傑くんはさとりちゃんと付き合いたい!   作:かりん2022

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さとりちゃんはめちゃかわプリンセス

天内理子の護衛依頼。

伏黒甚爾に倒されて、天内理子の死体が盗まれて、夏油傑は気絶していた。

 

「ぐっ」

 

 携帯が鳴るように呪霊の反応を感知して、夏油は目を覚ました。

 起き上がって呻く。さぁっと血の気が引ける。

 やばい。やばいやばいやばい。

 こうしてはいられない。

 

夏油傑は優等生である。

そんな夏油が、初めてサボりをした。

それも重要な局面で、である。

呪霊を出し、扉を開く為に大量の呪力をチャージする。

それとは別に、呪霊達を混ぜていく。

 

「いやっ いやぁっ さとりっ」

「ああ? やっぱお前ら、出来てんのか」

 

 泣きじゃくる女の子の声。

 女に伸し掛かる見覚えがありすぎる男に、夏油は思いっきり渦巻きをぶっ放した。

 

「傑っ」

「すぐり。無事だったかい?」

「うんっ こわか、怖かった」

 

 女を守る為に、さっき殺せなかった相手を殺せてしまった事に呆然とする。何故理子ちゃんの為にこれが出来なかった。

 自分を嫌悪しつつも、泣きじゃくるすぐりを抱き寄せ背を撫でる。柔らかい可愛いエロい。

 くっ 治れ私の健全な男子高校生! これは並行世界の自分だぞ! 元カノでもあるけど!!

 だってしょうがない。並行世界の自分がウルトラ可愛かったから。夏油が女体化したってこうはいかない。

 それほど夏油すぐりはウルトラ可愛かった。

 さりげに落ちていた注射器を回収して上着に入れる。あとで硝子に解析してもらわないと。

 

「なんだ、お前ら、双子だったのか」

 

 ハッとして甚爾の方を見る。

 腕と腹が抉られているご様子。それでよく喋れるな。

 

「トロフィーをやるよ。俺の子供が数年後に売られる。女は子供育てんの好きだろ」

 

 そんな勝手な事を言って、男は事きれた。

 

「私、理子ちゃんを守れなかった」

「私もだよ」

 

 傑とすぐりは、同じ呪霊を使って文通する仲だった。誰にも内緒な、彼らだけの甘美な秘密だった。一時期は彼氏彼女の仲にもなった。さとりに全力で反対されて別れたが、それはそれで並行世界の自分であるすぐりが並行世界の悟であるさとりにとても想われているという事なので、嬉しかった。

 

「私はさとりを助けに行く。すぐりはこの携帯で悟に助けを求めるといい」

 

 さとりは写真で見た他は話を聞くだけだが、ハイパーウルトラスペシャル美女で可愛かった。もう一人の悟でもある。守りたいと思うのは当然だった。可憐で、しかも気高く強く美しい天使に心を射抜かれない男がいるはずがなかった。

 

「でも」

「私は呪霊がもうないんだ。甚爾も生きてる。悟のために渦巻きを使って欲しい。大丈夫、二人がかりなら勝てるよ」

 

 その言葉に、すぐりはこっくり頷いた。

 

 こうして、私達は入れ替わったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 一応夏油が二人いると推察されないように服も入れ替えたのだが、ダボダボしたシンプルなワンピースがすぐりの好みで良かった。

 ぎゅうぎゅうだがなんとか入ったし、それほど変ではない、と思う。下着は捨てた。流石にブラとレースのパンティーは無理。それ以前に物理的に入らない。

 だが今は贅沢をいっている場合ではない。とにかくさとりの様子を見にいかねばならない。

 

 

 

 

 

 

 

「くっ はな……」

 

 天元様のところを出ると、攫われようとする女の子がいた。さとりだ。

 写真を見ただけだったが、すぐにわかった。さとりの美しさは常軌を逸していた。

 体は華奢で、胸は大粒の桃のよう。光り輝くような美貌だった。

 それが血濡れなのだから、胸が痛んだ。傷は反転術式で癒えたようだが、まだ動けないようだ。

 転がるのは注射器。怒りと心配の気持ちが噴火のように湧き上がる。

 気合いを入れろ。すぐりからさとりを任されたんだ。さとりは女性。男である夏油が守らねばならぬのだ!

 

「さとりを離してもらおうか」

「誰だお前」

「すぐりに決まってるだろ!」

 

 夏油は、さとりを攫おうとする補助監督の格好をした不審者を思い切りぶん殴った。

 

「さとり……ごめんね。依頼は失敗してしまった。すぐに硝太の所に向かおうか」

「すぐり……? 違う。誰だお前」

「なんでもいいよ。早く行こう。その注射器も心配だし、急ごう」

 

 夏油は一発で看破するさとりに嬉しく思いつつ、さとりを抱き上げ、こちらの硝子の元へ急いだ。

 それから、せっせとばら撒かれた呪霊を倒していった。さとりのウルトラ可愛い美貌に上がったテンションと、湧き上がる心配が何かをハイスピードでこなさずにはいられなかったのだ。

 うおおおお!!!! さとり可愛すぎる!!!!! プリティーの具現化だろ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、呪術界に激震が走っていた。

 可愛く可憐なおにゃのこがイケメンゴリラに変わっていたらそりゃ驚愕する。

 性別が変わるだけで体積がそんなに増えるもんなんです……?

