YoutubeやらVRCにやらうにつつを抜かして気がつくと11月…終わっておる。すんません。マジで。反省しています。
でも投稿頻度は低いままです許してほしい。
しばし考え込むように視線を落としていた取材班の生徒が、ふと顔を上げた。
「では、ティーパーティーにいじめを対処させては? ティーパーティーならば貴族階級は愚か、その上の財閥主の家系の生徒もいるでしょう。無理に正義実現委員会に対処させようとはせずに、適材適所で……」
まぁ、ふつうはそういうかんがえになるんだろうが…
「……そのティーパーティーの生徒が、いじめの加害者の大半を占めているっていったらどうします?」
空気がわずかに止まる。
「え?……あぁ〜……それは確かにまずいですね〜……」
苦笑とも困惑ともつかない声。ペンの先が宙で止まったまま、彼女は眉を寄せる。
「ティーパーティー所属の生徒が対処すべきいじめを、ティーパーティーの生徒自らが率先して行い、頼みの綱の正義実現委員会は権力差を恐れて手出しができない」
くちにしてて、改めてトリニティのクソさが実感できるな。
「私が治安維持に不満を持った理由が、わかっていただけたと思います」
言い終えると、彼女は難しい顔をしたまま、ゆっくりと息を吐いた。
「……まあ、理由は把握いたしました。でも疑問が残りますね」
手帳を閉じることなく、視線だけをこちらに向ける。
「なぜ、決闘という方法を望むのです? 普通に訴えればいいじゃないですか」
ごもっとも。
「普通に訴えて、どうにかなるほど簡単な問題でもないでしょう?」
机の上のペン立てに目をやりながら続ける。
「第一、この問題が表立って広まっていないのは、そういう訴えを揉み消されてきたからなのではないでしょうか」
「それは……確かに。だから決闘。無理にでも大事にして、無視させないと」
「そうですね」
いけそうか。訴えるために決闘をするというのは多少無理のある主張かと思ったが、案外いけそうか。
「しかし……」
彼女は姿勢を正し、こちらを見据えた。
「大事にするには少々壁が高いですね。ただ決闘を申し込んで負けた、というだけでは誰も注目しません。少なくとも接戦。できれば相打ちくらいにまで持っていかねば、注目なんて浴びれない。そこはどう考えていますか?」
「ああ、それはご心配なく」
即答する。
「何か作戦でも?」
「作戦というか……」
私は軽く笑った。
「こう見えて、私強いんですよ?」
”こう見えて”
「強い、ですか。キヴォトスではよく聞く言葉です。自称強者は、何度も見てきました。みなさんちょっと強いくらいでいきがっている人たちでしたが」
チンピラどもとかか。
「私もそうであると?」
「まあ、今のところ」
「うーん……私ってそんなに弱そうですか?」
彼女は、すこし顔をしかめて
「強そう弱そうの話ではなくってですね」
「?」
彼女は手帳をめくり、一枚のページを指で叩く。
「あなた、銃の扱いが恐ろしく下手くそでしょう? 至近距離でないとまともに当てられないくらいに」
ん?
「それをなんで知って……ああ、私の中学時代のデータを事前に見ていたんですね?」
「そうです。取材班ですから。事前の情報収集は基本です」
主張についての取材で相手の射撃制度まで調べるとは。仕事って大変なんだな。
「まあ確かに、あなたの言うとおりに私は銃の扱いが下手です。しかし、銃が下手=弱い、というのは違いますね」
「どういうことです?」
「私の使っている銃。アンツィオ20mm砲ですが、私はこれでどうやって戦うと思いますか?」
「どうって……ビルとかの上から狙撃とか?もしくは引き撃ちとか」
私は口元に笑みを浮かべる。
「ふっふっふ。私の戦闘スタイルはそんなものではないのですよ」
椅子に深く腰掛け直す。
「私の戦闘スタイルは接近戦。サブマシンガンやショットガンと同じ間合いでの戦闘を得意とします」
「接近戦? スナイパーで?」
うわぁ…って感じの顔。
「あなたが言ったんじゃないですか。私は至近距離でないとまともに弾を当てられないって」
「それはそうですが……なんでまたそんなことに……」
「タフなんですよ私」
「タフ? 弾が効きづらいと?」
「そうです。だから、相手の弾を耐えながら接近して、このバカみたいな威力の弾を相手に当てられる。それが私の戦闘スタイルです」
