺麗な雪をその色に染める。

動物の鋭く尖った牙がアキの肩にさらにのめり込む。

 

ブシャャャーーー

 

 

アキはどうにか身を捩って抵抗するが子供の力じゃどうにもならない。

 

「あああぁぁあああ!!!」

 

(痛い、痛い、痛い、痛い!)

 

激痛が全身を走るが、意識も段々と遠のいてゆく。

 

(血が、、、怖い、、、助けて、、、にい、、ちゃん)

 

 

もう痛みすら感じなくなってきていた。

アキは自分の死を悟る。血がこべりついた顔は恐怖で染まる。

 

 

「不愉快だ。  死ね。」

 

 

ザシュッザシュザシュ

 

 

「遅れて悪い、俺のミスだ。まぁ、後は安心しろ。」

 

産まれた頃から聞いているいつもの声が聞こえる。だがその言葉には明確な怒気をはらんでいた。 

恐怖から閉じてしまった目をゆっくり開けるとそこには自身の兄がいた。

 

「にいちゃ、、」

 

そこでアキの意識は途切れる。

 

 

 

 

 

アキを1人で森にいかせるのはどうかと心配になってきてみたが、それは正解だったようだ。

これについては調子に乗って本気だした俺が悪い。、、、、すまん。

だがそんなこと今はどうでもよい。

反転術式を使って血が滴る肩を治す。みるみるうちに傷は塞がってゆく。アキはどうやらアライグマの悪魔に襲われたようだな。

悪魔、、、何度か見かけたが、周りに人がいたこともあって交戦できていなかったがいい機会だ。

俺は今もエゾシカにしゃぶりついているもう一体のアライグマの悪魔に向かっていく。

うむ、殺気にあてられて硬直しているな。ちょうどいいサンドバック。

勢いをつけて呪力を加えた蹴りをかますと、悪魔は血を吐いて息絶えた。

なんというか、、脆い、脆すぎる。心底失望する。なんて前世の俺は言うかもしれんが、今はどうでもよいな。殴打攻撃が悪魔に効くと分かっただけで十分。悪魔もピンからキリまであるそうだが、平穏に生活していれば、まずまず、そんな強い相手と会うことなどないだろう。まぁ、強い相手とやりあったとしても負けることはないだろう。

 

 

 

 

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

 

 

 

 

目が覚めると自分のベッドに眠っていた。隣にはにいちゃんがいる。さっきのは夢だったのかな?

ふと肩を触っても昨日と変わらない。やっぱり悪夢だったか。

 

「おはよう、どうしたの?隣にいるなんて。」

 

 

「あぁ、突然で悪いが昨日悪魔に襲われたのを覚えているか?」

 

 

「え、悪魔ってなんの話?悪魔は知らないけど灰色の熊に襲われる夢をさっき見た!本当に怖かった。」

 

思い出すだけで苦しい、辛い、痛い。なんで夢でもこんな苦しい気持ちになるの?もう、、眠れる気がしない。

 

 

「いや、だからな、お前は実際襲われたんだぞ。タイヨウとか両親にはバレてない。疲れたから眠ったんだと説明しといた。」

 

 

「えっ?じゃあなんで肩の傷は治ってんの?」

 

 

にいちゃんは、はぁとため息を一息ついてから堪忍したように話す。

 

 

「この話は絶対、俺達以外の奴には漏らすなよ。絶対だぞ。いいか?」

 

 

「う、うん。」

 

凄い念を押してくるけど、よほど重要なことなのか。俺は緊張で瞬きをぱちぱちしてしまう。

 

「いいかよく聞け、俺は致命傷を負っても治せる術をもっている。あと、斬撃を飛ばしたりもできる。」

 

 

 

「え?、、、?????????」

 

 

流石の俺でも分かる。そんなこと"普通"はお伽話とかの話に出てくるような非現実で幻想でしかないもの。でもそれと同時に納得もできた。他の人とは違うあの圧倒的なまでのオーラ。人外だといわれても信じてしまうほどに。

にいちゃんは一体何なのか?そんな問いが頭をよぎるがすぐさまかき消す。

もし自分の発言でにいちゃんが離れていってしまったら?それは嫌だ

もしにいちゃんが本当に人外だったら?そうだとしたら知りたくないし、認めたくない。

 

「あぁ、言っておくが俺はちゃんと人間だぞ。」

 

それを聞いて少し安堵する。

 

 

アキの頭の中は困惑、恐怖、安堵、納得、心配の感情でごちゃまぜになっていた。

その様子を見かねた宿儺は

 

「俺はお前とタイヨウの兄だ。そのことに変わりはない。以前と変わらないんだ。だから安心するが良い。」

 

それを聞いて一瞬キョトンとした顔になるアキだったが

 

「ぷっはははは!俺は何を悩んでいたんだろう。にいちゃんはにいちゃんのままなんだ。俺の大好きなにいちゃんは何ひとつ変わらない!」

 

 

「ふっ勝手に言ってろ」

 

 

「ちなみに悪魔ってなんなの?俺が襲われたのは?」

 

 

「悪魔はな、人の恐怖によって生まれるものらしい。その恐怖が大きい程強い悪魔が生まれる。そして、アキが襲われたのはアライグマの悪魔だ。俺からすると話にならん程度だったが、普通の人間なら喰われておしまいだな。」

 

 

「へ、へぇー」(にいちゃん強っ、、あの化け物相手に、、)

 

いつの間にか不思議とアキの心の中の悪魔に対する恐怖は消えていた。

 

(確かに悪魔に噛まれたとき痛かったし、怖かった。でも今はにいちゃんがいる。この世界で一番頼れるにいちゃんがだ!)

 

アキは悪魔に対する恐怖を感じない程に、宿儺の姿に目を焼かれていたのだ。もはや、それは憧れであった。

 

「すっくんーあきちゃんーご飯よー!」

 

2人はいつもの日常へと戻っていく。

 

 

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