 

 なんなら依頼の失敗よりも衝撃を持って迎えられた。

 汗と血でドロドロになった夏油が男湯へと向かった瞬間、後輩の壁が立ちはだかった。

 

「どこ行くんや痴女!」

「えっと、今の私は男だから、男湯かなって」

 

 突如ポップした3人目の後輩(多分)に突っ込まれる。だがしかし、さとりと入ったら私は間違いなく間違いを起こす。なので仕方がないのだ。別に私は男体化したとかではなく、普通に男なので、箱入りお嬢様な美女とお風呂に入ったら普通に犯罪である。訴えられたら確実に負ける。百%負ける。

 灰原はしばし目を閉じて、考えて決断する。

 

「わかりました! 一緒に入りましょう、すぐり先輩! 男の体の洗い方をお教えします! でも恥ずかしいので目隠しはしてくださいね!」

「助かるよ、灰原」

「灰原ぁ! 何言ってるんですか!!」

 

 七海が盛大にツッコミを入れる。

 

「はっ とーじくんにやられた割には元気やん」

「彼との間には何もなかったよ。幸いにもね」

 

そのはずである。多分……。仮に何かあったとしても、その時は自分が責任をバリバリ取るつもりである。

さとりも好きだが、夏油は並行世界の自分も好きなのだ。ナルシストという勿れ。本当にすぐりは可愛いのだ。

傑が女体化しても女ゴリラになるだけだろうが、すぐりは可憐な百合の花なのだ。

 

「おーい痴女。離れを借りといたから、そこでさっさと風呂入って来い。さとりが起きてお前いなかったら動揺するだろ。ほれ着替え。あと、解毒剤五条が起きたら飲ませとけ」

「それはそうだね! 急いでお風呂入ってくるよ。ありがとう硝太」

 

 流石は並行世界の硝子。頼り甲斐があるったらない。

 私はお風呂に入り、新品の服に着替えて、さとりの横に移動した。

 そして、夜に入れ替わろうと手紙を書いて呪霊に託す。

 しばらくして、了解という手紙が届いた。

 無事だったかとホッとする。

 

 

 しばらく待っていると、さとりはガバッと起き上がる。

 

「すぐり!!」

「大丈夫かい、さとり。まずは解毒剤を飲んでほしい」

「すぐりは!?」

「落ち着いて、すぐりは私だよ。それよりも解毒剤を」

「はぁー!? お前がすぐりなわけないだろ!」

 

 さとりの手を取ると、一瞬さとりは頬を赤らめる。

 でもすぐりへの心配が勝つようだ。それはそうだろう。

 

「硝太、さとりに証明するから、しばらく席を外してくれないかな」

「わかった。何かあったら呼べ」

 

 そこで、私は囁いた。

 

「今晩には元に戻るから、安心して。彼女は無事だよ」

「……誰、お前」

「すぐりの元彼だよ。並行世界の自分って奴かな」

「はぁ? ナルシストかよ。すぐりは?」

「私の世界で、悟っていうもう一人の君が守ってくれていると思うよ」

「戻して」

「え?」

「すぐりが食べられる前に今すぐ戻して」

「君は自分自身を信じないのかい?」

「秒で食うに決まってんだろ、今すぐ戻せ」

「それは男を信じなさすぎだよ」

 

 悟は軽薄そうに見えるけど、実際は女の子にすぐ手を出すような男ではない。育ちが良くて箱入りで紳士なのだ。

 そうはいっても、さとりに精神的に余裕がなさそうだったので、私は扉を出した。

 ちょうど向こうからも呪霊の反応があった。良かった。

 

 すぐりが、悟に押し倒されていた。

 私とお揃いの大きなTシャツの上、豊かな胸を揉まれている。

 

「……」

 

 私は元彼女であるすぐりを胸にだき、悟と引き離すべく蹴りを入れた。

 すぐにさとりがすぐりを私から奪う。

 すぐりの事をさとりがぎゅっと抱きしめる。感動の再会だ。

 あっ えっ さとりがすぐりのたわわを掴んでチューして、私を扉の中に蹴倒して……。

 

 すぐりがごめんって顔で呪霊のゲートを閉じた。

 

「なるほど」

 

 私がフラれたわけである。そしてさとりが悟を信用しない理由もわかった。

 同性でも襲ってるなら、それは異性なら心配するだろう。だが心配はいらない。

 悟は紳士で健全な男の子である。

 

「さて、悟。殴られる準備はいいかい?」

「傑っ……!」

 

 くらえ八つ当たりパンチ!

 

 殴ろうとしたのをキャッチされて抱き寄せられる。

 

「悟。無事で良かった」

 

 ぎゅうぎゅうと抱きしめてくる。

 

 ぎゅうぎゅうと抱きしめてくる。

 

「悟ぅ、背骨折れちゃう……!」

「傑! いいよな、いいよな!」

 

 親友が変な扉を開いていた。

 アクセル全開ですぐりを襲ってたのが私になってもブレーキかけられなかったらしい。

 待って私はすぐりと違って女の子ではないんだ。違いをよく見て。

 

 でもわかる。並行世界の私達、めちゃくちゃ可愛いよね。

 悟のことを見ると、さとりを思い出しちゃって直視できなくなったり、悟だかさとりだかわけわかんない状態でとにかくデートしたりエッチしちゃう夢を見たりする。意識だってしちゃう。

 

 私もさとりを襲ってる最中に悟になったら続けたいと思っちゃうよ!

 

 でもその扉は閉じようね! 私は頑張って閉じたんだし、あっ 当たって、ぎゃああああああ!!




マシュマロ
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https://odaibako.net/u/karin2022v
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