両面宿儺、チェンソーマン世界に転生する。   作:大山海ジョニー

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銃の悪魔

 

 

 

今日も積もった雪をかき分けて3人で公園へ向かう。

 

いつものようにキャッチボールをする。

 

2年前はにいちゃんと2人でやっていたが、タイヨウは、はんてんじゅつしき?っていう不思議な力でこっそりと治療されてからパッタリと具合が悪くなることがなくなり、それから毎日外で遊ぶようになった。

 

最近はタイヨウとの仲が良好なものとなっている。

まぁ、数年前までは険悪ともいえる程の仲だったが、、、

物心ついた時からタイヨウは病弱で両親が付きっきりでお世話をしていた。“お兄ちゃんなんだから一人で遊びなさい”と言われてろくに構ってもらえない。寂しくて家を飛び出したこともあった。でも、そんな時だっていつもスグルにいちゃんは側にいてくれる。

にいちゃんのおかげでタイヨウとも仲良くなれた。そうゆうことで、俺はなによりも3人で遊ぶ時間が一番楽しいのだ。

 

「あっ」

 

「どうしたんだ?タイヨウ」

 

「バット、家に忘れちゃった、、、」

 

「今日は投げるだけにしておくか?」

 

「いやでも、使いたいじゃん新品のバット」

 

タイヨウが最近買ったプラスチック製のバット、せっかく広い公園を使えるのだからと買ったものだ。

 

「僕が走って取ってくるよ!」

 

「ありがたいが1人で大丈夫か?」

 

「はあ、じゃあ俺がいくよ」

 

「僕!、僕!」

 

こうなった時のタイヨウはもう止まらない。せっかく俺が名乗り出たのになあ。

 

「じゃあ任せた」

 

「うん!」

 

タイヨウは全力で家に向かって走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドドドドッドッドドドド

 

 

瞬間、あたり一面に轟音が響き、強風が横から吹いてきた。

それは圧倒的な暴力。それは“何か”が通った跡。

 

 

「アキ!掴まれ!」

 

「ぐっっ!なんっだ!?」

 

何が起こっているのか分からないが、にいちゃんに掴まる。

 

 

十数秒後にして風が止み、周りが元の静けさを取り戻すと、ゆっくりと目を開ける。

 

「え、、、、、、、、、?」

 

目の前に広がるのは崩れ落ちた家々。見るも無惨な形に変形してしまっている。

 

「嘘でしょ、、なに、、これ、、?」

 

そうして恐る恐る首を曲げて自分たちが来た方向に振り返ると、俺らの家は吹き飛んでいた。そして、ちょうどその玄関があったと思われるところの地面にはべッチャリと深紅のブツが散乱している。

おそらくタイヨウは、、、

 

「ヴぉぉエエェオェェェエエェ」

 

こんなの耐えきれない。唐突な吐き気を抑えることはできず、地に膝をつき、口の中でに酸っぱい匂いが広がる。

 

 

「悪魔の仕業だな、、」

 

「な、、にそ、、、れ」

 

段々と現実を受け入れてゆくと同時に信じられない気持ちとともに絶望に染まる。

なんで、、?なんで、、?なんで、タイヨウと両親を助けてくれなかったの、、?、、にいちゃん。

それでもなによりも信じたいにいちゃんに、一抹の希望を寄せて。

 

「あっあの、はんてん、じゅつしきでさ、蘇生、、とか、でき、、ない、、の?」

 

 

「、、、、、無理だ」

 

「そっか、、、、、」

 

今度こそ、逃げられない絶望が身を襲う。さっきまで嬉しそうに話していたタイヨウが、今は見る影もない。

 

「なんで、、たすけて、、くれなかったの?」

 

「助けに行ったとしても、間に合わなかった」

 

目を開けてから初めて見るにいちゃんは苦悶の表情に染まっている。

それがなにより腹立たしくて。自分の信じていたものを否定された気がして。

 

「最強なんじゃないのかよ、、」

 

「、、、、、、、、」

 

 

にいちゃんなら世界を救えるとそんな大それた理想をにいちゃんに抱いて、なにもできないままの自分が1番腹立たしい。

守ってやらなければならないタイヨウを守れなかった。

途端に堪えていた涙が滝のように溢れ出す。子供には背負いきれない程の激情が身体をめぐる。

 

 

 

 

★★★★★★★★★★★★

 

 

 

家に戻るとタイヨウに加えて両親の遺体も見つかった。今は、数少ない関係者で集まって葬式を行った後埋葬されてお墓で眠っている。その後に警報が出され、日本政府が負傷者救助のために警察や自衛隊を総動員した。

 

ニュースで見たがタイヨウや両親を殺した悪魔は銃の悪魔というらしい。

世界中で何百万人もの人を殺したと聞く。

 

今現在は被害者が集まる避難所で暮らしている。でももうすぐにここを離れなければならない。決めたのだ。

 

 

「俺は自立をしなければならない。にいちゃんにはすまないが、これからも甘えて頼っているだけじゃダメだ。」

 

 

「復讐するのか?銃の悪魔に?」

 

 

「っっ! ああ、そうだ。 公安に入って銃の悪魔を殺す。」

 

 

「、、、わかった、それがお前の歩む道か、、お前のそれは完全に決意した時の目だ。止めても無駄なんだろう。ただひとつ、強く生きろよ。」

 

「ああ」

 

 

案外あっさり許してくれるんだな、こんな年齢でデビルハンターになろうってのに。いかにもにいちゃんらしい。

実はあの件から数ヶ月くらいはにいちゃんとあまり話していない。前までの和気藹々とした雰囲気はどこにもない。だけど、今ももちろん大好きだし、離れるのは嫌だ。でも仕方ない、これは過去の甘ったれていた自分との決別なんだ。

 

 

「じゃあ」

 

「ああ」

 

そのまま、とぼとぼと避難所を出ていく。顔を俯かせて、涙を浮かべながら。

 

俺の心はすでにぶっ壊れている。自分で自分を追い込み、感じていた幸せを手放して、暗闇を彷徨っている。でも強くならなければ、、なによりも幸せを失うのが怖い。これ以上幸せを失いたくない。

 

幸せ、、? 幸せってなんだ?

わからない、、、わからない、、、わからないよ!

 

にいちゃん、、にいちゃん、、俺はどうすれば良かったんだ?

 

 




次回からは宿儺視点中心で進めていきたいと思います。
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