馬鹿を見る目をしている
「確かにアンツィオくらい威力の強い銃ならば、たいていは一発で勝負がつくんでしょうが……すごい戦い方ですね。それこそ、決闘を申し込もうとしている剣先ツルギのような戦闘方式です」
「そうですね」
二丁のショットガンを持ってる剣先ツルギもおかしいし、普通で勝てないのはわかりきってるしな。
「なので、当日はほぼ至近距離での撃ち合いになるかと」
「見ものですね」
彼女は口元に笑みを浮かべる。
「確かにそれならば、視聴率も取れそうなのでこちらとしてはありがたいです」
「決まりですね」
規制がかからないことを祈ろうか
「ええ。この企画、正式に進めても良さそうだと判断しました」
「ありがとうございます」
軽く頭を下げる。
「まだ企画の実行が確定しただけなので、すぐにとはいきませんが、できるだけ近いうちに決闘はできそうです。期待しておいてください」
「わかりました」
頷くと、彼女は手帳を新しいページに開いた。
「では、企画部に持っていくために、もう少し詳しく当日の動きについて話し合いましょうか」
その後も、机を挟んでの打ち合わせは続いた。
正義実現委員会への事前通達の文面、番組内での扱い、当日の段取り。取材班の担当者はページをめくりながら一つ一つ確認し、私はそれに頷き、時に短く意見を返す。
「正義実現委員会へは、決闘はあくまでエンターテインメントである、と伝えます」
彼女はそう前置きしてから、ペン先で手帳をなぞった。
「その代わり、番組内で正義実現委員会の宣伝を行う、という形で調整します。それなら向こうも断る理由は薄いでしょう」
「わかりました。向こうも人手不足極まってますし、おそらく承諾してくれることでしょう」
私は素直にそう言った。
当日の動きについても話し合いは進み、最終的に場所は正義実現委員会の戦闘訓練場と決まった。
「訓練場なら設備も整っていますし、映像も撮りやすい。安全面の管理もしやすいですから」
「異論はありません」
そう答えた直後、確認のためにと彼女がその場で正義実現委員会へ連絡を取った。手際よく端末を操作し、簡潔に要件を伝える。
私は黙ってその様子を眺めていた。
少し待たされるかと思ったが、返答は意外なほど早かった。
「……はい。ありがとうございます」
通話を終えた彼女は、こちらを見て小さく笑う。
「許可、あっさり下りましたよ」
「早いですね」
「ええ。宣伝になるという点が大きいのでしょう。人手不足の解消に繋がるかもしれませんし」
決闘の条件も、その場で整理された。
「ヤラセ、八百長なしの一本勝負」
彼女は確認するように口にする。
「各種火器と装備の持ち込みは可。ただし、装甲戦車や巡航ミサイルなどの過剰な兵器の使用は禁止。毒ガス兵器や大量のドローンなどの戦術兵器も同様に禁止。あくまで個人同士の決闘、という枠を守っていただきます」
「問題ありません」
「制限時間は特に設けません。決着は、どちらかの降参、または戦闘不能をもって成立」
「了解しました」
日程は未定。企画の進行状況を見て追って決定。
決闘を主とするため、リハーサルなどは行わない。
「あなたの情報も、決闘が始まって初めて公開されます」
彼女はそう付け加えた。
「番組放送開始までは、“謎の生徒が正義実現委員会に決闘を申し込んだ”という形で情報を拡散します」
「それでお願いします」
打ち合わせはそこで一段落した。
……いいのではないだろうか。
視聴率そのものには興味はない。だが、直前まで私だと正義実現委員会に知られないというのは好都合だ。
私の戦術は初見殺しが主。
対策を練られては意味がない。
「ひとまず、こちらで進めます」
担当者は手帳を閉じ、そう告げた。
「追加で確認事項が出ましたらご連絡します」
「わかりました」
椅子から立ち上がる。
これ以上ここに用事はない。
軽く会釈をして、取材班室の扉へ向かう。
背後で紙を整える音がしたが、引き止める声はなかった。
私は静かに部屋を出た。
番組の打ち合わせ、というものを私はこれまで経験したことがない。
だから断言はできないが――こんなにもあっさりと終わるものなのだろうか。
クロノスの廊下を歩きながら、私はふと天井を見上げた。蛍光灯の白い光が無機質に床を照らしている。足音がやけに大きく響くのは、校舎が会社のような造りをしているせいか、それとも私の気持ちのせいか。
