ミレニアムの秘密の研究室   作:まったり愛好家

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今回、結構支離滅裂です。まともに読まないでいいです。C&C部室でアスナにあった。だけわかればいいです

C&C部室についてからは飛ばすことをお勧めします。


第九話 アンジャッシュ

 ミレミアムへ向かおうと、ビルの一階に降りた瞬間、目の前で一人の生徒と目が合った。

 

 膝まで届くピンクの長髪、青とオレンジの、どこか眠たげでありながら、同時に殺意すら感じる鋭い眼光。アビドス高校の制服に身を包み、胸元には神秘測定器。目に映る数値は、見たこともないほど高い。思い当たる生徒は一人しかいない――小鳥遊ホシノがそこにいた。

 

 「なんで…?」一瞬、疑問が頭をよぎった。そういえば黒服さんが小鳥遊ホシノと契約交渉をしていたな、と思い出す。なるほど、今回の件はそれと関係しているのだろう。

 

 無視して駅へ向かうか、それとも挨拶を交わすか。迷っている間に、小鳥遊ホシノは血相を変え、こちらに駆け寄ってきた。

 

「君!大丈夫⁉︎ あいつに…黒服に、何かされなかった⁉︎ 実験されたり、脅されたり、酷いことされてない⁉︎」

 

 はっとする。え? いや、私は…「はい……まあ…」と答えるのが精一杯だった。肩を掴まれ、怪我や欠損がないか体をまさぐられるその表情は、道端で死にかけの子猫を見たときのような、心配と無力感に満ちたものだった。

 

 ん?なんで私がここまで心配されるんだろう。ああ、そうか。多分、小鳥遊ホシノは、私も同じように黒服さんから契約を持ちかけられていると勘違いしているのだろう。

 

 確かに、このビルから降りてくる姿を見れば、そう思うのも仕方がない。ここはゲマトリアのオフィスビルだ。まさかここに住んでいる生徒がいるとは、普通は思わないだろう。

 

「あいつ……‼︎ 私以外にも…‼︎ こんなに小さな子に‼︎」

 

 次の瞬間、小鳥遊ホシノは怒りに満ちた表情で私を抱きしめた。

 

 小さい子って…あなたも同じようなものだろうに。黒服さんと小鳥遊ホシノの間でどんなやり取りがあったのかは知らないが、どうやら黒服さんはかなり嫌われているらしい。

 

 うーむ、このままではミレミアムに行けない。正直に話すわけにもいかないし、多分、今正直に話したら殺されるだろう。

 

 …よし、嘘をついてやり過ごすしかない。演技経験はほとんどないが、なんとかなるかもしれない。

 

「あ…えと、私は大丈夫ですから…お構いなく…」

 

「大丈夫なわけないでしょ‼︎」

 

 いきなり大声を出すな。びっくりして耳がキンキンする。この子の中では、もう完全に“黒服さんに酷いことをされている子”に分類されているのか。私はまだ何も言っていないのに。

 

「あんな虚な目で降りてきて、何もないわけないでしょ‼︎ 何か、あいつに言われたんじゃないの⁉︎」

 

 眠そうな目と虚な目の区別もつかないのか…。私は単に早起きして眠いだけなのに、どうしてこうなる。しかも頭が痛くなってきた。まだ7時だというのに、目の前で大声を出されると精神的にダメージがでかい。

 

「大丈夫…ですから。大きい声は…やめてください…」

 

「あ…ああ…ごめんね。私は怖くないから。話してごらん」

 

 しつこいな…。

 

「いえないです…どうしても。言いたくないです」

 

 もうダメならダッシュで逃げる。逃げ切れるかどうかは知らないが、とにかく今はその方法しかない。

 

「そう…まあそうだよね…でも! もし何か相談事とかあったら、アビドスに来て! 絶対助けになるから!」

 

 よし、なんとかなった。

 

「ありがとうございます…では…失礼します…」

 

 足早にその場を去る。演技って結構神経を使うものだな。もう二度とやりたくないと思った。

 

 しかし、あの調子だと黒服さん、大きな問題にはならないだろうが、少し大変なことにはなりそうだ。一報入れておこうか。

 