カイザー理事がクロノスにどんな風に根回しをしたのかは知らない。だが、今日の打ち合わせは、まるで最初から結論が決まっていたかのように、するすると進んでいった。
企画内容。決闘の条件。宣伝の文言。
どれも滞りなく、反対もなく、淡々と。
「……まあ、私が深く考える必要はないか」
小さく独り言をこぼす。誰もいない廊下に、自分の声がやけに乾いて響いた。
考えすぎても仕方がない。私は駒であり同時に当事者でもあるが、裏側の事情まで背負う義務はない。
それよりも。
それよりも、だ。
自動ドアを抜け、外の空気を吸い込む。冷たい風が頬を撫で、頭の熱を少しだけ冷やしてくれた。
目下、早急に解決しなくてはならない問題がある。
明星ヒマリ。
あれだけ突き放した。関わらないでください、と明確に言った。あの場でできる限りの線引きはしたはずだ。
流石に、もう関わってこないだろう。
……そう思いたい。
が、
「善人ってのは、簡単には折れないんだよな……」
思わず、ため息が混じる。
アビドスの生徒たちで学んだことだ。あれは特殊事例なのかもしれない。だが、困っている人間を放っておけない性質というのは、想像以上に厄介だ。
明星ヒマリも、あの手の人間だ。
理屈で引き下がったとしても、内心で納得しているとは限らない。
何よりまずいのは――ミレニアムの生徒に知られた、という事実。
噂というものは、一度広まれば取り返しがつかない。
真偽など関係ない。尾ひれがつき、脚色され、いつの間にか原形を失う。
明星ヒマリは、他人に言いふらすようなタイプには見えなかった。むしろその逆だ。だが、濁して相談くらいはするかもしれない。
それが連鎖すれば、十分に面倒なことになる。
「杞憂で済めば、それが一番なんだけどな」
そうでない場合が、まずい。
だからこそ、できるだけ手は打っておきたい。
……とは言っても。
「何をどうするって案が、あるわけでもないんだよな」
明星ヒマリに今後関わらない。それは大前提だ。
問題は、アビドス。
もっというと、黒見セリカ。
ミレニアムに、私を助けるよう手紙を送った張本人。
あれはさすがに想定外だった。
「早めに止めさせないと……」
黒見セリカは、相当にピュアな人間だ。本気で言えば、やめてくれるだろう。強く否定すれば、きっと引いてくれる。
それがわかっているからこそ、余計に心がざわつく。
あの子は、悪意がない。
純粋に、助けようとしているだけだ。
だからこそ厄介だ。
「……私を助けようとするな、って。ちゃんと言わないとな」
アビドス生全員に、もう一度。
これは私の問題だ、と。
巻き込む気はない、と。
言葉にしなければ伝わらない。
いや、言っても伝わらないかもしれない。
小鳥遊ホシノがいる限り、私が何度言っても、関わろうとしてくるだろう。それはもう、半ば諦めている。
それでも。
「せめて、ミレニアムにまで助けを求めるのはやめてもらわないと」
私の平穏な学校生活のためにも。
私が不幸である、などという物語を勝手に作られては困る。
「そもそも事実じゃないしな」
私は不幸ではない。
少なくとも、自分ではそう思っている。
だからこそ、その前提が広まるのは都合が悪い。
余計な波紋は、広がる前に止める。
いやまぁそこまで大層な問題でもない。
しかし現状私が心血を注ぐべき問題が行き詰まっている以上、それを忘れるくらいの没頭物が転がっているのに対処を先送りにするわけはないというだけだ。
半年以上経てばねぇ、文体は結構変わるんですよ。もっというと口調が微妙に変わった。少し柔らかくなった感じがするようなしないような。「〜だがな」が「〜だけどな」に変わったくらいなんだけども、私にとっては結構描いててわかりやすい。
いい変化なのか悪い変化なのかわからないけども心境とか環境とかが大きく変わったから物語事態方向性が変わるかもしれない。
今まで私は原作から大きく離れるのが怖かったんですよ。なぜかって私には物語全体を考えるほどのスペックがないから。だから原作開始時点になっても組織構成やキャラクター間の関係性、物語の本筋(先生視点)が変わらないようにしたかったんです。
それは今も同じですが、この先書いていく中でそれが変わるかもしれないということだけ言っておきます。予防線です。私は好き勝手書きますからね。