「…………てことだから、頑張ってくださいね」

 

「クックック…これはちょっとやばいですね。帰りに何かスイーツを買っておいてください」

 

「スイーツですか? なんで?」

 

「回復薬です」

 

「回復薬?」

 

「精神的なダメージは甘味で回復します」

 

「なるほど……ご愁傷様です」

 

 まじで小鳥遊ホシノに何をしたのか。人質をとってるレベルの心配っぷりだった。まあ、なんとかするだろう、と自分に言い聞かせ、駅へと向かった。

 

 

 8時半、ミレミアムに到着。校門には部活動のブースが並び、新入生を勧誘している。ここ二日間で慣れたとはいえ、この熱心な勧誘はどうにかならないものか。

 

「おや? 珍しいコンタクトだね」

 

 また声をかけられた。

 

「すいませんが、部活動に入る気は…え? コン……タクト?」

 

「そう、君のコンタクト、何か細工してあるだろう? こういうのは初めて見る。だから珍しいと思ったんだ。どうしたの?」

 

 え? どうしてコンタクトだって分かったの? しかも普通のコンタクトじゃないってバレてる。なぜ…?

 

「なんで分かったんですか? 外から見ただけじゃわからないはずなのに」

 

「ああ、心配しなくていいよ。不備があるわけじゃない。今、私が持っている装置で見たんだ」

 

「それは…どういう装置ですか?」

 

「超絶視界トイレットペーパーの芯さ。この芯を通して見ると、可視光線やX線はもちろん、力の向きや放射線まで観測できる優れものだ」

 

「す…すごい…。トイレットペーパーの芯じゃなければもっとすごい…」

 

「ちなみにBluetoothと自爆機能もついてる」

 

「いや、それは要らないでしょう」

 

 さすがエンジニア部。ここまで高度な装置を作れるのか…。いずれ何か依頼するかもしれない。

 

「それで…もしよければそのコンタクト見せてもらえないかな?」

 

「いやです」

 

「そこをなんとか!」

 

「ダメなものはダメです。諦めてください」

 

「くっ……まあ、いいか。引き留めてすまない」

 

「ああ、では私は行きますね」

 

「機会があったらエンジニア部にも寄ってみて」

 

「はい、では」

 

 

 C&C部室前。

 

「なんていうか……普通だな」

 

 知名度の割に部員は少なく、部室は控えめだ。しかし、立地は一級で、私の諦めたミレミアムタワーの上階にある。相当儲かっているらしい。

 

 特にアポも取っていないが、入っても問題なさそうだ。受付もないし、立ち入り禁止とも書かれていない。よし、入ろう――扉を開けた。

 

 中には三人の生徒がいた。昨日戦った美甘ネル、今回のターゲット一ノ瀬アスナ、そして褐色の巨乳スナイパー。初対面の二人は、入ってきた私を敵かどうか品定めするように見つめる。

 

 美甘ネルは、私だと分かるとぴょこぴょこと近づいてきた。

 

「よぉ、昨日ぶりじゃねえか。どうした、依頼の日は明日だろ?予定変更か?」

 

「いいえ、今日は依頼ではなく、個人的な用件です」

 

「?」

 

「一ノ瀬アスナさんに用があります」

 

「え? 私? なんで私個人? 特殊な依頼か何か?」

 

「まあ、特殊……と言えば特殊です。簡単に言えば、調査に協力してもらいたいのです」

 

「調査? 情報収集とか? ヴェリタスじゃなくて、C&Cに?」

 

「情報収集ではなく、一ノ瀬アスナ個人を対象に調べたいのです」

 

「アスナ個人を調べるって……わけわかんねえな。なんでお前がそんなことする必要あるんだ? 敵対するわけでもないだろうに」

 

「私が神秘研究同好会を立ち上げたことは知っていますね? 同好会の活動として、キヴォトスの生徒の神秘を測定しているのです。数人、特に気になる生徒がいて、その生徒に直接訪問し、調査を行う――それだけです」

 

「…なるほど。要は、アスナに気になる部分があるから調べたいってことか?」

 

「その通りです。具体的には身体能力、戦闘力、その方法、場合によっては血液サンプルの収集ですね」

 

「…なんでそこまで?」

 

「調べなければわかるものもわかりませんから」

 

「ああ、言い方が悪かったな。お前はなんで神秘を研究したがるんだ? 入学三日目だろ? 初日に部室申請、次の日には私と戦い、今日はアスナの調査。行動が早すぎる」

 

「…確かに入学早々いろいろ動きました…えっと…言ってもいいんでしょうか…ちょっと確認しますね」

 

「確認? 前にも言ってた企業秘密ってやつか?」

 

「まあそんなところです。契約情報の中で、代償・契約者名・特定につながる情報は第三者に流出させる場合、双方の許可が必要……それ以外なら話せます」

 

「契約してんのか?」

 

「まあ、そんなところですね。で、何が聞きたい?」

 

「お前が神秘を研究したい理由だ」

 

「理由…ですか。少し長くなりますが…」

 

「いいから」

 

「わかりました。皆さんは神秘をどう認識していますか?」

 

「神秘? うーん、あたしたちの頑丈さとか、身体能力とか、キヴォトスの生徒をキヴォトスたらしめる力……ってくらいか?」

 

「私は、神秘属性の生徒がよく起こす不思議現象の源って感じ」

 

「……え? 私もか。そうだな、キヴォトス各地に眠るオーパーツとかのエネルギー源……とかか」

 

「そうですね。一般的には、キヴォトスの生徒の力や不可思議現象の源、オーパーツの動力源です。これらは、キヴォトス外には存在せず、現在の科学では解明されていません」

 

「まあ、そうだな」

 

「キヴォトスには、これらを研究する部活や組織が多くあります。ミレミアムにも特異現象捜査部があります。しかし、行動に制限がかかる場合が多く、深く踏み込めないのです」

 

「制限?」

 

「例えば、私の研究分野には、生徒の身体に翼や耳を生やすものがあります。ゲヘナやトリニティの生徒のように、人間以外のパーツを手足のように動かせる体を再現する研究です。これ、ミレミアムでできると思いますか?」

 

「無理だな。人体実験そのものだ。薬の治験とは違い、体に翼を生やすなんて、志願者がいない」

 

「そう。それゆえ、踏み入った実験や検証は難しい。だから、オーパーツや古い契約書など、より安全な研究対象を扱う組織が多いのです」

 

「当然だな」

 

「しかし、自分自身で実験すれば、自己責任で行えます。誰からも文句は言われません」

 

「……なるほど」

 

「私の耐久力、というより回復力を利用して、可能な限り踏み入った実験を行い、データを集めているのです」

 

「回復力?」

 

「そう。昨日私は、耐久力だけならキヴォトス一、と言いました。あれは身体の頑丈さを指すのではなく、私の超回復によるタフさわさしてたんですよ。その気になれば、欠損した四肢も再生します。それを再現する方法を模索しているのです」

 

「……なんだそれ……」

 

「クックック。見せましょうか?」

 

「いや、やめろ。……なるほど、自分なら実験しても問題ないと」

 

「まあそんなところですね。ですが、再生能力だけではどうにもならないこともあります。全てを自分で実験するのは現実的ではありません」

 

「じゃあ現実的な方法は?」

 

「ラットにヘイローをつけて実験します」

 

「ラットにヘイロー……できるのか?」

 

「まだ不確定ですが、キヴォトスでは巨大ロボット兵器にもヘイローを付けています。機械につけられるならラットにも可能でしょう」

 

「……なるほど。で、結局目的は?」

 

「神秘能力の解析と再現です」

 

「ふむ……なるほど、理解した。お前わりかし話が脱線するな」

 

「あー、確かに。自重します」

 

「よし、アスナ、話は終わったぞ」

 

「ん〜? 終わった?…ふぁ。結局目的は?」

 

「君の能力を調べ、他でも応用可能にすることです」

 

「あー、そういうことね。難しい話だったけど、目的はまともだったんだ」

 

「失礼な」

 

「まあ、あれだけ物騒なこと言ってたからな」

 




深夜テンションで会話パート書いたから結構ヤバ目。何言ってんのか私でもわからん。でもせっかく書いたから投稿する。

前半だけ覚えてくれればいいです
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